JPS6228433B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、通常時刻を表示する指針と通常時刻
以外の時刻を表示する指針を単独に駆動する複数
のステツプモータを有した電子時計に関するもの
であり、この種の時計に多種類の時刻表示を可能
とするとともにその時計の薄型化、小型化、低価
格化、更には品質の向上を図ることを目的とする
ものである。

本発明の一実施例を示す第１図から第８図によ
つて詳細に説明する。

１は地板、２は電池である。３は高透磁率材か
ら成る一体形ステータＡ、４は高透磁率材から成
る磁心Ａと磁心のサオ部に巻いたコイルとその両
端を導通可能に端末処理をしたコイルリード基板
とスペーサとコイル枠から構成したコイルブロツ
クＡ、５はかなと永久磁石と座から成るロータＡ
である。６はロータのかなと噛合う五番歯車とか
なから成る五番車、７は五番かなと噛合う四番歯
車とかなから成る四番車、８は四番かなと噛合う
三番歯車とかなから成る三番車、９は三番かなと
噛合う二番歯車９ａから成り、かなと歯車は任意
のスベリトルクを有し、かなの先端に分針を保持
した二番車、１０は二番かなと噛合う日の裏歯車
とかなを有した日の裏車、１１は日の裏かなと噛
合し、二番車９に軸承され、先端に時針を保持し
た筒車、１２は五番かなに噛合う歯車と真から成
り、真の先端に秒針を保持した秒車で、時計の中
心から６時方向に引いた直線上に配置してある。
ロータＡ５と秒車１２の減速比は1/30に設定して
ある。１３は日の裏車１０と噛合う中間車、１４
は小鉄車である。１５は輪列受で地板１に植設し
た受足１６，１７，１８に位置決めされ、ねじに
よつて地板１にねじ締め固定されている。前述の
筒車１１と小鉄車１４以外の車は下〓を地板１
に、上〓を輪列受１５によつて軸支されている。
時針、分針、秒針は通常時刻を表示しており、二
番車９と筒車１１は時計の中心に配置してある。
又、ステータＡ３とコイルブロツクＡ４とロータ
Ａ５は周知のステツプモータで、MOS―IC５６
より１Hzの電気信号を受けて回転する時・分・秒
モータである。

１９は高透磁率材から成る一体形ステータＢ、
２０は高透磁率材から成る磁心Ｂと磁心のサオ部
に巻いたコイルとその両端を導通可能に端末処理
をしたコイルリード基板とスペーサとコイル枠か
ら構成したコイルブロツクＢ（コイルリード基
板、スペーサ、コイル枠はコイルブロツクＡ４を
構成したものと共通）、２１はロータＡである。
又これらを総称して分CG（クロノグラフの略
号）モータと呼び、MOS―IC５６より1/60Hzの
電気信号を受けて回転するステツプモータであ
る。２２はロータＡ２１のかなと噛合うCG中間
歯車とかなから成る分CG中間車、２３は分CG中
間車２２のかなと噛合う分CG歯車と真から成
り、真の先端に分CG針を保持した分CG車で、時
計の中心から９時方向に引いた直線上に配置し、
かつロータＡ２１と分CG車２３の減速比は1/15
に設定してある。２４は分CG受で、地板１に植
設した受足２５，２６に位置決めされ、ねじによ
つて地板１にねじ締め固定されている。ロータＡ
２１と分CG中間車２２と分CG車２３は地板１に
下〓、分CG受２４に上〓を軸承されている。

２７は高透磁率材から成る一体形ステータＣ、
２８はコイルブロツクＡ（コイルブロツクＡ４と
共通）、２９はかなと永久磁石（ロータＡ５と共
通）から成るロータＢであり、これらを総称して
秒CGモータと呼び、MOS―IC５６より１Hzの電
気信号を受けて回転するステツプモータである。
３０はロータＢ２９のかなと噛合う秒CG中間歯
車とかなから成る秒CG中間車、３１は秒CG中間
車３０のかなと噛合う秒CG歯車３１ａと真から
成り、真の先端に秒CG針を保持した秒CG車で、
時計の中心に配置し、かつロータＢ２９と秒CG
車３１の減速比は1/30に設定してある。秒CG歯
車３１ａは二番車の歯車部９ａより径大に形成さ
れている。秒CG歯車３１ａはその径が大きいほ
ど歯車部のバツクラツシユの指針表示部への影響
を少なくすることができる。本実施例では通常指
針を駆動する輪列のうち二番車９とそれに係合す
る三番車８、日の裏車１０を輪列受１５で軸支
し、秒CG歯車３１ａをその上に配置したので、
秒CG歯車のを十分に大きくすることができた。
３２はブツシユ３５と一体の秒CG受で、地板１
に植設した受足３３，１８，２６に位置決めさ
れ、ねじによつて地板１にねじ締め固定されてい
る。ロータＢ２９と秒CG中間車３０は地板１に
下〓、秒CG受３２に上〓を軸承され、秒CG車３
１は秒CG受３２に上〓、二番車９に下〓を軸承
されている。３４は秒CG車ばねで、秒CG車３１
の上〓の先端を押えている。ブツシユ３５は、受
足１８部では輪列受１５、受足２６部で分CG受
２４、受足３３部で5/100秒CG受４１を押えてい
る。

