JPS6231477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧シヨベル、油圧クレーン等の走行
体のトラツクフレーム（以下トラツクフレームと
いう）の改良に関する。

第１図乃至第３図に従来技術によるトラツクフ
レームを示す。同図において、１は装軌式の油圧
シヨベルで、該油圧シヨベル１は上部走行体２、
下部走行体３から大略構成され、下部走行体３は
履帯４とトラツクフレーム５とによる構成されて
いる。該トラツクフレーム５は履帯４が設けられ
る左右のサイドフレーム（図示せず）と、該各サ
イドフレームを連結するボツクス状のセンタフレ
ーム６、該センタフレーム６の下側板６Ａから上
側板６Ｂを突出して設けられた支柱部７とから構
成されている。該支柱部７には旋回輪が油圧配管
等（図示せず）が収納されており、前記センタフ
レーム６の下面に位置する下側板６Ａには前記支
柱部７内を点検、整備するためのメンテナンス穴
８が設けられている。該メンテナンス穴８には岩
石、土砂等から前記支柱部７内を保護するための
保護板９が設けられている。このため、該メンテ
ナンス穴８の周縁部における下側板６Ａ内側には
所定間隔で複数の取付座１０Ａ，１０Ｂ，…１０
Ｆ（全体として取付座１０という）が固着され、
該各取付座１０と前記保護板９との間にボルト１
１Ａ，１１Ｂ，…１１Ｆ（全体としてボルト１１
という）を締着することにより、保護板９は下側
板６Ａに対して着脱可能に取付けられている。

従来のトラツクフレームは前述の構成を有する
もので、支柱部７内に設けられている旋回輪の回
転部分に給脂作業を行うためには、保護板９とセ
ンタフレーム６を連結するボルト１１を取付座１
０から順次取外すことにより該保護板９をメンテ
ナンス穴８から取外さなければならない。一方、
保護板９は前記油圧シヨベル１の作業中に岩石等
と直接激突しても破損を来たさないようにするた
め厚く、重い鋼板により形成されている。このた
め、該保護板９の取外し作業は著しく困難であつ
て、一人の作業者によりボルト１１の取外し作業
を行つている間は、該保護板９が落下しないよう
他の作業者が該保護板９を支持する必要があつ
た。

また、前記支柱部７内の点検、整備をした後、
再び保護板９によりメンテナンス穴８を施蓋する
に際しても、前述の保護板９の取外し作業と同様
２人がかりでなくしては施蓋できないという欠点
があつた。

本考案は上記従来技術の欠点に鑑みなされたも
ので、重量物である保護板をセンタフレームの下
面側に穿設されたメンテナンス穴に着脱すると
き、作業者１人で、容易に、かつ安全に取外し、
取付け作業を行ないうるようにした走行体のトラ
ツクフレームを提供することを目的とする。

この目的を達成するために、本考案は、左右の
サイドフレームと、該各サイドフレームを連結す
るボツクス状のセンタフレームと、該センタフレ
ームの上部に設けられた支柱部とからなる走行体
のトラツクフレームにおいて、前記センタフレー
ムの下面側に穿設されたメンテナンス穴と、該メ
ンテナンス穴の周囲に設けられた多数の取付座
と、前記メンテナンス穴を施蓋すべく該メンテナ
ンス穴に対応した形状を有する保護板と、前記各
取付座を介して該保護板をメンテナンス穴に着脱
可能に取付ける多数本のボルトと、前記保護板の
着脱時に該保護板をセンタフレームに掛着するた
めに、該保護板の周縁部またはメンテナンス穴の
周縁部に突設された単一の支持部材とから構成し
たことを特徴とする。

このように構成することにより、支柱部内等を
修理、点検するために、重量物である保護板を取
外すときには、多数本のボルトのうち、支持部材
から最も遠いボルトを最後に外し、該支持部材を
支点として保護板を斜め下方に傾斜させることに
より取外せばよく、１人で取外し作業が可能とな
る。

一方、保護板をセンタフレームに下方から取付
けるには、該保護板を斜めに持上げてメンテナン
ス穴に挿入し、支持部材を介して該保護板をセン
タフレームに掛着し、該支持部材によつて一時的
に１点支持させた状態で該支持部材から最も遠い
位置のボルトから順次締着していけばよく、１人
で取付け作業が可能となる。

以下、本考案の実施例を、第４図乃至第６図を
参照しつつ詳細に説明する。

まず第４図及び第５図は本考案に係る第１の実
施例を示し、第１図乃至第３図と同一構成要素に
は同一符号を付しその説明を省略する。然るに、
本考案の特徴とするところは前記保護板９の周縁
部に該保護板９を前記センタフレーム６の下側板
６Ａに掛着するために、単一の支持部材２１を突
設したことにある。該支持部材２１は前記保護板
９の上面に熔接等の手段で固着され、該保護板９
の周縁部から半径方向外方に突出している。

