JP4159054B2 - 地中遮水壁の構築方法 - Google Patents
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他方、セメント系固化材を使用せずに、粘土鉱物であるベントナイトの自己修復性に起因する、地盤変形に対する追従性を利用し、掘削溝の中にベンナイト泥水を充填するベントナイト泥水壁工法により、地中遮水壁の遮水性を長期間確保する場合もある。しかし、セメント系固化材を使用していないので、壁体強度は弱く、周辺地盤の崩壊等を引き起こす可能性がある。
これらを踏まえて、セメント系固化材を使用せずに、粉体のベントナイトと水と対象地盤の地盤土砂とを現地地盤中において混合攪拌することにより地中遮水壁を構築する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、本発明の主たる課題は、粉体もしくは顆粒状のベントナイトや木節粘土等の粘土鉱物の粘度増加を遅延させることにより、多量の粘土鉱物と混合土とを低粘度のまま効率よく均質に混合攪拌させ、セメント系固化材を使用せず、地盤と同程度の強度を有する地中遮水壁を、容易かつローコストに構築する方法を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m3当たり30〜500kg/m3含む粘土鉱物懸濁液を吐出して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液を混合攪拌する第1の工程と、
前記掘削軸を引き抜きながら、前記第1の工程によって混合攪拌された泥水混合土に、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記泥水混合土に混合する第2の工程とからなる、ことを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
第1の工程において、水1m3当たり30〜500kg/m3の粘土鉱物量の、比較的低濃度の粘土鉱物懸濁液を安定液として吐出し、この粘土鉱物懸濁液と地盤中の地盤土砂とを混合攪拌して、掘削孔若しくは掘削溝の崩壊等を防止しつつ、対象地盤を掘削する。
また、第2の工程において、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を水で搬送するのではなく空気圧送することより、搬送途中で粘土鉱物が粘度増加することはなく粉体若しくは顆粒状態で搬送されるので、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3の多量の粘土鉱物と泥水混合土とを混合攪拌しても粘土鉱物の粘度増加を遅延させることができるため、粘性が低い状態のままで容易に粘土鉱物と混合土との均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよい。
すなわち、第1の工程と第2の工程により、低粘度のまま効率よく均質な混合攪拌ができ、混合攪拌した後は、地盤と同程度の強度を有する地中遮水壁が構築される。
また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を水で搬送するのではなく空気圧送することより、搬送途中で粘土鉱物が粘度増加することはなく粉体若しくは顆粒状態で搬送されるので、搬送作業効率が悪化することはない。また、この粘土鉱物と泥水混合土とを混合攪拌しても粘土鉱物の粘度増加を遅延させることができるため、粘性が低い状態のままで容易に粘土鉱物と混合土との均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよい。
掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m3当たり30〜500kg/m3含む粘土鉱物懸濁液を吐出するとともに、
水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を混合攪拌する第1の工程と、
前記掘削軸を引き抜きながら、前記第1の工程によって混合攪拌された泥水混合土に、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記泥水混合土に混合する第2の工程とからなる、ことを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
第1の工程を掘削段階を主とし、少なくとも掘削孔若しくは掘削溝の崩壊等を防止することができる量の分である、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量(対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3)及び粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量(水1m3当たり30〜500kg/m3)だけを予め懸濁液状態(地盤状況によっては、粉体若しくは顆粒状態のみの場合や懸濁液状態と共に添加する場合もある)で吐出し、第2の工程を混合攪拌を主とする段階とし、掘削の後の少なくとも地中遮水壁として強度をもたせるための残りの量の分、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量(対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3)については、粉体若しくは顆粒状態で吐出しながら混合攪拌している。
そのため、第1の工程と第2の工程により、低粘度のまま効率よく均質な混合攪拌ができ、混合攪拌した後は、地盤と同程度の強度を有する地中遮水壁が構築される。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を用いるため、通常のベントナイト泥水壁工法に比べて水量が少なくなるので、排泥が少なく、産業廃棄物を軽減することができる。
また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を水で搬送するのではなく空気圧送することより、搬送途中で粘土鉱物が粘度増加することはなく粉体若しくは顆粒状態で搬送されるので、搬送作業効率が悪化することはない。また、この粘土鉱物と泥水混合土とを混合攪拌しても粘土鉱物の粘度増加を遅延させることができるため、粘性が低い状態のままで容易に粘土鉱物と混合土との均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよい。
掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m 3 当たり30〜500kg/m 3 含む粘土鉱物懸濁液を吐出するとともに、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で対象土砂量1m 3 当たり20〜450kg/m 3 、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を混合攪拌することを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
本発明では、その粘土鉱物の添加を懸濁液状態と粉体若しくは顆粒状態の2態様にわけて行われる。2態様に分けることにより、少なくとも掘削孔若しくは掘削溝の崩壊等を防止することができる量(水1m3当たり30〜500kg/m3)の分だけを予め懸濁液状態(地盤状況によっては、粉体若しくは顆粒状態のみの場合や懸濁液状態と共に添加する場合もある)で吐出し、掘削孔若しくは掘削溝の崩壊等を防止しながら掘削を行い、掘削の後の少なくとも地中遮水壁として強度をもたせるための残りの量(対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3)の分については、粉体若しくは顆粒状態で吐出することができる。
粉体若しくは顆粒状態では、水等の接触による粘度増加を懸濁液状態に比べて粘土鉱物の粘度増加を遅延させることができるため、粘性が低い状態のままで容易に粘土鉱物と混合土との均質な混合攪拌ができると共に、掘削の後には、セメント系固化材を使用せずに地盤と同程度の強度をもった地中遮水壁を構築することができる。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を用いるため、通常のベントナイト泥水壁工法に比べて水量が少なくなるので、排泥が少なく、産業廃棄物を軽減することができる。
また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を水で搬送するのではなく空気圧送することより、搬送途中で粘土鉱物が粘度増加することはなく粉体若しくは顆粒状態で搬送されるので、搬送作業効率が悪化することはない。また、この粘土鉱物と泥水混合土とを混合攪拌しても粘土鉱物の粘度増加を遅延させることができるため、粘性が低い状態のままで容易に粘土鉱物と混合土との均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよい。
<請求項1に係る粘土鉱物について>
請求項1及び2に係る、第1の工程と第2の工程で混入される粘土鉱物について以下に説明する。
粘土鉱物は、例えば、ベントナイトや木節粘土等が考えられる。また、この粘土鉱物には、石炭灰、水硬スラグ、フライアッシュ、その他細粒土分等を、適宜、任意の量を添加してもよい。なお、本発明にいう粘土鉱物懸濁液は、粘土鉱物溶液の語義も含むものとする。また、対象土砂量とは、掘削した対象地盤の土砂量のことをいうものとする(以下、同様)。
また、硬い粘性土、密な砂質土や礫が多い土層等で、掘削孔が崩壊等しにくい場合には、施工コスト等の観点から、懸濁液B1と粉体/顆粒物B1の組み合わせを用いればよい。
なお、対象地盤の性状、施工技術や施工コスト等の観点から、第1の工程で懸濁液A1、第2の工程で粉体/顆粒物B1を用いたり、逆に、第1の工程で懸濁液B1、第2の工程で粉体/顆粒物A1を用いてもよい。
(実施の態様1)
実施の態様1は、前記第1の工程における前記粘土鉱物懸濁液は、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト量のベントナイト懸濁液であり、前記第2の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物は、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の量の粉体若しくは顆粒状のベントナイトである、請求項1記載の地中遮水壁の構築方法である。
この方法は、例えば、軟弱な粘性土や緩い砂質土が多い土層等で、掘削孔が崩壊等しやすい地盤に用いられる。
実施の態様2は、前記第1の工程における前記粘土鉱物懸濁液は、水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土懸濁液であり、前記第2の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物は、対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土である、請求項1記載の地中遮水壁の構築方法である。
この方法は、例えば、硬い粘性土、密な砂質土や礫が多い土層等で、掘削孔が崩壊等しにくい地盤に用いられる。
実施の態様3は、前記第1の工程における前記粘土鉱物懸濁液は、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト懸濁液であり、前記第2の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物は、対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土である、請求項1記載の地中遮水壁の構築方法である。
実施の態様4は、前記第1の工程における前記粘土鉱物懸濁液は、水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土懸濁液であり、前記第2の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物は、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の粉体若しくは顆粒状のベントナイトである、請求項1記載の地中遮水壁の構築方法である。
実施の態様3及び実施の態様4では、第1の工程と第2の工程において、ベントナイトと木節粘土とを、それぞれ懸濁液状態又は粉体若しくは顆粒状態で組み合わせて用いるため、対象地盤の性状、施工技術や施工コスト等の点で効果的である。
