JP2691417B2 - チャックにおけるトップジョウの組み換え構造 - Google Patents
チャックにおけるトップジョウの組み換え構造Info
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- JP2691417B2 JP2691417B2 JP63137642A JP13764288A JP2691417B2 JP 2691417 B2 JP2691417 B2 JP 2691417B2 JP 63137642 A JP63137642 A JP 63137642A JP 13764288 A JP13764288 A JP 13764288A JP 2691417 B2 JP2691417 B2 JP 2691417B2
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Description
【産業上の利用分野】 本発明は、工作機械において被加工物を把握するチャ
ックに係り、特にトップジョウの組み換え構造に特徴が
ある。
ックに係り、特にトップジョウの組み換え構造に特徴が
ある。
この発明は、本出願人が先に提案している先願(特開
昭63-93504号)の技術を改善したものである。 この先願技術の特徴とするところは、マスタージョウ
とトップジョウには、トップジョウをマスタージョウへ
強制的に着座させるため着座手段が設けてあり、且つト
ップジョウをマスタージョウに係止するための係止手段
が着座手段を中央に挟む配置に設けられている点にあ
る。
昭63-93504号)の技術を改善したものである。 この先願技術の特徴とするところは、マスタージョウ
とトップジョウには、トップジョウをマスタージョウへ
強制的に着座させるため着座手段が設けてあり、且つト
ップジョウをマスタージョウに係止するための係止手段
が着座手段を中央に挟む配置に設けられている点にあ
る。
この発明は、前記先願の構成から必然的に発生してい
た欠点、即ち、被加工物の把握径が変わるたびにトップ
ジョウをマスタージョウから取外し、再び別なトップジ
ョウを取付けるという組み換え作業が頻繁に発生するこ
と、又トップジョウの組み換え作業において、その着脱
はマスタージョウのストローク一定位置でのみ可能であ
り一連のジョウ組み換え工程を必要とし、そのため複雑
な組み換え構造になると共に組み換え時間も長くかかる
こと等があった。 本発明はこれらの解決をはかろうとするものであり、
その目的はマスタージョウの全ストロークどの位置でも
トップジョウの組み換えができ、しかも簡単に確実な組
み換えが可能なチャックにおけるトップジョウの組み換
え構造を提供するものである。
た欠点、即ち、被加工物の把握径が変わるたびにトップ
ジョウをマスタージョウから取外し、再び別なトップジ
ョウを取付けるという組み換え作業が頻繁に発生するこ
と、又トップジョウの組み換え作業において、その着脱
はマスタージョウのストローク一定位置でのみ可能であ
り一連のジョウ組み換え工程を必要とし、そのため複雑
な組み換え構造になると共に組み換え時間も長くかかる
こと等があった。 本発明はこれらの解決をはかろうとするものであり、
その目的はマスタージョウの全ストロークどの位置でも
トップジョウの組み換えができ、しかも簡単に確実な組
み換えが可能なチャックにおけるトップジョウの組み換
え構造を提供するものである。
本発明は、トップジョウをマスタージョウへ強制的に
着座させるための着座手段と、トップジョウとマスター
ジョウとの夫々に備えられた両者を係合するための係合
手段と、トップジョウをマスタージョウに強固に係止す
るための係止手段を設けたものであり、その特徴とする
ところは、ボディの半径方向へ移動する複数のマスター
ジョウと、該マスタージョウの夫々に備える複数のトッ
プジョウとからなるチャックにおいて、前記トップジョ
ウをチャック軸方向後方へ強制的に引き込むクランプス
タンドを備え、かかる引き込み構造を利用して前記トッ
プジョウの取付面を前記マスタージョウの爪取付面へ確
実に着座させるための着座手段と、トップジョウとマス
タージョウとを係合するためにこれら両者夫々に備えら
れた係合手段と、被加工物把握時前記トップジョウと前
記マスタージョウとの相対的移動を制止するための係止
手段とが設けてあり、且つ前記係合手段がチャック軸線
と平行な軸芯を有する円錐体の一部からなる凸部と該凸
部を包み込む凹部からなり、トップジョウを着脱する際
トップジョウを回動させると共にマスタージョウ案内部
