JPS6230089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、移動農機等に設けられる変速レバー
の位置決め装置に関するものである。

従来、ミツシヨンケースに貫挿されたシフタ軸
の位置決めと、変速レバーによる変速位置の位置
決めとをミツシヨンケースに固定される一枚の位
置決め用プレートで行なうようにしたものが知ら
れている。しかしながら、このものは、位置決め
用プレートをボルト等の固定部材によつてミツシ
ヨンケース側に固定していたが、位置決め用プレ
ート側に穿設した変速レバー用の位置決め穴が正
確な位置に設けられていたとしても、上記位置決
め用プレートはボルト等の固定部材が遊嵌する所
謂バカ穴で固定されるようになつているため、位
置決め用プレートの取付位置にバラツキが生じて
しまい、正確な変速位置が決定しずらく、このた
め、変速レバーを変速位置に操作したとしてもシ
フタギアが変速ギアに対して正確な噛合位置に位
置せず位置ずれを生じてしまうという欠点があつ
た。

本考案は、上記の如き実状に鑑みこれらの欠点
を一掃すべく創案されたものであつて、変速レバ
ー用の位置決めプレートを、固定部材とは別のノ
ツクピンを介して位置決めするようにして、位置
決めプレートを正確な位置に取付け、取付位置の
バラツキをなくし、もつて変速操作位置において
シフタギアが変速ギアに正確に噛合し、変速ギア
とのずれを小さくしてギア類の噛合誤差を少なく
することができ、しかもこのノツクピンを変速レ
バーのオーバーストロークを防止するオーバース
トローク規制体に利用できるようにした変速レバ
ーの位置決め装置を提供することを目的としたも
のである。

本考案の構成を、図面に示された一実施例に基
いて説明すれば、１は農用トラクター等の走行機
体に搭載されたミツシヨンケースであつて、該ミ
ツシヨンケース１内には駆動側に連動連結された
駆動軸２と従動側に動力伝動する従動軸３とが軸
支されている。そして、駆動軸２に固定された変
速ギア４，４ａに、後述する変速シフタ５の回動
作動に連動して従動軸３にスプライン嵌合したシ
フタギア６，６ａが選択噛合することによつて駆
動軸２から従動軸３に動力伝達されるようになつ
ている。

７は位置決めプレートであつて、該プレート７
の下縁には切欠凹部８を切欠形成されており、ミ
ツシヨンケース１を貫通する変速シフタ５のシフ
タ軸５ａに形成された係合溝５ｂに前記切欠凹部
８を嵌合してミツシヨンケース１に対するシフタ
軸５ａの位置決めをするようになつている。ミツ
シヨンケース１外に突出する前記シフタ軸５ａの
先端部には変速レバー９基端側のボス部９ａが嵌
合し、ピン９ｂを介してシフタ軸５ａと変速レバ
ー９とは固定されている。一方、変速レバー９の
先端側には、変速レバー９を貫通植設したボス軸
１０を介して変速ロツド１１が枢着してある。ボ
ス軸１０の位置決めプレート７側に穿設した穴１
０ａには弾機１２ａを介して穴１０ａから突出す
る方向に付勢された球体１２が出没自在に嵌合さ
れている。また、位置決めプレート７には変速レ
バー９の変速作動に伴うシフタ軸５ａを中心とす
る球体１２の走行軌跡上に変速位置を決める係合
孔１３，１３ａが穿設してあり、球体１２が係合
孔１３または１３ａ位置に達した変速位置ではシ
フタギア６または６ａが変速ギア４または４ａに
選択噛合して動力伝達されるようになつている。
位置決めプレート７には、係合孔１３よりも外側
の前記球体１２の走行軌跡上に位置してノツクピ
ン用の孔１４，１４ａがさらに穿設されており、
当該孔１４，１４ａを貫通してミツシヨンケース
１まで打込まれたノツクピン１５，１５ａによつ
て位置決めプレート７は所定位置に位置決めされ
る。しかもノツクピン１５，１５ａの突出部位は
前記変速レバー９の変速位置でボス軸１０に接当
し、変速レバー９のこれ以上外側への移動を規制
するようになつている。

尚、図中、１６は位置決めプレート７固定用の
ボルト、１７は抜止めピン、１８はＯ−リングで
ある。

次に、叙述の如く構成された本考案の作用につ
いて説明する。変速操作は、図示しない変速操作
具による変速操作に連動する変速ロツド１１の押
し引き作動で変速レバー９が回動することにより
行なわれる。即ち、変速レバー９を球体１２が係
合孔１３または１３ａに没入する位置まで回動せ
しめることに連動して、変速シフタ５はシフタ軸
５ａを中心に回動し、シフタギア６または６ａが
従動軸３の軸線方向に摺動していずれか一方の変
速ギア４または４ａに選択噛合し動力伝達される
ことになる。

この様な変速操作において、位置決めプレート
７はノツクピン１４，１４ａを介してミツシヨン
ケース１に位置決め固定されているから、ボルト
等で位置決め固定するものに比し著しく正確は変
速位置を確保でき、従つて、個々の製品における
位置決めプレート７の取付位置にバラツキを生じ
ることはなく、ミツシヨンケース１内の変速ギア
等との対応位置が正確になつて誤差のない状態で
ギア類を噛合せしめることができ、理想的な変速
操作を行ない得るものである。しかも、球体１２
が係合孔１３または１３ａに没入する変速位置で
は、ボス軸１０がノツクピン１５または１５ａに
接当して変速レバー９のそれ以上の回動を規制し
ているため、専用のストツパを設けることなく前
記ノツクピン１５，１５ａを変速レバー１１のオ
ーバーストローク規制体に有効利用することがで
きる。

尚本実施例においては固定具１６とともにノツ
クピン１５，１５ａが併設されているから長期の
使用によつてたとえ固定具１６が弛んだとしても
位置決めプレート７はノツクピン１５，１５ａで
正確に位置決めされているから、位置決めプレー
ト７がずれることなく長期にわたつて確実で正確
な変速操作を行なうことができる。

以上要するに、本考案は、ミツシヨンケースに
貫挿されたシフタ軸を位置決めするとともに変速
レバーの変速位置を位置決めする位置決めプレー
トを、位置決めプレート側からミツシヨンケース
に打込まれるノツクピンを介してミツシヨンケー
スに位置決め固定すると共に、前記ノツクピンを
位置決めプレートから突出させて変速レバーのオ
ーバーストローク規制体に構成したから、位置決
めプレートはノツクピンによつて正確な位置に取
付けられることになつて、取付位置のバラツキが
なくなり、もつてギア類を誤差のない状態で選択
噛合せしめて理想的な変速操作を行なうことがで
きる。しかも、ノツクピンが変速レバーのオーバ
ーストローク規制体に有効利用されるため、専用
の規制体を設ける必要もなく構造を簡略化し、組
立作業の効率化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る変速レバーの位置決め装
置の一実施例を示すものであつて、第１図はミツ
シヨンケースの要部断面図、第２図は位置決めプ
レートの正面図である。 図中、１はミツシヨンケース、７は位置決めプ
レート、９は変速レバー、１０はボス軸、１５，
１５ａはノツクピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミツシヨンケースに貫挿されたシフタ軸を位置
   決めするとともに変速レバーの変速位置を位置決
   めする位置決めプレートを、位置決めプレート側
   からミツシヨンケースに打込まれるノツクピンを
   介してミツシヨンケースに位置決め固定すると共
   に、前記ノツクピンを、位置決めプレートから突
   出させて変速レバーのオーバーストローク規制体
   に構成したことを特徴とする変速レバーの位置決
   め装置。