JPS6231739B2 - - Google Patents

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JPS6231739B2
JPS6231739B2 JP4478780A JP4478780A JPS6231739B2 JP S6231739 B2 JPS6231739 B2 JP S6231739B2 JP 4478780 A JP4478780 A JP 4478780A JP 4478780 A JP4478780 A JP 4478780A JP S6231739 B2 JPS6231739 B2 JP S6231739B2
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propylene
ethylene
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block copolymer
temperature
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JP4478780A
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Keiichi Kawaguchi
Shoji Kumazaki
Yoshiteru Sakurazawa
Masayoshi Hasuo
Sadanori Suga
Kazuhisa Kojima
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPS6231739B2 publication Critical patent/JPS6231739B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は優れた機械的性質と低温特性を有し、
更には射出成形用に適したポリオレフイン組成物
に関する。更に詳しくは、プロピレン重合体にエ
チレン―プロピレンランダム共重合体をブロツク
重合させたヘテロブロツク共重合体とポリエチレ
ンから成る剛性、衝撃強度等の機械的性質、及び
脆化温度、低温衝撃強度等の低温特性において優
れた性質を有し、更には、射出成形時において優
れた成形性を示し、且つ改良されたウエルドライ
ン強度を有する射出成形品を与える組成物に関す
る。 結晶性ポリプロピレンは、高い剛性、高い熱変
形温度、良好な表面硬度等多くの優れた性質を有
し今日では汎用樹脂として広く使用されている
が、一方欠点も有し、耐衝撃性が低く、特に低温
における衝撃強度が著しく低くなり、脆くなる。
かかる欠点を克服すべく幾多の提案がなされた。
例えば、結晶性ポリプロピレンにエチレン―プロ
ピレンゴム状共重合体、ポリイソブチレン等の合
成ゴムを機械的に混合する方法が挙げられるが、
この方法では低温耐衝撃性は改良されるものの、
ゴム量が多い為、剛性、熱変形温度等の優れた性
質が著しく損われる。また、結晶性ポリプロピレ
ンにポリエチレンを機械的に混合する方法が挙げ
られるが、この方法では剛性、熱変形温度等の優
れた性質はそれ程損なわれないが、低温耐衝撃性
の改良は必ずしもみられない。更に結晶性ポリプ
ロピレンにエチレン―プロピレンゴム状共重合体
及びポリエチレンを共に機械的に混合する方法が
挙げられるが、この方法では、低温耐衝撃性は改
良されるが、射出成形品のウエルドライン強度の
低下がみられる。更にプロピレン重合体にエチレ
ン―プロピレンランダム共重合体をブロツク重合
させる方法が挙げられるが、この方法では、エチ
レン―プロピレンゴム状共重合体の分散状態が前
述した機械的混合による方法に比べて良好な為、
低温耐衝撃性の改良の割には剛性等の優れた性質
の損なわれ方も少く、両者のバランスの比較的良
好な重合体が得られるが、それでも低温耐衝撃性
の改良は末だ充分とは言えない。そこで低温耐衝
撃性を更に改良する為に前述ブロツク共重合体に
ポリエチレンを機械的に混合する方法が提案され
た。例を挙げると特公昭43―9888においてプロピ
レン単独重合体とエチレン―プロピレンランダム
共重合体からなるブロツク共重合体50〜99重量%
に0.93以上の密度を有するポリエチレン1〜50重
量%を混合してなる組成物が、また特公昭47―
37690においてプロピレンとエチレンを含むブロ
ツク共重合体77〜99.5重量%と高密度ポリエチレ
ン0.5〜30重量%を混合してなる組成物が、また
特開昭49―128955においてプロピレン単独重合体
とエチレン―プロピレンランダム共重合体からな
るブロツク共重合体85〜97重量%と0.93以上の密
度を有するポリエチレン3〜15重量%を混合して
なる組成物が提案されており、いずれも組成物を
構成する元のブロツク共重合体に比べ低温耐衝撃
性が改良されてはいるものの未だ充分とは言え
ず、更には射出成形時における成形性や射出成形
品のウエルドライン強度等の如き別の重要な性質
について考慮されていない。特公昭38―21210に
おいてエチレンとプロピレンを含むブロツク共重
合体1〜90重量%に0.935以下の密度を有するポ
リエチレン10〜99重量%を混合してなる組成物が
提案されているが、この方法は低密度ポリエチレ
ンの耐衝撃性改良に関するものである。特公昭50
―32250においてプロピレン単独重合体とエチレ
ン―プロピレンランダム共重合体からなるブロツ
ク共重合体70〜95重量%に0.94以上の密度を有す
るポリエチレン5〜30重量%を混合してなる組成
物が提案されているが、同公報の記載するところ
によれば組成物を構成する元のブロツク共重合体
がそもそもプロピレン単独重合体並み、又はそれ
に近い低温耐衝撃性と剛性を有するにすぎない
為、組成物としての物性はプロピレン単独重合体
と比べて低温耐衝撃性が改良された程度であると
言わざるを得ない。更に特公昭46―11577におい
て、プロピレン単独重合体とエチレン単独重合体
及び場合によつてはエチレン―プロピレンランダ
ム共重合体からなるブロツク共重合体40〜60重量
%に0.96以上の密度を有するポリエチレン40〜60
重量%を混合してなる組成物が提案されている。
