JPS5836715B2 - シ−ルド掘進機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシールド掘進機に関するものである。

従来からのシールド掘進機としては掘削した土砂を圧力
室内に充満し、該圧力室内に充満した土砂をスクリュー
コンベヤを用いてズリ出しをするスクリュ一方式のもの
がよく知られている。

ところが、この方式のものは滞水地盤の掘削の場合には
、ズリがスクリュ一部で圧密されず、圧力室の圧力が保
持されないため地下水が湧出し、さらには掘削土砂が前
記地下水といっしょに流出してしまい、掘削作業は困難
なものとなるという欠点を有していた。

また前記スクリュ一方式の欠点を解消するものとして泥
水シールド方式が提案されている。

即ち、この方式のものは切羽の対向部分に泥水による圧
力室を設け、この圧力室の切羽の地下水位の水圧相当の
泥水圧を供給することによって、切羽がくずれ落ちるの
を防止すると共に、掘削土砂をアジテータで細かくつぶ
し、スラリーとして地上に排出するものであるが、切羽
の保持のためには装置全体を自動制御する必要があり、
またスラリーの後処理としての泥水処理設備が必要であ
る上に、公害防止のため該泥水処理設備から放流される
水の濁度検査およびＰＨ検査を厳しく行わなければなら
ないため装置自体高価なものとなると共に、適宜作業管
理を行わねばうまく施行できないという欠点を有してい
た。

また、従来から切羽を安定させるのにセメントや水ガラ
ス凝集剤を混合させた薬液を掘進機により掘削される前
の切羽に注入し、該切羽を安定させることも提案されて
いるが、滞水地盤では地下水の流れによって薬液が流出
してしまうため、地盤の改良が困難であるというのが常
識とされていた。

本発明は前記欠点を解消するためになされたもので、カ
ッターヘッド前面およびこれに続く圧力室内ならびに掘
削土砂排出手段内にゲル化反応する薬液を放出撹拌させ
て掘削した土砂および地下水をゲル化させ、これらをゲ
ル化した状態で掘進，機より取り出すことのできるシー
ルド掘進機を提供するものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において１は掘進機本体前面に設けられたカッタ
ーヘッドで、その前面に多数のカッタービツド２を有し
、カッターヘッド回転駆動装置３により回転せしめられ
て切羽を掘進する。

４はカッターヘッド１のカッタービッド２間に設けられ
た薬液の噴出口であり、後述の如く放出される薬液によ
り掘削土砂および地下水はゲル化される。

薬液は（水ガラス系＋酸）の無機混合物が適当である。

５はカッターヘッド１に続いて設けられた圧力室で、適
宜加圧されて切羽を保持することもに、掘削された土砂
は一時保留される。

６は圧力室５後部を貫通して後方に延設されたスクリュ
ー排土装置で、カッターヘッド回転軸心相当位置に送り
羽根７をもったスクリューコンベヤ８が設けられ、かつ
後部に常時は密閉されている土砂取用の排出口９を有し
ている。

１０はスクリューコンベヤ８を回転駆動するためのスク
リュー駆動装置、１１はロータリーユニオン、１２は排
出口９の開閉装置である。

またスクリューコンベヤ８の先端は圧力室５内に突出し
ており、そこに設けられたかき寄せ羽根１３により掘削
土砂はスクリュー排土装置６内に強制的に送り込まれる
。

スクリューコンベヤ８の基部には圧密羽根１４が設けら
れ、掘削土砂は圧密されて排出口９側に送り込まれる。

さらにスクリューコンベヤ８のスクリュ軸８ａの軸心に
は薬液の流通する供給孔１５が貫通して設けられ、該供
給孔１５はスクリュー軸８ａの表面に設けられた薬液の
噴出口１６に連通し、薬液は圧力室５およびスクリュー
排土装置６内に放出される。

またスクリュー軸８ａ先端の供給孔１５部分はそれに装
置されたパイプ１７を通してカッターヘッド１のそれぞ
れの薬液噴出口４に連通している。

またスクリュー排土装置６の外壁部分にも薬液の噴出口
１８が設けられ、ここからも薬液はスクリュー排土装置
６内に放出される。

圧力室５およびスクリュー排土装置６の後方は大気室１
９に構成され、ここに前記カッターヘッド回転駆動装置
３および軸受２０、水抜き管２１、シールドジャッキ２
２、セグメント２３、排土コンベヤ２４、土砂トロッコ
２５等が配設されている。

