JP6961206B2 - 縦型破砕装置 - Google Patents
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Description
このような横型の破砕装置においては、比較的径の小さい掘進機などに好適であるが、掘削された土砂は、重力の影響によって破砕室の上部側よりも下部側に偏って搬送される傾向となる。これによって、閉塞や下部側の破砕壁が摩耗するおそれがある。
本願請求項9に係る発明は、前記インナーコーンと前記アウターコーンとの下方には側壁に排出口を備えた排出チャンバーが設けられており、前記アウターコーンと前記インナーコーンとの隙間の下方には、所定の大きさの被破砕物が前記排出チャンバーに通過するのを防止する格子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の縦型破砕装置である。
また、押込み板が間隔を空けて設けられているので、スクリューを回転させるよりも必要な回転トルクを小さくすることができる。
本実施形態は、本発明に係る縦型破砕装置を図示しないトンネル掘進機の後方の坑内に配置したものである。
図1は、トンネル内周面1で構成される坑内に配置された縦型破砕装置10の一部を断面図とした側面図である。縦型破砕装置10は、トンネル掘進機が掘削した掘削土砂をトンネル外に排出する排泥管の途中に設けられている。排泥管は、縦型破砕装置10に掘削土砂が流入させる流入管2と、縦型破砕装置10から掘削土砂を排出する排出管3を備えている。掘削土砂が流入管2によって縦型破砕装置10に供給されて、掘削土砂に含まれる礫、玉石が破砕されて排出管3によって排出される。
排泥管によって搬送される掘削土砂は、泥水とともに搬送されるものであっても、加泥材とともに搬送されるものであってもよい。すなわち、泥水式掘進機によるものであっても泥土圧式掘進機によるものであってもよい。
トンネル内周面1は、トンネル掘進機の後胴で形成される内面であってもセグメントで形成される内面であってもよい。
掘削土砂に礫や玉石が含まれる場合には、流入バルブ2aが開かれるとともにバイパスバルブ4aが閉じられる。また、掘削土砂に礫や玉石が含まれない場合には、流入バルブ2aが閉じられるとともにバイパスバルブ4aが開かれる。
インナーコーン12およびアウターコーン13との間であって、押込み板14の下方に破砕室17が形成される。掘削土砂が供給される流入室18は、押込み板14の上方であって、上部ケーシング20、点検蓋21および上部軸受け部材22に囲まれて形成される。破砕室17で破砕された礫や玉石を含む掘削土砂は、排出チャンバー19に落下する。排出チャンバー19は、下部ケーシング23および下部回転軸11cの間に形成される。
掘削土砂は、流入管2の流入口2b(図4)から流入室18に流入し、破砕室17および排出チャンバー19を経由して排出管3の図示しない排出口から排出される。
回転軸11は、上部回転軸11a、クランク軸11bおよび下部回転軸11cで構成されている。上部回転軸11aおよび下部回転軸11cは、回転軸が同一であり、クランク軸11bは、上部回転軸11aおよび下部回転軸11cに対して偏心して設けられている偏心部である。よって、上部回転軸11aおよび下部回転軸11cが回転することで、クランク軸11bは偏心して回転することになる。
上部回転軸11aに設けられる押込み板14と攪拌羽根15は、上部回転軸11aとともに、下部回転軸11cに設けられる排出羽根16は、下部回転軸11cとともに回転する。
上部回転軸11aには、その下部に凹部11a2が偏心して形成されており、クランク軸11bの上部に形成された凸部11b1とキー溝接合されている。クランク軸11bは、下部回転軸11cに偏心して設けられている。下部回転軸11cは、拡大部11c1が形成され排出羽根16が設けられている。
図4および図8に示すように、下部ケーシング23には張出部23aが形成されており下部軸受け部材27が設けられている。下部軸受け部材27の開口27aに下部回転軸11cが貫通して、回転軸11が軸受けされている。
インナーコーン12は、クランク軸11bに対して回転可能に設けられているため、回転軸11が回転すると、クランク軸11bによって公転するとともに、礫や玉石によってインナーコーン12に抵抗が生じるとクランク軸11bに対して自転することになる。よって、クランク軸11bと一体に回転するものと異なり、破砕による摩耗や負荷も少ないものとなっている。