幅Aを介して行わしめることにある。
着座させるための着座手段と、トップジョウとマスター
ジョウとの夫々に備えられた両者を係合するための係合
手段と、トップジョウをマスタージョウに強固に係止す
るための係止手段を設けたものであり、その特徴とする
ところは、ボディの半径方向へ移動する複数のマスター
ジョウと、該マスタージョウの夫々に備える複数のトッ
プジョウとからなるチャックにおいて、前記トップジョ
ウをチャック軸方向後方へ強制的に引き込むクランプス
タンドを備え、かかる引き込み構造を利用して前記トッ
プジョウの取付面を前記マスタージョウの爪取付面へ確
実に着座させるための着座手段と、トップジョウとマス
タージョウとを係合するためにこれら両者夫々に備えら
れた係合手段と、被加工物把握時前記トップジョウと前
記マスタージョウとの相対的移動を制止するための係止
手段とが設けてあり、且つ前記係合手段がチャック軸線
と平行な軸芯を有する円錐体の一部からなる凸部と該凸
部を包み込む凹部からなり、トップジョウを着脱する際
トップジョウを回動させると共にマスタージョウ案内部
幅Aを介して行わしめることにある。
本発明によるチャックは、くさび作用と回り止め構造
を利用した、トップジョウをマスタージョウへ係止する
ための係止手段に加えて、さらにくさびを円錐体形状と
なすことにより新たな係合手段を生み出したものであ
る。 第4図は本発明に係るマスタージョウであり、トップ
ジョウと係合する係合手段がチャック軸線方向に平行な
軸芯を有する円錐体の一部として凸設されている。マス
タージョウのボディ円周方向においては、案内部幅Aに
より、凸設部の一部が切除されている。 一方第5図は前記マスタージョウと係合するトップジ
ョウであり、マスタージョウに設けた円錐体の一部であ
る凸設部と嵌合する円錐体状の係合手段が凹設されてお
り、且つマスタージョウに組込むための組込み部が係合
手段を一部削除して設けられている。 このために、トップジョウをその組込み部を利用して
マスタージョウの案内部を跨ぐようにマスタージョウに
挿入後、トップジョウを円錐体の軸芯を中心にしてボデ
ィ表面と平行方向に回転移動させ、ジョウの組替え、把
握面の変更を行うことができる。 なお、被加工物を把握する際、把握力により円錐体状
のくさび係合部はくさび作用により確実にかみ合うこと
になり、トップジョウの回転移動により、トップジョウ
をマスタージョウに確実に係止し位置決め精度を充分に
確保することができる。 以上により、トップジョウの把握部を変更するために
は、トップジョウを任意の角度に回転移動すればよいの
であり、従来のようにトップジョウを常にマスタージョ
ウから完全に取外す必要がないのである。
を利用した、トップジョウをマスタージョウへ係止する
ための係止手段に加えて、さらにくさびを円錐体形状と
なすことにより新たな係合手段を生み出したものであ
る。 第4図は本発明に係るマスタージョウであり、トップ
ジョウと係合する係合手段がチャック軸線方向に平行な
軸芯を有する円錐体の一部として凸設されている。マス
タージョウのボディ円周方向においては、案内部幅Aに
より、凸設部の一部が切除されている。 一方第5図は前記マスタージョウと係合するトップジ
ョウであり、マスタージョウに設けた円錐体の一部であ
る凸設部と嵌合する円錐体状の係合手段が凹設されてお
り、且つマスタージョウに組込むための組込み部が係合
手段を一部削除して設けられている。 このために、トップジョウをその組込み部を利用して
マスタージョウの案内部を跨ぐようにマスタージョウに
挿入後、トップジョウを円錐体の軸芯を中心にしてボデ
ィ表面と平行方向に回転移動させ、ジョウの組替え、把
握面の変更を行うことができる。 なお、被加工物を把握する際、把握力により円錐体状
のくさび係合部はくさび作用により確実にかみ合うこと
になり、トップジョウの回転移動により、トップジョウ
をマスタージョウに確実に係止し位置決め精度を充分に
確保することができる。 以上により、トップジョウの把握部を変更するために
は、トップジョウを任意の角度に回転移動すればよいの
であり、従来のようにトップジョウを常にマスタージョ
ウから完全に取外す必要がないのである。
以下、本発明を図面に示す実施例により説明する。 第1図は、本発明に係る楔作用を用いたチャックの実
施例を示すものであり、ほぼ円筒形をなすボディ1の中
心を軸方向(第1図左右方向)に摺動移動するプランジ
ャ2と、該プランジャ2に連動して楔作用によりボディ
1の半径方向に向け摺動移動する複数のマスタージョウ
