JPS6232529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、はさみに係り、特に、はさみ指掛
部材の構造に関するものである。

従来技術 従来、一対のはさみ片の基端側に設けた指掛部
材において、この両指掛部材の互いに当接し合う
部分にゴム等の緩衝部材を取着したり、若しくは
板ばね等の弾性材を取着したりして切断時の衝撃
を柔らげたり、はさみの開放時においてその動作
を助長していたがいずれも別に緩衝部材や弾性部
材を取着しなければならず構成が面倒であるばか
りでなくコストも高くなるという問題があつた。

考案の目的 この考案は上記問題点を解消するためになされ
たものであつて、その目的ははさみの閉じたとき
の感触を柔らげるとともに、次の開放動作を助長
するはさみを簡単な構造でもつて安価に提供する
ものである。

考案の構成 この考案は上記目的を達成すべく一対のはさみ
片をそれぞれ動刃及び静刃とし、この両刃の基端
にそれぞれ指掛部材を設け、この両指掛部材の互
いに当接する面を合せ面とし、前記両指掛部材の
少なくとも一方の合せ面側に透孔を設け、同透孔
と前記合せ面との間の弾性部を形成したことを特
徴とするはさみをその要旨としたものである。

実施例 以下、この考案を具体化した第一実施例を第１
図〜第３図に従つて説明する。

図中１ははさみの動刃、２は静刃であつて、互
いに開閉可能に軸３着されている。

４，５は前記動刃１及び静刃２の軸支部材３よ
り基端側にあつて、前記両刃１，２の開閉を支持
する操作支持片である。

６は前記動刃１側の操作支持片４に固着形成さ
れた合成樹脂製の指掛部材であつて、その後側部
には親指を入れる指掛孔７が透設されている。そ
して、この指掛部材６ははさみを閉じる側の面を
合せ面６ａとし、この合せ面６ａにストツパ突部
８を突設している。

９は前記静刃２側の操作支持片５に同じく固着
形成された合成樹脂製の指掛部材であつて、その
後側寄りには人差し指及び中指を入れる指掛孔１
０が透設されている。そして、この指掛部材９の
指掛孔１０において前記動刃１側の面を把持面１
０ａとしている。さらに、前記指掛部材９の動刃
２側の面を合せ面９ａとし、この合せ面９ａと指
掛孔１０の把持面１０ａとの間に長手方向へ延び
る透孔１１を設け、前記合せ面９ａ側に開閉方向
に弾性的に作用する弾性部１２を形成している。

次にこのように構成されたはさみについて作用
を説明すると、前記両指掛孔７，１０に親指及び
人差し指、中指をそれぞれ入れてはさみを把持
し、このはさみによつて紙及び布等の被切断物を
切断するときには第２図に示すように開放された
両指掛部材６，９に矢印Ｐ方向の力が加えられる
と、第１図に示すように前記動刃側の指掛部材６
に設けられたストツパ突片８が静刃２側の指掛部
材９合せ面９ａに当接し、さらに第３図に示すよ
うに前記透孔１１がつぶれる程度に前記弾性部１
２がその弾性力に抗して押さえつける。すると、
この弾性部１２はそれ自身の弾性力によつて前記
はさみ片を互いに開放するように付勢する。

従つて、このはさみによつて被切断物を切断す
る場合、静刃２側の指掛部材９に設けた弾性部１
２によつて両指掛部材６，９を閉じたときの感触
を柔らげるとともに、次の開放動作を助長し、切
断作業を容易にしている。又、弾性部１２を指掛
部材９に一体形成しているため構造が簡単で製造
コストを安価にすることができる。