回転軸11が回転すると、インナーコーン12の公転と自転によりアウターコーン13との間に圧縮力が働き礫や玉石が破砕される。
アウターコーンテーパー面13aには、後述するブレード31が設けられている。
押込み板14は、上部回転軸11aの外周方向に間隔を空けて二枚同じ高さに設けられている。そして、平面視においてインナーコーン12にもアウターコーン13にも重なるように設けられている。本実施形態では、図1および図4から明らかなように、アウターコーン13には一部(アウターコーンテーパー面13aの下部付近)重なるようになっているが、すべて(アウターコーンテーパー面13aの上部)まで重なるようにしてもよい。
押込み板14は、その下面14aおよび上面14bが、図5に矢印で示された上部回転軸11aの回転方向の前側より後側がインナーコーンテーパー面12aに近くなるように傾斜した形状となっている。換言すると、上部回転軸11aの回転に伴い押込み板14の下面14aおよび上面14bはインナーコーンテーパー面12aに近づくようになっている。
攪拌羽根15は、上部回転軸11aに取り付けられる攪拌羽根アーム部15aと攪拌羽根アーム部15aから下方に延びる攪拌羽根攪拌部15bとを有する。図5(B)に示すように、攪拌羽根攪拌部15bの下端は細くなっている。
攪拌羽根15によって、破砕室17を攪拌して礫や玉石などを滞留させず破砕して閉塞させないようにしている。
このような構成によって、流入した掘削土砂は押込み板によって良く攪拌されるようになり流入室18内で礫や玉石が偏らず、閉塞や局所的な負荷が起こりにくい。
また、上部回転軸11aの回転に伴い押込み板14の上面14bは、インナーコーンテーパー面12aに近づくようになっているため、掘削土砂に含まれる礫や玉石が押込み板14の上面14bに乗ったとしても転がり落下しやすくなるので、スムーズな破砕が行われる。
なお、本実施形態ではブレード31は、平面視において下部が上部に対して図中の点線矢印で示された回転軸11の回転方向に位置するようにしたが、平面視において下部と上部が回転軸11の回転方向にずれていない、すなわち、ブレード31の上部側が回転軸11の回転方向の反対側に傾かないようにしてもよい。この場合でも、礫や玉石に抵抗が加わりアウターコーンテーパー面13aに対して滑りや転がったりすることが発生しづらくなり破砕効果が高くなる。
また、ブレード31をアウターコーンテーパー面13aの下部には設けないようにすると、攪拌羽根15の攪拌羽根攪拌部15bを下方にさらに延長したとしても、接触を避けることができる。
また、排出チャンバー19から側面に掘削土砂を排出するため、排出羽根16を設けている。
排出羽根16は、下部回転軸11cの拡大部11c1の外周に間隔をあけて複数設けられている。排出羽根16は、排出羽根16は回転軸11が回転するとともに排出チャンバー19内を回転し、排出チャンバー19内の掘削土砂に含まれる破砕後の礫や玉石を排出管3から排出するのを補助する。特に、排出チャンバー19内では、流速も低下し、礫や玉石が滞留することもあるので、効果的である。
排出羽根16を回転させる回転軸を、クランク軸11b、押込み板14および攪拌羽根15を回転させる回転軸11で共通としているため、回転させる駆動系の構造をシンプルにすることができる。
なお、排出管の下部ケーシング23への取付け位置を反対側(図3における下部ケーシング23の左側)に取り付けるようにして、排出管を、排出管の排出方向に対して、排出羽根16が、排出チャンバー19内の排出口付近において排出口に向う方向に回転するように設けるようにしてもよい。このように構成すると、排出チャンバー19内の掘削土砂を積極的に排出管3に送り込むようにすることができる。
また、両者のどちらの効果も得られるようにするために、排出管を下部ケーシング23の左右のどちら側にも取り付けられるよう下部ケーシング23に排出管の取付部を複数設けるようにしてもよい。
図9は、縦型破砕装置10の上部ケーシング20の上壁部20aおよび上部軸受け部材22を取り除いたものである。破砕される礫や玉石である被破砕物Sは、便宜上球体で示している。
掘削土砂は、流入管2によって図9における右方向から左方向に運ばれ、流入口2bから流入室18に流入する。流入室18に流入した掘削土砂は、上部ケーシング20の側壁に沿って流れる。この流れは図9において時計方向の流れである。また、上部回転軸11aは、図9における矢印の方向の反時計方向に回転し、押込み板14も回転し、掘削土砂の流れに対向することになる。よって、流入した掘削土砂の攪拌が積極的に行われることになる。
