JP6432771B2 - 掘削残土処理システム及びシールド掘削機 - Google Patents

掘削残土処理システム及びシールド掘削機 Download PDF

Info

Publication number
JP6432771B2
JP6432771B2 JP2014238116A JP2014238116A JP6432771B2 JP 6432771 B2 JP6432771 B2 JP 6432771B2 JP 2014238116 A JP2014238116 A JP 2014238116A JP 2014238116 A JP2014238116 A JP 2014238116A JP 6432771 B2 JP6432771 B2 JP 6432771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
residual soil
excavation
excavated
soil
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014238116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016098608A (ja
Inventor
清人 金丸
清人 金丸
弘章 四方
弘章 四方
成実 西井
成実 西井
信悦 大友
信悦 大友
克豊 安井
克豊 安井
博文 松林
博文 松林
光博 隅倉
光博 隅倉
正憲 鈴木
正憲 鈴木
武彦 中谷
武彦 中谷
智明 大木
智明 大木
崇 江口
崇 江口
和彦 設樂
和彦 設樂
田▲崎▼ 雅晴
雅晴 田▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Corp filed Critical Shimizu Corp
Priority to JP2014238116A priority Critical patent/JP6432771B2/ja
Publication of JP2016098608A publication Critical patent/JP2016098608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6432771B2 publication Critical patent/JP6432771B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

本発明は、掘削残土処理システム及びシールド掘削機に関する。
シールド工法によりトンネルを築造する際には、土層の断面に自然由来のヒ素が出現し、掘削残土にヒ素が含まれる場合がある。その場合には、掘削残土を処分する際に何らかの処理を行わなければ、掘削残土が汚染土となる問題があった。
このようなヒ素を含む掘削残土の処理方法の一つとして、例えば掘削残土に薬剤を添加することでヒ素を溶出させないようにする処理方法が挙げられる。
例えば、特許文献1には、重金属汚染土壌に三価のアルミニウム塩である硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム及びミョウバンの何れか一つを水と共に添加して撹拌することによって、土壌中の重金属を不溶化させる処理方法が開示されている。
また、特許文献2には、有機ハロゲン化合物とハロゲン元素のうち一種以上と重金属で汚染された土壌において鉄粉及びアルミニウム塩を添加し、次いでアルカリ性域に調節し、生成したアルミニウム水酸化物にハロゲン元素と重金属を同伴させ、次いで中性セメント剤を添加する処理方法が開示されている。
特許第3227487号公報 特許第3867002号公報
しかしながら、土層の粘性が高い場合には掘削残土が塊で排土されるので、上記特許文献1,2に開示されている処理方法では掘削残土の内部まで均等に薬剤を浸透させるのは困難である。その結果、薬剤と掘削残土中のヒ素との化学反応が充分に進行せず、薬剤によるヒ素の溶出抑制効果が充分に発揮されないため、処理後の掘削残土からのヒ素の溶出量が閾値を超えてしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、薬剤による掘削残土中の処理対象物質の溶出抑制効果を充分に発揮させるために、掘削残土の内部まで均等に薬剤を浸透させることができる掘削残土処理システム及びシールド掘削機の提供を目的とする。
