JP6423185B2 - 気泡シールド工法 - Google Patents
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Description
気泡シールド工法は、起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタ背面のチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削するものである。
一方、気泡シールド工法で排出された掘削土は、気泡を含むため、そのままの状態では廃棄処理などができず、従来、仮置き場において消泡させた上で残土処理が行なわれている(特許文献1、2)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、大量に排出される掘削土を迅速に廃棄処理する上で有利な気泡シールド工法を提供することを目的とする。
したがって、大量に排出される掘削土を、仮置き場を確保することなく迅速に廃棄処理する上で有利となる。
また、既存のスクリューコンベアを利用するので、消泡剤と掘削土とを撹拌する消泡専用の撹拌機を配置する必要もなく、消泡のために必要な設備が必要最小限で済む。
したがって、シールド機内の作業空間を狭めることなく作業空間を大きく確保する上で有利となり、また、コストアップを抑制する上で有利となる。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の気泡シールド工法の説明図である。
本実施の形態における気泡シールド工法は、シールド機10と、発泡設備12と、移送装置14と、消泡剤注入設備16とを用いて実施される。
なお、図1において、符号2は不図示の発進立坑からシールド機10によって水平方向に掘削されセグメント4により構築されたトンネルを示す。
掘削部18は、前スキンプレート1802の前端に配置されたカッタ22、カッタ22の背面と隔壁24との間に仕切られたチャンバ26、チャンバ26に連通するように隔壁24の後方に配置されたスクリューコンベア28、セグメント4を押し込むジャッキ装置30を含んで構成されている。
カッタ22は、カッタ駆動部2202により回転駆動され、カッタ22により掘削された掘削土はチャンバ26に取り込まれる。
したがって、カッタ22によって掘削された掘削土は気泡が混合された気泡土となる。
発泡設備12は、シールド機10の掘進速度、すなわちジャッキ装置30のジャッキスピードに基づいて単位時間当たりの気泡の注入量の制御を行なっている。
すなわち、発泡設備12は、単位時間当たりの掘削土の排出量に比例して単位時間当たりの気泡の注入量の制御を行なっている。
発泡設備12は、後述する不図示の設備車両に配設されている。
スクリューコンベア28は、円筒状の筒体2802と、筒体2802の内部に回転可能に配設された駆動軸と、駆動軸の周囲に螺旋状に設けられた羽根体2804と、駆動軸を回転するモータ2806とを含んで構成されている。
スクリューコンベア28は、導入口2810がチャンバ26内の下部に位置し、排出口2812が筒体2802の下面に位置するように配置されている。
導入口2810には、導入口2810を開閉する導入口用開閉弁2814が設けられ、排出口2812には、排出口2812を開閉する排出口用開閉弁2816が設けられている。
本実施の形態では、移送装置14は、ベルトコンベア32、運搬車両34を含んで構成されている。
ベルトコンベア32は、スクリューコンベア28の排出口2812の下方から運搬車両34の上方にわたって設けられている。
なお、移送装置14は、ベルトコンベア28および運搬車両34に限定されるものではなく、掘削土を泥水と共に配管を介してトンネル2の外部まで流体輸送させるものなど従来公知の様々な移送装置が使用可能である。
また、シールド機10は、カッタ22、スクリューコンベア28、ジャッキ装置30などを動作させるための制御ユニット、駆動源、油タンクなどをさらに備えている。
トンネル躯体6には、レールが並設され、一方のレールRに運搬車両34が配置され、不図示の他方のレールに不図示の設備車両が配置され、前記制御ユニット、駆動源、油タンクは前記設備車両に搭載される。
消泡剤は、掘削土の気泡の薄膜の安定性を阻害し気泡の生成を不可能(消泡)とするものである。
なお、本明細書において、消泡剤は、抑泡剤、脱泡剤、破泡剤を含むものとする。
このような消泡剤として、シリコン系エマルジョン型消泡剤、あるいは、鉱物油系オイル型消泡剤など、従来公知のさまざまな消泡剤が使用可能である。
注入用配管1604は、スクリューコンベア28の筒体2802の長手方向に間隔をおいた複数箇所からそれぞれ筒体2802の内部に消泡剤を注入するように設けられている。
また、気泡の注入量と、この気泡の注入量に対して気泡を最も効果的に消泡できる消泡剤の注入量との比率が実験により予め求められている。
本実施の形態では、制御部は、発泡設備12から得た単位時間当たりの気泡の注入量と、前記比率とに基づいて単位時間当たりの消泡剤の注入量を算出し、この算出した注入量となるようにポンプ1606の制御を行なう。
