JPS6228580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はみかん、夏柑、ネーブル等の果実を１
個づつ確実に搬送する如くした果実１個宛供給用
整列コンベヤのローラに関し、光線式撰果システ
ムに供し得る１個送りを目的としたものである。

近時、エレクトロニクスの発展に伴い撰果場に
おけるみかん等の果実の階級撰果も、旧来の撰果
ドラムによる単なる機械的撰別から光電スイツチ
利用の光線式撰果となる電気的撰別へと移行し、
その検出値をマイコン処理し生産者ごとのデータ
（荷量、階級数量等）を自動的に得ることが可能
となつて来た。

この場合、果実は１個づつ検知するため、少な
くとも光電式サイズ判別装置部の前段位置にあつ
て一定間隔をもつ一列配列を採らねばならない。

この一列配列手段としては、例えば実公昭56−
32431号の如きに２本の鼓型ローラと１本のまゆ
型ローラを組合わすローラコンベヤタイプのもの
もあるが、この巾広の弯曲をもつ一対の鼓型ロー
ラ間に納まつた果実の肩には、他の果実が重なつ
た状態で搬送されていくこともあり、誤動作の要
因となつている。即ち、今迄のローラタイプの整
列コンベヤにおいては、単に一対のローラ間に果
実を受けることのみを主眼とした構成であるた
め、みかん等の如き比較的果皮の柔らかな果実で
は同一ローラ間に２個の果実が乗込む虞があり、
確実な１個宛供給が望めなかつた。

本考案は上記実情に鑑み、１個の果実のみ乗込
み得る整列コンベヤのローラを供給するものであ
る。

即ち、本考案はローラ本体の形状を、中央部を
テーパー状くびれ部とすると共に両側端部をテー
パー状排出傾斜とした断面双山形とし、該断面双
山形ローラ本体の表面にカーペツトを貼着し整列
コンベヤのローラとしたものであり、先乗込みの
果実以外の果実をコンベヤ外側へ転落せしめる如
くしたものである。

以下、本考案を実施例の図面について説明すれ
ば、次の通りである。

１は中央を小径ａとし、該小径ａ位置を中心と
したほぼ果実１個巾ｌをもつ両側部を大径ｂとす
ると共に、両側末端を小径a′とし、全体として中
央部をテーパー状くびれ部２とし両側端部をテー
パー状排出傾斜部３を形成した断面双山形４を呈
すローラ本体で、該ローラ本体１の表面全域に起
毛５を有するカーペツト６を貼着し整列コンベヤ
用ローラ７としたものである。このローラ７の両
端には、表面にゴム地８を貼着した自転用小径段
部９を突設してなる。次に、このローラ７の軸芯
を貫通する支持軸１０を、対向せる一対の無端と
なるチエーン１１のリングプレート部１１ａに挿
通し、該ローラ７を一定間隔をもつて連続的に配
し果実１個宛供給用整列コンベヤ１２とする。こ
の場合、整列コンベヤ１２のキヤリー面１２ａ位
置のローラ７の自転用小径段部９の下面には、機
枠１３側に突設した固定の抵抗レール部１４が適
宜長さ摺接するよう臨んでなる。又、このキヤリ
ー面１２ａの下方には断面漏斗状を呈す案内板１
５を配した直交の回収用コンベヤ１６を設置して
なる。

いまこの作用を説明すると、先ず、みかん、夏
柑、ネーブル等の果実Ａを適宜の供給手段１７か
ら拡散ローラ１８をもつ移送コンベヤ１９へ導
き、該移送コンベヤ１９の先端に配した２基の整
列コンベヤ１２へ搬入せしめるものである（図示
にあつては、複連の整列コンベヤ使用、第４図参
照）。この場合、拡散ローラ１８には斜め方向
（螺旋状）に突条１８ａを適宜個数両側部の配
し、移送コンベヤ１９上に乗つた果実Ａ群を左右
側へ散らす如くする。即ち、移送コンベヤ１９上
の果実Ａは、拡散ローラ１８にて中央部のみに集
まることなくローラ巾全域に散つて進み、該移送
コンベヤ１９の中央先端に形成した楔状分離体２
０をもつて適宜分かれ並設となる整列コンベヤ１
２，１２上へ夫々導かれるものである。