次にこの考案の第二実施例を第４図において説
明する。

この実施例においては静刃２側の指掛部材９を
替えたものであつて、１３は第４図に示すように
指掛部材９において前記合せ面９ａに対して半円
弧状に透設した指掛孔である。そして、この半円
弧状に透設した指掛孔１３によつて、同指掛孔１
３内側面と前記合せ面９ａとの間に挾持間隔部１
４が半円状に形成されている。さらに、この指掛
孔１３はその前側部において前記合せ面９ａに対
して後側へ斜状に形成した内側面を把持面１３ａ
とし、この把持面１３ａによつて人差し指及び中
指の矢印Ｑ方向へ力を係止してる。

なお、前記挾持間隔部１４には前記合せ面９ａ
に対してほぼ半円状の透孔１１が設けられてい
て、前記第一実施例と同様に合せ面９ａ側に弾性
部１２を成形している。

次にこの第二実施例におけるはさみの作用を説
明すると、この実施例の指掛孔１３には人差し指
及び中指を前記把持面１３ａに係止するととも
に、薬指及び小指を挿入し、全体として円弧状に
指掛部材を把持している。従つて、前記静刃２を
安定して把持できるとともに、前記把持面１３ａ
が合せ面９ａに対して後側へ斜状に形成されてい
て、はさみを閉じるときの後側へ引きつける矢印
Ｑ方向の力を効果的に支持することができ力が入
りやすく、さらに、挾持間隔部１４が広く形成さ
れているために握りやすい。又、この実施例では
前記挾持間隔部１４を広く形成しているため、透
孔１１をその挾持間隔部１４において自在に設け
ることができ、弾性部１２の巾Ｈを生造時におい
て変えることによつて弾性部１２の弾性力を容易
に代えることができる。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく次のように実施してもよい。

(イ) 前記静刃２側の指掛部材９に透孔１１を設け
て弾性部を形成していたが、これを第５図に示
すように動刃１側の指掛部６に透孔１１を設け
て弾性部１２を形成するようにしてもよい。

(ロ) 前記透孔１１は動刃１側及び静刃２側の両側
に設けてもよい。このようにすれば、はさみを
閉じたときの感触をより柔らげるとともに開放
時の動作よりも助長してくれる。

(ハ) 前記第二実施例に示す静刃２側の指掛部材９
に透設した半円弧状の指掛孔１３は、第６図に
示すように前記合せ面９ａに対してはさみの後
側ほど挾持間隔部１４が広くなるものであつて
もよい。

考案の効果 以上、詳述したようにこの考案は一対のはさみ
片をそれぞれ動刃及び静刃とし、この両刃の基端
にそれぞれ指掛部材を設け、この両指掛部材の互
いに当接する面を合せ面とし、前記両指掛部材の
少なくとも一方の合せ面側に透孔を設け、同透孔
と前記合せ面との間に弾性部を形成したことによ
り切断時において両指掛部材の互いに当接したと
きの感触を柔らげるとともに、次の開放動作を助
長し切断作業を容易にし、かつ構造が簡単で生産
コストを安価にすることができるという優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した第一実施例のは
さみを示す平面図、第２図は同じくはさみを開い
たときの平面図、第３図は同じく弾性部の作用を
示す平面図、第４図は第二実施例のはさみの平面
図、第５図は透孔を動刃側に設けたはさみの平面
図、第６図は第二実施例の別例を示すはさみの平
面図である。 動刃１、静刃２、軸３、指掛部材６，９、合せ
面６ａ，９ａ、透孔１１、弾性部１２、指掛孔１
３。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一対のはさみ片をそれぞれ動刃１及び静刃２
   とし、この両刃１，２を互いに開閉可能に軸３
   着し、前記両刃１，２の基端にそれぞれ指掛部
   材６，９を設け、この両指掛部材６，９の互い
   に当接する面を合せ面６ａ，９ａとし、前記両
   指掛部材６，９の少なくとも一方の合せ面６
   ａ，９ａ側に透孔１１を設け、同透孔１１と前
   記合せ面６ａ，９ａとの間に弾性部１２を形成
   したことを特徴とするはさみ。 ２ 前記透孔１１は合せ面６ａ，９ａに沿つて透
   設された長孔である実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のはさみ。