JP3728692B2 - 改良土製造ミキサー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設工事に伴って発生する建設発生土(または残土ともいう)に固化材を混入し攪拌することによって良質土としてサイクルできるように製造するための改良土製造ミキサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建設工事に伴って発生する建設発生土のうち、良質のものはそのままリサイクル可能として利用することができるが、特に粘性の高い土や含水比の高い土は、そのままでは利用できないことから、強度を向上するために石灰やセメント等を混合して充分にかき混ぜ、改良された土(以下、改良土という)としてリサイクルされて使用されていた。
【0003】
改良土を連続して製造するには、建設発生土に含まれている大粒(例えば、約100mm以上のもの)の石を一次スクリーンによって分離し、生石灰サイロから生石灰を投入して、ミキサー内で混合して攪拌し、攪拌された混合土を振動スクリーンによって小粒(例えば、約40〜100mm)の石を遮断した後、製品として排出するようにして製造していた。
【0004】
建設発生土と固化材とを投入して攪拌するミキサーは、一般的には、コンクリートミキサーやモルタルミキサー等が知られていた。コンクリートミキサーは、回転ドラム内に固定羽根を設けて残土と固化材とをを混合するように構成され、モルタルミキサー45は、図11に示すように、上方が開口されたお椀型のケース46内にインペラー47が回転可能に配置されて構成されていた。しかし、これらのミキサーはバッチ式で使用されることから、連続処理ができず処理能力が劣り、改良土としての連続的な製造には不向きであった。
【0005】
従来から連続製造の過程で使用される従来のミキサーは、例えば、パドル型ミキサーやリボン型スクリューミキサー、又はロータリーハンマ型ミキサー等がよく知られていた。
【0006】
パドル型ミキサー50は、図12に示すように、並設された2軸51、52に櫂状の羽根(パドル)53を多数取り付けて、2軸51、52間に搬送された残土を練り合わせてスクリューコンベア54に排出するように構成されていた。
【0007】
リボン型スクリューミキサー60は、図13に示すように、スクリューコンベア61のスパイラル部62をリボン状に形成して、残土を送ると同時に混合させるように構成されていた。
【0008】
ロータリーハンマ型ミキサー65は、図14に示すように、2軸又は3軸の回転軸66に鋼製の羽根67を取り付けたロータリー68を高速で回転して残土をはね飛ばして解砕し、次のロータリーに順次送って混合するように構成されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のミキサーのうち、パドル型ミキサー50とリボン型ミキサー60は、大粒の石が入ると、各パドル53間やスクリュー54、又はリボン状のスクリュー62内で石を咬み込んでロックしてしまい、パドル53やスクリュー54、62等を損傷しやすいことから、混合状態は向上できるものの石の多い残土には向かなかった。
【0010】
また、ロータリーハンマ型ミキサー65は、石を解砕することができて石の多い残土でも対処できるものの、高速回転のためにロータリーハンマー68の損傷が激しくコストが高くついてしまっていた。
【0011】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、連続処理を行なえて、石の多い建設発生土でも部品を損傷することなく処理できる改良土製造ミキサーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわる改良土製造ミキサーでは、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、
建設発生土に固化材が混合された混合土を、攪拌室で攪拌して改良土として製造する改良土製造ミキサーであって、
前記攪拌室が、ケーシングに囲繞されるとともに回転可能な攪拌手段をそれぞれ有して多段式に形成され、
各攪拌室が、各攪拌室の上壁に配設されて前記攪拌手段に前記混合土を投入する投入口と、前記攪拌室の下壁に配設されて前記投入口に対して位相差を有した位置に形成される排出口とを有して構成されることを特徴とするものである。
【0013】
また好ましくは、前記攪拌手段が、回転軸と、前記回転軸に対して左右一対に配設されて複数の攪拌棒からなる攪拌レーキを有していればよい。
【0014】
さらに好ましくは、前記攪拌手段に、前記混合土を回転方向に沿って送り出すとともに前記混合土を切り返す内インペラー及び外インペラーとが配設されていればなおよい。
【0015】
また、前記内インペラーが前記底壁に対して約60度に傾斜して配置されて、前記外インペラーが前記底壁に対して約45度に傾斜して配置されていればなおよい。
【0016】
また、前記ケーシングが、縦方向に分割型に形成され、分割された一方のケーシングが着脱可能に配置されていればメンテナンスを向上するためにもよい。
【0017】
さらに、前記回転軸が、前記底壁に対して着脱可能に配置されていてもメンテナンスを向上するためによい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の改良土製造ミキサーは上記のように構成されているため、建設発生土に固化材が混入された混合土は、上段の攪拌室の投入口から自然落下で投入されて攪拌された後、下段の攪拌室に移動されて順次攪拌されることになる。つまり、各段において繰り返して攪拌が行なわれることから、攪拌能力が向上して良質の改良土を製造することができる。しかも、投入された混合土が投入口と排出口との位相差分回転されるだけで下段に自然落下するため、大きな石が混入されていたり含水比の大きい粘性土を混合する際にも、回転駆動部位には負担をかけずに落下させ、簡易な構成で攪拌能力を向上することができる。