これに対して、押込み板14と押込み板14とが間隔を空けて設けられているので、流入した被破砕物Sの落下が押込み板14によって阻害されない。
また、押込み板が間隔を空けて設けられているので、スクリューを回転させるよりも必要な回転トルクを小さくすることができる。
破砕室17に落下した被破砕物Sは、インナーコーン12とアウターコーン13によって破砕される。
押込み板14の回転により、被破砕物Sは破砕室17の下方に押込まれるので破砕が効率的に行われる。
また、破砕室17に過剰に被破砕物Sが存在した状態で押込まれると、必要以上に圧密され破砕室17が閉塞してしまうおそれもあるが、押込み板14と押込み板14とが間隔を空けて設けられているので、被破砕物Sの圧密も緩和されることになり、閉塞し難くなっている。
被破砕物Sのコーン面に対する滑りや転がりを防止するために、アウターコーンテーパー面13aにブレード31が設けられており、破砕効率の低下を防止している。
また、図9乃至図11に示すように、ブレード31の上部側が上部回転軸11aの矢印で示された回転方向の反対側に傾いているので、ブレード31に接触した被破砕物Sは、下方に移動するようになる。そして、インナーコーン12の圧縮力がより作用することになり、破砕効率が向上する。
攪拌羽根15の攪拌羽根攪拌部15bによって、破砕室17内の被破砕物Sが攪拌される。これによって、閉塞も防止される。本実施形態では、攪拌羽根攪拌部15bの下部は、掘削土砂に接触してもスムーズに回転するように傾斜させている。また、この傾斜により被破砕物Sを下方に移動させる。
なお、本実施形態において攪拌羽根攪拌部15bの下端部は、インナーコーンテーパー面12aの中程まで届く程度の位置である。攪拌を破砕室17の下部までさせるような場合には、ブレード31がアウターコーンテーパー面13aの下部まで設けられていないので、ブレード31に干渉させないで、攪拌羽根攪拌部15bの下端部をインナーコーンテーパー面12aの下部程まで届く程度の長さにすることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば以下のようなものも含まれる。
図12は、ブレードの変形例を示す。ブレード311は、ブレード311のアウターコーンテーパー面13aからの高さについて、上部では大きく下部では小さく設定したものである。これは、上部になればなるほど被破砕物Sに転がりや滑りが生じやすくなるからである。
2 流入管
2a 流入バルブ
2b 流入口
3 排出管
4 バイパス管
4a バイパスバルブ
10 縦型破砕装置
11 回転軸
11a 上部回転軸
11b クランク軸(偏心部)
11c 下部回転軸
12 インナーコーン
12a インナーコーンテーパー面
12b インナーコーン突起
12c インナーコーン垂直面
13 アウターコーン
13a アウターコーンテーパー面
13b アウターコーン突起
13c アウターコーン垂直面
14 押込み板
15 攪拌羽根
15a 攪拌羽根アーム部
15b 攪拌羽根攪拌部
16 排出羽根
17 破砕室
18 流入室
19 排出チャンバー
20 上部ケーシング
21a 回転軸点検蓋
21b 破砕室点検蓋
22 上部軸受け部材
23 下部ケーシング
24 駆動モータ
25 架台
26 車輪
27 下部軸受け部材
28 ピニオンギア
29 アイドルギア
30 メインギア
31、311 ブレード
32 格子
Claims (9)
- 回転軸と、インナーコーンと、アウターコーンとを備える縦型破砕装置であって、
前記回転軸は、回転する上部回転軸と、該上部回転軸より下方であって前記上部回転軸対して偏心して回転する偏心部と、を有しており、
前記インナーコーンは、上部に向かって径が小さくなるインナーコーンテーパー面を有するとともに、前記偏心部に対して回転自在に設けられており、
前記アウターコーンは、上部に向かって径が大きくなるアウターコーンテーパー面を有しており、
前記インナーコーンより上方の前記上部回転軸には、周方向に間隔を空けて押込み板が複数設けられており、
前記押込み板は、平面視において前記インナーコーンと前記アウターコーンとにわたって設けられており、
負荷運転の際に前記インナーコーンの前記偏心部に対する回転方向は前記押込み板の回転方向とは逆向きである
ことを特徴とする縦型破砕装置。 - 流入口を備えた流入室と、回転軸と、インナーコーンと、アウターコーンとを備える掘進機の後方に設けられる密閉式の縦型破砕装置であって、