3が設けられており、該マスタージョウ3の夫々には、
半径方向内方、外方にクサビ状噛合部4が、また軸方向
にクランプスタンド5と、位置決めピン6が配設され、
半径方向には外方からクランプボルト15とノッチピン19
が挿入され、ボディ円周方向にはクランプスンタド5の
回り止め溝40に連設するネジ45が設けられている。 クランプスタンド5は、第6図に示す如く、略円柱状
に形成され、マスタージョウ3の略中央部で軸方向に形
成された軸孔7内にスプリング8で軸方向前方(第3図
Aにおいて右方向)に付勢され嵌入されている。 クランプスタンド5の前方先端側には、小径部9を介
して爪装着部10が形成されている。爪装着部10は、円盤
の円周2ケ所が対向して切除された削落部11が形成さ
れ、削落部11がマスタージョウ3の摺動移動方向と平行
なる方向に組込まれるための回り止め溝40が設けられ、
マスタージョウ3の前方へ突出した状態になされてい
る。また、クランプスタンド5の後方側には、第7図に
詳示するクランパ12と係合し、クランパ12の楔面13によ
り軸方向後方に引き込み作用をなす円錐形状の楔溝14が
形成されている。 クランパ12は、略円柱形状をなし、一端面に円弧状の
楔面13を有している。 クランパ12の外方には、クランプボルト15がマスター
ジョウ3に螺合されており、クランプボルト15は外方端
面の角穴16を図示しないハンドルで回すことにより、ク
ランパ12を内方に押圧する。 位置決めピン6は、第3図Bに示すように円柱状に形
成され、マスタージョウ3の外方寄りで軸方向に形成さ
れた軸孔17内にスプリング18で軸方向前方に付勢され挿
入されている。 位置決めピン6の前方端は、円錐状に形成されてお
り、後方にはノッチピン19と係合する軸方向に傾斜した
溝20が刻設されている。 ノッチピン19は、段付の略円柱状に形成され、マスタ
ージョウ3の半径方向外方より形成された孔21に組込ま
れ、小ネジ22により抜け止め防止が施されている。 クサビ状噛合部4は、第4図に詳示するマスタージョ
ウ3の前方にボディ表面23から突出してクランプスタン
ド5が嵌入される軸孔7を中心とした円錐体の一部とし
て形成され、突出した前端面には爪取付面41か設けられ
ている。第3図Aの断面図で詳示するクサビ状噛合面24
a、24b(クサビ状噛合面は24a、24bを合せて24とす
る。)は、ボディ軸方向前方に向けて拡がった円錐体状
に設けられている。また、クサビ状噛合部4の円錐体の
一部において、クランプスタンド5が嵌入される軸孔7
を中心とした最小部半径寸法Rは、マスタージョウの案
内部巾Aの1/2より大きくされている。 以上の如く形成されたマスタージョウ3に組み込むト
ップジョウ25は、第5図に詳示するように、図の上下方
向両端に被加工物を把握する把握面31及び把握面32が設
けられている。さらに後方に向けて開口した軸方向切断
面略台形の開口部26を形成し、開口部26の底面となるト
ップジョウの取付面33には、小判状中空部27を介して中
空部より大きな爪装着孔28が穿設されている。 さらに、開口部26の取付面33の外方隣接部には、位置
決め用孔34が爪装着孔28を中心に180°対称の位置に2
ケ所設けられ、位置決め用孔34を含んだ案内溝35が形成
されている。 開口部26の内外方には、爪装着孔28の孔心を中心とし
た円弧のクサビ状噛合部29が設けられ、その対向した内
面にはクサビ状噛合面29a、29bが円錐状に設けられてい
る。 さらに、クサビ状噛合部29には、爪装着孔28を振り分
けの中心として、半径方向に一部削除した組込み部30が
半径方向巾寸法をBとして設けられている。 この組込み部30の巾寸法Bは、マスタージョウ3の案
内部巾Aより大きく設定されている。 つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用につい
て説明する。 トップジョウ25をマスタージョウ3に取付けるには、
トップジョウ26を軸方向前方からマスタージョウ3の半
径方向に対して90°ずらした位置にてトップジョウ26の
組込み部30の巾寸法Bがマスタージョウ3の案内部巾A
をまたぐように係合させると共に、マスタージョウ3か
ら突出した爪装着部10の削落部11を小判状中空部27に対
応して通過させ、爪装着部10を爪装着孔28内に挿入す
る。その際、位置決めピン6は、トップジョウ25の案内
溝35に押されてマスタージョウ内に没入され、トップジ
ョウ25をクランプスタンド5を中心に90°回転移動させ
ることにより、スプリング18で付勢された位置決めピン