この方法によれば組成物の低温耐衝撃性は良好で
射出成形時の成形収縮率が小さく、かつ成形性も
良好であり、なかなか優れた方法であるが、前記
効果を充分に発現させる為には40重量%以上とい
うほぼ半量に近い多量のポリエチレンを混合する
必要があり、従つてポリプロピレンの優れた性質
である剛性、熱変形温度、表面硬度等はかなり失
なわれる。 本発明者らは優れは機械的性質と低温特性を有
し射出成形用に適したポリオレフイン組成物を開
発すべく鋭意検討を行つた結果、エチレン―プロ
ピレンランダム共重合体の量、組成、分子量及び
ポリエチレンの量、密度、分子量等の特定された
組合せによつて、剛性と耐衝撃性のバランスに優
れて機械的性質が良好であり、脆化温度低温耐衝
撃性等の低温特性において優れた性質を有し、更
には射出成形時において優れた成形性を示し、且
つ改良されたウエルドライン強度を有する射出成
形品を与える組成物が得られることを見い出し本
発明に到達した。 即ち、本発明の要旨は、 (A) 同一触媒上で重合して得られるプロピレン単
独重合体(i)とエチレン―プロピレンランダム共
重合体(ii)を含み、エチレン含有量が5〜15重量
%であるブロツク共重合体80〜97重量%と、 (B) 密度が0.93以上であるポリエチレン3〜20重
量%から成るポリオレフイン組成物において 該ブロツク共重合体(A)に含まれる プロピレン単独重合体(i)のMFIが0.3〜40、量
が70〜95重量%でありエチレン―プロピレンラ
ンダム共重合体(ii)のエチレン含有量が30〜70重
量%であり、量が30〜5重量%であり プロピレン単独重合体(i)とブロツク共重合体(A)
のMFI比が3〜10であり、 ブロツク共重合体(A)のMFIが0.1〜4であり 該ポリエチレン(B)のMIが0.2以下 であることを特徴とするポリオレフイン組成物に
存する。 本発明を詳細に説明する。 プロピレン単独重合体とエチレン―プロピレン
ランダム共重合体を含むブロツク共重合体におい
ては、エチレン―プロピレンランダム共重合体の
組成、分子量及び量が特に重要である。エチレン
―プロピレンランダム共重合体に含まれるエチレ
ンは30〜70重量%でなければならない。この範囲
はランダム共重合体が最も非晶質になる領域であ
り、物性面では最終組成物の耐衝撃性が最も改良
される領域である。エチレン含有量が前記範囲外
では耐衝撃性の改良効果は少いが、前記範囲内で
あれば最も少い量で耐衝撃性が改良されるので、
剛性等の好ましい性質の低下が少くてすむ。エチ
レン―プロピレンランダム共重合体の分子量は充
分高くなければならず、メルトフローインデツク
ス(以下においてMFIと称する)で表わした場
合、10-2以下とすることが好ましい。このMFIの
表示は同一重合条件でエチレン―プロピレンラン
ダム共重合のみを別途行つて求めたものである
が、この方法は繁雑さを伴うので、プロピレン単
独重合体のMFI(C)と全ブロツク共重合体(プロピ
レン単独重合体+エチレン―プロピレンランダム
共重合体)のMFI(D)の比(C/D)(以下単に
MFI比と略す)で表わすのが便利である。 MFI比は3〜10でなければならない。MFI比が
3未満の場合ポリエチレンの分散状態が悪化し、
衝撃強度の改良が不充分となる。またMFI比が10
を超えると、組成物の衝撃強度の向上が大きく良
好ではあるが射出成形時の成形性が悪化したり、
射出成形品の寸法安定性が悪化したりして好まし
くない結果を与える。 エチレン―プロピレンランダム共重合体の量は
全ブロツク共重合体の量に対して5〜30重量%で
なければならない。この量が5重量%未満では衝
撃強度改良の効果が小さく、30重量%を超えると
剛性、透明性等の低下が大きく、また製造面でも
重合体粉末の嵩密度および自由流動性が悪化し好
ましくない。 上記したような特定のエチレン―プロピレンラ
ンダム共重合体をブロツク共重合体の成分として
含む場合に、前述公知技術に比べ少量のポリエチ
レンの混合で低温耐衝撃性は勿論、射出成形時の
成形性が大きく改良されることが本発明の特徴で
ある。 ブロツク共重合体中のプロピレン単独重合体に
ついては、MFIが0.3〜40であることが好まし
く、量は全ブロツク共重合体の量に対して70〜95
重量%の範囲から選ばれる。 ブロツク共重合体のMFIは0.1〜4から選ばれ
る。ブロツク共重合体中のエチレン含有量は5〜
15重量%でなければならない。エチレン含有量が
5重量%未満ではポリエチレンの混合による衝撃
強度、低温特性の改良効果は不充分であり、一
方、15重量%を超えると剛性が著しく低下するな
ど、好ましくない結果を与える。 一方、ポリエチレンは中圧法又は低圧法にて製
造されたエチレン単独重合体あるいはエチレンエ
チレンに対し10モル%以下の他のα―オレフイン
との共重合体であり、メルトインデツクス(以下
においてMIと称する)が0.2以下でなければなら
ない。MIが0.2を超えると低温耐衝撃性、脆化温
度等の低温特性及び剛性は良好であるが射出成形
品のウエルドライン強度が低い組成物を与え、好
ましくない。密度は0.93以上である。 ポリエチレンの量はブロツク共重合体との総和
に対して3〜20重量%が用いられる。この量が3
重量%未満では低温特性、耐衝撃性及び射出成形
時の成形性改良の効果が不充分であり、20重量%
を超えると剛性の低下が著しく物性バランスが悪
化し、更には成形品の透明性の低下が大となり好
ましくない。同様にブロツク共重合体の量はポリ
エチレンとの総和に対して80〜97重量%であるこ
とが好ましい。 本発明を実施するにあたつて、混合は溶融状態
で行うことが重要であり、この目的のためにはス
クリユー式押出機による混合、バンバリーミキサ
ーによる混合あるいはロール混合その他周知の方
法で行うことが出来る。また混合に際しては、常
法に従い、組成物には熱安定剤、更には光安定剤
が少量添加され、混合及び成形加工の過程また実
用の場合に於ける各成分重合体の劣化が防止され
る。 次に、前述したブロツク共重合体の製法を詳細
に説明するに、触媒として使用される三塩化チタ
ンとしては、四塩化チタンの水素還元により得ら
れる純粋の三塩化チタン、四塩化チタンのアルミ