【0019】
また、この改良土製造ミキサーでは、攪拌室に投入された混合土は、回転軸を中心に一対の櫛状の攪拌レーキによって攪拌されることから、石が混在していても、攪拌棒間に石を挿通させることができて攪拌レーキ自体を損傷することなく攪拌作業を行なうことができる。しかも、攪拌棒が回転軸を中心に左右一対配置されていることから、攪拌レーキの1回転で2回分の攪拌を行なえることになり、攪拌の連続処理を効率的に行なうことが可能となる。
【0020】
さらに、混合土が各攪拌室で攪拌される際、混合土は内インペラー及び外インペラーで切り返されながら送り出されることから、攪拌棒と内インペラー、外インペラーとで練り込まれることとなり、これによって充分な攪拌ができて攪拌能力がさらに向上される。
【0021】
また、前記ケーシングが、縦方向に分割型に形成され、分割された一方を取り外すことによって、内部を確認することができて、各攪拌室内でのメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0022】
さらに、回転軸が攪拌室の底壁に対して着脱可能に配置されていることから、回転軸を取り外すことによって、さらに細かい攪拌室内のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本形態の改良土製造ミキサー(以下、ミキサーという)10は、図1に示すように、下部に配置される脚部11と、上端に外部からの投入口21aを有し下端に外部への排出口22aを有して建設発生土(以下、発生土という)と固化材(実施形態では生石灰)とを混入して攪拌する攪拌部20と、を有して構成されている。
【0024】
攪拌部20は、縦方向に分割された攪拌室23を形成するために仕切られた分割壁25と、攪拌部20の軸方向に配置されて各分割壁25を挿通する回転軸26と、分割壁25間に配置されるとともに回転軸26に装着された攪拌レーキ30と、各攪拌室23を囲繞するように円筒状に形成されたケーシング40と、を有して構成されている。
【0025】
ケーシング40の上端には、投入口21aが形成された天井壁21が配置され、下端には、排出口22aが形成された底壁22が配置され、天井壁21と底壁22との間には、複数の攪拌室23を形成するために開口部25aを有する分割壁25が配置されている。実施形態においては、分割壁25は3段(上段から25A、25B、25C)に配置されて攪拌室23を縦方向に4室(上段から23A、23B、23C、23D)設けるようにしている。
【0026】
各分割壁25には開口部25aが形成され、天井壁21に形成された投入口21aの位置に対して順次位相差を有してそれぞれ配置されている。実施形態では、分割壁25の開口部25aが、上段から順に攪拌レーキ30の回転方向に沿って270°間隔で配置されるように分割壁25が回転軸26に取り付けられている。そして、分割壁25は開口部25aが投入口となるような上壁にもなり、また、開口部25aが排出口となるような下壁22にもなって、混合土を上段から順に下段に送るように構成されている。もちろん、攪拌室23の数、及び、開口部25aの位相角度は限定するものではない。
【0027】
各攪拌室23に配置される攪拌レーキ30は、図2〜3に示すように、回転軸26を挿通して回転軸26を中心に水平方向に十字型に形成された支持部31と、支持部31を一体的に固着するリング部材34と、支持部31の一方の直径方向の支持部材に間隔を有して垂直方向に櫛状に配置される複数の攪拌棒33と、攪拌棒33と直交する方向に相対向するように配置される内インペラー35及び外インペラー37とを有して構成されている。
【0028】
十字型の支持部31は、縦支持部材31aと横支持部材31bとに形成され、攪拌棒33は、図4〜5に示すように、回転軸26を中心にして縦支持部材31aの左右に対称的に複数個づつ上下方向に移動調整可能に取り付けられている。縦支持部材31aの攪拌棒取り付け部材32は、丸棒状の攪拌棒33を挿通する挿通孔32aを有し、挿通孔32aを挿通した攪拌棒33を止めねじ32bの先端部で押圧してロックできるように形成されている。
【0029】
内インペラー35と外インペラー37とは、図6〜8に示すように、支持部31の横支持部材31bに、回転軸26を中心にして左右に相対向するように、それぞれ取り付け部材36、38を介して装着されている。内インペラー35はウレタン材で矩形板状に形成されて、垂直方向(分割壁25)に対して約60°、水平方向(横支持部材31b)に対して約145°傾いて取り付けられている。また、外インペラー37はウレタン材で矩形板状に形成されて、垂直方向(底壁22)に対して約45°、水平方向(横支持部材31b)に対して約120°傾いて取り付けられている。
【0030】
そして、内インペラー35は、回転軸26付近に配置されて、混合土を回転軸26の中心に対して回転する方向に送り出すとともに、回転軸26から外側に切り出すようにように横支持部31bに対して広めの角度で配置され、外インペラー37は、外側に切り出された土を回転方向に送り出すように内インペラー35より横支持部31bに対し内側にむけて配置されるとともに、内インペラー35で外側に切り出された土を上下方向に切り返すように、リング部材34の下方付近に配置されている。従って、内インペラー35と外インペラー37との配置によって、混合土を回転方向に送り出すとともに上下に切り返して練り合わせをよくし、そして、切り返された混合土は、攪拌棒33によってさらにかき混ぜられる。これによって充分な攪拌を行なうことができる。