請求項2乃至3に係る、工程で混入される粘土鉱物について以下に説明する。前述したように、粘土鉱物は、例えば、ベントナイトや木節粘土等が考えられる。また、この粘土鉱物には、石炭灰、水硬スラグ、フライアッシュ、その他細粒土分等を、適宜、任意の量を添加してもよい。なお、本発明にいう粘土鉱物懸濁液は、粘土鉱物溶液の語義も含むものとする。粘土鉱物、粘土鉱物懸濁液の役割、それぞれの組み合わせ及び作用効果等については、前述してあるので、説明を省略し、以下に請求項2乃至3に係る粘土鉱物について、実施の態様の配合についてのみ示す。
対象地盤を掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液を吐出し、この粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液と前記地盤中の地盤土砂とを混合攪拌する、地中遮水壁の構築方法については、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量を、水1m3当たり30〜500kg/m3とするものである。
粘土鉱物懸濁液としては、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト量のベントナイト懸濁液(以下、「懸濁液A2」という)、若しくは水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土量の木節粘土懸濁液(以下、「懸濁液B2」という)である。なお、懸濁液A2については、より攪拌効率を高めるために、水1m3当たり30〜100kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物としては、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の粉体若しくは顆粒状のベントナイト(以下、「粉体/顆粒物A2」という)、若しくは対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土(以下、「粉体/顆粒物B2」という)である。なお、粉体/顆粒物A2については、より強度を増すために、対象土砂量1m3当たり50〜200kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。また、地盤状況において、粉体若しくは顆粒状態のみの場合や懸濁液状態と共に添加する場合があるが、このような場合は、例えば、含水率が高い地盤等に適用されるものである。
対象地盤を掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液を吐出し、この粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液と前記地盤中の地盤土砂とを混合攪拌する第1の工程と、前記第1の工程により混合攪拌される泥水混合土に、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出し、この粘土鉱物と前記泥水混合土とを混合攪拌する第2の工程とからなる、地中遮水壁の構築方法については、前記第1の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、前記粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量を、水1m3当たり30〜500kg/m3とし、前記第2の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とするものである。
粘土鉱物懸濁液としては、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト量のベントナイト懸濁液(以下、「懸濁液A3」という)、若しくは水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土量の木節粘土懸濁液(以下、「懸濁液B3」という)である。なお、懸濁液A3については、より攪拌効率を高めるために、水1m3当たり30〜100kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物としては、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の粉体若しくは顆粒状のベントナイト(以下、「粉体/顆粒物A3」という)、若しくは対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土(以下、「粉体/顆粒物B3」という)である。なお、粉体/顆粒物A3については、より強度を増すために、対象土砂量1m3当たり50〜200kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。
単軸若しくは多軸の掘削軸を備えた掘削装置を用いて形成する地中遮水壁の構築方法であって、前記掘削軸により所定深度まで掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液を吐出し、この粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液と前記地盤中の地盤土砂とを混合攪拌する第1の工程と、前記掘削軸を引き抜きながら粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出せずに、前記第1の工程により混合攪拌される泥水混合土をさらに混合攪拌のみを行う第2の工程と、前記掘削軸を第1の工程によって形成された掘削孔内に再び挿入しつつ、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出し、この粘土鉱物と前記泥水混合土とを混合攪拌する第3の工程と、前記掘削軸を引き抜きながら粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出せずに、混合攪拌のみを行う第4の工程と、を備えた、地中遮水壁の構築方法については、前記第1の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、前記粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量を、水1m3当たり30〜500kg/m3とし、前記第3の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とするものである。
