JPS62299536A - ポリアミド系合成繊維縫糸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 〈産業上の利用分野〉 本発明は縫糸に関する。更に詳しくは、縫目の寸法安定
性に優れ、且つ縫目伸長性、縫目柔軟性にも優れたポリ
アミド系合成繊維縫糸に関するものである。

〈従来の技術〉 ポリアミド系合成繊維は、その優れた物理的特性、化学
的特性を有することよ゛り衣料用をはじめ資材用途にも
広く用い１られている。

従来のポリアミド系合成蝋１維は紡糸速度１５００ｍ／
分以下で紡糸されている。この紡糸で得られる織糸は伸
度が極めて太き（強度が小さい為、実使用に適さない。

そこで、この織糸を更に延伸して後工程でトラブルの起
らない適度な伸度、強度などの機械的特性を付与して使
用しているのが通例である。

縫糸分野においてもナイロン（ポリアミド系合成繊維）
縫糸として、フィラメント糸条及び特殊加工をした縫糸
がかなり実使用に供されている。

しかし、従来のナイロン縫糸は乾熱収縮、熱水収縮、洗
濯収縮などの収縮挙動が不安定で寸法安定性に欠ける問
題があった。そこで、この寸法安定性を向上させる為、
高重合度ポリマーを用いて原糸の収縮を低下させる方法
、又、延伸倍率を大きくして結晶化度を大きくし収縮を
おさえるなどの繊維製造面からの改良に加え、ヒートセ
ットの強化、樹脂コーティング加工などの後加工面での
改良が行なわれているがそのことにより、縫糸が硬くな
るばかりでなく、伸長性が低下し、ミシン縫製での目飛
び（縫目とび）、縫目伸度の低下、縫目の柔軟性が失な
われるなどの欠点が発生していた。

又、縫目伸度を大きくし、縫目をできるだけ柔軟化する
目的でフィラメント糸条に仮撚加工を施し、伸縮性加工
糸（ウーリー糸）とした縫糸も実用化されているが、こ
の縫糸は単糸の交絡か弱く表面の平滑性に欠けるなどの
ことから本縫いミシンのボビン糸用（下糸）及び環縫ミ
シンのルーパー糸用（下糸）としての使用は可能である
が、これ等ミシンの針糸用（上糸）としては毛羽立ち、
糸切れの発生が多発することで殆んど用いることが出来
ず、縫糸としては制約の大きなものとなっている。即ち
、現状のポリアミド系合成繊維を用いた縫糸では、寸法
安定性、伸長性、柔軟性等が同時に満足できる縫糸は見
当らない実情にある。又、他素材を用いた縫糸において
も十分満足されるものは見当らない。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明者らは、このような現状に鑑み、これ等のポリア
ミド系合成繊維縫糸の欠点を屏消すべく鋭意検討した結
果、従来の縫糸では得られなかった縫目の寸法安定性に
極めて優れるばかりでなく、縫目の伸長性及び柔軟な縫
目風合をも合せもつことができる縫糸を完成させるに至
った。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は紡速４０００ｍ／分以上で紡糸されたポリアミ
ド系合成繊維マルチフィラメント糸条な主体とする縫糸
である。

即ち、本発明において用いるポリアミド系合成繊維マル
チフィラメント糸条は、ポリアミド溶融ポリマーを４０
０ＯＦＦｍ／分以上の速度で紡糸した高速紡糸繊維であ
り、収縮特性が向上し、柔軟なフィラメント糸条となる
。その理由は高速紡糸をすると結晶部の配向は進むが非
結晶部の配向は進まない為と考えられる。又、この高速
紡糸繊維は紡糸速度４０００　ｍ／分以下では、強度、
伸度、モジュラス、寸法安定性などのフィラメント糸条
の機械的特性が満足なものとはならない。

かかる本発明の縫糸に用いるポリアミド系合成繊維マル
チフィラメント糸条の構成デニールは、３０〜３００ｄ
で、その単糸デニールは５ｄ以下のものを用いるのが好
ましい。３０ｄ以下の構成デニールでは縫糸として合撚
糸とした場合、総合的強度の不足により、着用、洗濯で
の縫目耐久性が劣る。又、３００ｄ以上では縫糸として
の使用用途が限定されると共に縫目の柔軟性にも欠ける
。

単糸デニールは５ｄ以上になるとフィラメント糸条その
ものの硬さが増大し、ソフトな縫目が得られ難く、又、
縫目とびの発生が多くなり縫目伸長性にも欠けるなどの
欠点が起り易くなる。