【0031】
なお、各攪拌室23に垂直方向に設けられた攪拌棒33は、攪拌レーキ30が摩耗して各攪拌棒33の長さが短くなった場合には、攪拌棒33を取り付け部材32から緩めて下方に移動することによって、全ての攪拌棒33の下端位置を合わせることができて、均一な混合を行なえるようにしている。また、攪拌室23の大きさや投入される混合土の量によって、あるいは内インペラー35と外インペラー37との下端位置を合わせるために、その高さ位置を調整することができる。
【0032】
ケーシング40は、実施形態においては、図1〜2に示すように、縦方向に二分割され、分割された分割ケーシング40はそれぞれ合わせ面においてフランジ部40aを形成してお互いに、複数のボルトとナットで取りつけできるように形成されるとともに、一方の分割ケーシング40Aは、脚部11に固着され、他方の分割ケーシング40Bは、一方の分割ケーシング40Aに着脱可能に配置される。これによって、各攪拌室23内におけるメンテナンス作業を容易に行なうことが可能となる。
【0033】
脚部11には、底壁22から延設される複数の脚12が配置されて、プラントPに装着できるように形成され、底壁22の下方で回転軸26を回転駆動する駆動モータ27が取り付けられている。さらに、排出口22aに改良土を排出ガイドする排出ガイド13が装着されている。また、回転軸26は底壁22から着脱できるように底壁22に取り付けられている。そして、回転軸26を取り外すことによって、さらにミキサー10内の細かいメンテナンス作業を行なえる。
【0034】
次に、上記のように構成されたミキサー10の作用を、図9〜10に示すように、建設発生土再生プラント(以下プラントという)P中に配置された状態で説明する。
【0035】
図9に示すプラントPの構成は、一実施形態を示すものであり、搬送された建設発生土を投入して大粒の石を遮断するロールスクリーン1と、ロールスクリーンから排出された発生土を搬送するコンベア3と、コンベア3上に搬送されている発生土に生石灰を混入するための生石灰サイロ5と、コンベア3の先端側で生石灰を混入した混合土を上部からホッパ7を介して受け入れるミキサー10と、ミキサー10を支持する機台8と、機台8上に配置されてミキサー10から排出された改良土を搬送する振動篩機9を有して構成されている。
【0036】
発生土が、ロールスクリーン1に投入されると、40〜100mgの石が選別されて除かれ、細かい土や土砂がコンベア3上に供給されて、コンベア3で搬送される。大粒の石が除かれた発生土は、生石灰サイロ5からコンベア3上に供給された固化材としての生石灰が混入されて混合土としてさらに送られる。コンベア3は進行方向に沿って上昇するように配置され、搬送された混合土は、コンベア3の先端部からホッパ7を介して、ミキサー10の上方の投入口21a(図1参照)から内部に投入される。
【0037】
なお、このプラントPの構成は上記に限定するものではなく、ミキサー10の配置位置やコンベア3の配置位置等を適宜変更することができる。
【0038】
実施形態のミキサー10においては、ミキサー10に投入された混合土は、上段の攪拌室23A、23B、23C、23Dの順で攪拌されながら排出口22aから排出される。この際、各攪拌室23内に配置された攪拌レーキ30は、図10に示すように、分割壁25の開口部25aの位置が上段から270°の位相差を有して配置されている。そして、攪拌レーキ30の位置は、外インペラー37を開口部25aと一致するように配置されている。
【0039】
つまり、図10(a)においては、攪拌室23Aを示すものであり、分割壁25Aは開口部25aを、図中、下方(上方を0°とした場合の180°の位置)を中心にして配置されている。そして、攪拌レーキ30Aは、縦支持部材31aが横方向に配置されて複数の攪拌棒33を装着し、横支持部材31bが縦方向に配置されて、図中、上方に内インペラー35、下方に外インペラー37を配置させている。なお、天井壁21の投入口21aは、図10(a)中には示されていないが、開口部25aの中心線に対して、時計回りで270°回転した位置、つまり、右方向(90°)の位置にある。
【0040】
また、図10(b)は、2段目の攪拌室23Bを示すものであり、分割壁25Bの開口部25aは、左方向(270°の位置)を中心にして配置され、攪拌室23Aにおける攪拌レーキ30Aが図10(a)の位置にあれば、攪拌レーキ30Bは、図10(a)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0041】
図10(c)は、3段目の攪拌室23Cを示すものであり、分割壁25Cの開口部25aは、上方位置(0°の位置)にあり、攪拌室23Bにおける攪拌レーキ30Bが図10(b)の位置にあれば、攪拌レーキ30Cは、図10(b)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0042】
図10(d)は、4段目の攪拌室23Dを示すものであり、底壁22の排出口22aは、右方位置(90°の位置)にあり、攪拌室23Cにおける攪拌レーキ30Cが図10(c)の位置にあれば、攪拌レーキ30Dは、図10(c)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0043】
従って、図例においては、天井壁21の投入口21aから上段の攪拌室23Aに投入された混合土は、攪拌室23A内の攪拌レーキ30Aの攪拌棒30が装着されている縦支持部材31aの辺りに落下される。落下された混合土は、まず、攪拌レーキ30Aの回転(図中、反時計方向)により、外インペラー37が、混合土を上下方向と内側に切り返しながら回転し、次に混合土を攪拌棒33で攪拌して、その後、内インペラー35で混合土を上下方向に切り返しながら、分割壁25Aの排出口(開口部25a)にかって混合土を送り出して、下方の攪拌室23Bに投入する。
