JP4230588B2 - シールド掘削機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、掘削された泥岩や粘土塊を破砕する回転破砕装置を搭載したシールド掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シールド工法に用いられるシールド掘削機としては、地盤を掘削するカッター板と、カッター板によって掘削された土砂が溜まるチャンバーと、上記チャンバー内の土砂を排出するスクリューコンベアを備えたものがある。上記シールド掘削機は、上記スクリューコンベアから排出された掘削土砂を圧送ポンプを用いてトンネルの後方に排出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記シールド掘削機においては、掘削する地盤が土砂だけでなく泥岩や粘土塊を含む層を掘進する場合には、掘削された土砂に含まれる泥岩や粘土塊によって上記圧送ポンプが閉塞されてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、この発明の目的は、掘削された泥岩や粘土塊を破砕して圧送ポンプの使用を可能にする回転破砕装置を搭載したシールド掘削機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のシールド掘削機は、
カッター板の回転によって掘削されてチャンバー内に取り込まれた土砂を、スクリューコンベアによって搬送し、圧送ポンプによってトンネル外部に圧送するシールド掘削機において、上記スクリューコンベアの排出口と上記圧送ポンプの土砂投入口との間に回転破砕装置を取り付けてなるシールド掘削機であって、
上記回転破砕装置は、
上記スクリューコンベア上端部の上記排出口に連通する土砂投入口を有する破砕室と、
上記破砕室内に配設されると共に、複数列に破砕羽根が設けられた回転軸と、
上記回転軸を回転駆動する駆動手段と、
上記回転軸の下流側に、上記破砕羽根の各列の間を通過して上記回転軸に直交する方向に延在して設けられた複数の固定棒と、
上記破砕室における上記固定棒の下流側に設けられて、上記圧送ポンプの土砂投入口に連通する土砂排出口
を備え、
上記回転軸は、上記スクリューコンベアの排出用スクリュー羽根のシャフトと平行に設けられ、
上記排出用スクリュー羽根は、上記シャフトにおける下流側の先端から上流側の上記排出口までに設けられており、
上記回転破砕装置における回転している上記破砕羽根の輪郭で形成される円と、上記スクリューコンベアにおける回転している上記排出用スクリュー羽根の輪郭で形成される円とは、上記回転軸の延在方向に重なるようになっており、
上記破砕羽根の回転方向と、上記排出用スクリュー羽根の回転方向とは、互いに逆方向である
ことを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、チャンバー内に土砂と共に取り込まれた泥岩や粘土塊は、スクリューコンベアによって搬送されて回転破砕装置の上記破砕室に投入される。そして、上記回転破砕装置によって破砕された泥岩や粘土塊は、土砂と共に圧送ポンプによってトンネル外部に圧送される。その場合、上記圧送ポンプに投入される泥岩や粘土塊は、上記固定棒間を通過できる程度の大きさに破砕されている。したがって、土砂に含まれる泥岩や粘土塊によって上記圧送ポンプが閉塞されることはない。
【0007】
さらに、上記回転破砕装置においては、土砂と共に土砂投入口から破砕室内に投入された泥岩や粘土塊が、駆動手段によって回転される回転軸に複数列に設けられた破砕羽根によって、引き裂かれ、切り裂かれて破砕される。その際に、複数列に配列された破砕羽根の間を擦り抜けた泥岩や粘土塊が下流側に設けられた固定棒で受け止められる。そして、上記固定棒によって逃げない様に固定された泥岩や粘土塊が、次に回転してきた上記破砕羽根によって確実に破砕される。こうして、上記固定棒間を通過できる程度の大きさに破砕された泥岩や粘土塊は、土砂排出口から土砂と共に排出される。
【0008】
