JPS6231226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、立型旋盤のテーブル上に、被加工物
の保持用に装着される置爪台に関する。

立型旋盤においては、水平面内で回転するテー
ブル上に、被加工物を保持固定するために、置爪
台が用いられる。置爪台にはテーブルの回転に伴
なう遠心力が作用するので置爪台はテーブル上に
確実に固定し、不用意な飛び出しを防止する必要
がある。

第５図は立型旋盤のテーブルの一部を示す平面
図、第６図は従来の置爪台を示す側面図である。

従来、置爪台１は、第５図及び第６図に示すよ
うに、フレーム２下部に移動自在に設けられた抜
け止め棒３を操作してキー３ａを、テーブル５上
に穿設されたストツパー溝５ａの凹部５ｂに係合
させ、締結ボルト６によりテーブル５上に締着固
定していた。この方法では、抜け止め棒３の操作
とボルト６の操作は別個独立しており、従つて、
万一、作業者が抜け止め棒３のキー３ａを凹部５
ｂに係合させる操作を忘れたままボルト６を操作
して台１をテーブル５上に固定した場合には、台
１とテーブル５間に作用する摩擦力だけでは遠心
力に抗し切れず、台１がテーブル５の外方、即ち
矢印Ｊ方向に飛び出してしまう危険性があつた。

本考案は、前述の欠点を解消すべく、締結ボル
トの締結操作を行なうだけで置爪台の遠心力によ
る飛び出しを防止し得る、安全性の高い置爪台を
提供することを目的とするものである。

即ち、本考案は、フレームにストツパを、該ス
トツパの係止部がテーブル方向に突出後退自在な
るように枢支し、前記ストツパの前記係止部が設
けられた側の反対側に係合部を形成し、該係合部
と前記締結ボルトを、締結ボルトに設けられた係
合手段を介して係合させ、締結ボルトの締結動作
に連動して前記ストツパの係止部が前記テーブル
方向に突出し得るようにして構成される。

以下、図面に基き、本考案の実施例を説明す
る。

第１図は本考案による置爪台の装着された立型
旋盤のテーブルの一例を示す平面図、第２図は本
考案による置爪台の一実施例を示す正面図、第３
図は第２図の左側面図、第４図は第２図の平面図
である。

置爪台１は、第２図乃至第４図に示すように、
フレーム２を有しており、フレーム２にはＴ字形
の溝２ａが穿設されている。溝２ａには爪７が矢
印Ａ，Ｂ方向に摺動自在に係合しており、爪７ａ
の第２図下面にはねじ７ａが形成されている。ま
た、フレーム２には両端にねじ９ａ，９ａの形成
された送りねじ９が回転のみ自在に嵌入係合して
おり、ねじ９ａ，９ａは爪７ａのねじ７ａと螺合
し、ねじ９を正逆方向に回転させることにより爪
７をフレーム２に対してＡ，Ｂ方向に移動させる
ことができる。更に、フレーム２には４個の穴２
ｂが、第３図上下方向に貫通穿設されており、各
穴２ｂにはＴボルト等の締結ボルト６が先端にナ
ツト１０を螺合させた形で嵌入係合している。そ
れ等締結ボルト６の１本にはピン６ａが植設され
ており、ピン６ａには、フレーム２にピン２ｃを
介して矢印Ｃ，Ｄ方向に回動自在に支持されるス
トツパ１１の、係合溝１１ａが係合している。

一方、立型旋盤のテーブル５は、第１図に示す
ように、全体円盤形をしており、表面５ｃには、
第３図想像線で示すように、断面Ｔ字形の２本１
組の保持溝５ｄ，５ｄが４組、テーブル中心TC
に向けて平行に、かつ互いに90゜のピツチをなす
ように穿設形成されている。なお、各組の保持溝
５ｄ，５ｄ間には、複数の係合穴５ｅがテーブル
中心CTに向けて等間隔で穿設されている。