ニウム還元により得られる三塩化チタン―三塩化
アルミニウム共晶体(TiCl3―1/3AlCl3)及びこれ
ら三塩化チタンの機械的粉砕物等も使用可能では
あるが除去すべき非晶性重合体の生成量が少く、
触媒除去工程を簡略化ないしは省略化でき、得ら
れる重合体の粉末特性も良好である等の理由によ
り、高活性触媒である特定の固体三塩化チタン系
触媒錯体を使用するのが好ましい。かかる固体三
塩化チタン系触媒錯体は、特開昭47―34478、同
48―64170、同50―112289、同50―143790、同51
―16297、同51―16298、同51―76196、同51―
123796等に記載されているが、説明するとアルミ
ニウム含有量がチタンに対するアルミニウムの原
子比で0.15以下、好ましくは0.1以下、さらに好
ましくは0.02以下であり、かつ錯化剤を含有する
ものである。そして錯化剤の含有量は、固体三塩
化チタン系触媒錯体中の三塩化チタンに対する錯
化剤のモル比で0.001以上、好ましくは0.01以上
である。具体的には、三塩化チタン、三塩化チタ
ンのチタンに対するアルミニウムの原子比で0.15
以下の式AlR3pX3―p(式中、R3は炭素数1〜20
の化水素基、Xはハロゲン原子、pは0≦p≦2
の数を示す)で表わされるハロゲン化アルミニウ
ムおよび三塩化チタンに対しモル比で0.001以上
の錯化剤を含むもの、例えば式TiCl3・(AlR3pX3
―p)s・(C)t(式中、R3は炭素数1〜20の炭
化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、pは
0≦p≦2の数であり、Cは錯化剤であり、sは
0.15以下の数であり、tは0.001以上の数であ
る)で表わされるものが挙げられるが、もちろ
ん、TiCl3成分、AlR3pX3―p成分及び錯化剤C
成分のほかに、少量のヨウ素、三塩化チタンの塩
素の一部または全部がヨウ素もしくは臭素で置換
されたもの、あるいはMgCl2、MgO等の担体用
無機固体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオ
レフイン重合体粉末等を含むものであつてもよ
い。錯化剤Cとしては、エーテル、チオエーテ
ル、ケトン、カルボン酸エステル、アミン、カル
ボン酸アミド、ポリシロキサン等が挙げられる
が、このうちエーテル又はチオエーテルがとくに
好ましい。エーテル又はチオエーテルとしては、
一般式R1―O―R2又はR1―S―R2(式中、R1
R2は炭素数15以下の炭化水素基を示す。)で表わ
されるものが挙げられる。AlR3pX3―pとして
は、AlCl3,AlR3Cl2等が挙げられる。 また、上記固体三塩化チタン系触媒錯体は、そ
のX線回折図形がα型三塩化チタンの最強ピーク
位置に相当する位置(2θ=32.9゜付近)に最大
強度のハローを有するものがとくに好ましい。更
に固体三塩化チタン系触媒錯体の製造時において
150℃を超える温度の熱履歴を受けていないもの
が好ましい。さらに水銀ポロシメーター法で測定
した細孔半径20Å〜500Åの間の累積細孔容積が
0.02cm3/g以上とくに0.03cm3/g〜0.15cm3/gで
あるような極めて微細な孔径の細孔容積に特徴が
あるものが、非結晶性重合体を除去する必要がな
い点で、とくに好ましい。 しかしてこのような固体三塩化チタン系触媒錯
体は、 (イ) エーテル又はチオエーテルの存在下に液状化
した三塩化チタンを含有する液状物から150℃
以下の温度で析出させる (ロ) 四塩化チタンを有機アルミニウム化合物又は
金属アルミニウムで還元して得られた固体三塩
化チタンを、錯化剤処理及びハロゲン化合物処
理する などの方法により容易に製造することができる。 (イ)の方法において液状化した三塩化チタンを含
有する液状物を得る方法としては次の2つの手法
があげられる。 (A) 四塩化チタンを出発原料として、これをエー
テル又はチオエーテル及び必要に応じて適当な
炭化水素溶媒の存在下に有機アルミニウム化合
物で還元する方法。 (B) 固体の三塩化チタンを出発原料として、これ
を必要に応じて適当な炭化水素溶媒の存在下、
エーテル又はチオエーテルで処理する方法。 微粒状固体三塩化チタン系触媒錯体を析出させ
る方法には特に制限はなく、液状物をそのままあ
るいは必要に応じて炭化水素希釈剤を加えての
ち、150℃以下の温度、好ましくは40〜120℃、と
くに好ましくは60〜100℃に昇温して、析出させ
る。なお、三塩化チタン液状物中のチタンとアル
ミニウムとの合計モル数がエーテル又はチオエー
テルのモル数より少ない場合には、遊離化剤を添
加して析出を促進してもよい。遊離化剤として
は、四塩化チタン、アルミニウムハロゲン化物、
例えば三ハロゲン化アルミニウム、アルキルアル
ミニウムジハライド等が好ましい。遊離化剤の使
用量は、液状物中のチタンの5モル倍以下が好ま
しい。 (ロ)の方法における錯化剤としては、さきに錯化
剤Cとして例示したものが、同様に挙げられる。
ハロゲン化合物としては、四塩化チタン又は四塩
化炭素が挙げられる。錯化剤処理とハロゲン化合
物処理は、同時におこなつてもよいが、先ず錯化
剤処理をおこない、次いでハロゲン化合物処理を
おこなつてもよい。錯化剤処理は、通常、希釈剤
中、固体三塩化チタンにTiCl3に対し0.2〜3モル
倍の錯化剤を添加し、−20〜80℃の温度でおこな
う。錯化剤処理後、得られた固体を分離洗浄する
ことが好ましい。ハロゲン化合物処理は、通常、
希釈剤中、−10〜50℃の温度でおこなう。ハロゲ
ン化合物の使用量は、TiCl3に対し通常、0.1〜10
モル倍、好ましくは1〜5モル倍である。ハロゲ
ン化合物処理後、得られた固体を分離洗浄するこ
とが好ましい。 一方、共触媒の有機アルミニウム化合物として
は、一般式AlR4nCl3−n(式中、R4は炭素数1
〜20の炭化水素基を表わし、nは1.95〜2.10の数
を示す)で表わされる化合物を使用することが好
ましい。そのうちR4がエチル基で示され、nが
2の場合であるジエチルアルミニウムモノクロラ
イドも十分使用可能であるが、特開昭54―
107989、同55―38833に記載されている共触媒即