請求項1記載の掘削残土処理システムは、土層を掘削する際に発生した掘削残土を破砕すると共に前記掘削残土に薬剤を添加可能に構成された掘削残土処理機構を備え、前記掘削残土処理機構は、前記掘削残土を導入する導入部と、前記掘削残土に前記薬剤を添加する薬剤添加部と、前記導入部から導入された前記掘削残土を破砕する破砕部と、前記掘削残土を導出する導出部と、を備え、前記薬剤添加部は、前記破砕部を掘削残土が通過する前の部分に設置されていることを特徴とする。
上記掘削残土処理システムによれば、掘削残土が掘削残土処理機構に導入された際に、
掘削残土が確実に破砕されて細粒状になる。このような掘削残土に、掘削残土中に存在す
る処理対象物質の掘削残土からの溶出を抑制する薬剤が添加されることで、薬剤が掘削残
土の内部まで均等に浸透する。なお、「細粒状」とは含水率によって乾燥した状態から液
体に近い泥状まで変化するすべての状態を示す。
また、上記掘削残土処理システムによれば、掘削残土が導入部を介して破砕部に導入されると共に破砕され、細粒化される。その後、薬剤添加部から細粒状の掘削残土に薬剤が添加される。薬剤が添加された掘削残土は、導出部から掘削残土処理システムの外部に向けて導出される。このような円滑な処理により、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。
さらに、上記シールド掘削残土処理システムによれば、薬剤が予め添加された掘削残土が破砕部で破砕されて細粒状になり、その際に掘削残土と薬剤とが混練され、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。
請求項記載のシールド掘削機は、前記掘削残土処理システムを備えていることを特徴とする。
上記シールド掘削機によれば、シールド掘削機において発生した掘削残土が掘削残土処理システムに導入されることで、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透し、掘削残土が円滑に処理される。
請求項記載のシールド掘削機は、土層を掘削する掘削機構と、前記掘削機構で発生した前記掘削残土を前記掘削残土処理システムに向けて排土する第一排土部と、前記掘削残土処理システムから導出された前記掘削残土を外方に排土する第二排土部と、を備えていることを特徴とする。
上記シールド掘削機によれば、掘削機構で発生した掘削残土が第一排土部により掘削残土処理システムに排土され、掘削残土処理システムに導入されると共に処理される。処理後の掘削残土は第二排土部によりシールド掘削機の外方に排土される。このような円滑な処理により、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。
本発明の掘削残土処理システム及びシールド掘削機によれば、掘削残土の内部まで均等に薬剤を浸透させることができるので、掘削残土と薬剤との化学反応が効率良く促進され、薬剤による掘削残土中の処理対象物質の溶出抑制効果が充分に発揮される。
本発明の一実施形態であるシールド掘削機を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態である掘削残土処理システムの一部を示す水平断面図である。 本発明の一実施形態である掘削残土処理システムの一部を示す縦断面図であり、図2に示すX−X線で矢視した場合に対応する図である。 本発明の一実施形態である掘削残土処理システムの一部を示す縦断面図であり、図2に示すY−Y線で矢視した場合に対応する図である。 実施例における土砂からのポリ塩化アルミニウム(PAC)添加量に対するヒ素溶出量の変化を示すグラフである。
以下、本発明に係る掘削残土処理システム及びシールド掘削機の一実施形態について、図1〜4を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
以下では、例えばトンネル築造の際に、土層の掘削によって発生した掘削残土中に存在するヒ素の溶出量を閾値以下に抑え、掘削残土を埋め戻し等の後処理可能にするために使用される場合を想定し、本発明を適用した一実施形態(以下、単に本実施形態という)の掘削残土処理システム及びシールド掘削機について説明する。
図1は本実施形態のシールド掘削機20を示す概略断面図である。