置爪台１及びテーブル５は以上のような構成を
有するので、立型旋盤のテーブル５上に、置爪台
１を装着して所定の加工を行なう場合には、テー
ブル５上の４組の保持溝５ｄ，５ｄに、各組に一
個充ての台１を、締結ボルト６の頭部６ｂを、第
１図及び第３図に示すように、テーブル外周部か
ら溝５ｄ中に嵌入係合させる形で、設置し、被加
工物の保持に適した適当な位置まで中心TC方向
に溝５ｄに沿つて移動させる。台１が適宜な位置
まできたところで、最寄りの係合穴５ｅとストツ
パ１１の先端１１ｂを整合させ、その状態でナツ
ト１０を締結方向に回転させる。すると、ボルト
６はナツト１０の回転と共に、第３図矢印Ｇ方向
に移動し、ナツト頭部６ｂが保持溝５ｄの段つき
部５ｆと当接係合して、フレーム２はテーブル表
面５ｃに所定の圧力で押圧される。また、ピン６
ａの植設されたボルト６がＧ方向への移動する
と、ピン６ａを介してストツパ１１がピン２ｃを
中心にＤ方向へ回動し、ストツパ先端１１ｂがフ
レーム下面２ｄから第３図下方に突出してテーブ
ル５上の係合穴５ｅ中に嵌入係合し、台１はスト
ツパ１１によつてテーブル５上に確実に固定され
る。

こうして、４個の置爪台１のテーブル５上への
設置が完了すると、第４図に示すように、ソケツ
トレンチ１２の先端の係合部１２ａを、各台１の
送りねじ９の両側面に穿設された係合穴９ｂ，９
ｂの一方に嵌入係合させ、ハンドル１２ｂを持つ
て正逆方向に適宜回転させる。すると、送りねじ
９も正逆方向に回転し、爪７はＡ又はＢ方向に所
定量移動し、被加工物は４個の爪７によつてテー
ブル５上に確実に固定される。

加工に際しては、テーブル５が第１図矢印、Ｅ
又はＦ方向に回転駆動されるが、置爪台１はスト
ツパ１１が係合穴５ｅに嵌入係合しているため
に、台１に回転に伴なう遠心力が作用しても台１
がテーブル５から外方、即ち、矢印Ｊ方向に飛び
出すことはない。

また、加工終了後、台１を動かす場合には、ナ
ツト１０を緩める。すると、ボルト６は第３図Ｈ
方向に降下し、頭部６ｂと保持溝５ｄの段つき部
５ｆとの当接係合関係が解除される。一方、ピン
６ａの植設されたボルト６は、ピン６ａもボルト
６と共にＨ方向に移動するので、ストツパ１１は
ピン２ｃを中心にＣ方向に回動し、それまで係合
穴５ｅ中に嵌入していたストツパ先端１１ｂは穴
５ｅとの係合が解除され、フレーム２は保持溝５
ｄ，５ｄに沿つて自由に摺動し得る状態となる。

以上説明したように、本考案によれば、フレー
ム２にストツパ１１を、該ストツパの先端１１ｂ
等の係止部がテーブル５方向に突出後退自在なる
ように枢支し、前記ストツパ１１の前記係止部が
設けられた側の反対側に係合溝１１ａ等の係合部
を形成し、該係合部と締結ボルト６を、締結ボル
ト６に設けられたピン６ａ等の係合手段を介して
係合させ、締結ボルト６の締結動作に連動して前
記ストツパ１１の係止部が前記テーブル５方向に
突出し得るようにして構成したので、作業者が置
爪台１をテーブル５上に装着するためにボルト６
を締結方向に回転させるだけで、ストツパ１１が
テーブル５の係合穴５ｅに嵌入係合し、ボルト６
の締結動作とは別の操作が必要な抜け止め棒３を
用ることなく、台１の遠心力による飛び出しを確
実に防止することができ、安全性の高い置爪台１
の提供が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による置爪台の装着された立型
旋盤のテーブルの一例を示す平面図、第２図は本
考案による置爪台の一実施例を示す正断面図、第
３図は第２図の左側面図、第４図は第２図の平面
図、第５図は立型旋盤のテーブルの一部を示す平
面図、第６図は従来の置爪台を示す側面図であ
る。 １……置爪台、２……フレーム、５……テーブ
ル、６……締結ボルト、６ａ……係合手段（ピ
ン）、７……爪、１１……ストツパ、１１ａ……
係合部（係合溝）、１１ｂ……係止部（先端）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 立型旋盤のテーブルに対して締結ボルトを介し
   て締結自在に設けられたフレーム及び、前記フレ
   ーム上に移動自在に設けられた爪を有する置爪台
   において、 フレームにストツパを、該ストツパの係止部が
   テーブル方向に突出後退自在なるように枢支し、 前記ストツパの前記係止部が設けられた側の反
   対側に係合部を形成し、 該係合部と前記締結ボルトを、締結ボルトに設
   けられた係合手段を介して係合させ、 締結ボルトの締結動作に連動して前記ストツパ
   の係止部が前記テーブル方向に突出し得るように
   して構成した置爪台。