ちR4がノルマルプロピル基又はノルマルヘキシ
ル基であるものがとくに好ましい。R4がノルマ
ルプロピル基又はノルマルヘキシル基の場合nは
1.95≦n≦2.10であることが重要であり、この範
囲内であれば前述の固体三塩化チタン触媒錯体と
組み合せて重合することによつて重合活性と重合
体の立体規則性とが共に高い結果が得られる。 さらに上記触媒及び共触媒のほかに触媒第3成
分として電子供与性化合物を用いてもよく重合活
性の低下なしに生成重合体の立体規則性を向上し
うる。このような電子供与性化合物としては、電
子供与性の原子又は基を1個以上含む化合物、例
えば、トリアルキルホスフアイト、トリアリール
ホスフアイト、カルボン酸エステル等が挙げられ
る。 触媒各成分の使用割合は、通常、固体三塩化チ
タン系触媒錯体中の三塩化チタン:有機アルミニ
ウム化合物のモル比で1:1〜100好ましくは
1:2〜40の範囲から選ばれる。前述した触媒第
3成分を使用する場合には、同じく三塩化チタ
ン:触媒第3成分のモル比で、1:0.01〜10好ま
しくは1:0.05〜2になるように選ばれる。 さらに、触媒第3成分として、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素も好適に使用
しうる。 なお、触媒として用いられる固体三塩化チタン
系触媒錯体は、そのまま重合に用いても良いが、
有機アルミニウム化合物の存在下、少量のプロピ
レンあるいはエチレン等オレフインで前処理して
から使用するのが好ましい。この前処理は例えば
嵩密度など重合体のスラリー物性の改良に効果が
ある。 前処理は重合温度より低い温度、一般に20℃〜
60℃で、前処理によつて生成した重合体/固体三
塩化チタン系触媒錯体中の三塩化チタン=0.1〜
50/1(重量比)、通常1〜20/1になる様に行
なわれる。 ブロツク共重合方法としては、プロピレンの単
独重合を行つた後にエチレン―プロピレンのラン
ダム共重合を行う方法、あるいはその逆の方法、
更にこれらの操作を複数回繰返す方法等が挙げら
れるが、工業的に好ましいのは先ずプロピレンの
単独重合を行つた後にエチレン―プロピレンラン
ダム共重合を行う方法である。重合は、プロパ
ン、ブタン、ヘキサン等の如き脂肪族炭化水素、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンの如き脂
環式炭化水素、ベンゼン、トルエンの如き芳香族
炭化水素等の溶媒中で行うこともできるが、プロ
ピレン自身を溶媒とするいわゆるバルク重合法あ
るいは溶媒を使用しないいわゆる気相重合法で行
うのが好ましい。 とりわけ好ましい方法は、上述のような固体三
塩化チタン系触媒錯体及び有機アルミニウム化合
物を主体とする触媒系を用いてブロツク共重合体
を製造する方法において重合を2段階に分けて行
なわせ、第1段階では液化プロピレンの存在下プ
ロピレンの単独重合を行なわせ第2段階では液化
プロピレンの存在下、あるいは不存在下、いわゆ
る気相でエチレン―プロピレンランダム共重合を
行なわせる方法である。各々について説明する
と、第1段階では液化プロピレンの存在下プロピ
レンの単独重合を行う。ここで固体三塩化チタン
系触媒錯体および有機アルミニウム化合物を重合
槽内に供給する為にヘキサン、ヘプタン等の脂肪
族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水
素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素の如
き不活性液状炭化水素を希釈剤として用いるのが
好ましい。プロピレン単独重合の際に少量の、例
えば1重量%以下場合によつては、5重量%以下
の他のオレフイン、例えばエチレンを共存させて
得られる極く少量の他のオレフインを含むが実質
的にプロピレン単独重合体の性質を示す共重合体
も、本発明におけるプロピレン単独重合体に含ま
れる。プロピレン単独重合体の量は全重合体生成
量の70〜95重量%となるように重合温度および重
合時間が選ばれる。重合温度は通常40〜100℃、
好ましくは55〜80℃の範囲から選ばれる。重合圧
力は前記重合温度で決る液化プロピレンの蒸気
圧、分子量調節剤として用いる水素の圧力および
触媒成分の希釈剤として用いた微量の前記不活性
液状炭化水素の蒸気圧の合計となるが通常は30〜
40Kg/cm2である。そして、、第1段階で得られる
プロピレン単独重合体のメルトフローインデツク
ス(230℃、荷重2.16Kgの時の押出量g/10分、
ASTMD1238―70による。)が、0.3〜40になるよ
うに重合温度、分子量調節剤の量を選ぶ。分子量
調節剤としては水素、ジアルキル亜鉛等が挙げら
れるが、好ましくは水素である。通常、気相にお
ける水素濃度は約1〜10モル%である。 次に第2段階では、第1段階で生成したプロピ
レン単独重合体の存在下プロピレン―エチレンラ
ンダム共重合を行う。液化プロピレン中で重合を
行う場合は、気相におけるプロピレン/プロピレ
ン+エチレン比は50〜85モル%の範囲から選ばれ
る。 プロピレン/プロピレン+エチレン比が50〜85
モル%というのは、非結晶性重合体の副生量が最
大となる条件であるが、一方最終重合体の衝撃強
度が最も改良される条件であり、この様な条件下
でも前記固体三塩化チタン系触媒錯体を用いる方
法によれば嵩密度の高い自由流動性に富むブロツ
ク共重合体粉末が反応槽の器壁付着の殆んどみら
れない状態で得られる。上記範囲外では、衝撃強
度の改良が不充分であり、好ましくない。プロピ
レン/プロピレン+エチレン比が50〜85モル%で
重合を行つた場合、得られたプロピレン―エチレ
ンランダム共重合体中に含まれるプロピレンは30
〜70重量%(22〜61モル%)となる。そしてプロ
ピレン―エチレンランダム共重合体の量が全重合
体生成量の5〜30重量%となるように重合温度お
よび重合時間が選ばれる。この量が5重量%未満
では衝撃強度等改良の効果が小さく、30重量%を
超えると、嵩密度および自由流動性が悪化し剛
性、透明性の低下が大きく成型品の収縮率も大と
なり好ましくない。重合温度は通常25〜70℃好ま