粘土鉱物懸濁液としては、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト量のベントナイト懸濁液(以下、「懸濁液A4」という)、若しくは水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土量の木節粘土懸濁液(以下、「懸濁液B4」という)である。なお、懸濁液A4については、より攪拌効率を高めるために、水1m3当たり30〜100kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物としては、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の粉体若しくは顆粒状のベントナイト(以下、「粉体/顆粒物A4」という)、若しくは対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土(以下、「粉体/顆粒物B4」という)である。なお、粉体/顆粒物A4については、より強度を増すために、対象土砂量1m3当たり50〜200kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。
移動可能なベースマシンと、対象地盤を溝掘削するカッターとを備えたチェーンカッター方式掘削装置を用いて形成する地中遮水壁の構築方法であって、前記カッターの建込み位置を1次工区開始点とし、この1次工区開始点から一方向に所定長の1次工区終了点まで当該チェーンカッター方式掘削装置が移動しつつ溝掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液を吐出し、この粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液と前記地盤中の地盤土砂とを混合攪拌する第1の工程と、このチェーンカッター方式掘削装置が前記1次工区終了点から1次工区開始点へ戻りながら、粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出せずに、前記第1の工程により混合攪拌される泥水混合土をさらに混合攪拌のみを行う第2の工程と、前記1次工区開始点に戻った後、再び前記1次工区終了点方向へ移動しつつ、前記1次工区開始点から1次工区終了点までは、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出し、この粘土鉱物と前記泥水混合土とを混合攪拌し、前記1次工区終了点を2次工区開始点として、この2次工区開始点から所定長の2次工区終了点までは、溝掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液を吐出し、この粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液と前記地盤中の地盤土砂とを混合攪拌する第3の工程と、を備え、先行工区終了点を後行工区開始点として、上記第2の工程と第3の工程を順次繰り返すことにより、全工区の地中遮水壁の構築を行う、地中遮水壁の構築方法については、前記第1の工程における前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、前記粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量を、水1m3当たり30〜500kg/m3とし、前記第3の工程における1次工区開始点から1次工区終了点までの前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、前記第3の工程における2次工区開始点から所定長の2次工区終了点までの前記粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の量を、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3とし、前記粘土鉱物懸濁液中の粘土鉱物量を、水1m3当たり30〜500kg/m3とするものである。
粘土鉱物懸濁液としては、水1m3当たり30〜250kg/m3のベントナイト量のベントナイト懸濁液(以下、「懸濁液A5」という)、若しくは水1m3当たり50〜500kg/m3の木節粘土量の木節粘土懸濁液(以下、「懸濁液B5」という)である。なお、懸濁液A5については、より攪拌効率を高めるために、水1m3当たり30〜100kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物としては、対象土砂量1m3当たり20〜300kg/m3の粉体若しくは顆粒状のベントナイト(以下、「粉体/顆粒物A5」という)、若しくは対象土砂量1m3当たり40〜450kg/m3の粉体若しくは顆粒状の木節粘土(以下、「粉体/顆粒物B5」という)である。なお、粉体/顆粒物A5については、より強度を増すために、対象土砂量1m3当たり50〜200kg/m3のベントナイト量とすることが好適である。
単軸掘削装置1は、たとえば図1及び図2に示す全体構造を有するものである。すなわち、ベースマシン2の前方において支持され設置されたリーダ3はベースマシン2のリーダ受台4とバックステイ5により支えられる構造となっている。前記リーダ3には、複数本の単位掘削軸を長手方向に連結して構成された長尺の掘削軸6が鉛直方向に移動可能なように設けられ、その掘削軸6の頭部にはリーダ3に沿ってスライドする動力源7が搭載されている。この動力源7の動力は、減速機8を介して掘削軸6に伝達される。
動力源7としては、油圧モータが用いられることもあるが、一般的には電動モータが多く用いられる。この種の電動モータは一台に限られず、複数台用いることも可能である。これら電動モータからの動力は図示しない歯車列により一つにまとめられ、減速機8により回転数が減速されて掘削軸6に伝達される。
図3に示すように掘削軸6は、単位掘削ロッドが長手方向に複数本連結されて構成されたもので、その下方には攪拌ヘッド6aを有し、下端に掘削ヘッド6bが取り付けられている。前記攪拌ヘッド6aは翼片または螺旋翼などで構成される。また、掘削軸6の上端には懸濁液A若しくは懸濁液B等の粘土鉱物懸濁液を供給するための、流体供給源(図示せず)が設けられ、掘削軸6内にはこれらの液体流路(図示せず)が形成され掘削軸6の下端部の第1の吐出口(図示せず)から上記粘土鉱物懸濁液を吐出可能になっている。