6が位置決め用孔34に嵌入され、トップジョウ25はマス
タージョウ3に位置決めされると共に、爪装着部10と爪
装着孔28が互いに係合する。 そして、マスタージョウ3の外方に設けられたクラン
プボルトを締めることにより、クランパ12を介してクラ
ンプスタンド5が軸方向後方に移動し、トップジョウ25
の取付面33は、マスタージョウ3の爪取付面41に完全に
着座され、取付けは完了する。 このようにして取付けられたトップジョウ3で、被加
工物を把握すると、マスタージョウ3のクサビ状噛合部
4と、トップジョウ25のクサビ状噛合部29とからなる係
合手段のくさび作用により、トップジョウ3は軸方向、
半径方向においては強固にマスタージョウ3と係止する
ことができ、且つ位置決めピン6と位置決め用孔34によ
り回転方向においても係止することができ、マスタージ
ョウに対するトップジョウの相対的移動を完全に制止す
ることができる。 なお、内径把握、外径把握におけるクサビ状噛合面
は、内径把握においてはマスタージョウ3の24a、トッ
プジョウ25の29aが、外径把握においてはマスタージョ
ウ3の24b、トップジョウ25の29bが分担することとな
る。 ところで、外径または内径の異なる種々の寸法の被加
工物を把握するための使用済把握面31の交換は、まずク
ランプボルト15を約半回転緩め、トップジョウ25の着座
を解除し、次にノッチピン19を押すことにより位置決め
ピン6が位置決め用孔34から抜け出し、トップジョウ25
はクランプスタンド5を中心に、クサビ状噛合面24a,24
b,29a,29bをスライド面として回転自在になり、トップ
ジョウ25を180°反転させることにより、位置決めピン
6は再度180°対称位置にあるもう一つの位置決め用孔3
4に嵌入され、トップジョウ25の位置決めは完了し新し
い把握面32が確保できる。その後クランプボルト15を締
め付ければ交換は完了する。 このように、本実施例によれば、着座手段、係合手
段、係止手段の3つを兼ね備え簡単にトップジョウの組
み換えを可能にしたチャックでありながら、被加工物径
に合わせてトップジョウ25の把握面を交換するに際し、
トップジョウ25を常に取り外すことなく、トップジョウ
25を反転させることにより新しい把握面を得ることがで
きる。 また、トップジョウの位置決め用穴を3ケ所、4ケ所
と適宜設けることにより、1つのトップジョウで多数の
把握面が得られる。 この結果、トップジョウ25は安定よく取付けられると
共に、迅速に把握面の交換ができる。 なお、本実施例は、マスタージョウの楔作用部を内方
後方に設けた楔式チャックにおける説明であるが、本出
願人が先に出願した楔作用部を半径方向中央部に設けた
ものでもよく、さらに楔作用を用いないもの、具体的に
はレバー形、その他の構造のチャックであってもよい。
施例を示すものであり、ほぼ円筒形をなすボディ1の中
心を軸方向(第1図左右方向)に摺動移動するプランジ
ャ2と、該プランジャ2に連動して楔作用によりボディ
1の半径方向に向け摺動移動する複数のマスタージョウ
3が設けられており、該マスタージョウ3の夫々には、
半径方向内方、外方にクサビ状噛合部4が、また軸方向
にクランプスタンド5と、位置決めピン6が配設され、
半径方向には外方からクランプボルト15とノッチピン19
が挿入され、ボディ円周方向にはクランプスンタド5の
回り止め溝40に連設するネジ45が設けられている。 クランプスタンド5は、第6図に示す如く、略円柱状
に形成され、マスタージョウ3の略中央部で軸方向に形
成された軸孔7内にスプリング8で軸方向前方(第3図
Aにおいて右方向)に付勢され嵌入されている。 クランプスタンド5の前方先端側には、小径部9を介
して爪装着部10が形成されている。爪装着部10は、円盤
の円周2ケ所が対向して切除された削落部11が形成さ
れ、削落部11がマスタージョウ3の摺動移動方向と平行
なる方向に組込まれるための回り止め溝40が設けられ、
マスタージョウ3の前方へ突出した状態になされてい
る。また、クランプスタンド5の後方側には、第7図に
詳示するクランパ12と係合し、クランパ12の楔面13によ
り軸方向後方に引き込み作用をなす円錐形状の楔溝14が
形成されている。 クランパ12は、略円柱形状をなし、一端面に円弧状の
楔面13を有している。 クランパ12の外方には、クランプボルト15がマスター
ジョウ3に螺合されており、クランプボルト15は外方端
面の角穴16を図示しないハンドルで回すことにより、ク
ランパ12を内方に押圧する。 位置決めピン6は、第3図Bに示すように円柱状に形