【0044】
同様に、2段目の攪拌室23Bで混合土をさらに攪拌した後、3段目の攪拌室23Cに落下させてさらに攪拌し、4段目の攪拌室23Dに落下する。4段目の攪拌室23Dで攪拌された混合土は、改良土となって、底壁22の排出口22aから、振動篩機9に送られることになる。
【0045】
なお、上記の説明中、攪拌レーキ30は連続して回転され、また、混合土も連続して投入されるため、図10の(a)〜(d)は、攪拌レーキ30の停止位置を示すものではなく、各段の攪拌レーキ30位相ずれがわかるように、各攪拌室23における攪拌レーキ30の回転するタイミングを示したものである。
【0046】
振動篩機9では、改良土に含まれている40mg以下の子粒の石が篩落されて、細かい土が改良土として搬送される。
【0047】
上述のように、建設発生土に固化材が混入された混合土は、ミキサー10における上段の攪拌室23Aの投入口21aから自然落下で投入されて攪拌された後、下段の攪拌室23Bに移動されて順次攪拌されることになる。つまり、各段の攪拌室23において繰り返して攪拌が行なわれることから、攪拌能力が向上して良質の改良土を製造することができる。しかも、投入された混合土が各段における上壁(分割壁25)の開口部25aと下壁(分割壁25)の開口部25aとの位相差分回転されるだけで下段に自然落下するため、大きな石が混入されていたり含水比の大きい粘性土を混合する際にも、回転駆動部位には負担をかけずに落下させ、簡易な構成で攪拌能力を向上することができる。
【0048】
また、この改良土製造ミキサー10では、攪拌室25に投入された混合土は、回転軸26を中心に一対の櫛状の攪拌レーキ30によって攪拌されることから、石が混在していても、攪拌棒33間に石を挿通させることができて攪拌レーキ30自体を損傷することなく攪拌作業を行なうことができる。しかも、攪拌棒33が回転軸26を中心に左右一対配置されていることから、攪拌レーキ30の1回転で2回分の攪拌を行なえることになり、攪拌の連続処理を効率的に行なうことが可能となる。
【0049】
さらに、混合土が各攪拌室23で攪拌される際、混合土は内インペラー35及び外インペラー37で切り返されながら送り出されることから、攪拌棒33と内インペラー35、外インペラー37とで練り込まれることとなり、これによって充分な攪拌ができて攪拌能力がさらに向上される。
【0050】
また、ケーシング40が、縦方向に分割型に形成され、分割された一方のケーシング40Bを取り外すことによって、内部を確認することができて、各攪拌室23内でのメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0051】
さらに、回転軸26が攪拌室23の分割壁25に対して着脱可能に配置されていることから、回転軸26を取り外すことによって、さらに細かい攪拌室23内のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0052】
なお、上記のミキサーは、縦形に形成されて投入口と排出口を有した複数段の攪拌室を有し、各攪拌室内に、投入された混合土を攪拌する攪拌手段を有していれば、攪拌手段の具体的な構成は上述の攪拌レーキ30に限定するものではない。例えば、攪拌レーキ30に代わってパドルやそれに類するもので形成してもよい。
【0053】
さらに、投入された混合土を上下や内外に練り合わせることができれば、上記のように形成された内側インペラー35や外側インペラー37に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態のミキサーを示す斜視図である。
【図2】図1における攪拌レーキを示す平面図である。
【図3】同縦断面図である。
【図4】支持部材と攪拌棒との取り付け状態を示す平面図である。
【図5】同縦断面図である。
【図6】図2における内インペラーと外インペラーを示す平面図である。
【図7】図6における内インペラーを示す取り付け図である。
【図8】図6における外インペラーを示す取り付け図である。
【図9】ミキサーが設置されたプラントを示す全体間略図である。
【図10】各攪拌室における攪拌レーキの動作を示す作用図である。
【図11】従来のモルタルミキサーを示す図である。
【図12】従来のパドル式ミキサーを示す図である。
【図13】従来のスクリューミキサーを示す図である。
【図14】従来のロータリーハンマー式ミキサーを示す図である。
【符号の説明】
10…ミキサー
11…脚部
20…攪拌部
21…天井壁
21a…投入口
22…底壁
22a…排出口
23…攪拌室
25…分割壁
25a…開口部
26…回転軸
30…攪拌レーキ
31…支持部
33…攪拌棒
35…内インペラー
37…外インペラー
40…ケーシング
【発明の属する技術分野】
この発明は、建設工事に伴って発生する建設発生土(または残土ともいう)に固化材を混入し攪拌することによって良質土としてサイクルできるように製造するための改良土製造ミキサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建設工事に伴って発生する建設発生土のうち、良質のものはそのままリサイクル可能として利用することができるが、特に粘性の高い土や含水比の高い土は、そのままでは利用できないことから、強度を向上するために石灰やセメント等を混合して充分にかき混ぜ、改良された土(以下、改良土という)としてリサイクルされて使用されていた。