また、掘削軸6内には、搬送管路(図示せず)が形成されており、搬送管路(図示せず)の一端には、粉体/顆粒物A若しくは粉体/顆粒物B等の粘土鉱物を空気圧送するコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)が外部で連設され、掘削軸6の下端部には搬送された上記粘土鉱物を吐出する第2の吐出口(図示せず) が形成されている。
なお、この種の単軸掘削機は公知であり、本発明に係る地中遮水壁の構築方法は、上記単軸掘削機1に限定されるものではない。
単軸掘削装置の場合の本発明に係る地中遮水壁の構築方法について、図4に基づいて説明する。なお、パターン1は、前述した実施の態様1乃至4に基づくものである。まず、図4(1)に示すように、第1の工程として、単軸掘削機1により懸濁液A1若しくは懸濁液B1を安定液として掘削軸6の下端部の第1の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液とを攪拌ヘッド6aにより混合攪拌して、掘削孔の崩壊等を防止しつつ、掘削ヘッド6bで対象地盤を掘削する。
図4(2) に示すように所定の深度まで掘削した後は、図4(3)に示すように、第2の工程として粉体/顆粒物A1若しくは粉体/顆粒物B1を、掘削軸6内に形成された搬送管路(図示せず)にコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)により空気圧送し、掘削軸6に形成された第2の吐出口(図示せず)より吐出させつつ、攪拌ヘッド6aを回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら、掘削軸6を引き抜く。
その結果、図4(4)に示すような遮水パイルが対象地盤中に形成される。図示はしないが、この遮水パイルを連続して構築すれば、柱列壁形式の地中遮水壁を構築することができる。
なお、粘土鉱物懸濁液を搬送する液体流路と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を搬送する搬送管路とを兼用することも可能であるが、管路内での粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の粘度増加を防ぐためにも、水分との接触をさけ別経路とすることが好ましい。
ここで、第2の工程において、粉体/顆粒物A1若しくは粉体/顆粒物B1を掘削軸6の引き抜き時に、吐出させるのは、粘土鉱物の粘度増加を遅延させるためである。すなわち、粘土鉱物が水分を吸収して粘性度を増してくるのは、水と接触してから約30分程度後であるため、その間に水と地盤土砂と粘土鉱物懸濁液及びこれらの粘土鉱物を混合攪拌し、粘性度が増してくるまでに掘削軸6を引き抜いてしまえば、低粘度状態の泥水混合土のままで容易に均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよく、混合攪拌した後は、地盤と同程度の強度を有する地中遮水壁が構築される。
また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてから上記時間内に、掘削軸6を引き抜いてしまえばよいので、掘削速度、掘削深度、掘削軸の引き抜き速度等の条件の組み合わせにより、図4(1)に示す掘削段階で、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてもよい。
パターン2は、前述した実施の態様6に基づくものである。パターン1との相違点は、第1の工程として、単軸掘削機1により粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A3及び/または粉体/顆粒物B3)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A3及び/または粉体/顆粒物B3)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A3及び/または懸濁液B3)を掘削軸6の下端部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂とこの粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液とを攪拌ヘッド6aにより混合攪拌して、掘削孔の崩壊等を防止しつつ、掘削ヘッド6bで対象地盤を掘削する点である。
また、図4(2) に示すように所定の深度まで掘削した後は、図4(3)に示すように、第2の工程として粉体/顆粒物A3若しくは粉体/顆粒物B3を、掘削軸6内に形成された搬送管路(図示せず)にコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)により空気圧送し、掘削軸6に形成された第2の吐出口(図示せず)より吐出させつつ、攪拌ヘッド6aを回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら、掘削軸6を引き抜けばよい。その他の点については、パターン1と同様なので説明を省略する。
パターン3は、前述した実施の態様7に基づくものである。まず、図9(1)に示すように、第1の工程として、単軸掘削機1により粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A4及び/または粉体/顆粒物B4)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A4及び/または粉体/顆粒物B4)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A4及び/または懸濁液B4)を掘削軸6の下端部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂とこの粘土鉱物、又は当該粘土鉱物及び粘土鉱物懸濁液とを攪拌ヘッド6aにより混合攪拌して、掘削孔の崩壊等を防止しつつ、掘削ヘッド6bで対象地盤を掘削する。