しくは25〜65℃の範囲から選ばれる。70℃を超え
ると、得られるブロツク共重合体は、自由流動性
が乏しく重合体粒子間の凝集が起る等、スラリー
物性上好ましくない。 重合圧力は前記重合温度で決る液化プロピレン
の蒸気圧、水素の圧力、エチレンの圧力および微
量の不活性液状炭化水素の蒸気圧の合計となり、
通常は10〜40Kg/cm2である。そしてプロピレン―
エチレンランダム共重合体のMFIが10-2以下、プ
ロピレン単独重合体のMFIと全ブロツク共重合体
のMFIの比(MFI比)が3〜10になるように、重
合温度、分子量調節剤である水素の量を選ぶ。通
常気相における水素濃度は、水素/プロピレン+
エチレン比で0.1〜30モル%とする。 液状炭化水素の実質的不存在下で、いわゆる気
相重合を行う場合は、気相におけるプロピレン/
プロピレン+エチレン比を60〜95モル%の範囲と
することによつて、共重合体中に含まれるプロピ
レンはほぼ30〜70重量%(22〜61モル%)の範囲
となる。プロピレン―エチレンランダム共重合体
の量は前述と同様に、全重合体生成量の5〜30重
量%となるようにすべきである。 重合温度は通常40〜100℃、好ましくは60〜90
℃、重合圧力は通常10〜50Kg/cm2である。またプ
ロピレン―エチレンランダム共重合体のMFIは前
述と同様10-2以下、MFI比が3〜10になるように
重合温度、水素の量を選ぶ。通常気相における水
素濃度は、水素/プロピレン+エチレン比で約
0.01〜30モル%とする。しかして全ブロツク共重
合体中のエチレン含有量が5〜15重量%、MFIが
0.1〜4となるように、全エチレン導入量、水素
量が調節される。重合は、連続または回分式で行
なわれ、ブロツク共重合体の生成量は三塩化チタ
ン1g当り16000g以上さらには22000g以上とさ
れる。 上述の方法によりブロツク共重合体を製造する
と、非結晶性重合体の生成量が少ない。そして非
結晶性重合体を除去せずとも、すぐれた衝撃強
度、剛性および低温脆性を有する。さらに自由流
動性に富んだ粉末状態で重合体が得られるので長
期間安定運転が可能である。 以下、本発明を実施例によつて更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨をこえない限り以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中の略号の意味及び各種の測定方法は次の通りで
ある。 触媒効率CE(g/g)は三塩化チタン1g当
りの共重合体生成量gである。 アイソタクチツク・インデツクスII(%)は改
良型ソツクスレー押出器で沸騰n―ヘプタンによ
り6時間抽出した場合の残量(重量%)である。
非結晶性重合体は沸騰n―ヘプタンに可溶である
からII(%)は結晶性重合体の収率を示す。 嵩密度ρB(g/c.c.)はJIS―6721によつた。 共重合体中のエチレン含有量〔E〕IR(重量
%)は赤外線吸収スペクトルより求めた。 メルトフローインデツクスMFI(g/10min)
はASTM D1238―70により、230℃、荷重2.16Kg
の時の重合体の押出量を示す。 メルトインデツクスMI(g/10min)はASTM
D1238―70により190℃、荷重2.16Kgの時の重合
体の押出量を示す。 密度ρ(g/c.c.)はASTM―D1505に準拠し密
度勾配管法により20℃で求めた。 第1降伏点強度YS(Kg/cm2)はASTM D638
―72に準拠しプレスシートから打ち抜いたダンベ
ル片の引張試験によつて求めた。特に断わらない
限り20℃での測定値である。アイゾツト衝衝強度
(Kg―cm/cm)はASTM D256により、プレスシ
ートから打ち抜いた短冊片にノツチを入れたもの
について20℃、−20℃で測定した。 ウエルド部落錘衝撃強度DDI(Kg―cm)は、1
オンス射出成形機により、ウエルド部を有する短
冊状試験片を作製し、ウエルド部に一定高さから
重錘を落化させて衝撃を与え、試料を破壊するに
要したエネルギーとして求めた。これはウエルド
部の強度の目安となるものである。 射出限界圧力(Kg/cm2)Pcは、1オンス射出
成形機により、幅80mm、長さ80mm、厚さ3mmの試
験片を作製する際の完全成形可能な最低射出圧力
として求めた。これは射出成形における成形性の
目安となるものである。 脆化温度Tb(℃)は厚さ2.0mmの平板から打抜
いた試験片につき、ASTM D746により求めた。 安息角および滑り角は、日刊工業新聞社発行、
続新化学工学講座、18巻5〜8頁に記載されてい
るように、研磨したステンレス板上において測定
された、上記粉末が安定を保つ角度および滑り始
める角度である。 また、気相プロピレン濃度とは、気相中のプロ
ピンとエチレンの和に対するプロピレンの比を
mol%で表わし、気相水素濃度とは、気相中のプ
ロピレンとエチレンの和に対する水素の比をmol
%で表わした。 触媒製造例1 (固体三塩化チタン系触媒錯体の
製造) (A) 三塩化チタン均一溶液の製造 充分に乾燥アルゴン置換した容量500mlのフ
ラスコにn―ヘプタン120ml、四塩化チタン
100mmolを仕込み、更にジ―n−オクチルエー
テル90mmolを添加した。これを撹拌下に25℃
に保持しつつ、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド33mmolをn―ヘプタン50mlに溶解したも
のを徐々に滴下したところ、緑色を帯びた黒褐
色の三塩化チタンのn―ヘプタン均一溶液が得
られた。 (B) 三塩化チタンの沈殿生成と触媒の製造 上記(A)工程で得られた三塩化チタンの均一溶
液を95℃に昇温したところ、昇温途中より紫色
の三塩化チタンの沈殿生成が認められた。 95℃で30分撹拌後、沈殿を別し、n―ヘプ
タン100mlで2回、ついでトルエン100mlで3回
洗浄して微粒状紫色の固体三塩化チタン系触媒
錯体を得た。 元素分析したところ、この触媒錯体は式 TiCl3(AlCl3)0.003〔(n―C8H172O〕0.10 の組成を有していた。 また、CuKα線を使用して、この触媒錯体
のX線回折スペクトルを測定したところ、2θ