成され、マスタージョウ3の外方寄りで軸方向に形成さ
れた軸孔17内にスプリング18で軸方向前方に付勢され挿
入されている。 位置決めピン6の前方端は、円錐状に形成されてお
り、後方にはノッチピン19と係合する軸方向に傾斜した
溝20が刻設されている。 ノッチピン19は、段付の略円柱状に形成され、マスタ
ージョウ3の半径方向外方より形成された孔21に組込ま
れ、小ネジ22により抜け止め防止が施されている。 クサビ状噛合部4は、第4図に詳示するマスタージョ
ウ3の前方にボディ表面23から突出してクランプスタン
ド5が嵌入される軸孔7を中心とした円錐体の一部とし
て形成され、突出した前端面には爪取付面41か設けられ
ている。第3図Aの断面図で詳示するクサビ状噛合面24
a、24b(クサビ状噛合面は24a、24bを合せて24とす
る。)は、ボディ軸方向前方に向けて拡がった円錐体状
に設けられている。また、クサビ状噛合部4の円錐体の
一部において、クランプスタンド5が嵌入される軸孔7
を中心とした最小部半径寸法Rは、マスタージョウの案
内部巾Aの1/2より大きくされている。 以上の如く形成されたマスタージョウ3に組み込むト
ップジョウ25は、第5図に詳示するように、図の上下方
向両端に被加工物を把握する把握面31及び把握面32が設
けられている。さらに後方に向けて開口した軸方向切断
面略台形の開口部26を形成し、開口部26の底面となるト
ップジョウの取付面33には、小判状中空部27を介して中
空部より大きな爪装着孔28が穿設されている。 さらに、開口部26の取付面33の外方隣接部には、位置
決め用孔34が爪装着孔28を中心に180°対称の位置に2
ケ所設けられ、位置決め用孔34を含んだ案内溝35が形成
されている。 開口部26の内外方には、爪装着孔28の孔心を中心とし
た円弧のクサビ状噛合部29が設けられ、その対向した内
面にはクサビ状噛合面29a、29bが円錐状に設けられてい
る。 さらに、クサビ状噛合部29には、爪装着孔28を振り分
けの中心として、半径方向に一部削除した組込み部30が
半径方向巾寸法をBとして設けられている。 この組込み部30の巾寸法Bは、マスタージョウ3の案
内部巾Aより大きく設定されている。 つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用につい
て説明する。 トップジョウ25をマスタージョウ3に取付けるには、
トップジョウ26を軸方向前方からマスタージョウ3の半
径方向に対して90°ずらした位置にてトップジョウ26の
組込み部30の巾寸法Bがマスタージョウ3の案内部巾A
をまたぐように係合させると共に、マスタージョウ3か
ら突出した爪装着部10の削落部11を小判状中空部27に対
応して通過させ、爪装着部10を爪装着孔28内に挿入す
る。その際、位置決めピン6は、トップジョウ25の案内
溝35に押されてマスタージョウ内に没入され、トップジ
ョウ25をクランプスタンド5を中心に90°回転移動させ
ることにより、スプリング18で付勢された位置決めピン
6が位置決め用孔34に嵌入され、トップジョウ25はマス
タージョウ3に位置決めされると共に、爪装着部10と爪
装着孔28が互いに係合する。 そして、マスタージョウ3の外方に設けられたクラン
プボルトを締めることにより、クランパ12を介してクラ
ンプスタンド5が軸方向後方に移動し、トップジョウ25
の取付面33は、マスタージョウ3の爪取付面41に完全に
着座され、取付けは完了する。 このようにして取付けられたトップジョウ3で、被加
工物を把握すると、マスタージョウ3のクサビ状噛合部
4と、トップジョウ25のクサビ状噛合部29とからなる係
合手段のくさび作用により、トップジョウ3は軸方向、
半径方向においては強固にマスタージョウ3と係止する
ことができ、且つ位置決めピン6と位置決め用孔34によ
り回転方向においても係止することができ、マスタージ
ョウに対するトップジョウの相対的移動を完全に制止す
ることができる。 なお、内径把握、外径把握におけるクサビ状噛合面
は、内径把握においてはマスタージョウ3の24a、トッ
プジョウ25の29aが、外径把握においてはマスタージョ
ウ3の24b、トップジョウ25の29bが分担することとな
る。 ところで、外径または内径の異なる種々の寸法の被加
工物を把握するための使用済把握面31の交換は、まずク
ランプボルト15を約半回転緩め、トップジョウ25の着座
を解除し、次にノッチピン19を押すことにより位置決め
ピン6が位置決め用孔34から抜け出し、トップジョウ25