次に、図9(2) に示すように所定の深度まで掘削した後は、図9(3)に示すように、第2の工程として、粘土鉱物懸濁液(懸濁液A4及び/または懸濁液B4)及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A4及び/または粉体/顆粒物B4)を吐出せずに、攪拌ヘッド6aを回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら掘削軸6を引き抜く。
次に、図9(3)に示すように、第3の工程として、掘削軸6を第1の工程によって形成された掘削孔内に再び挿入しつつ、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A4及び/または粉体/顆粒物B4)を吐出し、この粘土鉱物と泥水混合土とを、図9(4)に示すように、最下部まで万遍なく混合攪拌する。
次に、第4の工程として、図9(5)に示すように、粘土鉱物懸濁液(懸濁液A4及び/または懸濁液B4)及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A4及び/または粉体/顆粒物B4)を吐出せずに、攪拌ヘッド6aを回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら掘削軸6を引き抜けばよい。
多軸掘削装置のうち、以下に、三軸掘削装置の場合の適用ついて主に説明する。三軸掘削装置11は、たとえば図5に示す全体構造を有するものである。単軸掘削装置1との相違は、図6に示すように、掘削軸12が、三軸の掘削軸から構成され、中央掘削軸13と、この中央掘削軸13の両側を挟むように列設された側端掘削軸14a,14bからなるものであることである。したがって、それ以外の構成については、単軸掘削装置1の構成と略同様なので、掘削軸12の構成の説明だけに留め、それ以外の構成の説明は省略する。
さらに、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14b内には、搬送管路(図示せず)が形成されており、搬送管路(図示せず)の一端には、粉体/顆粒物A若しくは粉体/顆粒物B等の粘土鉱物を空気圧送するコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)が外部で連設され、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14bの下端には搬送された上記粘土鉱物を吐出する第2の吐出口18 が形成されている。
なお、この種の三軸掘削機は公知であり、本発明に係る地中遮水壁の構築方法は、上記三軸掘削機11に限定されるものではない。
所定の深度まで掘削した後は、第2の工程として粉体/顆粒物A1若しくは粉体/顆粒物B1を、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14b内に形成された搬送管路(図示せず)にコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)により空気圧送し、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14bに形成された第2の吐出口18より吐出させつつ、攪拌ヘッド15を回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14bを引き抜く。
パイルを連続して構築すれば、柱列壁形式の地中遮水壁を構築することができる。
なお、粘土鉱物懸濁液を搬送する液体流路と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を搬送する搬送管路とを兼用することも可能であるが、管路内での粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の粘度増加を防ぐためにも、水分との接触をさけ別経路とすることが好ましい。
また、上記の三軸掘削装置11による粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の吐出方法については、様々な変形例が考えられる。例えば、掘削段階では、側端掘削軸14a,14bの第1の吐出口17のみから粘土鉱物懸濁液を吐出させ、引き抜き段階では中央掘削軸13の第2の吐出口18のみから粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させることも可能である。
さらに、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてから上記時間内に、中央掘削軸13、側端掘削軸14a,14bを引き抜いてしまえばよいので、掘削速度、掘削深度、掘削軸の引き抜き速度等の条件の組み合わせにより、掘削段階で粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてもよい。
なお、上記では、三軸掘削装置について説明したが、四軸乃至六軸掘削装置その他六軸以上の掘削軸を有する掘削装置についても適用可能である。また、単軸掘削のパターン2、パターン3に対応する工法の説明については、略単軸掘削のパターン2、パターン3と同様のため、説明を省略する。
チェーンカッター方式掘削装置21は、たとえば図7(1),(2)に示す全体構造を有するものである。なお、図7(1)はチェーンカッター方式掘削装置21の側面図であり、図7(2)はその正面図である。ベースマシン22の前方において支持され設置されたリーダ23はベースマシン22のリーダ受台24とバックステイ25により支えられる構造となっている。前記リーダ23には、カッター26の一部を構成する無端チェーン27をガイドするための複数の単位ガイドポストを長手方向に連結して構成された、ガイドポスト28が鉛直方向に移動可能なように設けられ、そのガイドポスト28の頭部にはリーダ3に沿ってスライドする電動モータ等による動力源29が搭載されている。この動力源29の動力は、チェーン駆動用ドライブホイール(図示せず)を介して後述する無端チェーン27に伝達される。