図1に示すように、シールド掘削機20は少なくとも本実施形態の掘削残土処理システム1を備えて構成されている。また、シールド掘削機20は掘削機構50と、第一排土部52と、第二排土部54と、を備えて構成されている。なお、図1においては破砕部22の詳細な構成の図示は省略する。
以下、掘削残土が排土される方向(図1に示す矢印D1方向)に沿って配置されている順に、シールド掘削機20の各構成要素について説明する。
掘削機構50は、従来一般の各種シールド掘削機による掘削時と同様に、円筒形のスキンプレート2の矢印D1方向後部でエレクタ(図示略)によりセグメントを組み立てることで一次覆工Sを施工しつつシールド掘削機20を掘進させるための機構である。掘削機構50においては、切羽13を備えた環状且つ面板型のカッター10の矢印D1方向後方に作泥土室7が設けられている。作泥土室7には作泥土材注入管8から作泥土材9が注入され、図示しない練混ぜ翼によって強力に練混ぜることによって掘削された土砂を泥土に変換し、泥土圧を土圧・水圧とバランスさせることにより切羽13を安定させ、掘削を行う。掘削時において、前記土層の断面に自然由来のヒ素が出現した際には掘削残土にヒ素が含まれる。
第一排土部52は掘削機構50で発生した掘削残土を掘削残土処理システム1に向けて排土可能に構成され、掘削機構50に順次連設されたスクリューコンベア60,62,64からなる。スクリューコンベア60の一端部60aは作泥土室7の底部に連結されている。スクリューコンベア60の他端部60bは接続管61を介してスクリューコンベア62の一端部62aに上方から連結されている。スクリューコンベア62の他端部62bは接続管63を介してスクリューコンベア64の一端部64aに上方から連結されている。スクリューコンベア64の他端部64bは掘削残土処理システム1の導入部21に連結されている。
従って、掘削機構50の作泥土室7に堆積した掘削残土はスクリューコンベア60に導入され、スクリューコンベア60,62,64により矢印D1方向に搬送された後、掘削残土処理システム1の導入部21に排土される。
なお、第一排土部52の構成は掘削残土を掘削残土処理システム1に向けて排土可能であれば特に限定されず、例えば金属製或いは樹脂製等の搬送管と該搬送管に付設された掘削残土搬送手段で構成されていてもよい。
スクリューコンベア62の一端部62a及びスクリューコンベア64の一端部64aは一次覆工Sの内部に設けられた架台Mによって支持されている。架台Mの内部には、例えば掘削機構50、第一排土部52、掘削残土処理システム1及び第二排土部54を稼働させるための電源等(図示略)が収容されている。
掘削残土処理システム1は掘削残土を破砕する掘削残土処理機構30を備えて構成されている。
掘削残土処理機構30は導入部21と、破砕部22と、薬剤添加部23と、導出部25と、を備えている。
導入部21は掘削残土を導入すると共に破砕部22に搬送可能に構成されている。導入部21は例えば配管等で構成され、導入部21の一端部21aがスクリューコンベア64の他端部64bに連結されると共に、導入部21の他端部21bが破砕部22に開口している。また、導入部21の他端部21b近傍には後述する薬剤添加部23の接続管32の一端部32bが連結されている。
薬剤添加部23は掘削残土に薬剤(図示略)を添加可能に構成されている。このような薬剤添加部23の構成としては、例えば図1に示すように薬剤が収容されている容器31と、容器31及び導入部21を連結する接続管32と、を備えた構成が挙げられるが、特に限定されない。また、薬剤添加部23は破砕部22の後に設置されていてもよい。
容器31には掘削残土中に存在するヒ素の掘削残土からの溶出を抑制可能な薬剤が収容されている。本実施形態ではこのような薬剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)が用いられている。PACはpHの変化や海水中等における外的環境変化の影響を受け難く、ヒ素の掘削残土からの溶出を抑制する効果を安定的に発揮する。従って、ヒ素の不溶化処理後の掘削残土を例えば海洋中に埋めることも可能になり、掘削残土の後処理方法の選択幅が拡がる。また、PACはヒ素の不溶化以外の用途でも建設現場等で使用されており、広く一般に普及し、入手し易い安価な物質である。従って、PACを薬剤に使用することで本実施形態における掘削残土からのヒ素の不溶化処理が経済的に行われる。