【0003】
改良土を連続して製造するには、建設発生土に含まれている大粒(例えば、約100mm以上のもの)の石を一次スクリーンによって分離し、生石灰サイロから生石灰を投入して、ミキサー内で混合して攪拌し、攪拌された混合土を振動スクリーンによって小粒(例えば、約40〜100mm)の石を遮断した後、製品として排出するようにして製造していた。
【0004】
建設発生土と固化材とを投入して攪拌するミキサーは、一般的には、コンクリートミキサーやモルタルミキサー等が知られていた。コンクリートミキサーは、回転ドラム内に固定羽根を設けて残土と固化材とをを混合するように構成され、モルタルミキサー45は、図11に示すように、上方が開口されたお椀型のケース46内にインペラー47が回転可能に配置されて構成されていた。しかし、これらのミキサーはバッチ式で使用されることから、連続処理ができず処理能力が劣り、改良土としての連続的な製造には不向きであった。
【0005】
従来から連続製造の過程で使用される従来のミキサーは、例えば、パドル型ミキサーやリボン型スクリューミキサー、又はロータリーハンマ型ミキサー等がよく知られていた。
【0006】
パドル型ミキサー50は、図12に示すように、並設された2軸51、52に櫂状の羽根(パドル)53を多数取り付けて、2軸51、52間に搬送された残土を練り合わせてスクリューコンベア54に排出するように構成されていた。
【0007】
リボン型スクリューミキサー60は、図13に示すように、スクリューコンベア61のスパイラル部62をリボン状に形成して、残土を送ると同時に混合させるように構成されていた。
【0008】
ロータリーハンマ型ミキサー65は、図14に示すように、2軸又は3軸の回転軸66に鋼製の羽根67を取り付けたロータリー68を高速で回転して残土をはね飛ばして解砕し、次のロータリーに順次送って混合するように構成されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のミキサーのうち、パドル型ミキサー50とリボン型ミキサー60は、大粒の石が入ると、各パドル53間やスクリュー54、又はリボン状のスクリュー62内で石を咬み込んでロックしてしまい、パドル53やスクリュー54、62等を損傷しやすいことから、混合状態は向上できるものの石の多い残土には向かなかった。
【0010】
また、ロータリーハンマ型ミキサー65は、石を解砕することができて石の多い残土でも対処できるものの、高速回転のためにロータリーハンマー68の損傷が激しくコストが高くついてしまっていた。
【0011】
この発明は、上述の課題を解決するものであり、連続処理を行なえて、石の多い建設発生土でも部品を損傷することなく処理できる改良土製造ミキサーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかわる改良土製造ミキサーでは、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、
建設発生土に固化材が混合された混合土を、攪拌室で攪拌して改良土として製造する改良土製造ミキサーであって、
前記攪拌室が、ケーシングに囲繞されるとともに回転可能な攪拌手段をそれぞれ有して多段式に形成され、
各攪拌室が、各攪拌室の上壁に配設されて前記攪拌手段に前記混合土を投入する投入口と、前記攪拌室の下壁に配設されて前記投入口に対して位相差を有した位置に形成される排出口とを有して構成されることを特徴とするものである。
【0013】
また好ましくは、前記攪拌手段が、回転軸と、前記回転軸に対して左右一対に配設されて複数の攪拌棒からなる攪拌レーキを有していればよい。
【0014】
さらに好ましくは、前記攪拌手段に、前記混合土を回転方向に沿って送り出すとともに前記混合土を切り返す内インペラー及び外インペラーとが配設されていればなおよい。
【0015】
また、前記内インペラーが前記底壁に対して約60度に傾斜して配置されて、前記外インペラーが前記底壁に対して約45度に傾斜して配置されていればなおよい。
【0016】
また、前記ケーシングが、縦方向に分割型に形成され、分割された一方のケーシングが着脱可能に配置されていればメンテナンスを向上するためにもよい。
【0017】
さらに、前記回転軸が、前記底壁に対して着脱可能に配置されていてもメンテナンスを向上するためによい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の改良土製造ミキサーは上記のように構成されているため、建設発生土に固化材が混入された混合土は、上段の攪拌室の投入口から自然落下で投入されて攪拌された後、下段の攪拌室に移動されて順次攪拌されることになる。つまり、各段において繰り返して攪拌が行なわれることから、攪拌能力が向上して良質の改良土を製造することができる。しかも、投入された混合土が投入口と排出口との位相差分回転されるだけで下段に自然落下するため、大きな石が混入されていたり含水比の大きい粘性土を混合する際にも、回転駆動部位には負担をかけずに落下させ、簡易な構成で攪拌能力を向上することができる。
【0019】
また、この改良土製造ミキサーでは、攪拌室に投入された混合土は、回転軸を中心に一対の櫛状の攪拌レーキによって攪拌されることから、石が混在していても、攪拌棒間に石を挿通させることができて攪拌レーキ自体を損傷することなく攪拌作業を行なうことができる。しかも、攪拌棒が回転軸を中心に左右一対配置されていることから、攪拌レーキの1回転で2回分の攪拌を行なえることになり、攪拌の連続処理を効率的に行なうことが可能となる。
【0020】