この様に、整列コンベヤ１２部へ来た果実Ａ群
は、該整列コンベヤ１２の搬送巾が移送コンベヤ
１９の搬送巾より収斂した細巾となつているた
め、この一定間隔をもつたローラ７，７の中間と
なる乗込み溝部７ａに１個づつ乗込む。但し、中
には２個の果実Ａが同時又は前後して重なるよう
飛込むことが生ずる。この場合、各ローラ７はキ
ヤリー面１２ａにあつて側端の自転用小径段部９
が固定の抵抗レール部４に摺接して移行するた
め、該ローラ７はチエーン１１による移行に起因
して自転を行なうものである。従つて、第６図に
示す如き同時にローラ７のくびれ部２に２個の果
実Ａが寄添つて位置すれば、該ローラ７の自転に
伴う振動にて、大なる方の果実Ａ１がくびれ部２
のテーパー傾斜２ａにて小径ａとなる中央へずれ
寄るものとなり、これに伴つて小なる方の果実Ａ
２はテーパー傾斜２ａ部を押上げられ大径ｂを界
とした下り傾斜３ａとなるテーパー状排出傾斜部
３へ移動させられるため、この果実Ａ２は該排出
傾斜部３より機枠１３を乗越えて下方に直交とな
つた回収用コンベヤ１６へ落下し、別途手段（図
示せず）をもつて供給手段１７へ戻されるもので
ある。即ち、整列コンベヤ１２のローラ７間に乗
移つた１個又は複数個の果実Ａは、このキヤリー
距離中にあつて１個宛にセレクトされ、１個の果
実Ａのみが後続の光電式サイズ判別装置部（図示
せず）へ一定間隔（ローラ７の配列間隔）をもつ
て繰出される。

勿論、このローラ７のくびれ部２の巾ｌはほぼ
果実１個巾（例えば、５〜６cm巾）を呈している
だけのため、小なる果実Ａ２がくびれ部２の中央
部に位置していれば、その肩部に大なる果実Ａ１
があつても、該大なる果実Ａ１の重心は大径ｂ部
より外方へ必然的にずれた位置として重なり、前
記同様ローラ７の自転に伴う振動により果実Ａ１
は排出傾斜部３を転動し回収用コンベヤ１６へ落
下するものである。又、このローラ７自体の表面
には短い起毛５をもつたカーペツト６を装着して
なるため、該ローラ７が自転しても果皮を傷めな
いものであり、且つくびれ部２の中央への座りを
良好とする。

ちなみに、ローラ本体１の径は、ローラ巾ｌが
110mmにて、くびれ部となる小径は103φ、該くび
れ部端となる大径は114φ、くびれ部巾ｌは58
mm、排出傾斜部巾は26mmで、又自転用小径段部径
は76φであり、且つくびれ部のテーパー傾斜角度
θは約10゜である。

上述の様に本考案の果実１個宛供給用整列コン
ベヤのローラは、中央にくびれ部を両側に外方へ
傾斜する排出傾斜部を配した断面双山形のローラ
本体にカーペツトを貼着した構成としたことによ
り、いずれか一つの果実がローラ中央のくびれ部
に位置した後の他の果実は、該ローラ端部の排出
傾斜部より回収用コンベヤ側へ転落するため、確
実に１個宛のみの果実を、一定間隔をもつて搬送
し、次工程となる光電式サイズ判別装置部へ繰出
し得るものである。しかもこのローラは除分量を
排出する構成であるため、ローラ群を連続してチ
エーンに軸架し得る。即ち、旧来の整列コンベヤ
の如き間隔あけのローラを別途に組込むことな
く、載置用ローラだけでよく、従つて１個配列の
果実間隔を最小とし得、能率のよい１個宛供給が
出来る。更に、構造が極めて簡略化してなるた
め、誤動作、故障等を招かず、長期使用に耐える
ものとなる等の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
ローラの斜視図、第２図Ａ，Ｂはローラ本体及び
カーペツトを巻いたローラの正面図、第３図Ａ，
Ｂはコンベヤ使用の正面図及び側面図、第４図は
平面図、第５図は要部を示す斜面図、第６図は果
実の移動を示す説明図である。 １……ローラ本体、２……テーパー状くびれ
部、３……テーパー状排出傾斜部、４……断面双
山形、６……カーペツト、ａ，a′……小径、ｂ…
…大径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のローラを一対の無端チエーンに一定間隔
   をもつて軸架し、各ローラ間上に果実を載置する
   整列コンベヤにおいて、このローラ本体を、中央
   を小径とし両側部を大径とすると共に両側末端を
   小径とし、全体として中央部をテーパー状くびれ
   部に、両側端部をテーパー状排出傾斜部とした断
   面双山形とし、該断面双山形ローラ本体の表面に
   カーペツトを貼着してなる果実１個宛供給用整列
   コンベヤのローラ。