JP6853320B2 - スクリューコンベヤ、シールド掘削機および排土方法 - Google Patents
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Description
そのため、高水圧下での施工では、スクリューコンベヤに添加剤(例えば、ポリアクリルアミド等の高分子剤)を供給することで、噴発の抑制を図る場合がある。しかしながら、スクリューコンベヤは、攪拌機能を備えていないため、添加剤は、未反応薬剤のロス分を含んだ十分な量を添加する必要があり、費用の低減化の妨げとなっていた。
そのため、特許文献1には、スクリューコンベヤの回転軸に、螺旋状のスクリュー羽根とともに、パドル羽根を取り付けることで、混合効率を高める構成が開示されている。しかしながら、連続したスクリュー羽根の間にパドル羽根を設けた場合であっても、土砂はスクリュー羽根によって移送されるのみで、攪拌の効果は小さい。
かかるスクリューコンベヤによれば、攪拌区間を備えているため、スクリューコンベヤ内において添加剤と土砂とが効率的に混合され、ひいては、圧力が高いチャンバー内から土砂を排出する際の噴発の発生を抑制することができる。また、攪拌区間において添加剤と土砂との攪拌混合が効率的に行われるため、添加剤の添加量を必要最小限に抑えることができる。
なお、前記パドル羽根が、板状を呈しており、前記搬送物に対して前記一定方向と反対方向に押し込む力を作用するように板面が傾斜していれば、攪拌効率がより向上する。すなわち、攪拌区間の手前側の搬送区間から攪拌区間に押し込まれた搬送物に対して、攪拌区間において逆向きの力を付与することで、攪拌効率が向上する。なお、搬送物は、パドル羽根同士の間を通過するため、攪拌区間において搬送物が詰まることもない。
かかるシールド掘削機によれば、スクリューコンベヤ内の攪拌区間において土砂と添加剤とが混合されるため、必要最小限の添加剤によりチャンバー内から排出された土砂の噴発を抑制することができる。すなわち、スクリューコンベヤ内に添加剤を添加し、スクリューコンベア内の圧力が取込口(チャンバー側)から排出口(坑口側)に向かって徐々に減少するプラグゾーンを形成することで噴発を抑制する。
また、前記注入手段は、前記パドル羽根および前記スクリュー羽根が設けられた回転軸に形成された複数の注入孔から、前記攪拌区間または前記攪拌区間のチャンバー側に添加剤を注入するものであるのが望ましい。このシールド掘削機によれば、スクリューコンベヤの側面に形成された注入孔などから添加剤を注入する場合に比べて、添加剤を予め分散させた状態で注入することが可能となるため、添加剤の攪拌効率がより向上する。
かかる排土方法によれば、スクリューコンベヤ内の攪拌区間において土砂と添加剤とを混合するため、噴発を抑制できる。また、パドル羽根が設けられた攪拌区間において添加剤を混合するため、全長にわたってスクリュー羽根が設けられた従来のスクリューコンベヤに比べて攪拌効率が高い。その結果、添加剤の添加量を最小限に抑えることができる。
カッターヘッド3により切削された土砂は、チャンバー5に取り込まれる。チャンバー5に取り込まれた土砂は、スクリューコンベヤ6によりトンネル坑内に排出された後、ベルトコンベヤ等の搬送手段8を介してトンネル坑外へと搬送する。なお、チャンバー5内は、通常、切羽の圧力(土圧+地下水圧)以上の圧力に保たれている。そのため、スクリューコンベヤ6に取り込まれた土砂をスクリューコンベヤ6から排出する際(スクリューコンベヤ6から搬送手段8の移し替える際)に噴発が発生することを抑制するために、スクリューコンベヤ6内において添加剤を土砂に混合する。
回転軸62は、円柱状の部材であって、動力源63の動力により、軸心を中心に回転する。攪拌区間66における回転軸62の外面には複数のパドル羽根64が配設されており、搬送区間67,68における回転軸62の外面には螺旋状のスクリュー羽根65が配設されている。攪拌区間66にスクリュー羽根65は配置されておらず、搬送区間67,68にパドル羽根64は配設されていない。また、回転軸62には、第一搬送区間67において複数の注入孔69が形成されている。注入孔69は、回転軸62の周方向に間隔をあけて複数形成されているとともに、回転軸62の軸方向に間隔をあけて複数列(本実施形態では2列)形成されている。さらに、回転軸62には、注入手段7が接続されている。なお、回転軸62の軸方向前後に配設された注入孔69は、回転軸62の周方向にずらした位置(千鳥状)に配設してもよい。
スクリューコンベヤ6に添加する添加剤の量は、スクリューコンベヤ6から排出される土量および排土状況に応じて適宜設定する。すなわち、スクリューコンベヤ6の排土能力に応じて設定された基準添加量を基準として、スクリューコンベヤ6から排土された土量や、スクリューコンベヤ6から排土された土砂の状況(土質や添加剤の混合状況等)に応じて、添加量を調整する。
また、パドル羽根64は、板状を呈している。また、パドル羽根64は、搬送物に対して一定方向(切羽側から坑口側に向かう方向)と反対方向(坑口側から切羽側に向かう方向)に押し込む力を作用するように、板面が回転軸62と直交する面に対して傾斜している(捻じれている)。パドル羽根64は、スクリューコンベヤ6内に取り込まれた土砂と、注入手段7を介して注入孔69から注入された添加剤とを攪拌する。
攪拌区間66を通過した土砂と添加剤との混合体は、第二搬送区間68のスクリュー羽根65によってスクリューコンベヤ6の排出口6bへ搬送された後、排出口6bから排出される。排出口6bから排出された混合体は、搬送手段8によりトンネル坑外に搬送される。