=32.9゜に最大強度のハローを有していた。ま
た、水銀ポロシメーター(60000psig)を用い
て測定した累積細孔容積は、細孔半径が20〜
500Å間で、0.04cm3/gであつた。 触媒製造例2 (固体三塩化チタン系触媒錯体の
製造) (A) 三塩化チタン均一溶液の製造 乾燥アルゴン置換した容量500mlのフラスコ
に精製トルエン90mlと四塩化チタン90mmolを
仕込み、更にジ―n―ブチルエーテル80mmol
を添加した。多少の発熱を伴い四塩化チタンと
ジ―n―ブチルエーテルとが反応してトルエン
に均一に溶解し、橙黄色の均一溶液を得た。該
溶液を撹拌下25℃に保持しながら、これにジエ
チルアルミニウムモノクロライド45mmolをト
ルエン20mlに溶解した溶液を徐々に添加したと
ころ、濃橙色の三塩化チタンの均一溶液が得ら
れた。 (B) 三塩化チタンの沈殿生成と触媒の製造 上記(A)工程で得られた三塩化チタンの均一溶
液を95℃に昇温したところ、昇温途中より紫色
の三塩化チタンの沈殿生成が認められた。 95℃で30分撹拌後、沈殿を別しトルエン
100mlで5回洗浄し微粒状紫色三塩化チタン系
触媒錯体を得た。元素分析したところ、この触
媒錯体は式 TiCl3(AlCl3)0.004〔(n―C4H92O〕0.05 の組成を有していた。 また、CuKα線を使用してこの触媒錯体の
X線回折スペクトルを測定したところ、2θ=
32.9°に最大強度のハローを有していた。 触媒製造例3 (固体三塩化チタン系触媒錯体の
製造) (A) 環元固体の製造 アルゴン置換した500mlフラスコに、n―ヘ
キサン45ml、四塩化チタン100mmolを加え、0
℃に冷却後、撹拌下にn―ヘキサン70mlとエチ
ルアルミニウムセスキクロライド200mmolとか
ら成る溶液を30分にわたり滴下した。滴下終了
後、さらに0℃で2時間撹拌を続け熟成を行つ
た。ついでn―ヘキサン100mlを用いて5回洗
浄を行い、赤紫色の固体物質21gを得た。 (B) 錯化剤処理 上記(A)で得られた赤紫色の固体物質にn―ヘ
キサン150ml及びジイソアミルエーテル21mlを
加え、30℃で1時間撹拌下に反応を行つた。つ
いでn―ヘキサン100mlを用いて5回洗浄を行
い、減圧乾燥を行つて褐色の物質21gを得た。 (C) 四塩化チタン処理 上記(B)で得られた褐色の物質に対し、
400mmolの四塩化チタンを加えた。35℃で1.5
時間反応を行つた後n―ヘキサン100mlで8回
洗浄を行つて紫色の固体三塩化チタン系触媒錯
体約20gを得た。元素分析したところ、式 TiCl3・(AlCl3)0.01・〔(i―C5H112O〕
0.11 の組成を有していた。またCuKα線を使用し
てX線回折スペクトルを測定したところ、2θ
=32.9゜に最大強度のハローを有していた。 また、水銀ポロシメーターを用いて測定した
累積細孔容積は細孔半径が20〜500Å間で、
0.16cm3/gであつた。 参考例 1 いかり型撹拌翼を内蔵する容量5の誘導撹拌
式オートクレーブを用いた。 充分に乾燥し、真空、窒素ガス置換し、ついで
プロピレンガスで置換したオートクレーブに、ジ
ノルマルプロピルアルミニウムモノクロライド
5.0mmolを仕込んだ。水素ガスを2.7Kg/cm2装入
し、ついで液化プロピレン1.75Kgを装入した後、
オートクレーブを昇温した。オートクレープ内温
が70℃に達した時、撹拌下に触媒製造例1で得ら
れた固体三塩化チタン触媒錯体(TiCl3として50
mgを含有する)のトルエンスラリー10mlを窒素ガ
スで圧入した。この時を第1段階の重合反応の開
始とし70℃で3.5時間、撹拌下に重合反応を続け
た。3.5時間後液化プロピレンおよび水素ガスを
パージしてオートクレーブ内圧をゲージ圧0Kg/
cm2とし窒素ガス下でサイフオンを取り付け窒素ガ
ス圧により粉末状のプリプロピレン単独重合体を
数g分取し螢光X線によりTi含有量を測定し、
第1段階における重合体の収量及びMFIを求め
た。 ついで水素ガスを装入し、液化プロピレン1.25
Kgを装入した後すみやかにオートクレーブ内温を
40℃に調節し、エチレンガスを10Kg/cm2装入し
た。この時を第2段階の重合反応の開始とし、40
℃で0.5時間撹拌下に重合反応を続けた。この間
エチレン分圧が10Kg/cm2となる様に連続してエチ
レンガスを装入した。気相におけるプロピレン/
プロピレン+エチレン比は平均61mol%、H2/プ
ロピレン+エチレン比は平均1.7mol%であつた。 0.5時間後、液化プロピレン、エチレンガス及
び水素ガスをパージしてオートクレーブより自由
流動性に富んだ、凝集塊のない白色粉末状のブロ
ツク共重合体1.155Kgを取りだした。 重合条件及び各種測定結果を表1に示した。共
重合体粉末の嵩密度ρBは0.44g/c.c.であり、II
は94.8%であつたが、これらの値は第1段階終了
時に抜き出したプロピレン単独重合体のρB=
0.46g/c.c.、II=97・4%に比べ低下が小さいも
のであつた。 また、共重合体粉末の平均粒径は430μ、安息
角は38゜、滑り角は35゜であつた。 触板効率CEは23,100であり、共重合体中に残
存するTi量は13.4ppmと充分に低く、もはや除去
する必要はないものであつた。 参考例 2〜9 参考例1において、重合条件を表1に示すよう
に変えること以外は同様に行つて、触媒製造例1
で得られた固体三塩化チタン触媒錯体を用いてブ
ロツク共重合体を得た。重合条件及び各種測定結
果を表1に示した。 参考例 10〜15 参考例1において重合条件を表1に示すように
変えること、及び触媒製造例2で得られた固体三
塩化チタン触媒錯体を用いること以外は同様に行
つて、ブロツク共重合体を得た。重合条件及び各
種測定結果を表1に示した。 参考例 16,17 充分に乾燥し、真空、窒素ガス置換し、ついで
プロピレンガスで置換した容量5のオートクレ
ーブに、ジノルマルプロピルアルミニウムモノク
ロライド5.0mmolを仕込んだ。水素ガスを所定圧
装入し、ついで液化プロピレン1.75Kgを装入した
後、オートクレーブを昇温した。オートクレーブ
の内温が70℃に達した時、撹拌下に触媒錯体