はクランプスタンド5を中心に、クサビ状噛合面24a,24
b,29a,29bをスライド面として回転自在になり、トップ
ジョウ25を180°反転させることにより、位置決めピン
6は再度180°対称位置にあるもう一つの位置決め用孔3
4に嵌入され、トップジョウ25の位置決めは完了し新し
い把握面32が確保できる。その後クランプボルト15を締
め付ければ交換は完了する。 このように、本実施例によれば、着座手段、係合手
段、係止手段の3つを兼ね備え簡単にトップジョウの組
み換えを可能にしたチャックでありながら、被加工物径
に合わせてトップジョウ25の把握面を交換するに際し、
トップジョウ25を常に取り外すことなく、トップジョウ
25を反転させることにより新しい把握面を得ることがで
きる。 また、トップジョウの位置決め用穴を3ケ所、4ケ所
と適宜設けることにより、1つのトップジョウで多数の
把握面が得られる。 この結果、トップジョウ25は安定よく取付けられると
共に、迅速に把握面の交換ができる。 なお、本実施例は、マスタージョウの楔作用部を内方
後方に設けた楔式チャックにおける説明であるが、本出
願人が先に出願した楔作用部を半径方向中央部に設けた
ものでもよく、さらに楔作用を用いないもの、具体的に
はレバー形、その他の構造のチャックであってもよい。
第8図は、他の実施例としてトップジョウをチャック
半径方向からマスタージョウに挿入するものであり、ト
ップジョウ125の小判状中空部127及び爪装着孔128は、
把握面131、132に対して直角方向に開口されている。 第9図は、トップジョウとクランプスタンドを一体化
したものであり、このトップジョウ225は第1実施例と
同様、チャックの軸方向前方よりマスタージョウの軸孔
7に挿入される。 挿入時、クランパ12は軸孔7内に入り込まないよう十
分外方に寄せておく必要がある。そのためにクランパ12
はクランプボルト15と係合され、クランプボルト15の半
径方向移動に追随するようなされる。 第10図は、把握面の数を増したトップジョウであり、
このトップジョウ325は略円柱状に形成され、前方に多
数の把握面331、332、333、……を有しており、把握面
が形成されていない部分に組込部330を1ケ所設けたも
のである。 多数の把握面のために、クサビ状噛合部329aは、組込
部330の幅B3の部分を除いて円弧となされており、位置
決め用穴34が把握面の数と同数設けられている。 第11図は、第10図のトップジョウ325を組込むマスタ
ージョウ303であり、外径把握専用として半径方向内方
のみクサビ状噛合部304が形成され、クサビ状噛合面324
bが1ケ所設けられている。 この実施例でトップジョウ325を組み込むためには該
トップジョウ325を軸方向前方よりマスタージョウ案内
巾A3にトップジョウの組込部B3の幅を合わせ挿入する。
この時、第1実施例と同様クランプスタンドの爪装着部
10を爪装着孔28内に挿入すると共に、トップジョウ325
を回転させることにより位置決めピン6が位置決め用孔
34に嵌入され位置決めされる。 以下、第1実施例と同様にしてトップジョウ325は、
完全にマスタージョウ303に取り付けられる。 なお、第10図に示すトップジョウは、第9図に示すよ
うなクランプスンタドと一体に形成するものとなすこと
ができるし、また、第11図に示すマスタージョウは外径
把握専用であるが、クサビ状噛合部を半径方向外方のみ
に設けることにより内径把握専用のマスタージョウとす
ることができる。
半径方向からマスタージョウに挿入するものであり、ト
ップジョウ125の小判状中空部127及び爪装着孔128は、
把握面131、132に対して直角方向に開口されている。 第9図は、トップジョウとクランプスタンドを一体化
したものであり、このトップジョウ225は第1実施例と
同様、チャックの軸方向前方よりマスタージョウの軸孔
7に挿入される。 挿入時、クランパ12は軸孔7内に入り込まないよう十
分外方に寄せておく必要がある。そのためにクランパ12
はクランプボルト15と係合され、クランプボルト15の半
径方向移動に追随するようなされる。 第10図は、把握面の数を増したトップジョウであり、
このトップジョウ325は略円柱状に形成され、前方に多
数の把握面331、332、333、……を有しており、把握面
が形成されていない部分に組込部330を1ケ所設けたも
のである。 多数の把握面のために、クサビ状噛合部329aは、組込
部330の幅B3の部分を除いて円弧となされており、位置
