JPS6229593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は障害地盤堀削用のモンケン付きケー
シングオーガーに係り、その目的は硬質岩層や既
設建物の地下基礎や地下壁としての鉄骨、鉄筋コ
ンクリートが埋設する等の障害地盤堀削用として
あるいはコンクリートパイル、ペデスタイルパイ
ル等の既存杭が埋設した地盤でのこれら杭の徹去
や引き抜きが好適に行なえる障害地盤堀削用のモ
ンケン付きケーシングオーガーの提供にある。 この発明者らは、既に第１図Ａ，Ｂに示すよう
なアースオーガースクリユウを用いて、あるいは
これらの改良装置を用いて硬質岩層を含む、地下
基礎や地下盤を含む、あるいは既存杭を含む、い
わゆる総称的にいう障害地盤の堀削工法や改良型
アースオーガースクリユウ装置等を次々と明らか
にしてきた（実開昭55−113826、実開昭55−
113789、実開昭56−21082、実開昭56−21080
等）。 これらこの発明者らの既案出に係る装置や工法
は、従来当業者らは障害地盤の堀削等に利用する
ことなど夢想だにしなかつたアースオーガースク
リユウ装置を基本とするものであるから、上記工
法や装置は開発出願当時から現在に至るまで画期
的な評価を受けている。 しかしながら、限りない技術的向上を常に図ら
んとするこの発明者は自らが案出したアースオー
ガースクリユウ装置を基本とする障害地盤の堀削
装置や堀削工法にも若干の欠点があることを最近
見い出した。 第１図Ａ，Ｂに示すごとく、アースオーガース
クリユウ装置１はオーガー軸２の外周にスクリユ
ウスレツド３をスパイラル状に巻装し、オーガー
軸２の先端には突端に堀削刃４を植設したスクリ
ユウヘツド５を取りつけてなる。 第１図Ｂの底面図で明らかなように、直線状に
植設された堀削刃４を、堀削量との関係から考察
すれば、周速の大きい外周部の堀削刃４の堀削量
は、周速の小さい内周部の堀削刃４の堀削量に較
べて飛躍的に大きい事実が有り、この発明者はこ
の事実を既に明らかにした（実開昭55−113789
号）。 従つて、堀削量を増大させるには周速の大きい
外周部に堀削刃を多数植設する必要があるが、ア
ースオーガースクリユウでは外周部に植設できる
堀削刃４は両端部のみの２本（２条スレツドの場
合）又は３本（３条スレツドの場合）に限定され
る弊害があつた。 このことをこの発明者が分析研究した結果直線
的に堀削刃４を植設せざるを得ないアースオーガ
ースクリユウ装置１自身の構造的弊害であるとの
結論に達した。 更には、障害地盤を堀削時には、その障害の程
度にもよるが、堀削刃４の取り付け個数が限定さ
れる等の理由に基づき、最大２ｍ／日という堀進
速度しか得られず、従つて本来排土を目的とする
スクリユウスレツド３もほとんど必要がないとい
う事実も発見した。 この発明は上記事情に照らしなされたもので以
下図面に基づいて、この発明の一実施例を説明す
る。 第２図において、６は装置７上方に配置された
駆動部で、８はこの駆動部６から延出した回転駆
動軸である。 ９はモンケン部で、このモンケン部９は長手方
向に沿つて外周に直線状に対設された少なくとも
２本の隆条１０をもつモンケン軸１１と、このモ
ンケン軸１１の下端１２に同一軸線上で固着され
た基部１２と、中空円筒状で外周にカム１４を少
なくとも２個埋め込んで内周に上記隆条１０と軸
着する隆溝１５を穿設したモンケン１６と、この
モンケン１６を囲繞する固定カバー１７と、この
固定カバー１７に穿設された孔１８を介して上記
カム１４に水平状に当接するロツド１９を装備す
るシリンダ２０とからなる。 このシリンダ２０は前記固定カバー１７の外周
に固着されている。 このモンケン部９は、第３図は第２図Ａ−
A′線断面図を示すように、モンケン軸１１の全