カッター26は、ガイドポスト28、チェーン駆動用ドライブホイール(図示せず)、後述するチェーンスプロケット30、無端チェーン27、複数のカッタービット(図示せず)及び攪拌バー(図示せず)から構成されている。ガイドポスト28には、上部にチェーン駆動用ドライブホイール(図示せず)及び最下端のガイドポスト28a下部にチェーンスプロケット30が枢支若しくは軸支されるように設けられ、これらガイドポスト28、チェーン駆動用ドライブホイール及びチェーンスプロケット30には、無端チェーン27が掛け渡されており、この無端チェ−ン27には、複数のカッタービット(図示せず)と攪拌バー(図示せず)とが交互に配設されている。そして、この無端チェ−ン27は動力源29からの動力によりチェーン駆動用ドライブホイールを介して、回動するようになっている。
また、ガイドポスト28内には、外部に設けられた流体供給源(図示せず)から供給される懸濁液A若しくは懸濁液B等の粘土鉱物懸濁液を搬送する液体流路(図示せず)が形成され、最下端のガイドポスト28aの下部の第1の吐出口(図示せず)から上記粘土鉱物懸濁液を吐出可能になっている。
さらに、ガイドポスト28内には、搬送管路(図示せず)が形成されており、搬送管路(図示せず)の一端には、粉体/顆粒物A若しくは粉体/顆粒物B等の粘土鉱物を空気圧送するコンプレッサー等の圧送装置(図示せず)が連設され、最下端のガイドポスト28aの下部には搬送された上記粘土鉱物を吐出する第2の吐出口(図示せず) が形成されている。
なお、この種のチェーンカッター方式掘削装置21は公知であり、本発明に係る地中遮水壁の構築方法は、上記チェーンカッター方式掘削装置21に限定されるものではない。また、第1及び第2の吐出口は、最下端のガイドポスト28aに形成されることが好ましいが、任意の位置のガイドポスト28,28,…に形成してもよい。
チェーンカッター方式掘削装置の場合の本発明に係る地中遮水壁の構築方法について、図8に基づいて説明する。なお、パターン1は、前述した実施の態様1乃至4に基づくものである。まず、事前に所定深度まで掘削された掘削孔にカッター26を貫入するか、若しくは単位ガイドポストを順次連結させながら所定深度まで自力建込みを行うことによって、図8(1)に示すように、対象地盤中にカッター26を建込む。そして、図8(2)に示すように、第1の工程として、ベースマシン22をカッター建込み位置から矢印(往路)の方向に移動させながら、懸濁液A1若しくは懸濁液B1を安定液として最下端のガイドポスト28aの下部の第1の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液とを攪拌バーにより混合攪拌して、掘削溝の崩壊等を防止しつつ、カッタービットで対象地盤を溝掘削する。
所定の長さまで溝掘削した後は、図8(3)に示すように、第2の工程として粉体/顆粒物A1若しくは粉体/顆粒物B1を、第2の吐出口(図示せず)より吐出させつつ、攪拌バーを回転させ地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを混合攪拌しながら、始点となるカッター建込み位置に向けて矢印(復路)方向にベースマシン22を移動させ、カッター建込み位置に戻った後、カッター26を引き抜く。
その結果、溝掘削した部分に、連続壁である地中遮水壁を対象地盤中に構築することができる。
なお、粘土鉱物懸濁液を搬送する液体流路と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を搬送する搬送管路とを兼用することも可能であるが、管路内での粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の粘度増加を防ぐためにも、水分との接触をさけ別経路とすることが好ましい。
ここで、第2の工程において、ベースマシン22の復路移動時に、粉体/顆粒物A1若しくは粉体/顆粒物B1を吐出させるのは、粘土鉱物の粘度増加を遅延させるためである。すなわち、粘土鉱物が水分を吸収して粘性度を増してくるのは、水と接触してから約30分程度後であるため、その間に水と地盤土砂と粘土鉱物懸濁液及びこれらの粘土鉱物を混合攪拌し、粘性度が増してくるまでに、カッター建込み位置への戻る復路移動を終えてカッター26を引き抜いてしまえば、低粘度状態の泥水混合土のままで容易に均質な混合攪拌ができ、かつ攪拌効率もよく、混合攪拌した後は、地盤と同程度の強度を有する地中遮水壁が構築される。
また、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてから上記時間内に、カッターを引き抜いてしまえばよいので、掘削速度、ベースマシンの移動距離及び移動速度、カッターの引き抜き速度等の条件の組み合わせにより、図8(2)に示す掘削段階で、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出させてもよい。
パターン2は、前述した実施の態様5に基づくものである。パターン1との相違点は、図10(1)及び(2)に示すように、ベースマシン22をカッター建込み位置から矢印の方向に移動させながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A2及び/または粉体/顆粒物B2)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A2及び/または粉体/顆粒物B2)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A2及び/または懸濁液B2)を最下端のガイドポスト28aの下部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを攪拌バーにより混合攪拌して、掘削溝の崩壊等を防止しつつ、カッタービットで対象地盤を溝掘削する。その結果、溝掘削した部分に、連続壁である地中遮水壁を対象地盤中に構築することができる。
なお、粘土鉱物懸濁液を搬送する液体流路と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を搬送する搬送管路とを兼用することも可能であるが、管路内での粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物の粘度増加を防ぐためにも、水分との接触をさけ別経路とすることが好ましい。より好適には、少なくとも粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物については、だま(よく溶けずにできる粒状の塊)の発生を防止するために、より攪拌しやすくする必要があるので、ベースマシン22の移動方向とは反対側(掘削する地盤と対向していない側)の吐出口(図示せず)から吐出させることが望ましい。その他については、パターン1と略同様なので、説明を省略する。