３６はステータＢ、３７はコイルブロツクＢ、
３８はロータＡである。これらを総称して5/100
秒CGモータと呼び、分CGモータの構成部品と共
通である。又、MOS―IC５６より20Hzの電気信
号を受けて回転するステツプモータである。３９
はロータＡ３８のかなと噛合う5/100秒CG中間歯
車とかなから成る5/100秒CG中間車、４０は5/10
０秒CG中間車のかなと噛合う5/100秒CG歯車と真
から成り、真の先端に5/100秒CG針を保持した5/
１００秒CG車で、時計の中心から３時方向に引いた
直線上に配置し、かつロータＡ３８と5/100秒CG
車４０の減速比は1/10に設定してある。４１は5/
１００秒CG受で地板１に植設した受足４２，３３に
位置決めされ、ねじによつて地板１にねじ締め固
定されている。ロータＡ３８と5/100秒CG中間車
３９と5/100秒CG車４０は地板１に下〓、5/100
秒CG受４１に上〓を軸承されている。

上述した秒針、分CG針、5/100秒CG針を総称
して副針と呼び、分CG受、5/100CG受を総称し
て副針受と呼ぶ。

輪列受１５と分CG受２４と5/100秒CG受４１
は断面的に同一位置に配設してあるため、秒針、
分CG針、5/100秒CG針を各々保持している秒車
１２、分CG車２３、5/100秒CG車４０の真の共
通化や、比較的コストの高いロータＡ５，２１，
３８の共通化が可能となり、量産効果による低コ
スト化が図れる。受足１８，２６，３３は各々輪
列受１５、分CG受２４，5/100秒CG受４１と秒
CG受３２の受足を共有化しているため、平面ス
ペースを小さくできる。

コイルブロツクＡ４及び２８とコイルブロツク
Ｂ２０及び３７は、ほぼ時計の12時、６時方向に
サオ部の方向を一致させてある（３個以上のつサ
オ部の方向を一致させるには後述する配置にしな
ければ不可能）ため、ムーブメント外観の向上、
各モータの最弱耐磁方向をほぼ同じにできるので
検査工数の低減、更には耐磁構造は最弱方向のみ
配設すればよいため時計の小型化が図れる。

分CGモータ、5/100秒CGモータは各々分CG車
２３、5/100秒CG車４０の回転中心よりも時計体
の外側に配置し、指示輪列（分CG受２４，5/100
秒CG受４１も含む）とともにブロツク化したこ
とによつて分CG受２４、5/100秒CG受４１は輪
列受１５と平面的に重ならないように配置できる
ため、時計の薄型化が図れ、指示輪列の中心距離
をかえずに減速比をかえることによつてアラー
ム、カウンター等に応用できるため多様化が図れ
る。更に分CGモータと5/100秒CGモータの間に
時・分・秒モータと秒CGモータを略直線上に配
置したことで４つのモータをほぼ同一方向に配置
できるとともに各々のモータが相互の影響を受け
ない距離（モータ間の最小スキマ0.3〜１mm）を
設定でき、時計体の小型化も可能となり、時・
分・秒モータの出力を伝達する輪列の二番車９を
貫通させて輪列受１５と秒CG受３２の間に秒CG
車３１を介在させたことで、時計の中心に通常時
刻を表示する時針・分針・秒CG針を配置するこ
とができる。

