JPH066813B2 - 泥土圧送方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、泥土の圧送方法、更に詳しくは、泥土を低
い含水比のまま圧送することができるようにした泥土圧
送方法に関するものである。

〔従来の技術と問題点〕

例えば浚渫土を処理する方法として、ポンプ船で水と泥
土砂を撹拌しながら吸込み、排砂管で捨土地にまで送る
工法が採用されている。

従来、浚渫土のような泥土をポンプで送る場合、泥土に
流動性を必要し、約１０倍程度の水分を必要とする。こ
のため、泥水の処理が必要となって来ると云う問題がつ
きまとう。

この発明は、上記のような従来の浚渫方法にあった問題
点を解決するためになされたものであり、泥土を低い含
水比のまま圧送することができ、圧送効率及び捨地での
処理が能率的に行なえる泥土圧送方法を提供することが
目的である。

〔問題点を解決するための手段〕

上記のような問題点を解決するため、この発明は、回転
軸の周囲に多数本の砕土アームを突設したミキシング羽
根をケーシング内に複数本を並設し、各ミキシング羽根
を所望の方向に回転させるようにしたミキサー内に泥土
を供給し、この泥土を粉砕混練処理した後、ミキサーか
ら取出して磔除去を行ない、次に圧送ポンプで排泥管に
圧送するようにしたものである。

〔作用〕

浚渫泥土をミキサー内に供給し、ミキシング羽根の回転
により、泥土を粉砕混練処理し、流動性を与える。

ミキサーから取出した泥土は振動篩等を用い混入してい
る磔の除去を行ない、次にこれを泥土圧送ポンプに供給
し、このポンプで泥土を圧送し、排泥管を通して捨土地
に運ぶものであり、泥土は予めミキサーにより粉砕混練
処理されているため、低い含水比のままで泥土圧送ポン
プによる圧送が可能になる。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図と第２図はこの発明の方法を実施するために用い
る泥土処理装置の全体的な構造を示しており、船体１上
に、泥土を粉砕混練処理するミキサー２と、ミキサー２
から泥土を取り出して送るスクリューコンベヤ３と、上
記コンベヤ３から排出された泥土から磔を除去する振動
篩４と、上記振動篩４から落下した泥土を受取り、泥土
を二次混練するホッパー５と、このホッパー５から泥土
を受取って送り出す泥土圧送ポンプ６と、上記ポンプ６
から送り出されてくる泥土を捨土地等に誘導する排泥管
７と、これらを制御するコントロール室８とを設置し、
更に船体１の適当な位置に油圧式等の掘削機９を載置し
て構成されている。

前記ミキサー２は、ホッパー１０の上面に泥土中の障害
物を除去するスクリーン１１を張設すると共に、ホッパ
ー１０の内部に多数本のミキシング羽根１２を所望の方
向に回転させることができるように並設して形成されて
いる。

上記ミキシング羽根１２は第３図と第４図に示すよう
に、ホッパー１０の側壁間に回転軸１３を軸受での支持
によって横架し、この回転軸１３の外周に四方へ突出す
る羽根枠１４を突設した構造を有し、各羽根枠１４は、
回転軸１３の軸方向に一定の間隔で枠土アーム１４ａを
突設し、各砕土アーム１４ａの先端にわたって帯板１４
ｂを回転軸１３と平行するよう固定して形成されてい
る。

各ミキシング羽根１２は、ホッパー１０の外部に配置し
た専用のモータ１５により単独に駆動され、回転方向及
び回転速度が自由にコントロールできるようになってい
る。

ミキシング羽根１２は第３図に示すように、ホッパー１
０内に上下二段に配置され、上段は四本の羽根が並び、
下段は上段の各羽根間の真下に位置するよう三本が並
び、各羽根枠１４が干渉しない状態で接近させて配置さ
れている。