パターン3は、前述した実施の態様6に基づくものである。パターン1との相違点は、第1の工程として、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A3及び/または粉体/顆粒物B3)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A3及び/または粉体/顆粒物B3)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A3及び/または懸濁液B3)を最下端のガイドポスト28aの下部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出して、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを攪拌バーにより混合攪拌して、掘削溝の崩壊等を防止しつつ、カッタービットで対象地盤を溝掘削する点である。その他については、パターン1やパターン2と略同様なので、説明を省略する。
パターン4は、前述した実施の態様8に基づくものである。図11(1)に示すように、第1の工程としては、カッターの建込み位置を1次工区開始点とし、図11(2)に示すように、この1次工区開始点からベースマシン22を矢印(往路)の方向に移動させつつ、所定長の1次工区終了点まで溝掘削させながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A5及び/または粉体/顆粒物B5)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A5及び/または粉体/顆粒物B5)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A5及び/または懸濁液B5)を最下端のガイドポスト28aの下部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出し、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを攪拌バーにより混合攪拌して、掘削溝の崩壊等を防止しつつ、カッタービットで対象地盤を溝掘削する。
第2の工程として、図11(3)に示すように、ベースマシン22が1次工区終了点から1次工区開始点へ戻りながら、粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を吐出せずに、第1の工程により混合攪拌される泥水混合土をさらに混合攪拌のみを行う。
第3の工程として、前記1次工区開始点に戻った後、図11(4)に示すように、再び1次工区終了点方向へ移動しつつ、1次工区開始点から1次工区終了点までは、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A5及び/または粉体/顆粒物B5)を吐出し、この粘土鉱物と泥水混合土とを混合攪拌し、1次工区終了点を2次工区開始点として、図11(5)に示すように、この2次工区開始点から所定長の2次工区終了点までは、溝掘削しながら、粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物(粉体/顆粒物A5及び/または粉体/顆粒物B5)、又は当該粘土鉱物(粉体/顆粒物A5及び/または粉体/顆粒物B5)及び粘土鉱物懸濁液(懸濁液A5及び/または懸濁液B5)を最下端のガイドポスト28aの下部の第1及び/または第2の吐出口(図示せず)から吐出し、地盤中の地盤土砂と粘土鉱物懸濁液と粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物とを攪拌バーにより混合攪拌して、掘削溝の崩壊等を防止しつつ、カッタービットで対象地盤を溝掘削する。
そして、図示はしないが、先行工区終了点を後行工区開始点として、上記第2の工程と第3の工程を順次繰り返すことにより、全工区の地中遮水壁の構築を行っていくものである。その他については、パターン1〜3と略同様なので、説明を省略する。
Claims (3)
- 掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m3当たり30〜500kg/m3含む粘土鉱物懸濁液を吐出して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液を混合攪拌する第1の工程と、
前記掘削軸を引き抜きながら、前記第1の工程によって混合攪拌された泥水混合土に、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記泥水混合土に混合する第2の工程とからなる、ことを特徴とする地中遮水壁の構築方法。 - 掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m3当たり30〜500kg/m3含む粘土鉱物懸濁液を吐出するとともに、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を混合攪拌する第1の工程と、
前記掘削軸を引き抜きながら、前記第1の工程によって混合攪拌された泥水混合土に、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で、対象土砂量1m3当たり20〜450kg/m3、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記泥水混合土に混合する第2の工程とからなる、ことを特徴とする地中遮水壁の構築方法。 - 掘削軸により所定深度まで対象地盤を掘削しながら、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を水1m 3 当たり30〜500kg/m 3 含む粘土鉱物懸濁液を吐出するとともに、水との接触によって粘度増加する粘土鉱物を、粉体若しくは顆粒状で対象土砂量1m 3 当たり20〜450kg/m 3 、前記粘土鉱物懸濁液とは別経路で空気圧送して、前記対象地盤中の地盤土砂と前記粘土鉱物懸濁液及び粉体若しくは顆粒状の粘土鉱物を混合攪拌することを特徴とする地中遮水壁の構築方法。
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