すなわち、前記制御部は、単位時間当たりの気泡の注入量に比例して単位時間当たりの消泡剤の注入量を制御している。
このように消泡剤の注入量を制御することで、消泡剤の注入量が不足したり過剰となることを防止しつつ気泡の消泡を確実に行なう上で有利となる。
したがって、掘削土は、気泡が注入されてから時間遅れをもってスクリューコンベア28に導入される。すなわち、気泡が掘削土に注入された時点から、気泡が注入された掘削土がスクリューコンベア28に導入される時点までの間に時間遅れが発生する。
この時間遅れは、掘進速度(ジャッキスピード)の関数によって求められる。
本実施の形態では、前記制御部は、ジャッキ装置30から得たジャッキスピードに基づいて前記関数から前記時間遅れを算出し、この算出された時間遅れを考慮して単位時間当たりの消泡剤の注入量の制御を行なう。
このように消泡剤の注入量を制御することで、掘進速度に対応して単位時間当たりの消泡剤の注入量を制御することができ、消泡剤の注入量が不足したり過剰となることを防止しつつ気泡の消泡を確実に行なう上でより有利となる。
消泡剤注入設備16は、前記設備車両に配設されている。
シールド機10による地盤の掘削が開始されると、発泡設備12によって気泡が切羽とカッタ22の前面との間、あるいは、チャンバ26に注入される。
チャンバ26内の掘削土(気泡土)は、スクリューコンベア28の導入口2810から取り込まれ排出口2812に向かって移動される。
この際、スクリューコンベア28内の掘削土に対して、消泡剤注入設備16によって消泡剤がスクリューコンベア28の筒体2802の複数箇所から注入される。
これにより、掘削土と消泡剤とがスクリューコンベア28によって撹拌混合され、掘削土の気泡が消泡される。
スクリューコンベア28内の掘削土は、排出口2812に至ると、下方のベルトコンベア32上に落下し、ベルトコンベア32により運搬車両34に移送される。
運搬車両34が掘削土で満たされたならば、運搬車両34を移動させ、掘削土をトンネル2外に移送し、残土処理を行なう。
したがって、大量に排出される掘削土を、仮置き場を確保することなく迅速に廃棄処理する上で有利となる。
また、既存のスクリューコンベア28を利用するので、消泡剤と掘削土とを撹拌する消泡専用の撹拌機を配置する必要もなく、消泡のために必要な設備が必要最小限で済む。
したがって、シールド機10内の作業空間を狭めることなく作業空間を大きく確保する上で有利となり、また、コストアップを抑制する上で有利となる。
次に、図2を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、第1の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、相違する部分について重点的に説明する。
第2の実施の形態では、スクリューコンベア28の排出口2812とベルトコンベア32との間に撹拌装置36を配置したものである。
撹拌装置36は、導入口3602と排出口3604とが設けられたケース3606と、ケース3606内に設けられた撹拌羽根3608と、排出口3604を開閉する開閉弁3612と、開閉弁3612を開閉制御する第1の制御部3614と、撹拌羽根3608を回転するモータ3610と、モータ3610の回転速度を制御する不図示の第2の制御部とを含んで構成されている。
撹拌装置36として、スクリューミキサー、パドルミキサー、リボンミキサーなど従来公知の様々なものが使用可能である。
撹拌装置36は、導入口3602がスクリューコンベア28の排出口2812の下方に位置し、排出口3604がベルトコンベア32の前端の上方に位置するように配置される。
なお、前記第2の制御部は、撹拌羽根3608の回転速度が、撹拌装置36内において消泡剤と掘削土とが効率的に撹拌混合されるに足る速度となるように撹拌装置36のモータ3610の回転を制御する。
第1の制御部3614は、スクリューコンベア28の排出口2812から導入口3602を介してケース3606内に投入される掘削土の量を検出する不図示の検出部を備えている。
すなわち、第1の制御部3614は、前記検出部の検出結果に基づいて、スクリューコンベア28の排出口2812から導入口3602を介してケース3606内に投入される掘削土の量が一定値以上の場合には、排出口3604を全開とする。
また、投入される掘削土の量が一定値未満の場合には、投入される掘削土の量が少ないほど排出口3604の開口面積を小さくする。
このように排出口3604の開口面積を制御することにより、ケース3606内における掘削土の滞留時間を確保し、掘削土と消泡剤との撹拌混合がより効率よくなされるように図られている。
なお、開閉弁3612には、従来公知の様々な構造が採用可能である。
また、前記検出部としては、掘削土を含む撹拌装置36の重量を検出する重量センサを用いてケース3606内に投入される掘削土の量を検出するもの、あるいは、撹拌羽根3608の負荷トルクを検出するトルクセンサを用いてケース3606内に投入される掘削土の量を推定するものなど従来公知の様々なものが採用可能である。
第1の実施の形態と同様に、スクリューコンベア28により掘削土と消泡剤とが撹拌混合され、掘削土の気泡が消泡される。