上記ミキシング羽根１２は、その回転時に、砕土アーム
１４ａと帯板１４ｂにより泥土を粉砕すると同時に混練
し、含水率の低い泥土に対して流動性を与えることにな
る。

なお、ホッパー１０の上部には給水ノズル１６が配置さ
れ、低い含水比の泥土に対して水を供給し、適度の含水
率に調整することができるようになっている。

スクリューコンベヤ３は、第３図のように、前記ホッパ
ー１０の下部にミキシング羽根１２の軸方向と直交状態
に配置され、ケーシング１７の一端側上面に設けた開口
がホッパー１０の下端排出口と連通していると共に、ス
クリュー１８がモータ１９によって駆動される。

上記スクリューコンベヤ３の先端でケーシング１７の下
面に排土口２０が設けられ、振動篩４は第５図のように
この排土口２０の真下に位置し、泥土に混入している磔
をコンベヤ２１上へ除去することになる。

上記振動篩４の真下に、篩処理した泥土を受取るよう配
置したホッパー５は、図示省略したがその内部に撹拌翼
を備え、スクリューコンベヤ３から投入された泥土を二
次混練するようになっている。

また、泥土圧送ポンプ６は、図示詳細を省いたが、油圧
シリンダにより逆工程に駆動される二本のピストンポン
プを前記ホッパー５の下部と連通させると共に、両ピス
トンポンプの先端部にスィングシリンダで作動する切替
用のスィングパイプと吸込パイプを配置し、スィングパ
イプは圧送工程にあるピストンポンプと排泥管を接続
し、吸込パイプは吸引工程にあるピストンポンプとホッ
パー５内を連通させ、両ピストンポンプで交互に泥土を
排泥管７を圧送するようになっている。

なお、第１図は排泥管７から排出される泥土を船２２で
受取って輸送する例を示したが、排泥管７を連結し、捨
土地まで直接泥土を圧送するようにしてもよい。

この発明の泥土圧送方法は上記のような処理装置を用い
て実施するものであり、掘削機９を用いて浚渫した泥土
は、水切りをしてミキサー２のホッパー１０内に投入す
る。

ミキサー２は、各ミキシング羽根１２を回転させ、投入
された泥土に対して粉砕混練処理を施すと共に、投入泥
土に含まれている大きな障害物はスクリーン１１によっ
て除去する。

ホッパー１０内で粉砕混練され、流動性が付与された泥
土はスクリューコンベヤ３に受取られて送られ、振動篩
４上に定量排出される。

振動篩４は、泥土を細かく篩い分けし、混入している磔
をライン外に除去すると共に、篩を通過した泥土はホッ
パー５内に落下収納され、このホッパー内において二次
混練される。

従って、泥土は低い含水率であっても、一次、二次混練
と夾雑物の除去により流動性が良く、泥土圧送ポンプ６
による圧送が円滑に行なえ、排土管７を介して捨土地へ
送り出されることになる。

ちなみに、上記処理によって圧送可能な泥土の含水比
は、80％〜110％ぐらいのものまで可能であり、従って
硬質粘土を処理して圧送することができる。

〔効果〕

以上のように、この発明によると、ミキサーのミキシン
グ羽根によって泥土を粉砕混練し、これを磔除去した後
泥土圧送ポンプで圧送するようにしたので、含水率の低
い泥土をそのまま圧送することができ、泥土処理の大幅
な能率向上とコストダウンを図ることができるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施に使用する泥土処理装置の正面
図、第２図は同上要部の拡大平面図、第３図は同じく要
部の拡大断面図、第４図は同上におけるミキサー部分の
縦断側面図、第５図は振動篩部分の縦断側面図、第６図
は圧送方法の工程図である。 １……船体、２……ミキサー、３……スクリューコンベ
ヤ、４……振動篩、５……ホッパー、６……泥土圧送ポ
ンプ、７……排泥管、１０……ホッパー、１１……スク
リーン、１２……ミキシング羽根、１３……回転軸、１
４ａ……砕土アーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転軸の周囲に多数本の砕土アームを突設
   したミキシング羽根をケーシング内に複数本並設し、各
   ミキシング羽根を所望の方向に回転させるようにしたミ
   キサー内に泥土を供給し、この泥土を粉砕混練処理した
   後、ミキサーから取出して磔除去を行ない、次に圧送ポ
   ンプで排泥管に圧送することを特徴とする泥土圧送方
   法。