また、パドル羽根64が、土砂に対して搬送方向と反対方向に押し込む力を作用するように板面が傾斜した板状部材であるため、攪拌効率が高い。すなわち、攪拌区間66の手前側の第一搬送区間67から押し込まれた土砂に対して、攪拌区間66において逆向きの力を付与することで、攪拌効率が向上する。また、土砂は、パドル羽根64同士の間を通過するため、攪拌区間66において搬送物が詰まる(圧密される)こともない。
添加剤は、回転軸62に形成された複数の注入孔69から注入するため、添加剤と土砂との混合を効率的に行うことができる。すなわち、回転軸62に形成された複数の注入孔69から添加剤を予め分散させた状態で注入することで添加剤の攪拌効率がより向上する。
例えば、前記実施形態では、泥土圧シールド工法について説明したが、シールド工法は限定されるものではなく、例えば、気泡シールド工法であってもよい。なお、本実施形態のスクリューコンベヤ6を気泡シールド工法で使用する場合は、添加剤として消泡剤を使用すればよい。
攪拌区間66の区間長は、適宜決定すればよいが、スクリュー羽根65の2ピッチ分以内に設定するのが望ましい。
前記実施形態では、パドル羽根64の板面が、回転軸62と直交する面に対して傾斜しているものとしたが、パドル羽根64の板面の角度は限定されるものではなく、例えば、回転軸62と直交する面と平行であってもよい。
注入手段7の構成は限定されるものではない。例えば、注入手段7は必ずしも回転軸62に接続されている必要はなく、スクリューコンベヤ6の外筒61に形成された注入孔から添加剤を注入してもよい。また、添加剤は、複数個所から注入してもよい。
2 本体部
3 カッターヘッド
4 隔壁
5 チャンバー
6 スクリューコンベヤ
61 外筒
62 回転軸
63 動力源
64 パドル羽根
65 スクリュー羽根
66 攪拌区間
67 第一搬送区間(搬送区間)
68 第二搬送区間(搬送区間)
7 注入手段
8 搬送手段
Claims (5)
- 搬送物を一定方向に搬送する第一搬送区間と、前記第一搬送区間の搬送方向後側において前記搬送物の攪拌を行う攪拌区間と、前記攪拌区間の搬送方向後側において前記搬送物を一定方向に搬送する第二搬送区間とを備えるスクリューコンベヤであって、
前記攪拌区間における回転軸の外面には、周方向に間隔をあけて立設された複数のパドル羽根が前記回転軸の軸方向に間隔をあけて複数列配設されており、
前記第一搬送区間および前記第二搬送区間における前記回転軸の外面には、螺旋状のスクリュー羽根が配設されていることを特徴とする、スクリューコンベヤ。 - 前記パドル羽根は、板状を呈しており、前記搬送物に対して前記一定方向と反対方向に押し込む力を作用するように板面が傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載のスクリューコンベヤ。
- 筒状の外殻を備える本体部と、
前記本体部の前方に設けられたカッターヘッドと、
前記本体部の前部に形成された隔壁と、
前記カッターヘッドと前記隔壁との間に形成されたチャンバーから土砂を排出するスクリューコンベヤと、
前記スクリューコンベヤ内に添加剤を注入する注入手段と、を備えるシールド掘削機であって、
前記スクリューコンベヤは、前記土砂をチャンバー内からチャンバー外方向に移送する螺旋状のスクリュー羽根が設けられた第一搬送区間と、前記第一搬送区間の搬送方向後側において前記土砂を攪拌する複数のパドル羽根が配設された攪拌区間と、前記攪拌区間の搬送方向後側において前記土砂をチャンバー内からチャンバー外方向に移送する螺旋状のスクリュー羽根が設けられた第二搬送区間と、を備えていることを特徴とする、シールド掘削機。 - 前記注入手段は、前記パドル羽根および前記スクリュー羽根が設けられた回転軸に形成された複数の注入孔から、前記攪拌区間または前記攪拌区間のチャンバー側に添加剤を注入することを特徴とする、請求項3に記載のシールド掘削機。
- スクリューコンベヤを利用してシールド掘削機のチャンバー内の土砂を排出する排土方法であって、
前記スクリューコンベヤは、前記土砂を前記チャンバー内から前記チャンバー外方向に移送する螺旋状のスクリュー羽根が設けられた第一搬送区間と、前記第一搬送区間の搬送方向後側において前記土砂を攪拌する複数のパドル羽根が配設された攪拌区間と、前記攪拌区間の搬送方向後側において前記土砂を前記チャンバー内から前記チャンバー外に移送する螺旋状のスクリュー羽根が設けられた第二搬送区間と、を備えており、
前記チャンバー内に面した取込口から前記スクリューコンベヤに前記土砂を取り込むとともに、前記攪拌区間または前記攪拌区間の前記チャンバー側において前記スクリューコンベヤ内に添加剤を注入し、
前記攪拌区間において前記土砂と前記添加剤とを攪拌することを特徴とする、排土方法。
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JP2019172481A JP6853320B2 (ja) | 2019-09-24 | 2019-09-24 | スクリューコンベヤ、シールド掘削機および排土方法 |
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Family Applications (1)
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JP2019172481A Active JP6853320B2 (ja) | 2019-09-24 | 2019-09-24 | スクリューコンベヤ、シールド掘削機および排土方法 |
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