JPS62318B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、土圧系シールド掘削機で掘削された
掘削土、固化剤を混合してその掘削土を良質土に
改良する土圧系シールド掘削機における排土改良
方法およびその装置に関するものである。

土圧系シールドの掘削土は、廃棄物処理法、お
よびこれに基く地方公共団体の指導などにより、
これは産業廃棄物の無機汚泥に相当する。無機汚
泥は法に定められた処理場で処理しなければなら
ない。

残土とは、ダンプトラツクに山積して運搬可能
であり、含水率30％以下、若しくは一軸圧縮強度
0.3Kg／cm²以上であることが必要である。

残土廃棄は法規則の対象外である。

従来、この土圧系シールドの掘削土処理には
種々の問題が発生しており、例えば、その運搬中
に道路上に散乱させ交通事故の原因となり、ある
いは土捨場にて流出等による地元住民よりの苦情
の問題を起こしている。

現在、一般に行われている土圧系シールドの掘
削土処理方法は、掘削土に水を加えて泥水処理プ
ラントで処理を行う方法と、産業廃棄物としてバ
キユームカーあるいはベツセルカーで運搬する方
法とがある。

しかし、前者は、その設備費が高価であり、し
かも広い用地が必要となるという重大な欠点があ
る。

後者はバキユームカー等を使用するため、運搬
費が高くなり、また処理費が高く、かつ所望の処
理場が少い、という重大な欠点がある。

本発明は土圧系シールドの掘削土処理に当つ
て、これら従来の問題点を解決せんとするもので
ある。

本発明においては、その掘削土処理に当つて、
その掘削土に、主にセメント系の固化剤を混合し
てこれを良質土に改良する。

土圧系シールド掘削機で掘削するに当つては、
例えば鋭敏比の高い粘性土地盤を掘削する場合
は、撹乱により軟弱化し、また砂質土地盤におい
ては、圧力室内の掘削土に泥水、高濃度泥水、気
泡などを注入して混合するためこれも軟弱化して
いる。

何れにしてもその掘削土は軟弱となつている。

この軟弱な掘削土に固化剤を混合して、前記法
規定の残土とする。

そしてその混合に当つては、シールド掘削機の
排土装置内に、特別の連続ミキサーを連設するこ
とによりこれを行うものである。

しかもこの混合作業はシールド掘削機の掘削、
排土に続いて同装置内で連続して行い、この混合
の終つた掘削土は同装置より外部に取出し、この
改良された良質土はダンプにより所要地に運搬す
る。

次にこれを図示のものに基いて説明する。

図面において３はシールド掘削機の圧力室であ
つて１はその隔壁である。

２は隔壁１に取付けられたケーシングであつ
て、その内部には、シヤフト７に設けられたスク
リユーコンベアー４を装着する。スクリユーコン
ベアー４はそのシヤフト７端に設けられたスクリ
ユーコンベアー４用の駆動モーター８で駆動され
る。

５は連続ミキサーであつて、その中空状のミキ
サー軸６はスクリユーコンベアー４のシヤフト７
の後半に嵌挿される。１２はミキサー軸６に植設
した撹拌翼であり、連続ミキサー５はその軸端に
設けた同ミキサー５用の駆動モーター９で駆動さ
れる。

１０は排土ゲートである。

Ａはスクリユーコンベアー部、Ｂは連続ミキサ
ー部を示し、１１は両部の境界部に設けられたセ
メント系、石灰系、石炭灰、石こうなどの固化剤
の注入口である。

なお、駆動モーター８と駆動モーター９は、こ
れを１個として遊星歯車式の変速装置、ならびに
クラツチを取付けてスクリユーコンベアー４と連
続ミキサー５を駆動するようにしても差支えな
い。

シールド掘削機で掘削された圧力室３内の軟弱
な掘削土砂は、スクリユーコンベアー部Ａのスク
リユーコンベアー４で取込まれ、同コンベアー部
Ａの終端部附近の注入口１１より固化剤をケーシ
ング２内に注入する。

掘削土砂と固化剤とは連続ミキサー部Ｂの連続
ミキサー５内に送られてよく混合される。

連続ミキサー５は、同ミキサー用の駆動モータ
ー９で駆動されるため、スクリユーコンベアー４
の回転に関係なく回転可能であるので、掘削土の
性質により高速回転を必要とする場合は高速回転
を行い混合を充分に行うことができる。

排土の流動性が非常に高い時は排土ゲート１０
の調節によつて排土量を調整する。また連続ミキ
サー内で固化剤と混合された掘削土は固化剤の効
果によりサンドバルブの効果が得られるために排
土ゲート１０部の流砂現象の防止も可能になる。

連続ミキサー５は、スクリユーコンベアー４に
続いてこれに設けてあるので、混合により掘削土
の粘稠度が上昇しても、スクリユーコンベアー４
の作動はこれと無関係に充分に作動するし、また
連続ミキサー５の混合状態は排土ゲート１０部で
目視可能であるので、固化剤の添加率、混合時
間、その回転数などの管理を確実に行うことがで
きる。

本発明によれば、土圧系シールド掘削機で掘削
され、その排土装置のスクリユーコンベアーで排
土される。

掘削土に、これに引続いて一体的に設けた連続
ミキサー部で固化剤を混合して短時間の養生を行
えば容易に規定の一軸圧縮強度0.3Kg／cm²以上の
所謂残土とすることができる。

また、スクリユーコンベアー部と連続ミキサー
部とは、各々別個に独立した駆動部で駆動される
ので、とくに、連続ミキサー部の回転を上げるな
どして、掘削土砂の混合の具合を、適宜、容易に
調節することができる。

そして土圧系シールド掘削機の掘削とともに連
続処理が可能であつて、しかもその設備が極めて
簡単で安価であり、またそのための用地を余り必
要としないで安価な土質改良剤で充分にその目的
を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の縦断側面図、第２図は連続ミ
キサー部の横断面図である。 １……隔壁、２……ケーシング、３……圧力
室、４……スクリユーコンベアー、６……ミキサ
ー軸、７……シヤフト、８，９……駆動モータ
ー、１０……排土ゲート、１１……注入口、１２
……撹拌翼、Ａ……スクリユーコンベアー部、Ｂ
……連続ミキサー部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 土圧系シールド掘削機で掘削された掘削土
   を、同機のスクリユーコンベアー部で後方に送
   り、同部と一体的に続いて設けられかつ同部とは
   別個に独立して駆動される連続ミキサー部で投入
   した固化剤と混合せしめて掘削土を連続的に良質
   土に改良する土圧系シールド掘削機における排土
   改良方法。 ２ 土圧系シールド掘削機の圧力室の隔壁にケー
   シングを設け、その中にスクリユーコンベアーを
   装着してスクリユーコンベアー部を形成し、その
   後方にスクリユーコンベアーのシヤフトに撹拌翼
   を有するミキサー軸を嵌装してこれにミキサー部
   を形成し、またミキサー部の前方位置において固
   化剤の注入口を、また同部の後方下方に排土ゲー
   トを設けるとともに、スクリユーコンベアーのシ
   ヤフトとミキサー軸とは各々駆動モーターで各別
   に独立して駆動せしめる土圧系シールド掘削機に
   おける排土改良装置。