JPS6229972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、振り子時計などに使用する振り子装
置に関する。

従来のこの種の振り子装置はその振り玉が単純
に往復揺動運動を繰り返すのみであつた。

そこで、本考案は振り玉が往復揺動運動を行な
いながら往復回転運動をも行なう振り子装置を提
供することを目的とするもので、以下その一実施
例について図面を参照して説明する。

第１図〜第３図において、時計機械体１の背面
部に突設した支持柱２，２に、支持ピン３，３を
介して２本の桿体４，５が揺動自在に支持されて
いる。両桿体４，５は、実質的に互いに平行であ
り、その各端部に連結桿６が連結ピン７，７を介
して回転自在に連結されている。第４図に示すよ
うに、この連結桿６の中央部には振り玉８の輪部
９が回転自在に貫通し、この輪部９の突出部にカ
ナ１０が固着されている。そして、桿体４の下端
部から扇状部１１がカナ１０に向けて一体に延出
形成してあり、その端面部に形成したトラツク状
歯部１２がカナ１０と噛合している。また桿体４
には、第２図に示されるように、永久磁石１３が
固着してあり、時計機械体１に固定的に設置した
駆動コイル１４と対向している。

駆動コイル１４に駆動信号が供給されると、駆
動コイル１４と永久磁石１３とが磁気的に協働し
て桿体４が支持ピン３を中心として往復揺動駆動
され、桿体５も連結桿６を介して連動して往復揺
動する。このとき、ラツク状歯部１２を介してカ
ナ１０が回される。このために、振り玉８は左右
に往復揺動するのと並行して往復回転する。

なお、本考案は、実用新案登録請求の範囲を逸
脱しない範囲で、各細部を適宜に設計変更するこ
とができる。例えば、桿体４，５の両方を駆動す
るようにもできるし、その駆動機構にアンクーガ
ンギ式を用いることも可能である。さらにラツク
状歯部１２を桿体５からも一体に形成してカナ１
０と噛合させてもよい。ラツク状歯部１２が形成
される扇状部１１は桿体４または５から一体であ
る必要はない。さらに、カナ１０は振り玉８と一
体に形成することも可能で、そのときの連結桿６
に対する振り玉８の支持構造も適宜に変更され
る。なお、１５は針回しつまみである。

以上のように、本考案に係る振り子装置によれ
ば、振り玉が往復揺動運動と往復回転運動とを行
なうから、振り玉に適宜の模様等を施こしてその
動きが観者の目を引きつけ、装飾的効果がなお一
層助長される。また振り玉の揺動周期が長周期化
されるから、その動きが優雅である効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
その背面部、第３図は部分的に断面して示す側面
図、第４図は第２図−線断面図である。 ４，５……桿体、６……連結桿、８……振り
玉、１０……カナ、１２……ラツク状歯部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ２本の桿体を揺動自在にかつ互いに平行に支持
   し、 上記両桿体の各端部に連結桿を回転自在に連結
   し、 上記連結桿に振り玉を回転自在に支持し、 上記両桿体の少なくとも一方の端部に、上記振
   り玉の中心部に向けて延出するラツク状歯部を形
   成し、 上記ラツク状歯部と噛合するカナを上記振り玉
   の中心部に設けた ことによつて構成される振り子装置。