さらに、第2の実施の形態では、消泡剤と撹拌された掘削土がスクリューコンベア28の排出口2812から撹拌装置36の導入口3602に導入され、掘削土は撹拌装置36によりさらに撹拌され、消泡剤と掘削土とがさらに混合される。
さらに撹拌された撹拌装置36内の掘削土は、排出口3604に至ると、下方のベルトコンベア32上に落下し、ベルトコンベア32により運搬車両34に移送される。
運搬車両34が掘削土で満たされたならば、運搬車両34を移動させ、掘削土をトンネル2外に移送し、残土処理を行なう。
また、スクリューコンベア28の排出口2812から排出される掘削土の性状に応じて撹拌羽根3608の回転速度を変えることができ、気泡をより一層確実に消泡する上で有利となる。
また、第2の実施の形態によれば、撹拌装置36の排出口3604を開閉する開閉弁3612を設けたので、排出口3604の開口面積を制御することにより、ケース3606内における掘削土の滞留時間を確保し、掘削土と消泡剤との撹拌混合をより効率よく行なう上で有利となる。
次に、図3を参照して第3の実施の形態について説明する。
なお、第2の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付してその説明を省略し、相違する部分について重点的に説明する。
第3の実施の形態では、撹拌装置36の撹拌羽根3608を移送装置14の動力により駆動させ、撹拌装置36に加減速機構40を設けたものである。
撹拌羽根3608を移送装置14の動力により駆動させる場合、例えば、ベルトコンベア32のベルト3202を搬送させるモータ3204と加減速機構40とをチェーン・スプロケット機構などのような動力伝導機構38により連結し、ベルトコンベア32の動力により撹拌羽根3608を回転させる。
加減速機構40は、動力入力部と動力出力部とを備え、動力入力部が動力伝導機構38を介してモータ3204に連結され、動力出力部が撹拌羽根3608に連結されている。
したがって、加減速機構40を調整することにより撹拌羽根3608の回転速度を、注入する消泡剤の量や、ケース3606に投入される掘削土の量に応じ所望の速度に選定でき、掘削土と消泡剤との撹拌混合がより効率よくなされるように図られている。
なお、加減速機構40は、複数の歯車からなる歯車機構など従来公知の様々なものが使用可能である。
また、第3の実施の形態によれば、加減速機構40により撹拌羽根3608の回転速度を制御できるため、注入する消泡剤の量や、ケース3606に投入される掘削土の量に応じ所望の速度に選定でき、掘削土と消泡剤との撹拌混合をより効率よく行なう上で有利となる。
4セグメント
6トンネル躯体
10シールド機
12発泡設備
14移送装置
16発泡剤注入設備
22カッタ
26チャンバ
28スクリューコンベア
2812排出口
36撹拌装置
3602導入口
3604排出口
3606ケース
3608撹拌羽根
3612開閉弁
3614第1の制御部(制御部)
38動力伝導機構
40加減速機構
Claims (2)
- カッタにより切羽を掘削し、掘削した掘削土をカッタの背面のチャンバに取り込み、前記チャンバからスクリューコンベアにより後方に移動させ、それらの作業を、前記切羽または前記チャンバに気泡を注入しながら行なう気泡シールド工法であって、
前記スクリューコンベアに、気泡を消泡する消泡剤を注入し、前記スクリューコンベア内において掘削土と前記消泡剤とを混合し気泡を消泡し、
前記消泡剤の注入は、前記スクリューコンベアの長手方向に間隔をおいた複数箇所で行われ、
前記スクリューコンベアの排出口から排出された掘削土は、移送装置により後方に移動され、
前記排出口と前記移送装置との間に撹拌羽根を備える撹拌装置を配置し、この撹拌装置の前記撹拌羽根により前記排出口から排出される掘削土を撹拌したのち前記移送装置に移送し、
前記撹拌装置は、前記撹拌羽根に連結された加減速機構を備え、
前記移送装置の動力により前記加減速機構が駆動されることで前記撹拌羽根が回転され、
前記撹拌装置は、掘削土が投入される導入口と、前記撹拌羽根により前記消泡剤と前記掘削土とを撹拌し気泡を消泡したのち掘削土が排出される排出口と、前記排出口を開閉する開閉弁と、前記導入口から投入される掘削土の量を検出する検出部と、前記開閉弁を開閉制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記検出部によって検出された掘削土の量に応じて前記開閉弁を開閉することにより前記排出口の開口面積を変える、
ことを特徴とする気泡シールド工法。 - 単位時間当たりの前記気泡の注入量は、発生する掘削土の量に比例して制御され、
単位時間当たりの前記消泡剤の注入量は、単位時間当たりの前記気泡の注入量に比例して制御され、
前記気泡が掘削土に注入された時点から、前記気泡が注入された掘削土が前記スクリューコンベアに導入される時点までの時間遅れを考慮して単位時間当たりの消泡剤の注入量の制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1記載の気泡シールド工法。
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