長にわたり左右に隆条１０が突設され、このモン
ケン軸１１を包囲しているモンケン１６の内周に
穿設された隆溝１５の前記隆条１０が嵌入してい
る。 モンケン軸１１の軸周方向に対する回転力は隆
条１０、隆溝１５を介してモンケン１６に伝達さ
れるが、モンケン１６は上下方向に対しては滑動
自在である。 また、固定カバー１７はその上端２１が、駆動
部６のケーシング２２の下端２３と固定されてい
るからモンケン軸１１の回転に追随することなく
固定されている。 この固定カバー１７の外周に固着されたシリン
ダ２０はテコ材２４を介してロツド１９およびロ
ツド１９の先端に装着されたローラ２５を、固定
カバー１７に穿設された孔１８から水平状態で挿
通して前記カム１４に係止、離脱作業を反複させ
る。 尚、モンケン軸１１は回転駆動軸８と連結され
ている。 ２６はモンケン部９の軸下に長手方向に連続す
る中空円筒状の本体２７とこの本体２７の突端に
連結された堀削刃２８を装着したドーナツ型削孔
部２９とからなるケーシングオーガーである。 このケーシングオーガー２６は上端がモンケン
部９の基部１３に固定されている。 尚、第２図、第５図ａ，ｂ，ｃにおいて３０は
水、モルタル波、ベントナイト液等の供給用パイ
プ、３１はこのパイプ３０の先端に装着された噴
出口である。 ドーナツ型削孔部２９の下部は、第５図Ｃの如
く外よりに脱着可能な堀削刃２８および、内より
に脱着可能な堀削刃２８がそれぞれジグザグ様に
なるように装着してある。 少なくともこの実施例において示す如く堀削刃
８は８ケ〜16ケ取り付けるのが望ましい。 その理由は、第５図Ｃの如く堀削刃２８の装着
数を増大し、堀削面に対する単位時間当りの堀削
量を第１図Ｂの従来例のアースオーガースクリユ
ウの単位時間当りの堀削量に較べて増大させるた
めである。 一方、削孔工事の深さにみあつた任意長さに設
定した鋼管製ケーシング本体４には、第５図ａ，
ｂ，ｃに示した如く水及びベントナイト液又はモ
ルタル液其他薬液を削孔端の噴出口３１に送るた
めのパイプ３０を２ケ〜４ケ貫通させてある。 このためパイプ３０は、回転駆動軸２及びモン
ケン軸のそれぞれ内孔より支管３２を介して配送
しうる構造とされている。 このような構成からなる障害地盤堀削用モンケ
ン付きケーシングオーガー装置は、まずモンケン
部９のシリンダ２０を作動させテコ材２４を介し
てロツド１９の先端のローラ２５が突入してカム
１４に係止するようにセツトする。 回転駆動軸８が回転しこの回転に追随してモン
ケン軸１１が回転し更にモンケン１６も廻転する
とローラー２５はカム１４の斜面に沿つて第４図
Ａの如くモンケン１６が任意の高さｈに上昇をは
じめる。 回転が進むにつれて、第４図Ｂに示す如く、最
昇位高さＨまで回われば、Ｒ点でカム１４の斜面
よりローラー２５は外れモンケン１６が落下す
る。 この落下によつて基部１３に衝撃をあたえる。 この衝撃を周期的に下端のドーナツ型削孔部２
に伝達される。 この発明に係る障害地盤堀削用のモンケン付き
ケーシングオーガー装置の作動は地盤の状態によ
つて操作が異なるが、予定削孔全長の中間部に硬
質岩盤層があるとした場合を説明すると次の通り
である。 まず、シリンダー２０を操作してロツド１９及
びローラー２５をカム１４より外して、モンケン
１６が上下動して、基部１３に衝撃力が掛らない
状態とする。 この状態で回転駆動軸８を回転させケーシング
オーガー２６の回転を行ないながら、削孔所期位
置Ｐを地表面からドーナツ型削孔部２９で堀進す
るとその堀進につれてケーシングオーガー２６内
に堀進量だけのコアー土３３が任意の量Ｖがケー
シングオーガー２６内に進入する（第６図参
照）。 次いでケーシングオーガー２６を地上に引きあ
げて、排土場にケーシングオーガー２６をあづけ