さらに、混合土が各攪拌室で攪拌される際、混合土は内インペラー及び外インペラーで切り返されながら送り出されることから、攪拌棒と内インペラー、外インペラーとで練り込まれることとなり、これによって充分な攪拌ができて攪拌能力がさらに向上される。
【0021】
また、前記ケーシングが、縦方向に分割型に形成され、分割された一方を取り外すことによって、内部を確認することができて、各攪拌室内でのメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0022】
さらに、回転軸が攪拌室の底壁に対して着脱可能に配置されていることから、回転軸を取り外すことによって、さらに細かい攪拌室内のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本形態の改良土製造ミキサー(以下、ミキサーという)10は、図1に示すように、下部に配置される脚部11と、上端に外部からの投入口21aを有し下端に外部への排出口22aを有して建設発生土(以下、発生土という)と固化材(実施形態では生石灰)とを混入して攪拌する攪拌部20と、を有して構成されている。
【0024】
攪拌部20は、縦方向に分割された攪拌室23を形成するために仕切られた分割壁25と、攪拌部20の軸方向に配置されて各分割壁25を挿通する回転軸26と、分割壁25間に配置されるとともに回転軸26に装着された攪拌レーキ30と、各攪拌室23を囲繞するように円筒状に形成されたケーシング40と、を有して構成されている。
【0025】
ケーシング40の上端には、投入口21aが形成された天井壁21が配置され、下端には、排出口22aが形成された底壁22が配置され、天井壁21と底壁22との間には、複数の攪拌室23を形成するために開口部25aを有する分割壁25が配置されている。実施形態においては、分割壁25は3段(上段から25A、25B、25C)に配置されて攪拌室23を縦方向に4室(上段から23A、23B、23C、23D)設けるようにしている。
【0026】
各分割壁25には開口部25aが形成され、天井壁21に形成された投入口21aの位置に対して順次位相差を有してそれぞれ配置されている。実施形態では、分割壁25の開口部25aが、上段から順に攪拌レーキ30の回転方向に沿って270°間隔で配置されるように分割壁25が回転軸26に取り付けられている。そして、分割壁25は開口部25aが投入口となるような上壁にもなり、また、開口部25aが排出口となるような下壁22にもなって、混合土を上段から順に下段に送るように構成されている。もちろん、攪拌室23の数、及び、開口部25aの位相角度は限定するものではない。
【0027】
各攪拌室23に配置される攪拌レーキ30は、図2〜3に示すように、回転軸26を挿通して回転軸26を中心に水平方向に十字型に形成された支持部31と、支持部31を一体的に固着するリング部材34と、支持部31の一方の直径方向の支持部材に間隔を有して垂直方向に櫛状に配置される複数の攪拌棒33と、攪拌棒33と直交する方向に相対向するように配置される内インペラー35及び外インペラー37とを有して構成されている。
【0028】
十字型の支持部31は、縦支持部材31aと横支持部材31bとに形成され、攪拌棒33は、図4〜5に示すように、回転軸26を中心にして縦支持部材31aの左右に対称的に複数個づつ上下方向に移動調整可能に取り付けられている。縦支持部材31aの攪拌棒取り付け部材32は、丸棒状の攪拌棒33を挿通する挿通孔32aを有し、挿通孔32aを挿通した攪拌棒33を止めねじ32bの先端部で押圧してロックできるように形成されている。
【0029】
内インペラー35と外インペラー37とは、図6〜8に示すように、支持部31の横支持部材31bに、回転軸26を中心にして左右に相対向するように、それぞれ取り付け部材36、38を介して装着されている。内インペラー35はウレタン材で矩形板状に形成されて、垂直方向(分割壁25)に対して約60°、水平方向(横支持部材31b)に対して約145°傾いて取り付けられている。また、外インペラー37はウレタン材で矩形板状に形成されて、垂直方向(底壁22)に対して約45°、水平方向(横支持部材31b)に対して約120°傾いて取り付けられている。
【0030】
そして、内インペラー35は、回転軸26付近に配置されて、混合土を回転軸26の中心に対して回転する方向に送り出すとともに、回転軸26から外側に切り出すようにように横支持部31bに対して広めの角度で配置され、外インペラー37は、外側に切り出された土を回転方向に送り出すように内インペラー35より横支持部31bに対し内側にむけて配置されるとともに、内インペラー35で外側に切り出された土を上下方向に切り返すように、リング部材34の下方付近に配置されている。従って、内インペラー35と外インペラー37との配置によって、混合土を回転方向に送り出すとともに上下に切り返して練り合わせをよくし、そして、切り返された混合土は、攪拌棒33によってさらにかき混ぜられる。これによって充分な攪拌を行なうことができる。
【0031】
なお、各攪拌室23に垂直方向に設けられた攪拌棒33は、攪拌レーキ30が摩耗して各攪拌棒33の長さが短くなった場合には、攪拌棒33を取り付け部材32から緩めて下方に移動することによって、全ての攪拌棒33の下端位置を合わせることができて、均一な混合を行なえるようにしている。また、攪拌室23の大きさや投入される混合土の量によって、あるいは内インペラー35と外インペラー37との下端位置を合わせるために、その高さ位置を調整することができる。
【0032】