さらに、上記回転破砕装置における回転している上記破砕羽根の輪郭で形成される円と、上記スクリューコンベアにおける回転している上記排出用スクリュー羽根の輪郭で形成される円とは、上記回転軸の延在方向に重なるようになっており、上記破砕羽根の回転方向と、上記排出用スクリュー羽根の回転方向とは、互いに逆方向になっている。したがって、上記スクリューコンベアによって搬送されて上記回転破砕装置における上記破砕室の土砂投入口に至った粘土塊を、効果的に上記破砕室側に掻き落とすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の回転破砕装置が搭載されたシールド掘削機の縦断面図である。図1において、1は略円筒形状のスキンプレート、8はスキンプレート1の内部にその断面方向に設けられた隔壁、2はスキンプレート1の前端に取り付けられて電動機11により回転駆動されるカッター板、3はカッター板2と隔壁8とスキンプレート1で囲まれてカッター板2で掘削された土砂が取り込まれるチャンバである。
【0010】
また、4はスキンプレート1内に支持部材12によって支持されて後方に向かって徐々に高くなるように取り付けられた排土用のスクリューコンベア、13は隔壁8に設けられた取込口4aから下端部をチャンバー3内を臨むようにスクリューコンベア4内に設置された排出用スクリュー羽根である。
【0011】
また、5はスクリューコンベア4の排出口4b側に取り付けられて、チャンバ3から運び出された土砂に含まれる泥岩や粘土塊を破砕する回転破砕装置である。また、6は回転破砕装置5の土砂排出口5aから排出された土砂や泥岩や粘土塊を圧送する圧送ポンプである。
【0012】
上記構成のシールド掘削機において、上記カッター板2によって掘削されてチャンバー3内に取り込まれた土砂は、スクリューコンベア4,回転破砕装置5,圧送ポンプ6および排泥管7を介してトンネル外部に排出される。尚、スクリューコンベア4の上端部には、土砂を運搬する排出用スクリュー羽根13と泥岩や粘土塊を破砕する回転破砕装置5とを回転駆動する油圧モータ14を備えている。
【0013】
図2は、上記回転破砕装置5の縦断面を示す。また、図3は、図2のA−A矢視断面図である。この回転破砕装置5は、図3に示すように、円形断面を有するスクリューコンベア4の上端部を所定長さ分だけ下側半分を切り欠いて成る切り欠き部と、上記所定長を有する立方体の上面を除去した四角函体とを連結した蒲鉾状の横断面を有する外殻を有している。以下、この外殻で形成される室を破砕室15と言う。
【0014】
上記破砕室15における上記四角函体で構成される領域には、排出用スクリュー羽根13のシャフト16に平行な回転軸17を回転可能に配設している。そして、シャフト16と回転軸17とは、破砕室15の上端部に設けられたギヤー室18内に収納されたギヤー列によって伝達される油圧モータ14の回転力によって回転されるようになっている。尚、シャフト16に設けられる排出用スクリュー羽根13の上端は破砕室15の土砂投入口5bに位置するようにしている。
【0015】
上記回転軸17には、1列当たり互いに対向する2枚の破砕羽根19a,19bを6列設けている。そして、各列の破砕羽根19の破砕端面は、60度ずつ位相をずらしている。また、回転している破砕羽根19の輪郭で形成される円と回転している排出用スクリュー羽根13の輪郭で形成される円とを軸方向に重なるようにして、排出用スクリュー羽根13で搬送された土砂が効率よく破砕羽根19に供給されるようにしている。さらに、破砕羽根19の上記破砕端面には面取りがしてあって鋭角になっており、排出用スクリュー羽根13の回転によって供給される土砂中の泥岩や粘土塊を容易に破砕できるようにしている。
【0016】
上記回転軸17の下側(下流側)における各破砕羽根19の列の間には、回転軸17に直交する方向に延在して固定棒20を掛け渡している。こうして、各破砕羽根19によって破砕されなかった大きな泥岩や粘土塊を固定棒20で受け止めて、圧送ポンプ6にそのまま供給されないようにしている。ここで、上述のように、6列に配列された各破砕羽根19a,19bの先端は、5列に配列された各固定棒20の間に突入するようにしている。こうすることによって、各破砕羽根19a,19bの間を擦り抜けて固定棒20で受け止められて逃げ場を失った泥岩や粘土塊が、次に回転してきた破砕羽根19a,19bによって、確実に破砕されるのである。
【0017】
