JPS5811341Y2 - 洋鋏 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 洋鋏は一般に栂指を入れて使え柄の方を動鋏、四指を入
れて使う柄の方を静鋏とし、栂指と四指とに開閉運動を
行なって動静側鋏体を作動して截断作用をするものであ
り、本考案はその鋏において鉄構成部材の両柄部に長短
の差を設け、その各柄杆に同じ形状の鞘体を装着して、
支軸から鞘体の指挿入孔に到る距離に遠近の差を作り、
その鋏を表鋏と裏鋏に使い分けることにより動鋏を静鋏
に、静鋏を動鋏にして支軸から鞘体の指挿入孔に到る距
離に遠近の変更を行なって被截断物に対する裁断目的に
変更することができる汎用性にすぐれた洋鋏を提供せん
とするものである。

従来の洋鋏にタチ鋏の如く栂指を入れる動鋏と、四指を
入れる静鋏とが構造的に既に決定し、動鋏を静鋏に、静
鋏を動鋏に変えて使うことのできない不自由性があり、
また静動両鋏部材が左右対向の同一構造のものにおいて
は支軸と栂指並びに四指を入れる柄部の距離が等距離で
あり鋏を表鋏と裏鋏に使い変えても剪断性に変りがなく
被截断物の材料の厚薄、大小、或いは材質の硬軟に応じ
て剪断力を変えることができない欠点があり、被截断物
の物性に応じて剪断作用の変更ができる洋鋏の開発が求
められていた。

本考案はその要望に答えるものである。

鼓に、本考案の実施例を添付図面により詳述すると、支
軸４で枢支して鋏体に構成する一対の鋏構成部材の柄部
１，１′の一方を長杆２に、他方を短杆３とし、その長
短打２，３を芯体として、形状が等しく、夫々指挿入孔
６，６′を形成し、合成樹脂材を可塑成型して作った鞘
体５，５′を相対向して装着し、鋏体の支軸４と両鞘体
５，５′の各指挿入孔６，６′までの距離り。

Ｄ′に遠近の差Ｄ＞Ｄ’を設けるものであり、符号７．
７′は鉄構成部材の刃部、８は同刃部７に形成したヤス
リ状の粗面部である。

次に、本考案の洋鋏を使用する態様を説明すると、被截
断物が紙の様な薄片を截断する場合には添付図面第２図
に示す如く、支軸４からの距離りが遠い方の鞘体５を装
着した柄杆１側を動鋏にして使用するものがあり、この
状態に在る鋏を表鋏と称する。

この場合支軸４から距離りが他の柄杆のものより遠いた
め両刃部７，７′の開口度が少なく刃先部位で被截断物
の截断が行なわれ、その截断作用はテコの原理により支
点からの距離が長くなって少ない力で押圧すること・な
り被截断物に対する截断作用が軽快に進められる。

次にこの鋏を裏返しにして第３図に示す如く裏鋏の状態
にすると支軸４からの距離Ｄ′が近い方の鞘体５′を装
着した短杆３側を動鋏として使用すること・なり、この
指挿入孔６′に栂指を入れて鋏を使うと刃部７′の開口
部が大きくなり、刃部７に設けたヤスリ状の粗面部８が
刃部７′のスベリをくいとめる働をして刃部７′の奥深
い位置で被截断物の截断が行なわれ、被截断物が厚く、
太くまた堅いものをよく截断することができるものであ
る。

尚、柄杆２，３に長短を作ることなく鞘体５，５′の差
込程度に差を設けて支軸から指挿入孔までの距離に遠近
の差を作ることも亦あるものである。

斯くして一丁の鋏を被裁断物の物性に適応させて動鋏に
なる柄杆を長短両様に使い分けて裁断作用を実行し、多
岐に亙る物材の裁断を可能にして汎用性にすぐれた作用
効果を具備し、極めて有用、かつ進歩した技術考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示すものであり、第１図は
鞘体を装着せない状態に在る本考案の平面図、第２図は
鞘体を装着して表から看た場合の平面図、第３図は第２
図を反転して裏から看た場合の平面図である。 １．１′・・・・・・柄部、２・・・・・・長杆、３・
・・・・・短杆、４・・・・・・支軸、５．５’・・・
・・鞘体、６．６′・・・・・・指挿入孔、７．７′・
・・・・・刃部、８・・・・・・粗面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支軸で枢支して鋏体に構成する一対の鉄構成部材の両柄
   部の各柄杆を芯体にして、その形状が同じであってそれ
   に開けた指挿入孔の大きさが等しい鞘体を相対向して装
   着し、鋏体の支軸と、両鞘体の各指挿入孔までの距離に
   遠近の差を設けたことを特徴とする洋鋏。