決め用穴34が把握面の数と同数設けられている。 第11図は、第10図のトップジョウ325を組込むマスタ
ージョウ303であり、外径把握専用として半径方向内方
のみクサビ状噛合部304が形成され、クサビ状噛合面324
bが1ケ所設けられている。 この実施例でトップジョウ325を組み込むためには該
トップジョウ325を軸方向前方よりマスタージョウ案内
巾A3にトップジョウの組込部B3の幅を合わせ挿入する。
この時、第1実施例と同様クランプスタンドの爪装着部
10を爪装着孔28内に挿入すると共に、トップジョウ325
を回転させることにより位置決めピン6が位置決め用孔
34に嵌入され位置決めされる。 以下、第1実施例と同様にしてトップジョウ325は、
完全にマスタージョウ303に取り付けられる。 なお、第10図に示すトップジョウは、第9図に示すよ
うなクランプスンタドと一体に形成するものとなすこと
ができるし、また、第11図に示すマスタージョウは外径
把握専用であるが、クサビ状噛合部を半径方向外方のみ
に設けることにより内径把握専用のマスタージョウとす
ることができる。
本発明は叙上のような構成により、複雑なトップジョ
ウ組み換え工程を必要とせずチャックのトップジョウを
迅速に交換ができ、且つ、トップジョウをマスタージョ
ウから取り外すことなく、回転移動を利用してトップジ
ョウに別の把握面を設定できることから、いろいろな被
加工物を把握するに際し、一つのジョウで幾種類もの被
加工物を把握することができるため、、大巾な段取り時
間の短縮ができるし、準備するトップジョウの数も大幅
に減らすことができ、トップジョウの管理の面において
もコストの面においても大きな利点が生じる。
ウ組み換え工程を必要とせずチャックのトップジョウを
迅速に交換ができ、且つ、トップジョウをマスタージョ
ウから取り外すことなく、回転移動を利用してトップジ
ョウに別の把握面を設定できることから、いろいろな被
加工物を把握するに際し、一つのジョウで幾種類もの被
加工物を把握することができるため、、大巾な段取り時
間の短縮ができるし、準備するトップジョウの数も大幅
に減らすことができ、トップジョウの管理の面において
もコストの面においても大きな利点が生じる。
第1図は本発明に係るチャックの実施例を示す縦断面正
面図、第2図は第1図の右側面図、第3図Aはジョウ部
の縦面図、第3図Bはトップジョウを外した第2図のマ
スタージョウ部Y−Y断面図、第4図はマスタージョウ
の斜視図、第5図はトップジョウの斜視図、第6図はク
ランプスタンドの斜視図、第7図はクランパの斜視図、
第8図から第10図は他の実施例を示すトップジョウの斜
視図、第11図は他の実施例を示すマスタージョウの斜視
図である。 3,303……マスタージョウ 4,29,304,329……係合手段(クサビ状噛合部) 5……着座手段(クランプスタンド) 6……係止手段(位置決めピン) 25,125,225,325……トップジョウ
面図、第2図は第1図の右側面図、第3図Aはジョウ部
の縦面図、第3図Bはトップジョウを外した第2図のマ
スタージョウ部Y−Y断面図、第4図はマスタージョウ
の斜視図、第5図はトップジョウの斜視図、第6図はク
ランプスタンドの斜視図、第7図はクランパの斜視図、
第8図から第10図は他の実施例を示すトップジョウの斜
視図、第11図は他の実施例を示すマスタージョウの斜視
図である。 3,303……マスタージョウ 4,29,304,329……係合手段(クサビ状噛合部) 5……着座手段(クランプスタンド) 6……係止手段(位置決めピン) 25,125,225,325……トップジョウ
Claims (4)
- 【請求項1】ボディの半径方向へ移動する複数のマスタ
ージョウと、該マスタージョウの夫々に備える複数のト
ップジョウとからなるチャックにおいて、前記トップジ
ョウをチャック軸方向後方へ強制的に引き込むクランプ
スタンドを備え、かかる引き込み構造を利用してトップ
ジョウの取付面を前記マスタージョウの爪取付面へ確実
に着座させるための着座手段と、前記トップジョウとマ
スタージョウとを係合するためにこれら両者夫々に備え
られた係合手段と、被加工物把握時前記トップジョウと
前記マスタージョウとの相対的移動を制止するための係
止手段とが設けてあり、且つ前記係合手段がチャック軸
線と平行な軸芯を有する円錐体の一部からなる凸部と該
凸部を包み込む凹部とからなると共にトップジョウを着
脱する際トップジョウを回動させると共にマスタージョ
ウ案内部幅Aを介して行わしめる構成になされているこ
とを特徴とするチャックにおけるトップジョウの組み換