２６は本体とセグメント２３間のテールシール材である
。

排土コンベヤ２４はスクリュー排土装置６の排出口９の
下方に配置され、排出口９から所定量づつ排出される土
砂を搬送し、土砂トロッコ２５に積み込む。

薬液は水ガラス台車２７および酸台車２８からの水ガラ
スおよび酸を混合反応器２９で混合して得られ、適宜の
パイプを通してスクリュー排土装置６の薬液噴出口１８
と、ロータリーユニオン１１を通してスクリュー軸８ａ
の供給孔１５に導かられた後にスクリュー軸８ａの薬液
噴出口１６と、カッターヘッド１の薬液噴出口４とから
それぞれ放出される。

次にその動作を説明する。

カッターヘッド回転駆動装置３およびスクリュー駆動装
置１０によりカッターヘッド１およびスクリューコンベ
ヤ８をそれぞれ回転駆動する。

カッターヘッド１に取付けられたパイプ１７とスクリュ
ー軸８ａとの速度差はその装置部分で吸収される。

カッターヘッド１により掘削された土砂は圧力室５内に
送り込まれ、かつスクリューコンベヤ８により圧密され
てスクリュー排土装置６の排出口９に送られる。

この際滞水地盤であっても、掘削土砂および地下水はそ
れぞれの噴出口４，１６，１８から放出される薬液と撹
拌され、ゲル化された状態で確実に圧密され、軟い固形
状例えばゼリー状または羊かん状のズリ３０として排出
口９から取り出され、排土コンベヤ２４によりトロッコ
２５に積載される。

すなわち掘削排出された土砂はそのままの状態でも運搬
が可能である。

なお自然放置しておけば自山水が放出され、体積が縮少
して固結する。

第２図はズリ３０の後処理を説明するための概略図であ
り、トロッコ２５をクレーン３１で吊上げ、ズリ３０を
そのままの状態でトラック３２に積み込む。

また早く脱水してケーキ状にしたい場合はズリ３０をフ
ィルタプレス機３３により加圧すればよい。

さらにケーキ状ズリ３４をベルトコンベヤ３５を介して
ロータリーキルン等の加熱装置３６に送り込めば、建築
用等の骨材３７として取り出すことが可能である。

すなわちゲル化反応により土砂の含水率は低下し、加圧
によりさら（・こ脱水されるため加熱効果は非常によく
なり、低コストの骨材として十分に期待できるものであ
る。

また前記シールド掘進機の掘進速度は掘削される切羽に
応じてゲル化する時間を調整する事によって決定される
。

以上詳述したところからも明らかなように、本発明によ
れば、泥水シールド方式のような大規模な装置を必要と
することなく、滞水地盤での掘削を行う事ができるっま
た、噴出薬液も、従来の地盤改良のための薬液と異なり
、滞水地盤の水そのものをゲル化すればよく、地盤の改
良を考えなくてもよい。

更に、ゲル化反応は中性になった時に行われ、ゲル化し
た物体から分離される水は純粋な自由水（Ｈ２０）であ
るため、２次公害、３次公害を発生する心配は全くない
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は要部の断面図
、第２図は後処理を説明する概略図である。 １・・・・・・カッターヘッド、４，１６，１８・・・
・・・薬液噴出口、５・・・・・・圧力室、６・・・・
・・スクリュー排土装置、８・・・・・・スクリューコ
ンベヤ、１５・・・・・・供給孔、１γ・・・・・・パ
イプ、１９・・・・・・大気室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 切羽に対向するカッターヘッドと、該切羽を保持す
   る圧力室と、該圧力室の圧力を保持しつつ大気室へ掘削
   土砂を排出する手段と、カッターヘッドの前面および圧
   力室内部ならびに掘削土砂排出手段内部に位置する掘削
   土砂および地下水に対し、これらをゲル化させる薬液を
   供給する手段とを有することを特徴とするシールド掘進
   機。