上記破砕室15における上記固定棒20の下流側には、圧送ポンプ6に連通する土砂排出口5aが設けられている。そして、この土砂排出口5aには、圧送ポンプ6が閉塞された場合等に水が破砕室15内に逆流しないように、平板状のゲート21で開閉されるようになっている。尚、このゲート21の開閉は、破砕室15の下部両側に設けられたゲートガイド23によって案内されて、破砕室15の両側に回転軸17に平行の配設された2つのゲートジャッキ22によって水平方向に行われる。
【0018】
上記構成のシールド掘削機及び回転破砕装置5は次のように動作する。先ず、ジャッキ9によって、スキンプレート1,隔壁8およびカッター板2は一体になってトンネル方向前方に推進される。こうして、スキンプレート1を前方に推進させながら電動機11によりカッター板2を回転して前方の地盤が掘削される。そして、カッター板2によって掘削された土砂がチャンバー3内に溜まり、油圧モータ14によって回転駆動されるスクリューコンベア4の排出用スクリュー羽根13によって取込口4aから取り込まれて後方に運び上げられて排出口4bから排出される。こうしてスクリューコンベア4の排出口4bから排出された土砂は、回転破砕装置5の破砕室15内に投入される。
【0019】
次に、上記回転破砕装置5において、上記油圧モータ14によってギヤー列を介して回転軸17が回転され、この回転軸17に位相をずらして6列に取り付けられた12枚の破砕羽根19が回転する。そして、この時間差を有して順次回転する6列12枚の破砕羽根19の上記破砕端面によって、破砕室15に投入された土砂中の泥岩や粘土塊が、引き裂かれ、攪拌され、切り裂かれて破砕される。
【0020】
その際に、位相をずらして順次回転する6列の破砕羽根19の間を擦り抜けた泥岩や粘土塊は、すのこ状に配設された固定棒20で受け止められて圧送ポンプ6に供給されない。こうして逃げ場を失った固定棒20上の泥岩や粘土塊が、次に回転してきた破砕羽根19a,19bによって確実に破砕されるのである。
【0021】
こうして、上記固定棒20の間隔より小さく破砕された泥岩や粘土塊を含む土砂は、固定棒20の間を通過し、破砕室15の底部に設けられて開放されているゲート21を通って、土砂排出口5aから圧送ポンプ6の土砂供給口(図示せず)内に流れ出し、圧送ポンプ6によって排泥管7を介してトンネル外部に排出されるのである。
【0022】
このように、本実施の形態においては、上記スクリューコンベア4の上端部に、排出口4bに連通する破砕室15を設ける。そして、破砕室15の下流側には排出用スクリュー羽根13のシャフト16に平行な回転軸17を設け、油圧モータ14によって回転されるようにする。そして、回転軸17には、1列当たり相反する方向に伸びる2枚の破砕羽根19a,19bを6列設け、各列の破砕羽根19の上記破砕端面を互いに60度ずつ位相をずらしている。さらに、回転軸17の下流側における各列の破砕羽根19の間には、回転軸17に直交する方向に延在して固定棒20を掛け渡している。
【0023】
したがって、上記スクリューコンベア4によって供給される土砂中の泥岩や粘土塊を上記構成の回転破砕装置5によって破砕することができ、土砂に含まれる泥岩や粘土塊によって圧送ポンプ6が閉塞するのを防止できるのである。また、その場合における破砕羽根19の駆動源として、スクリューコンベア4駆動用の油圧モータ14を利用することによって、回転破砕装置5を簡素にできる。さらに、上記トンネル掘削機は、泥岩や固結シルト層における掘削土の搬送に圧送ポンプ6を使用することを可能にし、泥岩や固結シルト層におけるトンネル掘削の作業性を高めることができる。
【0024】
尚、上記ギヤー室18内に収納されたギヤー列を、破砕羽根19の回転数が排出用スクリュー羽根13の回転数よりも高くなるように設定することによって、スクリューコンベア4によって供給される泥岩や粘土塊を効率よく破砕することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明のシールド掘削機は、スクリューコンベアの排出口に回転破砕装置の土砂投入口を取り付ける一方、上記回転破砕装置の土砂排出口を圧送ポンプの土砂投入口に取り付けたので、スクリューコンベアによって搬送されて回転破砕装置の上記破砕室に土砂と共に投入された泥岩や粘土塊を、上記回転破砕装置によって、上記固定棒間を通過できる程度の大きさに破砕できる。したがって、土砂に含まれる泥岩や粘土塊によって上記圧送ポンプが閉塞されることがない。