４３は巻真、４４は巻真４３に遊合したつづみ
車、４５はおしどり、４６はおしどり４５の作動
に追従し、回路基板のパターンと共働して時計の
状態を判別する切換スイツチレバー、４７はかん
ぬき、４８はかんぬき押えであり、切換機構を構
成している。第１図に示す状態は時計の携帯状態
であり、巻真４３を１段引きだすと各CG針の修
正状態、更に１段引き出すと通常時刻の針合せ状
態となり、巻真４３を押し込むと携帯状態に戻
る。この切換機構は、各モータと平面的に重なら
ない様に、しかも巻真４３を秒車１２、分CG車
２３、5/100秒CG車４０と平面的に重ならない位
置（実施例では８時位置）に配置したことで時計
の薄型化を図つている。

４９はスイツチレバーで、Ｕ字ばねとその先端
に凹部を形成し、地板１に植設したスイツチレバ
ー４９の回転軸５０と凹部に係合したピン５１と
共働してボタン５２の押込み時にクリツク感を出
すとともにその背部でピン５３（後述する）と接
触してスイツチONとなり、ボタン５２の押込み
力を解除するとＵ字ばねによつて元の位置に復帰
しスイツチOFF（ピン５３とスイツチレバー４
９が離れる）となる。このスイツチ機構は時計の
略２時、４時、10時に配設してあり、分CGモー
タは巻真４３と10時に配設したスイツチ機構の間
に配置し、5/100秒CGモータは２時、４時に配設
したスイツチ機構の間に配置してあるため時計の
平面スペースを有効に活用でき、薄型化も図れ
る。

５４は合成樹脂で成形した回路受座で、電池２
と地板１のシヨート防止やスイツチレバー４９の
押え機能を有し、平面的には輪列受１５、分CG
受２４、5/100秒CG受４１、コイルブロツクＡ
４・２８、コイルブロツクＢ２０・３７が回路受
座５４を地板１に組込んだ状態でも分解可能な形
状にしてある。又、ピン５３は回路受座５４に押
込み固定され、各々のスイツチレバーに対応して
いる。

５５は回路基板で、MOS―IC５６と水晶振動
子５７を固着してあり、パターンを形成しMOS
―IC５６をコイルブロツク、ピン５３、電池２
の両極、切換スイツチレバー（携帯状態ではパタ
ーンと接触していない。）、水晶振動子等に電気的
導通をとつている。回路基板５５は電池２と秒
CG受３２、コイルブロツクＡ・Ｂを逃げた平面
形状を呈し、断面的に輪列受１５、分CG受２
４、5/100秒CG受４１の上（地板１と反対側）に
配置し、その上に平面形状が回路基板５５とほぼ
同じ耐磁板５８を配置してあり、複数のねじによ
つて地板１にねじ締め固定してある。従つて回路
基板５５は平面的に比較的大きくとれ、各パター
ンの引きまわしが自由にとれるため、回路基板５
５のパターン（地板１側に形成してある。）と輪
列受１５等の金属部品とのシヨート防止、あるい
はムーブメント状態での各輪列の作動チエツク用
穴等が配設可能となる。又、水晶振動子５７はコ
イルブロツクＡ２８と略平行に配置してあるた
め、平面スペースを有効活用でき、時計の小型化
が図れる。更に、耐磁板５８は各モータに対向し
た平面位置に各モータの名称あるいは略号をマー
キングしてあり、アフターサービス上各モータの
組込み位置を判別可能にしてある。

MOS―IC５６（モールド剤も含めた形状）は
輪列受１５と平面的に重らないように配置し、秒
車１２とは平面的に重らせて断面的にスキマを空
けている。このように配置したことによつて時計
の薄型・小型化が図れる。

本発明は以上のような構造であり、複数のステ
ツプモータを有した時計の薄型・小型化、低コス
ト化が図れ、シヨート防止や輪列の研修穴による
作動確認が可能となり品質の向上、更には耐磁板
のマーキングによるアフターサービス性の向上が
図れる。

本発明の中では分CG、秒CG、5/100秒CGモー
タとその指示輪列で説明したが、各副針を時CG
針・日付・曜日・アラームの指針等にかえ表示す
ると応用範囲の広いものとなる。又、秒CG針を
時計中心にしたが、秒針と入れかえても良い。
（その時は時・分・秒モータと秒CGモータを入れ
かえる。）更にCG針の位置は本発明中に説明した
位置に限定する必要はなく、例えば時計を任意の
角度で回転することも可能であり、デザインバラ
エテイに富ませることができる。