導入部21内に導入された掘削残土には、薬剤添加部23から上記薬剤が添加される。薬剤の添加量は掘削残土からのヒ素の溶出量が閾値以下に充分抑えられるように適宜設定されていることが好ましい。前記閾値が例えば土壌汚染対策法の溶出基準である0.01[mg/L]であれば、一例として溶出量が0.1[mg/L]の掘削残土に対し、0.4重量%以上の添加量で前記閾値未満の溶出量が実現されている。
図2は破砕部22を示す水平断面図である。破砕部22の上面には導入部21の他端部21bが開口している。但し、図2においては破砕部22の上面、導入部21及び接続管32の図示は省略する。図3及び図4は破砕部22を示す縦断面図であって、図3は図2に示すX−X線で矢視した場合に対応する図であり、図4は図2に示すY−Y線で矢視した場合に対応する図である。
図2〜図4に示すように、破砕部22は容器35と、三つのシャフトブレード(回転刃)36A,36B,36Cと、を備えて構成されている。
容器35は破砕部22の筐体であり、導入孔37及び導出孔38を備え、破砕・混合撹拌部40及びフィルタ47を同一空間内に備えている。容器35の上部には導入孔37が設けられ、導入孔37を介して導入部21から掘削残土及び薬剤が矢印D2方向で導入可能とされている。容器35の下部には導出孔38が設けられ、容器35の内部で破砕されると共に薬剤と混合及び撹拌された掘削残土が導出口42を介して矢印D3方向で導出可能とされている。容器35は例えば略筒状に形成されている。
破砕・混合撹拌部40は掘削残土を破砕して薬剤と混合し、これらを撹拌するための場所である。破砕・混合撹拌部40にはシャフトブレード36A,36B,36Cが配設されている。シャフトブレード36A,36B,36Cはそれぞれ、破砕・混合撹拌部40の長手方向に沿って設けられた回転軸45と、回転軸45に装着された刃46と、を有する。
回転軸45は、モータ(図示略)等によって回転することにより、自身を中心として刃46を回転させる部材である。即ち、回転軸45の中心は、刃46の回転の軸線を構成している。
刃46の基端部は回転軸45に連結されている。刃46は容器35の内周面に向かって延在している。図2〜図4には棒状に形成された刃46を例示しているが、刃46の形状及び回転軸45に装着される数は特に限定されない。刃46は例えば矩形、鋸型等の板状に形成されていてもよい。また、刃46は回転軸45に対して螺旋を描くように連続的又は断続的に装着されていてもよい。
図2に示すように、三つのシャフトブレード36A,36B,36Cの回転軸45は、上面視した場合にそれらの中心が正三角形Tの角に位置するように配設されている。正三角形Tの一辺の長さは刃46の長さより適度に長く、三つのシャフトブレード36A,36B,36Cを回転作動させた際のラップゾーンLの大きさを充分確保できるように設定されている。また、上面視した場合には、刃46は回転軸45の中心から四方向に延びるように配置され、図3及び図4に示すように側面視した場合には刃46は回転軸45の長手方向において三箇所で接続及び支持されている。このような配置において、刃46の回転軸45への装着位置は、三つのシャフトブレード36A,36B,36Cの回転軸45を図2に示す矢印D4,D5,D6方向にそれぞれ回転作動させた際に、刃46同士が接触することなく、且つ、三つのシャフトブレード36A,36B,36Cの刃46が相互に通過するラップゾーンLを形成可能に設定されている。
なお、刃46の数及び配置は特に限定されず、破砕・混合撹拌部40をなす空間を切るようにして撹拌できるように設定されている。
従って、導入孔37から破砕・混合撹拌部40に導入された掘削残土は、三つのシャフトブレード36A,36B,36Cが回転作動することで、複数の刃46に打撃され、矢印D7に図示したようにあらゆる方向に弾き飛ばされる。弾き飛ばされた掘削残土同士はラップゾーンL内で無数の衝突を繰り返し、瞬時に破砕され、細粒状になる。本実施形態では、掘削残土は泥状になる。さらに薬剤とかき混ぜられて良好に混合及び撹拌される。
フィルタ47は破砕・混合撹拌部40と導出孔38との間に設けられた多数の細孔(図示略)を有する部材である。破砕されると共に薬剤と混合及び撹拌された掘削残土は、フィルタ47の前記細孔を通過して矢印D3方向に導かれ、導出孔38から導出される。