このようなポリアミド系合成繊維マルチフィラメント糸
条を主体とした縫糸とは、地縫糸、ステッチ用縫糸、ま
つり縫糸、穴かがり縫糸、刺纏用縫糸などのものに用い
ることができる。特にその使用用途を限定するものでは
なく構成デニールの選択、金糸本数、撚糸加工方法など
を適宜選定することでその使用目的に合致した縫糸とす
ることができる。又、縫糸を構成する繊維は本発明でい
うポリアミド系合成繊維マルチフィラメント糸条な５０
％以上を含めば、ポリエステル繊維、アクリル繊維など
の合成繊維をはじめ再生セルロース繊維、天然繊維等の
他素材と交撚、混繊はむろんのこと、コアヤーン縫糸等
にも適用することができる。例えば、薄手の編地などの
伸長性が大きく、ソフトな風合を持った生地の衣服縫製
九おいて、該繊維Ｚｏｏ％使いの参８０（縫糸番手）で
端かがりをし、＃６０で地縫、いなすれば生地の伸長性
を損なわない縫目形成ができるばかりでなく、縫目風合
も極めてソフ）Ｋすることができ縫目部に異和感を感じ
させない衣服とすることができる、又、ウオッシャプル
衣服縫製へ適用させた場合でも、洗濯収縮などの寸法安
定性に優れていることより、縫目のシームパッカリング
の発生もない製品を得ることができる。

更に１該繊維をコア（ＳＯ％）Ｋ用い綿糸（ＳＯ％）を
シースに用いたコアヤーン縫糸として、ファンデーショ
ン等の肌着縫製に用いれば、可縫性がよくなるのは言５
に及ばず、縫目の伸長性も満足でき、風合も極めてソフ
トな為、肌忙なじみ易い着用感、フィツト性の製品を縫
製することができる。この縫糸はミシン縫製における上
糸、下糸いずれにも用いることができ、上糸のみ忙使用
する場合、下糸のみに使用する場合など使用方法を特に
限定するものではないが、上糸・下糸を当縫糸で組合せ
て用いればより効果を発揮でき好ましいものとなる。

〈実施例〉 次に、実施例をあげて本発明を更に詳しく説明する。但
し、本発明は、この実施例に限定されるものではない。

実施例１ 紡糸速度ｓｏｏｏｍ／分で紡糸された７０ｄ／２４ｆの
ナイロン６６のマルチフィラメント糸条１本ＫａｏｏＴ
／Ｍ　（Ｓ方向）の撚りをかけ、それを３本合わせて５
ｏｏＴ／Ｍ（Ｚ方向）の撚を加え３子撚の縫糸番手＃５
０相当の縫糸を得た。この縫糸の特１性を第１表に示す
。

この縫糸を使用して次に示す本縫い、二重環縫いミシン
の条件で縫製し縫目のシースパッカリング、縫目伸長率
、縫目風合を測定した。更にこの縫製品を製水処理、洗
潅処理を施し処理後の縫目シームパッカリング、縫目伸
長率、縫目風合等についての変化を測定し、その結果を
第２表に示す。

縫製条件； 〔条件１）　　　　（条件２〕 使用生地　ナイロン６６トリコット編地（組織：ハーフ
）使用ミシン　　１本針本縫ミシン　　　二重環縫いミ
シン使用ミシン針　　１１ｏＫＮ（オＭン）　　　　を
９８（オＭン）ミシン上糸　　　　　　　実施例、比較
例の縫糸ミシン下糸　　　　　　実施例、比較例の縫糸
縫いピッチ　　　　　　　　１４針／２−５ＣＩ＋！縫
糸調整　上糸、下糸が２枚重ね生地のほぼ中央で交錯す
るように調整。

比較例１ 市販品であるナイロン縫糸＄５０　（７０ｄ／ｌＸ３）
を使用して、実施例１と同様な測定を行ない、その結果
を第１表、第２表に示す。

比較例２ 市販品としてのテトロンマルチフィラメント縫糸井５Ｇ
　（７５ｄ／ｌＸ３）を使用して実施例１と同様な測定
を行いその結果を第１表、第２表に示す。

比較例３ 市販品である綿線糸＄５０　（３０ｓ／Ｘ２）を使用し
て実施例１と同様な測定を行なった。その結果を第１表
、第２表に示す。

第　　１　　表 第１表く示す如く、実施例１に示す本発明の縫糸は、縫
糸特性として、極めて高い伸長性を有するばかりでなく
、初期ヤングも従来のミシン糸（比較例１〜３）よりき
わめて低いものとなっている。又、収縮挙動においても
良好な特性を示していることが判る。