ケーシング40は、実施形態においては、図1〜2に示すように、縦方向に二分割され、分割された分割ケーシング40はそれぞれ合わせ面においてフランジ部40aを形成してお互いに、複数のボルトとナットで取りつけできるように形成されるとともに、一方の分割ケーシング40Aは、脚部11に固着され、他方の分割ケーシング40Bは、一方の分割ケーシング40Aに着脱可能に配置される。これによって、各攪拌室23内におけるメンテナンス作業を容易に行なうことが可能となる。
【0033】
脚部11には、底壁22から延設される複数の脚12が配置されて、プラントPに装着できるように形成され、底壁22の下方で回転軸26を回転駆動する駆動モータ27が取り付けられている。さらに、排出口22aに改良土を排出ガイドする排出ガイド13が装着されている。また、回転軸26は底壁22から着脱できるように底壁22に取り付けられている。そして、回転軸26を取り外すことによって、さらにミキサー10内の細かいメンテナンス作業を行なえる。
【0034】
次に、上記のように構成されたミキサー10の作用を、図9〜10に示すように、建設発生土再生プラント(以下プラントという)P中に配置された状態で説明する。
【0035】
図9に示すプラントPの構成は、一実施形態を示すものであり、搬送された建設発生土を投入して大粒の石を遮断するロールスクリーン1と、ロールスクリーンから排出された発生土を搬送するコンベア3と、コンベア3上に搬送されている発生土に生石灰を混入するための生石灰サイロ5と、コンベア3の先端側で生石灰を混入した混合土を上部からホッパ7を介して受け入れるミキサー10と、ミキサー10を支持する機台8と、機台8上に配置されてミキサー10から排出された改良土を搬送する振動篩機9を有して構成されている。
【0036】
発生土が、ロールスクリーン1に投入されると、40〜100mgの石が選別されて除かれ、細かい土や土砂がコンベア3上に供給されて、コンベア3で搬送される。大粒の石が除かれた発生土は、生石灰サイロ5からコンベア3上に供給された固化材としての生石灰が混入されて混合土としてさらに送られる。コンベア3は進行方向に沿って上昇するように配置され、搬送された混合土は、コンベア3の先端部からホッパ7を介して、ミキサー10の上方の投入口21a(図1参照)から内部に投入される。
【0037】
なお、このプラントPの構成は上記に限定するものではなく、ミキサー10の配置位置やコンベア3の配置位置等を適宜変更することができる。
【0038】
実施形態のミキサー10においては、ミキサー10に投入された混合土は、上段の攪拌室23A、23B、23C、23Dの順で攪拌されながら排出口22aから排出される。この際、各攪拌室23内に配置された攪拌レーキ30は、図10に示すように、分割壁25の開口部25aの位置が上段から270°の位相差を有して配置されている。そして、攪拌レーキ30の位置は、外インペラー37を開口部25aと一致するように配置されている。
【0039】
つまり、図10(a)においては、攪拌室23Aを示すものであり、分割壁25Aは開口部25aを、図中、下方(上方を0°とした場合の180°の位置)を中心にして配置されている。そして、攪拌レーキ30Aは、縦支持部材31aが横方向に配置されて複数の攪拌棒33を装着し、横支持部材31bが縦方向に配置されて、図中、上方に内インペラー35、下方に外インペラー37を配置させている。なお、天井壁21の投入口21aは、図10(a)中には示されていないが、開口部25aの中心線に対して、時計回りで270°回転した位置、つまり、右方向(90°)の位置にある。
【0040】
また、図10(b)は、2段目の攪拌室23Bを示すものであり、分割壁25Bの開口部25aは、左方向(270°の位置)を中心にして配置され、攪拌室23Aにおける攪拌レーキ30Aが図10(a)の位置にあれば、攪拌レーキ30Bは、図10(a)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0041】
図10(c)は、3段目の攪拌室23Cを示すものであり、分割壁25Cの開口部25aは、上方位置(0°の位置)にあり、攪拌室23Bにおける攪拌レーキ30Bが図10(b)の位置にあれば、攪拌レーキ30Cは、図10(b)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0042】
図10(d)は、4段目の攪拌室23Dを示すものであり、底壁22の排出口22aは、右方位置(90°の位置)にあり、攪拌室23Cにおける攪拌レーキ30Cが図10(c)の位置にあれば、攪拌レーキ30Dは、図10(c)に比べて反時計方向に270°回転した位置にある。
【0043】
従って、図例においては、天井壁21の投入口21aから上段の攪拌室23Aに投入された混合土は、攪拌室23A内の攪拌レーキ30Aの攪拌棒30が装着されている縦支持部材31aの辺りに落下される。落下された混合土は、まず、攪拌レーキ30Aの回転(図中、反時計方向)により、外インペラー37が、混合土を上下方向と内側に切り返しながら回転し、次に混合土を攪拌棒33で攪拌して、その後、内インペラー35で混合土を上下方向に切り返しながら、分割壁25Aの排出口(開口部25a)にかって混合土を送り出して、下方の攪拌室23Bに投入する。
【0044】
同様に、2段目の攪拌室23Bで混合土をさらに攪拌した後、3段目の攪拌室23Cに落下させてさらに攪拌し、4段目の攪拌室23Dに落下する。4段目の攪拌室23Dで攪拌された混合土は、改良土となって、底壁22の排出口22aから、振動篩機9に送られることになる。
【0045】
なお、上記の説明中、攪拌レーキ30は連続して回転され、また、混合土も連続して投入されるため、図10の(a)〜(d)は、攪拌レーキ30の停止位置を示すものではなく、各段の攪拌レーキ30位相ずれがわかるように、各攪拌室23における攪拌レーキ30の回転するタイミングを示したものである。