図1に示すように、導出部25は破砕部22で破砕されると共に薬剤と混合及び撹拌された掘削残土を掘削残土処理システム1の外部、即ち本実施形態では第二排土部54に導出可能に構成されている。導出部25は例えば配管等で構成され、導出部25の一端部25aが掘削残土処理機構30の破砕部22の下部に開口し、且つ、導出孔38に連結されると共に、導出部25の他端部25bがスクリューコンベア66の一端部66aに連結されている。導出部25の一端部25aには掘削残土を導出するタイミング又は掘削残土の導出量を調節可能なバルブ26が設けられている。
第二排土部54は掘削残土処理システム1の導出部25から排出された掘削残土を外方に向けて排土可能に構成され、スクリューコンベア66からなる。スクリューコンベア66の一端部66aは掘削残土処理システム1の導出部25の他端部25bに連結されている。スクリューコンベア66の他端部(図示略)はシールド掘削機20の外方(例えば地上等)に開放されている外部コンベア(図示略)等に連結されている。
従って、掘削残土処理システム1から導出された掘削残土はスクリューコンベア66に導入され、スクリューコンベア66により矢印D1方向に搬送された後、地上等に排土される。
なお、第二排土部54の構成は掘削残土を地上等の少なくとも掘削残土処理システム1の外方に向けて排土可能であれば特に限定されず、第一排土部52と同様に、例えば金属製或いは樹脂製等の搬送管と該搬送管に付設された掘削残土搬送手段で構成されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態の掘削残土処理システム1は、土層を掘削する際に発生した掘削残土を破砕すると共に掘削残土に薬剤を添加可能に構成された掘削残土処理機構30を備えている。
上記構成によれば、掘削残土が掘削残土処理機構30に導入された際に、掘削残土が確実に破砕されて細粒状になる。また、掘削残土にPAC等の薬剤が添加されることで、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透し、掘削残土と薬剤との化学反応が確実に、且つ、効率良く促進される。従って、薬剤による掘削残土中のヒ素の溶出抑制効果を充分に発揮させ、掘削残土中に存在する掘削残土からのヒ素の溶出量を閾値以下に抑えることができる。
本実施形態の掘削残土処理システム1において、掘削残土処理機構30は掘削残土を導入する導入部21と、掘削残土に薬剤を添加する薬剤添加部23と、導入部21から導入された掘削残土を破砕する破砕部22と、掘削残土を導出する導出部25と、を備えている。また、本実施形態の掘削残土処理システム1において、破砕部22は掘削残土と薬剤とを混合及び撹拌可能な構成を備えている。
上記構成によれば、掘削残土が導入部21を介して破砕部22に導入されると共に破砕され、細粒状になる。また、薬剤添加部23から掘削残土に薬剤が添加され、細粒化された掘削残土と薬剤とが混合及び撹拌される。撹拌された掘削残土は、破砕部22から導出され、さらに導出部25から掘削残土処理システム1の外部に向けて導出される。このような円滑な処理により、薬剤を掘削残土の内部まで均等に浸透させ、掘削残土と薬剤との化学反応を確実に、且つ、より効率良く促進させることができる。
また、本実施形態の掘削残土処理システム1において、薬剤添加部23は、破砕部22を掘削残土が通過する前の部分、又は、破砕部22を掘削残土が通過した後の部分に設置されていることを特徴とする。本実施形態では、薬剤添加部23は破砕部22を掘削残土が通過する前の部分に、即ち導入部21に連結して設置されている。
上記構成によれば、薬剤が予め添加された掘削残土が破砕部22で破砕されて細粒状になると共に掘削残土と薬剤とが混練及び撹拌され、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。一方、薬剤添加部23が破砕部22を掘削残土が通過した後の部分に設置されれば、破砕部22で細粒化された掘削残土に薬剤が添加され、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透する。上記何れの部分に薬剤添加部23を設置しても、掘削残土と薬剤との化学反応を確実に、且つ、より効率良く促進させることができる。
本実施形態のシールド掘削機20は、掘削残土処理システム1を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、シールド掘削機20において発生した掘削残土が掘削残土処理システム1に導入されることで、掘削残土が確実に破砕されて細粒状になり、PAC等の薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透し、掘削残土と薬剤との化学反応が確実に、且つ、効率良く促進される。