尚、この縫糸特性の測定方法は次のとうりである。

引張強伸度、ヤング皐； ＪＩＳＬ−１０７１、１０７３Ｋ準じて測定した。

伸長回復性； ３００．９荷重後の回復伸度について荷重時の伸度に対
する比により求めた。

乾熱収縮率； 糸長方向く長さ３０（ｍを切りとり糸長方向忙２０ｃｍ
を測長しマークを付ける（　Ｌｏ　ｃＭＬ）これを１６
０℃の恒温槽に入れ１０分間処理した後、とりだして先
にマークした長さくり、）を測長し次の数式により算出
した。

（試料数２０点の平均値を求めた） 製水収縮率； 試料長３０ｃ！ＩＬをきりとり２０ｃＩＬを測定しマー
ク付けする（Ｌｏ）これを染色試験用電気定温湯煎器を
用い温度１００℃（ボイル）、時間３０分の条件で処理
しその後とりだしＦ紙にはさんで水をきりスクリーン上
で自然乾燥させた。次に、先にマークした長さくり、）
を測定し次の数式により算出した。

（試料数２０点の平均値を求めた） 洗濯収ａ率（洗？１５回後）； 次の条件で洗濯した、尚試料は製水収縮率測定と同様の
試料採取、マーク付、数式を採用し求めた。

洗濯機　　　家庭用洗濯機 浴　比　　　　１：２０（袋の中に入れる）洗剤及び量
　　　中性洗剤　０．２％ｏｗｆ温　　　度　　　４０
℃ 乾　　燥　　スクリーン上で自然乾燥 この条件を洗濯回数１回とし、洗濯回数１回後第２表に
示す特性の測定方法は次の通りである。

縫目シームパッカリング： 生地を２枚重ねで５０ｃｍ長縫製上線縫目部分の波うち
な熟練者５名の視覚判定により測定する。

判定基準は次の通りである。

５級　波うちがほとんどない ４級　波うちが軽微である ３級　波うちが目立つ ２級　波うちがかなり目立つ １級　波うちが甚しい 縫目伸長性； 生地を２枚重ねで、５０ｃ！ＩＬ長縫製し、それを長さ
方向３０α巾方向５Ｇ１１Ｌのサイズで縫目が巾方向の
中央になるように裁断し、次いで、テンシロン型引張試
験機で、つかみ間隔２０口で把持し、ＩＯＦし７分の定
速で引張り縫目部分が破断（縫糸切断、生地切断）する
時の伸びを求めた。

縫目の風合； 熟練者５名の官能判定で評価した。判定基準は比較例１
の市販品ナイロン縫糸＃５０を用いた縫製条件１の場合
の縫目風合を（○）とし、その風合よりもかなり柔軟な
ものを（◎）で示しかなり硬いものを（Δ）で示し、中
間判定は（◎〜○）（○〜Δ）などの表示で判定した。

尚、製水処理及び流層処理条件は次の通りである。

製水処理条件； 処理器　カラーベット染色機 浴比１：３０ 温　度　１００℃（ボイル処理） 時間３０分 脱　水　Ｆ紙２枚の間にはさんで軽く押え水を切る 乾　燥　スクリーン上で自然乾燥 洗濯処理条件； 前記した、縫糸の特性評価と同様の洗濯条件で処理を行
なった。

第２表の結果からも明らかなように、比較例１゜２．３
のいずれも、綴目の伸長性が小さく、又、シームパッカ
リングの変化が大きいばかりでなく、縫目の柔軟性にも
欠けるものとなっている。それに比べ、本発明の縫糸を
用いた縫製品は、縫目の寸法安定性に加え、柔軟な縫目
風合をも合せもった縫糸であり、伸長性の大きい生地の
縫製はむろんのこと、ウオッシャプル製品、製品染など
の後加工繊維製品の縫製に大きな効果を発揮するもので
ある。又、このことは、縫製品に対する縫糸選定の容易
さにもつながり、縫製工程での経費節減、合理化に対し
ても大きく寄与できるものである。

〈発明の効果〉 本発明のポリアミド系合成繊維縫糸は、乾熱、熱水、流
層などく対して極めて安定した収縮挙動を有するばかり
でなく、伸長性に優れ、柔軟な風合に富んだものであり
この特徴を生かして、伸長性の大きな生地を用いる婦人
用のドレッシーな衣服をはじめ、トレーニングウェアな
どのニット製品、ランジェリ−、ファンデーション等の
着用感、フィツト性を重視した衣服の縫糸として顕著な
効果を発揮する。又、ウオツシュアンドウェア衣ｉ、製
品染忙よる繊維製品等への適用してもその効果は十分満
足されるものである。又、本発明により、縫製に用いる
縫糸の選定が容易となるなどの縫製合理化にも大いに寄
与できるものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 紡速４０００ｍ／分以上で紡糸されたポリアミド系合成
   繊維マルチフィラメント糸条を主体とする縫糸