JPS6230062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドラムフープに挾着してフツトペダ
ルを固定するフープクランプ装置に関する。

ドラム用フツトペダルは、第１図に示すように
ドラムａの下面に先端部を挿入する基板１上に、
支柱２，２を立設してその間に前記基板１の先端
部とでドラムフープｂを挾持するフープクランプ
装置Ａを設け、さらに前記支柱２，２の上端間に
回転軸３を支持し、該回転軸３にフツトボード４
の先端を枢支し、かつビータ６の基部を固定する
と共に、前記回転軸３を発条７によつて前記フツ
トボード４の踏圧による回転軸３の是回転方向と
逆方向に付勢するようにし、前記フツトボード４
の踏圧に伴つて回転軸３を前記発条７の付勢に抗
して回転し、前記ビータ６を揺動してドラムヘツ
ドを叩くようにしてなるものである。

ところで、前記ドラム用フツトペダルのフープ
クランプ装置の従来のものは、基板１に支持し
て、ドラムフープｂの上方で垂直方向に移動可能
とした螺子杆を設け、その螺進により先端でドラ
ムフープｂを押圧するものや、前記基板１にクリ
ツプを幅方向に軸支して、基板１に支持される回
動レバーの基部に設けたカムを、該クリツプの後
部下面に接触して前記回動レバーを傾動すること
によりカムでクリツプの後部を押し上げて、該ク
リツプの先端を、軸を中心に下方傾動し、その先
端でドラムフープｂを挾圧するもの等種々ある
が、いずれもその操作位置が一定であつて、前記
フープクランプ装置Ａは、支柱２，２と回転軸３
とで構成される門形枠の内下部にあり、かつフツ
トボード４によつて覆われていて狭小でかつ視認
しにくい場所にあるから操作が面倒であつた。そ
こで実公昭57−16225に開示されるように、回転
操作部を支柱２の側方に突成するようにして、そ
の回転により脱着操作を施すものもあるが、面倒
な回転操作を要し、また取付け時に操作者の位置
によつては体を他側に移動させる必要があつた
り、支柱２の側部に他の演奏用機材が置かれてい
る場合があつて必ずしも便利とは言えない。

本考案は前記従来装置の欠点を除去することを
目的としたものであつて、挾圧板及び締付けレバ
ーを中心軸の周りを回動可能として所望の位置か
ら操作できるようにし、さらに支柱間の狭い場所
にある中心軸から操作部を後方へ可及的に遠避け
て広い操作空間を確保することができるようにし
たものである。

本考案の一実施例を第１〜３図に基づいて説明
すると、基板１の支柱２，２の中央部には、基板
１に形成した装着溝内に下端を固着して中心軸１
０を立設する。前記中心軸１０には弾性材の一例
である弾縮性ゴム材１２を嵌着し、さらに該ゴム
材１２上に挾圧板１３をその中心に穿設した透孔
１６を通して遊嵌する。前記挾圧板１３は、先端
裏部にドラムフープｂの上面に接触する肉厚の押
圧部１４を形成して、その股状後端１５を前記中
心軸１０の後方に突出する。

前記中心軸１０の押圧部１４上に突出する上端
部には、螺子１０ａを形成し、該螺子１０ａに接
触球面２６を下部に形成した調整ナツト２５（係
合片）を螺着する。前記挾圧板１３は弾縮性ゴム
材１２の弾発力によつて、上方に付勢され、調整
ナツト２５の接触球面２６に透孔１６の上周縁が
当接する。前記弾縮性ゴム材１２に換えて、発条
等の他の弾性材を用いてもよい。さらに前記弾性
材が無くても、後記する解除状態で挾圧板１３に
ガタ付きを生じるが、その挾圧作動には支障はな
い。

さらに、前記挾圧板１３の股状後端１５には、
締付けレバー１８の前端に形成した基部１９を内
嵌し、該後端１５と基部１９に支持軸１７を左右
方向に挿通して前記挾圧板１３を枢支する。前記
基部１９の下部には板カム２０を形成する。前記
板カム２０のカム面は、第２図実線において、締
付けレバー１８の長手方向に対して略直角な平担
面２１ａと、長手方向と平行でかつ、前記平担面
２１ａよりも支持軸１７からの垂直距離が長い平
担面２１ｂとを円弧面で連続することによつて形
成され、このため該カム面は同図の反時計方向に
沿つて前記支持軸１７を中心として拡径すること
となる。

前記実施例の作用について説明する。

締付けレバー１８を第２図鎖線のように起立し
て、平担面２１ａを弾縮性ゴム材１２の弾発力に
よつて基板１の上面に当接し、同図鎖線のように
押圧部１４を上方に浮上した状態にしておいてか
ら、基板１の股状先端部１ｄ，１ｄをドラムフー
プｂの下面に挿通して第３図，のように挾圧
板１３及び締付けレバー１８を中心軸１０を中心
に回動して支柱２の所望の側方に移動してから、
締付けレバー１８を第２図実線に示すように手元
側へ倒す。この操作によつて板カム２０の平担面
２１ｂが基板１の上面に当接し、該平担担面２１
ｂは、平担面２１ａよりも支持軸１７からの垂直
距離が長いから基板１上で支持軸１７が上昇し、
挾圧板１３が調整ナツト２５と接触している透孔
１６の上部周縁を支点として傾動し、押圧部１４
が下方に移動して、その下面でドラムフープｂ上
面を押圧する。前記挾圧板１３の回動によつて、
押圧部１４の位置がドラムフープｂに対して脱出
方向に移動するため、前記回動はその接触が外れ
ない程度とする。