本実施形態のシールド掘削機20は、土層を掘削する掘削機構50と、掘削機構50で発生した掘削残土を掘削残土処理システム1に向けて排土する第一排土部52と、掘削残土処理システム1から導出された掘削残土を外方に排土する第二排土部54と、を備えている。
上記構成によれば、掘削機構50を用いた土層の掘削により発生した掘削残土が第一排土部52により掘削残土処理システム1に排土され、掘削残土処理システム1に導入されると共に処理される。即ち、掘削残土が確実に破砕されて細粒状になり、その掘削残土にPAC等の薬剤が添加されると共にこれらが混合及び撹拌される。処理後の掘削残土は第二排土部54によりシールド掘削機20の外方に排土される。このような円滑な処理により、薬剤が掘削残土の内部まで均等に浸透させ、掘削残土と薬剤との化学反応を確実に、且つ、より効率良く促進させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、掘削残土中に存在する処理対象物質はヒ素に限定されない。そして、掘削残土に添加される薬剤はPACに限定されず、掘削残土中に存在する処理対象物質の掘削残土からの溶出を閾値以下に抑制可能な薬剤であればよい。
また、上記実施形態では薬剤添加部23の接続管32の一端部32bが掘削残土処理システム1の導入部21に連結されている(図1参照)が、前述のように薬剤は掘削残土の混合及び撹拌前又は混合及び撹拌時に掘削残土に添加可能であればよく、接続管32の一端部32bは何れの位置に連結されていてもよい。例えば、接続管32の一端部32bは第一排土部52を構成するスクリューコンベア60,62,64或いは掘削残土処理システム1の破砕部22の容器35の上部等に連結されていてもよい。このように薬剤添加部23の設置場所の自由度が大きいので、掘削残土処理システム1及びシールド掘削機20の設計の自由度も大きくなる。
また、上記実施形態では掘削残土を破砕すると共に、掘削残土と薬剤を混合及び撹拌可能な破砕部22を備えた掘削残土処理システム1について説明したが、破砕部22は導入部21から導入された掘削残土を破砕可能に構成されていればよい。このような破砕部22の機構としては、例えば回転軸に複数の刃物を取り付けた回転刃と固定刃との間に作用する剪断力により掘削残土を粉砕する一軸破砕機、近接させて配置した二つの回転刃を互いに内側に回転させることにより回転刃間に作用する大きな剪断力により掘削残土を粉砕する二軸破砕機、ハンマーにより高速に叩くことで掘削残土を粉砕するハンマー式粉砕機、油圧モーターと二つのジョーを備えたバケットで掘削残土を粉砕するバケットクラッシャー等が挙げられるが、薬剤の混合効果が発揮される程度の細かさに掘削残土を破砕することができれば特に限定されない。
次いで、上述した本発明の実施形態の掘削残土処理システム1の効果を裏付けるために行った実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
図2〜図4に示す構成を備えた破砕部22としてマルチクラッシャーBIG BANG(製造元:株式会社冨士機)を用意した。さらに、第一排土部52と第二排土部54として二つのスクリューコンベア64,66を用意した。スクリューコンベア64の他端部64bをマルチクラッシャーの導入口に連結させ、スクリューコンベア66の一端部66aをマルチクラッシャーの導出口に連結させた。スクリューコンベア64の一端部64aに掘削残土として地山から掘削した土砂を投入し、マルチクラッシャーの導入口からクラッシャー内に導入した。また、薬剤として土砂に対して0.5〜1.0重量%のPACを添加した。
次に、マルチクラッシャーの三つのシャフトブレードを土砂が細粒状になるまで毎分840回転で作動させ、土砂を破砕すると共に土砂と薬剤とを混合及び撹拌した。その後、土砂をマルチクラッシャーの導出口からスクリューコンベア66に導出し、スクリューコンベア66から取り出した。土砂からのヒ素の溶出量とpHの測定はそれぞれICP発光分光分析装置(販売元:セイコーインスツル株式会社)、pH測定電極(販売元:株式会社堀場製作所)を用いて測定した。
土砂からのヒ素の溶出量の測定結果を図5に示す。図5において、「処理前」は薬剤を添加する前のヒ素の初期溶出濃度であることを示し、「処理後」は薬剤添加処理後のヒ素溶出濃度であることを示している。また、同図の「添加位置」において、「先」はマルチクラッシャーで破砕する前の土砂にPACを添加したことを示し、「後」はマルチクラッシャーで破砕した後の土砂にPACを添加したことを示している。