各モータからの出力を伝達する歯車等のように
多数の類似形状の車を使用した時計の場合、各車
の識別や組込み場所が解るように車に番号をつ
け、地板あるいは各車より先に組み込む部品に車
の番号に対応した番号を組み込み部の近傍につけ
ることによつて組立性を向上することもできる。

本発明での各モータは、一体形ステツプモータ
で説明したが、二体形ステータでも同様であり、
各CG針は、日，曜，月，年，午前，午後，月
令，アラーム時刻、デユアルタイム等を表示して
もよく、指針表示だけでなく円板に文字、数字、
絵等を文字板の窓から表示させることにも応用で
きるものである。

本発明の構成によれば、通常の時刻を表示する
指針の駆動手段と、クロノグラフ針を表示する指
針の駆動手段を地板上に配置するに際して、通常
時刻の時針分針を駆動するために第１ステツプモ
ータのロータに連結する第１輪列を軸支する第１
受板と、時計の中心に回転軸を備えたクロノグラ
フ指針を駆動するために第２ステツプモータに連
結する第２輪列を軸支する第２受板を設け、第２
受板を第１受板に重ねて配置するとともに、時計
中心に回転軸を有するクロノグラフ指針を保持す
る車の歯車部を第１受板と第２受板の間に配置
し、且つ通常時刻の表示駆動手段の時計中心に配
置される二番車９と二番車に噛合する歯車を第１
受板により軸支し、クロノグラフ指針の歯車部の
径を二番車部より大きく形成してあるので、第１
に時計中心にあり長針のクロノグラフ指針の回転
軸の上下〓のスペースを十分にとることができ、
アオリによる指針ズレおよび他の部品との接触に
より発生するとまり等の問題を解決し、同時にそ
のクロノグラフ指針を保持する車の歯車部の径を
大きくすることによりクロノグラフ指針を駆動す
る輪列するバツクラツシユの指針表示部への影響
を少なくして、指示精度の高いクロノグラフ付電
子時計を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平面図であ
る。第２〜第８図は第１図の断面図である。 １…地板、２…電池、３…ステータＡ、４，２
８…コイルブロツクＡ、５，２１，３８…ロータ
Ａ、２９…ロータＢ、６…五番車、７…四番車、
８…三番車、９…二番車、１１…筒車、１２…秒
車、１５…輪列受、２２…分CG中間車、２３…
分CG車、２４…分CG受、３０…秒CG中間車、
３１…秒CG車、３２…秒CG受、３９…5/100秒
CG中間車、４０…5/100秒CG車、４１…5/100秒
CG受、１９，３６…ステータＢ、２０，３７…
コイルブロツクＢ、２９…ロータＢ、２７…ステ
ータＣ、３５…ブツシユ、４３…巻真、５６…
MOS―IC、５７…水晶振動子、４９…スイツチ
レバー、５８…耐磁板、５４…回路受座、５５…
回路基板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 通常時刻を表示する指針を駆動する第１の駆
   動手段と、クロノグラフ用指針を駆動する第２の
   駆動手段と、前記第１と第２の駆動手段に駆動信
   号を供給するための回路基板、及び電池を地板上
   に配置してなる電子時計において、前記第１の駆
   動手段はコイル４とステータ３とロータ５からな
   る第１ステツプモータと、前記第１ステツプモー
   タに連結され時計中心に回転軸を有する通常時刻
   表示用の時針分針を駆動する第１輪列６，７，
   ８，９，１０，１１と、前記第１輪列の少なくと
   も一部を軸支する第１受板１５とからなり、前記
   第２の駆動手段は、コイル２８とステータ２７と
   ロータ２９からなる第２ステツプモータと、前記
   第２ステツプモータと、前記第２ステツプモータ
   に連結され時計中心に回転軸を有するクロノグラ
   フ指針を駆動する第２の輪列３０，３１と、前記
   第２輪列の少なくとも一部を軸支する第２受板と
   からなり、前記第２受板を前記第１受板に重ねて
   配置するとともに、時計中心に回転軸を有する前
   記クロノグラフ指針を保持する車３１の歯車部３
   １ａを前記第１受板と前記第２受板の間に配置
   し、且つ前記第１駆動手段の時計中心に配置され
   る二番車９と前記二番車に噛合する歯車８，１０
   を前記第１受板により軸支して前記クロノグラフ
   指針の歯車部の径を前記二番車歯車部９ａより大
   きく形成してなることを特徴とする電子時計。