(TiCl3として50mgを含有する)のトルエン・スラ
リーを窒素ガスで圧入した。この時を第1段階の
重合反応の開始とし、70℃で撹拌下に重合反応を
続けた。所定時間後、液化プロピレン及び水素ガ
スをパージしてオートクレーブ内圧をゲージ圧0
Kg/cm2とし窒素ガス下でサイフオンを取り付け窒
素ガス圧により粉末状のポリプロピレン単独重合
体数g分取し螢光X線によりTi含有量を測定し
第1段階における重合体の収量及びMFIを求め
た。ついですみやかにオートクレーブ内温を所定
温度に調節した後、エチレンガス、プロピレンガ
ス及び水素ガスを各々所定圧装入した。この時を
第2段階の重合反応の開始とし、撹拌下に重合反
応を続けた。この間エチレン分圧及びプロピレン
分圧が各々一定となるように連続してエチレンガ
ス及びプロピレンガスを装入した。所定時間後、
プロピレンガス、エチレンガス及び水素ガスをパ
ージしてオートクレーブより自由流動性に富んだ
凝集塊のない白色粉末状のブロツク共重合体を取
り出した。重合条件及び各種測定結果を表1に示
した。
【表】
【表】 実施例 1〜3 参考例1で得られたブロツク共重合体にメルト
インデツクス0.05、密度0.950のポリエチレンを
それぞれ規定量混合し、スクリユー式押出機を用
いて溶融混合し、ペレタイザーを通じて造粒し
た。 このようにして得た組成物を原料として試験片
を作成した。 各種測定結果を表2に示した。 なお比較のために、結晶性ポリプロピレン(単
独重合体、MFI=4.5)、結晶性ポリプロピレンと
ポリエチレン(MI=0.05、密度0.950)の混合組
成物、結晶性ポリプロピレンとプロピレン―エチ
レン―ジエンゴム状共重合体JSR EP57P(日本
イーピーラバー社製、MI=0.2、プロピレン含量
28重量%)の混合組成物及び結晶性ポリプロピレ
ンとプロピレン―エチレン―ジエンゴム状共重合
体とポリエチレンの混合組成物それぞれについて
の測定結果を表3に比較例1〜4で示した。 表3から明らかなように、結晶性ポリプロピレ
ンとポリエチレンの組成物は比較例1〜2の如く
衝撃強度がほとんど改善されていない。結晶性ポ
リプロピレンとプロピレン―エチレン―ジエンゴ
ム状共重合体の組成物は比較例3の如く衝撃強度
の改良効果は見られるものの第1降伏点強度の低
下が著しく、第1降伏点強度と衝撃強度のバラン
スつまり物性バランスが悪い。 一方比較例4の如く結晶性ポリプロピレンとプ
ロピレン―エチレン―ジエンゴム状共重合体及び
ポリエチレンから成る組成物は物性バランスの改
良された組成物を与えるが、ウエルド部の落錘衝
撃強度が低く、つまりウエルドライン強度が低い
という欠点を有する。 これに比較し参考例1のブロツク共重合体にポ
リエチレンをそれぞれ規定量溶融混合して得られ
た実施例1〜3は、参考例1に比べ第1降伏点強
度に若干の低下は見られるものの、アイゾツト衝
撃強度(20℃、−20℃)が著しく向上し、脆化温
度は低下し低温特性の改良された組成物を与え
る。 実施例1〜3のウエルド部の落錘衝撃強度は参
考例1とほぼ同等であり、良好なウエルドライン
強度を有する。また射出限界圧力は参考例1に比
べ低い。この射出限界圧力は試験片を完全な形に
成形するに必要な最低の射出圧力を示し、従つて
数値の小さい程射出成形時の成形性が良好なこと
を意味し、本発明による組成物は物性バランスが
良好にしてウエルドライン強度に優れ、且つ射出
成形時の成形性の良好な組成物を与えることがわ
かる。 実施例4、比較例5〜6 参考例2で得られたブロツク共重合体に実施例
1〜3と同じポリエチレンを同様の操作でそれぞ
れ規定量溶融混合した。測定結果を表2、表3に
示した。 実施例4は参考例2に比べアイゾツト衝撃強度
(20℃、−20℃)の向上、脆化温度の低下が見ら
れ、耐衝撃性、低温特性に優れ、ウエルドライン
強度、射出成形時の成形性も良好である。 比較例5はポリエチレンの混合量が2重量%の
場合であり、低温アイゾツト衝撃強度、脆化温度
等の低温特性、更には射出成形時の成形性改良効
果が不充分である。 ポリエチレンの混合量が25重量%の場合が比較
例6である。 比較例6は参考例2に対し、アイゾツト衝撃強
度、脆化温度で改良効果は見られるものの、第1
降伏点強度の低下が著しく、物性バランスが悪
い。また射出成形時の成形性は改良され、ウエル
ドライン強度は良好なるも射出成形品の透明性が
低下する等物性の良好な組成物は得られない。つ
まりポリエチレンの混合量が少なくても多くても
物性バランス射出成形性共に良好な組成物は得ら
れない。 実施例5〜6、比較例7 参考例3のブロツク共重合体に種々のポリエチ
レンを実施例1〜3と同様の操作でそれぞれ規定
量混合し組成物を得た。測定結果を表2、表3に
示した。使用したポリエチレンは実施例5では実
施例1〜3と同じポリエチレン、実施例6ではメ
ルトインデツクス0.14、密度0.955、比較例7で
はメルトインデツクス4.0密度0.955のものであ
る。 実施例5、実施例6は参考例3に比較し、顕著
なアイゾツト衝撃強度、脆化温度の改良効果が見
られ、かつウエルドライン強度が良好で、射出成
形性にも改良効果が見られる等の物性バランス、
成形性に於て優れた組成物を与える。メルトイン
デツクス4.0のポリエチレンを使用した比較例7
は物性バランス射出成形性が良好なる特徴を有す
るものの、ウエルド部の落錘衝撃強度が低くウエ
ルドライン強度の低い組成物を与える。 実施例7〜9、14〜15、比較例8〜11 参考例4〜9及び16〜17のブロツク共重合体に
所定のポリエチレンをそれぞれ実施例1〜3と同
様の操作で規定量混合し組成物を得た。測定結果
を表2、表3に示した。 参考例4のブロツク共重合体にメルトインデツ
クス0.05、密度0.934のポリエチレンを、また実
施例1〜3と同じポリエチレンを混合したものが
それぞれ実施例7、実施例8である。 参考例5〜9のブロツク共重合体に実施例1〜
3と同じポリエチレンをそれぞれ混合したものが
実施例9及び比較例8〜11である。実施例14〜15
は参考例16〜17に実施例1〜3と同じポリエチレ
ンをそれぞれ混合したものである。 実施例7〜9はそれぞれ参考例4及び5に比し