次いでシリンダー２０を操作によりロツド１９及
びローラー２５をモンケン１６のカム１４に掛
け、回転駆動軸８を回転させることによつてモン
ケン１６の落下衝撃の動作を行いその衝撃を基部
１３に伝えることによつてケーシングオーガー２
６にあるコアー土３３が排出される。 この作業終了後ローラー２５をカム１４より外
して、上述の削孔を再び始める。 そして中間部の岩盤層に到達すれば、シリンダ
ー２０の操作によつてローラー２５をモンケン１
６のカム１４に掛け衝撃作用を周期的にケーシン
グオーガー２６に加えながら回転削孔を行なう。 この削孔作業中堀削刃が摩擦熱によつて刃先が
破損したり堀削能力が低下することがあるからパ
イプ３０、噴出口３１を介して送水又はその他の
薬液を抗底に注入する。 又、削孔中削孔壁の崩潰防止又は削孔仕様によ
りベントナイト液等を薬液を注入してもよい。 この様にその地層に適した作業を行なうことに
よつて、削孔刃の摩耗を少なくしながら堀進速度
を増大させることができる。 以上詳述した如く、この発明に係る障害地盤堀
削用モンケン付きケーシングオーガー装置は、ケ
ーシングオーガー突端のドーナツ型削孔部を設け
たから堀削刃を従来のアースオーガースクリユウ
装置に較べ飛躍的に多数装着することができ、し
かもモンケン部を設けたから障害地盤中の障害物
を打撃破砕しながら堀削刃で堀進できるから、従
来の装置に較べて驚意的に堀進速度を増大するこ
とができる効果を奏するうえ、障害物の埋設箇所
や埋設物の種類に応じてモンケン部を作動させる
か否か適宜選択して堀進できるという効果もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは従来例のアースオーガースクリ
ユウ装置を示し、第２図はこの発明の一実施例に
係る障害地盤堀削用モンケン付きケーシングオー
ガー装置の部分縦断面図、第３図は第２図のＡ−
A′線断面図、第４図Ａ，Ｂはモンケン部の作動
説明図、第５図ａは第２図のＢ−B′線断面図、第
５図ｂは第２図のＣ−C′線端面図、第５図ｃは
第２図のＤ−D′線端面図、第６図はこの発明装
置の作動説明図である。 ６……駆動部、７……装置、８……回転駆動
軸、９……モンケン部、１０……隆条、１１……
モンケン軸、１２……下端（モンケン部）、１３
……基部、１４……カム、１５……隆溝、１６…
…モンケン、１７……固定カバー、１８……孔
（固定ケーシング）、１９……ロツド、２０……シ
リンダ、２１……上端（固定カバー）、２２……
ケーシング、２３……下端（ケーシング）、２６
……ケーシングオーガー、２７……本体、２８…
…堀削刃、２９……ドーナツ型削孔部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駆動部を装置上方に配備し、この駆動部から
   延出する回転駆動軸とモンケン部とを同一軸線上
   で結軸し、このモンケン部の軸下に長手方向に連
   続する中空円筒状の本体とこの本体の突端に連結
   された堀削刃を装着したドーナツ型削孔部とから
   なるケーシングオーガーを固着してなる障害地盤
   堀削用モンケン付きケーシングオーガー装置であ
   つて、このモンケン部は長手方向に沿つて外周に
   直線状に対設された少なくとも２本の隆条をもつ
   モンケン軸とこのモンケン軸の下端に同一軸線上
   で固着された基部と中空円筒状で外周にカムを少
   なくとも２個埋め込んで内周に上記隆条と軸着す
   る隆溝を穿設したモンケンとこのモンケンを囲繞
   する固定カバーとこの固定カバーの外周に固着さ
   れかつこの固定カバーに穿設された孔を介してロ
   ツドを水平状に突出入させるシリンダとからなる
   障害地盤堀削用モンケン付きケーシングオーガー
   装置。