【0026】
さらに、上記回転破砕装置においては、破砕室内に複数列に破砕羽根が設けられた回転軸を配設し、この回転軸の下流側には、上記破砕羽根の各列の間を通過して上記回転軸に直交する方向に延在する複数の固定棒を設けたので、土砂と共に破砕室内に投入された泥岩や粘土塊を、複数列の破砕羽根によって破砕することができる。その際に、複数列に配列された破砕羽根の間を擦り抜けた泥岩や粘土塊を、上記固定棒で受け止めて固定して、次に回転してきた上記破砕羽根によって確実に破砕することができる。
【0027】
さらに、上記回転破砕装置における回転している上記破砕羽根の輪郭で形成される円と、上記スクリューコンベアにおける回転している上記排出用スクリュー羽根の輪郭で形成される円とを、上記回転軸の延在方向に重なるようにし、上記破砕羽根の回転方向と、上記排出用スクリュー羽根の回転方向とを、互いに逆方向にしたので、上記スクリューコンベアによって搬送されて上記回転破砕装置における上記破砕室の土砂投入口に至った粘土塊を、効果的に上記破砕室側に掻き落とすことができる。
【0028】
すなわち、この発明によれば、泥岩や固結シルト層における掘削土の搬送に圧送ポンプを使用することを可能にでき、泥岩や固結シルト層におけるトンネル掘削の作業性を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のシールド掘削機の縦断面図である。
【図2】 図1における回転破砕装置の縦断面図である。
【図3】 図2のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1…スキンプレート、
2…カッター板、 4…スクリューコンベア、
5…回転破砕装置、 5a…土砂排出口、
6…圧送ポンプ、 8…隔壁、
11…電動機、 13…排出用スクリュー羽根、
14…油圧モータ、 15…破砕室、
16…シャフト、 17…回転軸、
18…ギヤー室、 19…破砕羽根、
20…固定棒、 21…ゲート、
22…ゲートジャッキ、 23…ゲートガイド。
Claims (1)
- カッター板の回転によって掘削されてチャンバー内に取り込まれた土砂を、スクリューコンベアによって搬送し、圧送ポンプによってトンネル外部に圧送するシールド掘削機において、上記スクリューコンベアの排出口と上記圧送ポンプの土砂投入口との間に回転破砕装置を取り付けてなるシールド掘削機であって、
上記回転破砕装置は、
上記スクリューコンベア上端部の上記排出口に連通する土砂投入口を有する破砕室と、
上記破砕室内に配設されると共に、複数列に破砕羽根が設けられた回転軸と、
上記回転軸を回転駆動する駆動手段と、
上記回転軸の下流側に、上記破砕羽根の各列の間を通過して上記回転軸に直交する方向に延在して設けられた複数の固定棒と、
上記破砕室における上記固定棒の下流側に設けられて、上記圧送ポンプの土砂投入口に連通する土砂排出口
を備え、
上記回転軸は、上記スクリューコンベアの排出用スクリュー羽根のシャフトと平行に設けられ、
上記排出用スクリュー羽根は、上記シャフトにおける下流側の先端から上流側の上記排出口までに設けられており、
上記回転破砕装置における回転している上記破砕羽根の輪郭で形成される円と、上記スクリューコンベアにおける回転している上記排出用スクリュー羽根の輪郭で形成される円とは、上記回転軸の延在方向に重なるようになっており、
上記破砕羽根の回転方向と、上記排出用スクリュー羽根の回転方向とは、互いに逆方向である
ことを特徴とするシールド掘削機。
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JP3388899A Expired - Fee Related JP4230588B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | シールド掘削機 |
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- 1999-02-12 JP JP3388899A patent/JP4230588B2/ja not_active Expired - Fee Related
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