図5に示すように、「処理前」では掘削残土に薬剤が添加されていないため、掘削残土からのヒ素溶出量が土壌汚染対策法の溶出基準である0.01[mg/L]を超えている。これに対し、「処理後」では、土砂にPACを添加した後に、土砂をマルチクラッシャーで破砕すると共に土砂とPACとを撹拌することで、土砂からのヒ素の溶出量が0.01[mg/L]以下になり、本発明の効果を確認した。PACを土砂の0.5重量%添加した場合、及び0.75重量%添加した場合では、土砂からのヒ素の溶出量は0[mg/L]となった。また、PACを土砂の1.0重量%添加した場合であっても、土砂からのヒ素の溶出量は約0.002[mg/L]まで低減された。
また、例えばPACをスクリューコンベア64の一端部64aから掘削土砂と共に導入した場合のように、マルチクラッシャーで破砕した後の細粒化された土砂にPACを添加することでも、土砂からのヒ素の溶出量は0.01[mg/L]以下になり、本発明の効果が得られた。PACを土砂の0.5重量%添加した場合及び1.0重量%添加した場合では、土砂からのヒ素の溶出量は0[mg/L]となった。また、PACを土砂の0.75重量%添加した場合では、土砂からのヒ素の溶出量が0.002[mg/L]未満まで低減された。即ち、PACの添加位置によらず、破砕した土砂に所定量のPACを添加することで効率良く、確実に薬剤による掘削残土中のヒ素の溶出抑制効果が発揮されたと考えられる。
上記説明したように、本発明を適用した掘削残土処理システムによれば、掘削残土の内部まで均等に薬剤を浸透させることができるので、掘削残土と薬剤との化学反応が効率良く促進され、薬剤による掘削残土中のヒ素の溶出抑制効果が充分に発揮されることを確認した。
1 掘削残土処理システム
20 シールド掘削機
21 導入部
22 破砕部
23 薬剤添加部
25 導出部
30 掘削残土処理機構
50 掘削機構
52 第一排土部
54 第二排土部

Claims (3)

  1. 土層を掘削する際に発生した掘削残土を破砕すると共に前記掘削残土に薬剤を添加可能に構成された掘削残土処理機構を備え
    前記掘削残土処理機構は、
    前記掘削残土を導入する導入部と、
    前記掘削残土に前記薬剤を添加する薬剤添加部と、
    前記導入部から導入された前記掘削残土を破砕する破砕部と、
    前記掘削残土を導出する導出部と、
    を備え、
    前記薬剤添加部は、前記破砕部を掘削残土が通過する前の部分に設置されていることを特徴とする掘削残土処理システム。
  2. 請求項1に記載の掘削残土処理システムを備えていることを特徴とするシールド掘削機。
  3. 土層を掘削する掘削機構と、
    前記掘削機構で発生した掘削残土を前記掘削残土処理システムに向けて排土する第一排土部と、
    前記掘削残土処理システムから導出された前記掘削残土を外方に排土する第二排土部と、
    を備えていることを特徴とする請求項に記載のシールド掘削機。
JP2014238116A 2014-11-25 2014-11-25 掘削残土処理システム及びシールド掘削機 Active JP6432771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238116A JP6432771B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 掘削残土処理システム及びシールド掘削機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014238116A JP6432771B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 掘削残土処理システム及びシールド掘削機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098608A JP2016098608A (ja) 2016-05-30
JP6432771B2 true JP6432771B2 (ja) 2018-12-05

Family