本考案に係るトラツクフレーム６は前述の構成
を有するもので、いま、支持部材２１は取付座１
０Ｄ，１０Ｅ間にあるものとするに、トラツクフ
レームの支柱部７内部の点検、整備のため保護板
９を取外すときには、該保護板９と各取付座１０
に締着されたボルト１１のうち支持部材２１の取
付位置に近い部位にあるボルト１１Ｃ，１１Ｄ，
１１Ｅ，１１Ｆを順次取外す。該支持部材２１か
ら最も遠い部位にあるボルト１１Ａまたはボルト
１１Ｂの取外し時には保護板９の反対側縁部が支
持部材２１によりセンタフレーム６の下側板６Ａ
に掛着されているため、この部分を人手により支
持しなくとも保護板９は自重のために落下するこ
とはない。而して、前記最後のボルト１１Ａまた
はボルト１１Ｂを取外した後、支持部材２１と対
向する保護板９の側面を下方に傾斜させ、斜め下
方に変位させることにより該支持部材２１をセン
タフレーム６から取外せばよい。

次に、支柱部７内の旋回輪への給脂、油圧配管
の点検、整備後メンテナンス穴８を施蓋するとき
は、保護板９に突設された支持部材２１を上方に
向け斜めからメンテナンス穴８に挿入して、該支
持部材２１を下側板６Ａに掛着し、その後、該支
持部材２１と対向する。部位近傍のボルト１１Ａ
またはボルト１１Ｂを最初に締着する。このボル
ト締着に際しては保護板９は支持部材２１により
既に一点で支持されているので、該保護板９を支
持する力は半減することができ、ボルト１１Ａま
たはボルト１１Ｂの締着作業は容易となる。これ
により保護板９はほぼ相対向する二点で支持され
て、自重により落下することはない。このように
して残りのボルト１１Ｃ，１１Ｄ，１１Ｅ，１１
Ｆを順次締着することにより保護板９の取付けは
完了する。

次に、第６図は本考案に係る第２の実施例を示
し、本実施例では支持部材３１は前記メンテナン
ス穴８周縁部において下側板の６Ａの下面側に熔
接等の手段で固着され、該メンテナンス穴８の中
心に向つて突出している。なお、本実施例におけ
る保護板９の着脱作業については第１の実施例と
変ることがないので説明を省略する。

なお、保護板９のボルト穴と各取付座１０のボ
ルト穴との整合を容易にするためには、支持部材
２１の掛着時に該支持部材２１を位置決めする係
止部を下側板６Ａに突設させておけばよいもので
ある。

また、当実施例では上部走行体を油圧シヨベル
として図示したが油圧クレーン等でもよく、さら
に下部走行体３としては履体を有する装軌式のも
のに限ることなく、ホイール式のものであつても
よいことは勿論である。

本考案に係る走行体のトラツクフレームは以上
詳細に述べた如くであつて、保護板の周縁部また
はメンテナンス穴の周縁部に単一の支持部材を突
設し、重量物である保護板を着脱するとき、該支
持部材を介してセンタフレームの下面側に一時的
に掛着する構成としたから、保護板をメンテナン
ス穴に取付け、取外し作業をするとき、支持部材
を支点として該保護板を支持させた状態で、ボル
トの取外し、または締付けを１人で容易に、かつ
安全に行なうことができ、さらに人手が削減でき
る等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラツクフレームを有する油圧シヨベ
ルの外観図、第２図は第１図の−矢示方向断
面図、第３図は第２図の−矢示方向断面図、
第４図は本考案に係るトラツクフレームの第１の
実施例を示す第２と同様の断面図、第５図は第４
図の−矢示方向断面図、第６図は本考案に係
るトラツクフレームの第２の実施例を示す第５図
と同様の断面図である。 ５……走行体のトラツクフレーム、６……セン
タフレーム、７……支柱部、８……メンテナンス
穴、９……保護板、１０Ａ，１０Ｂ，…１０Ｆ…
…取付座、２１，３１……支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のサイドフレームと、該各サイドフレーム
   を連結するボツクス状のセンタフレームと、該セ
   ンタフレームの上部に設けられた支柱部とからな
   る走行体のトラツクフレームにおいて、前記セン
   タフレームの下面側に穿設されたメンテナンス穴
   と、該メンテナンス穴の周囲に設けられた多数の
   取付座と、前記メンテナンス穴を施蓋すべく該メ
   ンテナンス穴に対応した形状を有する保護板と、
   前記各取付座を介して該保護板をメンテナンス穴
   に着脱可能に取付ける多数本のボルトと、前記保
   護板の着脱時に該保護板をセンタフレームに掛着
   するために、該保護板の周縁部またはメンテナン
   ス穴の周縁部に突設された単一の支持部材とから
   構成したことを特徴とする走行体のトラツクフレ
   ーム。