え構造。 - 【請求項2】前記円錐体状の凸部がマスタージョウに形
成されていることを特徴とする特許請求範囲第1項記載
のチャックにおけるトップジョウの組み換え構造。 - 【請求項3】着座手段が削落部を有し、マスタージョウ
から突出していることを特徴とする特許請求の範囲第1
項及び第2項記載のチャックにおけるトップジョウの組
み換え構造。 - 【請求項4】係合手段用円錐体が着座手段用軸孔を軸芯
とする特許請求の範囲第1項第2項記載のチャックにお
けるトップジョウの組み換え構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63137642A JP2691417B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | チャックにおけるトップジョウの組み換え構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63137642A JP2691417B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | チャックにおけるトップジョウの組み換え構造 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9125031A Division JP3007591B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | チャックにおけるトップジョウの着脱方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01306106A JPH01306106A (ja) | 1989-12-11 |
JP2691417B2 true JP2691417B2 (ja) | 1997-12-17 |
Family
ID=15203414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63137642A Expired - Fee Related JP2691417B2 (ja) | 1988-06-03 | 1988-06-03 | チャックにおけるトップジョウの組み換え構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2691417B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7184755B2 (ja) | 2017-04-05 | 2022-12-06 | 株式会社北川鉄工所 | チャック機構 |
US10835965B2 (en) | 2017-05-10 | 2020-11-17 | Kitagawa Iron Works Co., Ltd. | Chuck mechanism |
CN108705370A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-10-26 | 江西佳时特数控技术有限公司 | 涡旋盘柔性生产线用静盘机械手抓取工装 |
CN108705369A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-10-26 | 江西佳时特数控技术有限公司 | 涡旋盘柔性生产线用动盘机械手抓取工装 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3402989A1 (de) * | 1984-01-28 | 1985-08-08 | SMW Schneider & Weißhaupt GmbH, 7996 Meckenbeuren | Einrichtung zur ueberwachung des betriebszustandes eines kraftspannfutters |
JPH0716807B2 (ja) * | 1986-10-09 | 1995-03-01 | 株式会社北川鉄工所 | 工作機用チヤツク |
-
1988
- 1988-06-03 JP JP63137642A patent/JP2691417B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01306106A (ja) | 1989-12-11 |
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