ID=56076455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014238116A Active JP6432771B2 (ja) 2014-11-25 2014-11-25 掘削残土処理システム及びシールド掘削機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6432771B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4818026A (en) * 1987-12-29 1989-04-04 Kabushiki Kaisha Komatsu Seisakusho Shield type tunneling apparatus
JPH0696954B2 (ja) * 1988-04-22 1994-11-30 鹿島建設株式会社 シールド工法の排土処理装置
JPH0366898A (ja) * 1989-08-07 1991-03-22 Fujita Corp シールド工法における土砂搬出方法及び土質改良装置
JP2001280080A (ja) * 2000-01-24 2001-10-10 Hitachi Zosen Corp シールド掘進機およびシールド掘削設備
JP2007092375A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Toyo Kogyo Kk 小口径シールドマシンの排土装置
DE102012219134A1 (de) * 2012-10-19 2012-12-27 Herrenknecht Ag Verfahren und Vorrichtung zum Abfördern von Abraum im Tunnelvortrieb
JP2014163218A (ja) * 2013-06-27 2014-09-08 Maeda Corp シールド掘削機、及びシールド工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016098608A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5001100B2 (ja) 建設汚泥処理土作製システム及び建設汚泥処理土作製方法
CN104368595A (zh) 一种污染土壤异位加药混合修复系统
JP6463222B2 (ja) 掘削土の処理方法及び処理システム
JP4987372B2 (ja) 回転式処理装置用の処理容器と処理対象物の回転式処理装置
JP6432771B2 (ja) 掘削残土処理システム及びシールド掘削機
JP2012197630A (ja) 気泡土の処理方法
JP2003340423A (ja) 汚染土壌処理システム及び汚染土壌処理処理方法
JP6663296B2 (ja) 岩ずりの不溶化システム、トンネル掘削システムおよびトンネル施工方法
JP2005324083A (ja) 汚染土壌処理方法及び汚染土壌処理システム
JP6961206B2 (ja) 縦型破砕装置
JP2005188218A (ja) 泥水・土圧式複合シールド掘進機
JPS6040713Y2 (ja) シ−ルド掘進機のズリ搬送装置
JP2589170B2 (ja) 高含水ズリ処理剤を使用した土圧シールド残土処理方法
JP2014163218A (ja) シールド掘削機、及びシールド工法
JP3182668B2 (ja) 土圧式シールド掘進機の掘削土改良装置
JP6156803B2 (ja) 固体処理物の撹拌装置
JP2014201999A (ja) シールド掘削残土の処理方法及び処理システム
JP2005087858A (ja) 汚泥処理システム
JP2016097380A (ja) ヒ素不溶化方法
JP2010046620A (ja) 被処理物の粒状固化システム
JP6853320B2 (ja) スクリューコンベヤ、シールド掘削機および排土方法
JP2003071825A (ja) セメント混合泥土用アジテータタンク
JP2008057254A (ja) 地盤改良装置
JPS6338318Y2 (ja)
JP3112430B2 (ja) 土砂改良装置および土砂改良工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6432771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150