て、実施例14〜15はそれぞれ参考例16〜17に比し
て第1降伏点強度とアイゾツト衝撃強度のバラン
スつまり物性バランスに優れ、脆化温度が低く低
温脆性の良好な組成物で、かつウエルドライン強
度の目安であるウエルド部落錘衝撃強度が高く、
射出成形性の目安である射出限昇圧力が低い等の
好ましい特徴を兼ね備えた組成物を与える。 比較例8、9で使用した参考例6、7のブロツ
ク共重合体の特徴は既に示した実施例4あるいは
実施例5で使用した参考例2、3のブロツク共重
合体に比べブロツク共重合体に含まれるプロピレ
ン単独重合体と該ブロツク共重合体のMFI比が大
きく変化したものである。参考例2、3のMFI比
がそれぞれ4.5、5.0に対し参考例6、7のMFI比
はそれぞれ1.7および11.3である。 参考例6のブロツク共重合体を使用した比較例
8は参考例2のブロツク共重合体を使用した実施
例4に比較するとアイゾツト衝撃強度の改良が小
さく未だ不充分である。 参考例7のブロツク共重合体を使用した比較例
8は参考例3のブロツク共重合体を使用した実施
例5と同様に耐衝撃性、低温脆性に優れ、ウエル
ドライン強度の良好な組成物を与えるものの、実
施例5に比べ射出限界圧力が高く射出成形性に欠
点がある。また、射出成形品の形状も不良となる
などの問題が発生する。 つまりブロツク共重合体に於て該ブロツク共重
合体に含まれるプロピレン単独重合体と該ブロツ
ク共重合体のMFI比が小さくすぎても大きすぎて
も物性バランス、射出成形性共に良好なる組成物
は得られない。 比較例10、11で使用した参考例8、9のブロツ
ク共重合体の特徴は該ブロツク共重合体に含まれ
るエチレン―プロピレンランダム共重合体のエチ
レン含有量がそれぞれほぼ75重量%および20重量
%である。 比較例10は既に述べた参考例5のブロツク共重
合体(該ブロツク共重合体に含まれるエチレン―
プロピレンランダム共重合体のエチレン含有量は
ほぼ65重量%)を使用した実施例9と比較しアイ
ゾツト衝撃強度、脆化温度等の改良効果が小さ
い。 またブロツク共重合体に含まれるエチレン―プ
ロピレンランダム共重合体の量が19重量%と比較
的多い参考例9のブロツク共重合体を使用した比
較例11は第1降伏点強度が低いが衝撃強度の向上
が少ないために物性バランスは悪く、好ましい組
成物を与えない。 これは実施例13で述べる結果から判断してブロ
ツク共重合体に含まれるエチレン―プロピレンラ
ンダム共重合体のエチレン含有量が20重量%と少
ないためであり、量が19%と比較的多い点に起因
するものではない。 従つてブロツク共重合体中のエチレン―プロピ
レンランダム共重合体のエチレン含有量は少なす
ぎても多すぎても物性バランスの良好な組成物は
得られない。 実施例10〜13、比較例12〜13 参考例10〜15のブロツク共重合体に実施例1〜
3と同じポリエチレンを同様の操作でそれぞれ規
定量溶融混合し組成物を得た。測定結果を表2、
表3に示した。 参考例10、11、12のブロツク共重合体をそれぞ
れ使用した実施例10、11、12の組成物はアイゾツ
ト衝撃強度が高く、脆化温度が低く、かつ物性バ
ランスに優え、ウエルドライン強度、射出成形性
の良好なものである。 実施例13はブロツク共重合体中のエチレン―プ
ロピレンランダム共重合体のエチレン含有量がほ
ぼ65重量%、量が23重量%である参考例13のブロ
ツク共重合体を使用したものである。 実施例13は第1降伏点強度は低いものの優れた
耐衝撃性及び低温特性を示し物性バランスの良い
組成物を与える。なおブロツク共重合体中のエチ
レン―プロピレンランダム共重合体のエチレン含
有量がほぼ20重量%、量が19重量%を有する参考
例9のブロツク共重合体を使用した比較例11の結
果と比べてもブロツク共重合体中のエチレン―プ
ロピレンランダム共重合体のエチレン含有量が良
好なる物性バランスを有する組成物を得るために
は重要な因子であることが判る。 比較例12、13はそれぞれ参考例14、15のブロツ
ク共重合体を使用したものである。参考例14のブ
ロツク共重合体の特徴はブロツク共重合体中のプ
ロピレン単独重合体と該ブロツク共重合体のMFI
比が1.5と小さいことであり、参考例15の特徴は
ブロツク共重合体中のエチレン―プロピレンラン
ダム共重合体の量が3重量%と少ないことであ
る。 比較例12はMFI比が3.7である参考例11のブロ
ツク共重合体を用いた実施例11と比較して、耐衝
撃性の改良が未だ不充分である。この結果は既に
述べた比較例8と実施例4を比較した結果に同じ
であり、ブロツク共重合体中のプロピレン単独重
合体と該ブロツク共重合体のMFI比が小さいと顕
著な物性向上が見られないことを示している。 また比較例13の結果から明らかなようにポリエ
チレンとの混合に使用されるブロツク共重合体中
のエチレン―プロピレンランダム共重合体の量が
3重量%では、アイゾツト衝撃強度の向上、脆化
温度の低下つまり低温特性の改良、更には射出限
界圧力の低下、従つて射出成形性の改良された組
成物は得られない。
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 同一触媒上で重合して得られるプロピレ
    ン単独重合体(i)とエチレン―プロピレンランダ
    ム共重合体(ii)を含み、エチレン含有量が5〜15
    重量%であるブロツク共重合体80〜97重量%
    と、 (B) 密度が0.93以上であるポリエチレン3〜20重
    量%から成るポリオレフイン組成物において 該ブロツク共重合体(A)に含まれる プロピレン単独重合体(i)のMFIが0.3〜40、量
    が70〜95重量%でありエチレン―プロピレンラ
    ンダム共重合体(ii)のエチレン含有量が30〜70重
    量%であり、量が30〜5重量%であり プロピレン単独重合体(i)とブロツク共重合体(A)
    のMFI比が3〜10であり、 ブロツク共重合体(A)のMFIが0.1〜4であり 該ポリエチレン(B)のMIが0.2以下であることを特
    徴とするポリオレフイン組成物。
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