前記流入口は、前記流入室の側壁に設けられており、
前記回転軸は、回転する上部回転軸と、該上部回転軸より下方であって前記上部回転軸対して偏心して回転する偏心部と、を有しており、
前記インナーコーンは、上部に向かって径が小さくなるインナーコーンテーパー面を有するとともに、前記偏心部に対して回転自在に設けられており、
前記アウターコーンは、上部に向かって径が大きくなるアウターコーンテーパー面を有しており、
前記インナーコーンより上方の前記上部回転軸には、周方向に間隔を空けて押込み板が複数設けられており、
前記押込み板は、平面視において前記インナーコーンと前記アウターコーンとにわたって設けられており、
負荷運転の際に前記インナーコーンの前記偏心部に対する回転方向は前記押込み板の回転方向とは逆向きである
ことを特徴とする縦型破砕装置。 - 前記押込み板は、前記流入口から流入する被破砕物の流入方向に対して、前記流入口の近傍において押込み板が対向する方向へと移動するように回転することを特徴とする請求項2に記載の縦型破砕装置。
- 前記押込み板の下面は、前記回転軸の回転に伴い前記インナーコーンテーパー面に近くなる形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の縦型破砕装置。
- 前記押込み板の上面は、前記回転軸の回転に伴い前記インナーコーンテーパー面に近くなる形状となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の縦型破砕装置。
- 前記インナーコーンと前記アウターコーンとの下方には側壁に排出口を備えた排出チャンバーが設けられており、
前記排出チャンバー内には、前記回転軸によって回転する排出羽根が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の縦型破砕装置。 - 前記排出口から排出チャンバーの接線方向に排出管が設けられており、
前記排出羽根は、前記排出管の排出方向に対して、排出チャンバー内の排出口付近において排出口から離れる方向に回転するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の縦型破砕装置。 - 前記排出口から排出チャンバーの接線方向に排出管が設けられており、
前記排出羽根は、前記排出管の排出方向に対して、排出チャンバー内の排出口付近において排出口に向う方向に回転するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の縦型破砕装置。 - 前記インナーコーンと前記アウターコーンとの下方には側壁に排出口を備えた排出チャンバーが設けられており、
前記アウターコーンと前記インナーコーンとの隙間の下方には、所定の大きさの被破砕物が前記排出チャンバーに通過するのを防止する格子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項に記載の縦型破砕装置。
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JP2017095016A JP6961206B2 (ja) | 2017-05-11 | 2017-05-11 | 縦型破砕装置 |
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JP2018187604A JP2018187604A (ja) | 2018-11-29 |
JP6961206B2 true JP6961206B2 (ja) | 2021-11-05 |
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Family Applications (1)
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JP2017095016A Active JP6961206B2 (ja) | 2017-05-11 | 2017-05-11 | 縦型破砕装置 |
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- 2017-05-11 JP JP2017095016A patent/JP6961206B2/ja active Active
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