フツトペダルをドラムフープｂから除去する場
合には、締付けレバー１８の把手は支柱２の側方
に臨んでいて視認容易になつているから、これを
起立することによつて再び押圧部１４が浮上し、
フツトペダルを後方に除去することが可能とな
る。なお前記解除を施す際に、取扱者が締付けレ
バー１８の傾斜方向と逆側方に居る場合にも、締
付けレバー１８を手前に引けば板カム２０の平担
面２１ｂが基板１上を擦過しながら回動するか
ら、その手前に前記把手を引き寄せることができ
て前記傾動操作を容易に施し得る。

前記挾圧作動においてドラムフープｂの厚さが
薄過ぎて、押圧部１４がドラムフープｂ上面に密
着しない場合や、ドラムフープｂが厚過ぎて、締
付けレバー１８の傾動に支障を生じる場合には、
前記調整ナツト２５を中心軸１０に対して回動し
て前記挾圧状態での押圧部１４の位置を調整す
る。

次に、本考案の変形例を第４図に基づいて説明
すると、挾圧板１３のドラムフープｂ側の端部に
板カム２０を支持軸１７によつて枢支するととも
に、挾圧板１３の他側の端部の下面に基板１の上
面に対応する押圧部１４を形成したものであつ
て、前記実施例とは逆に、板カム２０の支持軸１
７から一方の平担面２１ａへの垂直距離が他方の
平担面２１ｂへの垂直距離よりも長くなつてい
て、板カム２０に突成した締付けレバー１８を図
に鎖線で示す水平姿勢から図に実線で示す直立姿
勢に揺動すると、挾圧板１３が図の時計方向に傾
動して押圧部１４が基板１の上面に押し付けら
れ、その反力により、板カム２０でドラムフープ
ｂを基板１側に押し付けるようにして固定するよ
うになつている。

上記各実施例によつて具体的に説明したよう
に、本考案のドラム用フツトペダルのクランプ装
置は、基板に立設した中心軸に遊嵌した挾圧板を
該中心軸の上部に設けた係合片により脱出不能
に、かつ、傾動自由に支持し、該挾圧板の一端に
板カムを軸支して該板カムに締付けレバーを突設
するとともに前記挾圧板の他端に押圧部を設けて
該押圧部と前記板カムのいずれか一方をドラムフ
ープに、いずれか他方を前記基板に夫々対応さ
せ、前記締付けレバーの揺動による前記板カムの
拡径偏位によつて前記挾圧板を前記係合片との接
触点を支点として傾動してドラムフープを前記基
板に押付けるようにしたことを要旨とするもので
あるから、前記挾圧板及び締付けレバーが中心軸
の周りを回動可能となり、操作者の位置に締付け
レバーの把手を引き寄せたり、周囲にある機材を
避けるため最適の位置へ把手を移動する等臨機応
変に操作部を換えることができると共に、板カム
を挾圧板に軸支したから、板カムの支持軸を支柱
の間の挾い場所にある中心軸から可及的に遠避け
て広い操作空間を確保ですることができ、さらに
は取付け及び解除操作を締付けレバーの揺動によ
つてワンタツチで施すことができるから、支柱の
間にあり、かつフツトボードに覆われて狭くて視
認しにくい位置にあるフープクランプ装置の取付
け及び解除操作を極めて簡易に施し得る等の優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の第一実施例を示し、第１
図はフツトペダルの斜視図、第２図はフープクラ
ンプ装置Ａの縦断側面図、第３図は同平面図、第
４図は本考案の変形例の縦断側面図である。 １……基板、２，２……支柱、１０……中心
軸、１２……ゴム材、１３……挾圧板、１４……
押圧部、１７……支持軸、１８……締付けレバ
ー、１９……基部、２０……板カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板に立設した中心軸に遊嵌した挾圧板を該中
   心軸の上部に設けた係合片により脱出不能に、か
   つ、傾動自由に支持し、該挾圧板の一端に板カム
   を軸支して該板カムに締付けレバーを突設すると
   ともに前記挾圧板の他端に押圧部を設けて該押圧
   部と前記板カムのいずれか一方をドラムフープ
   に、いずれか他方を前記基板に夫々対応させ、前
   記締付けレバーの揺動による前記板カムの拡径偏
   位によつて前記挾圧板を前記係合片との接触点を
   支点として傾動してドラムフープを前記基板に押
   付ける構成としたことを特徴とするドラム用フツ
   トペダルのフープクランプ装置。