【0046】
振動篩機9では、改良土に含まれている40mg以下の子粒の石が篩落されて、細かい土が改良土として搬送される。
【0047】
上述のように、建設発生土に固化材が混入された混合土は、ミキサー10における上段の攪拌室23Aの投入口21aから自然落下で投入されて攪拌された後、下段の攪拌室23Bに移動されて順次攪拌されることになる。つまり、各段の攪拌室23において繰り返して攪拌が行なわれることから、攪拌能力が向上して良質の改良土を製造することができる。しかも、投入された混合土が各段における上壁(分割壁25)の開口部25aと下壁(分割壁25)の開口部25aとの位相差分回転されるだけで下段に自然落下するため、大きな石が混入されていたり含水比の大きい粘性土を混合する際にも、回転駆動部位には負担をかけずに落下させ、簡易な構成で攪拌能力を向上することができる。
【0048】
また、この改良土製造ミキサー10では、攪拌室25に投入された混合土は、回転軸26を中心に一対の櫛状の攪拌レーキ30によって攪拌されることから、石が混在していても、攪拌棒33間に石を挿通させることができて攪拌レーキ30自体を損傷することなく攪拌作業を行なうことができる。しかも、攪拌棒33が回転軸26を中心に左右一対配置されていることから、攪拌レーキ30の1回転で2回分の攪拌を行なえることになり、攪拌の連続処理を効率的に行なうことが可能となる。
【0049】
さらに、混合土が各攪拌室23で攪拌される際、混合土は内インペラー35及び外インペラー37で切り返されながら送り出されることから、攪拌棒33と内インペラー35、外インペラー37とで練り込まれることとなり、これによって充分な攪拌ができて攪拌能力がさらに向上される。
【0050】
また、ケーシング40が、縦方向に分割型に形成され、分割された一方のケーシング40Bを取り外すことによって、内部を確認することができて、各攪拌室23内でのメンテナンスを容易に行なうことができる。
【0051】
さらに、回転軸26が攪拌室23の分割壁25に対して着脱可能に配置されていることから、回転軸26を取り外すことによって、さらに細かい攪拌室23内のメンテナンス作業を容易に行なうことができる。
【0052】
なお、上記のミキサーは、縦形に形成されて投入口と排出口を有した複数段の攪拌室を有し、各攪拌室内に、投入された混合土を攪拌する攪拌手段を有していれば、攪拌手段の具体的な構成は上述の攪拌レーキ30に限定するものではない。例えば、攪拌レーキ30に代わってパドルやそれに類するもので形成してもよい。
【0053】
さらに、投入された混合土を上下や内外に練り合わせることができれば、上記のように形成された内側インペラー35や外側インペラー37に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態のミキサーを示す斜視図である。
【図2】図1における攪拌レーキを示す平面図である。
【図3】同縦断面図である。
【図4】支持部材と攪拌棒との取り付け状態を示す平面図である。
【図5】同縦断面図である。
【図6】図2における内インペラーと外インペラーを示す平面図である。
【図7】図6における内インペラーを示す取り付け図である。
【図8】図6における外インペラーを示す取り付け図である。
【図9】ミキサーが設置されたプラントを示す全体間略図である。
【図10】各攪拌室における攪拌レーキの動作を示す作用図である。
【図11】従来のモルタルミキサーを示す図である。
【図12】従来のパドル式ミキサーを示す図である。
【図13】従来のスクリューミキサーを示す図である。
【図14】従来のロータリーハンマー式ミキサーを示す図である。
【符号の説明】
10…ミキサー
11…脚部
20…攪拌部
21…天井壁
21a…投入口
22…底壁
22a…排出口
23…攪拌室
25…分割壁
25a…開口部
26…回転軸
30…攪拌レーキ
31…支持部
33…攪拌棒
35…内インペラー
37…外インペラー
40…ケーシング
Claims (6)
- 建設発生土に固化材が混合された混合土を、攪拌室で攪拌して改良土として製造する改良土製造ミキサーであって、
前記攪拌室が、ケーシングに囲繞されるとともに回転可能な攪拌手段をそれぞれ有して多段式に形成され、
各攪拌室が、各攪拌室の上壁に配設されて前記攪拌手段に前記混合土を投入する投入口と、前記攪拌室の下壁に配設されて前記投入口に対して位相差を有した位置に形成される排出口とを有して構成されることを特徴とする改良土製造ミキサー。 - 前記攪拌手段が、回転軸と、前記回転軸に対して左右一対に配設されて複数の攪拌棒からなる攪拌レーキを有していることを特徴とする請求項1記載の改良土製造ミキサー。
- 前記攪拌手段に、前記混合土を回転方向に沿って送り出すとともに前記混合土を切り返す内インペラー及び外インペラーとが配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の改良土製造ミキサー。
- 前記内インペラーが前記下壁に対して約60度に傾斜して配置され、前記外インペラーが前記下壁に対して約45度に傾斜して配置されていることを特徴とする請求項3記載の改良土製造ミキサー。
- 前記ケーシングが、縦方向に分割型に形成され、分割された一方のケーシングが着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1記載の改良土製造ミキサー。
- 前記回転軸が、前記底壁に対して着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1記載の改良土製造ミキサー。
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