JPS6227995B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はハンマ，ハンマを飛行させるトリガー
手段を一対備えてなるフライング式シリアルプリ
ンタに関する。

従来のプリンタの概略を第１図に示し説明す
る。第１図は印字ドラムを駆動するモータ，ハン
マの桁上げ用のモータをそれぞれ具えたシリアル
プリンタである。ハンマ４はハンマ支持杆１０と
エンドレスワイヤー８を介してモータ６の動作と
共にハンマ軸７，ハンマガイド軸１１にそつて左
右方向に移動される。印字ドラム１上の所望する
活字をブランジヤー５の動作により、レバー９を
介してハンマ軸７を反時計方向に回動させること
によりハンマ４を印字ドラム１上の活字に叩打さ
せ印字する構造である。この従来の構造によれ
ば、ハンマ４をハンマ軸７，レバー９を介してブ
ランジヤー５により飛行させるために、特にハン
マ軸７，ハンマ４とハンマ軸７との係合部、ある
いはレバー９には大きな力が加わるので、それに
耐える強度をもたせるために、ハンマ４，ハンマ
軸７，レバー９は大きく、且つ質量が大きなもの
を必要としている。又、ハンマ４の叩打後の復帰
を所定時間内にするために、復帰バネは大きくて
強い力を必要とする。したがつてプランジヤー５
は大きな質量の大きな部品と大きな復帰バネを所
定時間内に駆動させるためには非常に大きなプラ
ンジヤーが必要となり、消費電力が非常に大きく
なる。又部品が大きく且つ質量も大きいために、
応答性が悪く印字スピードも遅くなる。部品に大
きな力が加わり部品の摩耗がはげしいので、部品
は加工性が悪く熱処理を必要とする材料を使用す
るため高価となる。

本発明の目的は、活字車に対して印字手段であ
るハンマを１個、ハンマを飛行させるトリガー手
段を１個、それぞれキヤリツジに搭載することに
より、部品点数の削減をするとともに、トリガー
手段の応答性と安定性を向上し、低パワー駆動す
ることを目的とする。

本発明の実施例を参照しながら詳細に説明す
る。第２図から第６図は本発明の特徴を有効に活
かすための一実施例の説明として用意されたもの
である。

第２図は本発明の全体機構を説明する側断面図
である。第３図は印字機構を示す斜視図である。
第４図はハンマ機構を示す斜視図である。第５図
は平断面図である。第６図は本発明の一側面図で
ある。１２は軸１３に軸支されインクローラ１４
と接合している活字車である。１５は隣桁の活字
汚れを防止するマスクであり、紙案内１６と共に
記録紙３２の案内も兼ねている。１７はキヤリツ
ジで軸１９，２７に軸着され、唯一のハンマ１８
及びトリガー伝達部材２４の一部に回動可能に支
持されたトリガーレバー２３を搭載し、活字車１
２の軸（スラスト）方向（矢印Ａ，Ｂ方向）に軸
１９，２７にそつてスライド可能となつている。
尚、軸１９はキヤリツジ１７のガイド機能と後述
する紙送りローラ５４が固着されて紙送り機能を
も果す。２０は紙押えローラでありバネ部材２１
により紙送りローラ５４側に常時押圧されてい
る。２２はトリガーレバー２３を介してハンマ１
８を活字車側に飛行させる爪車である。２８は三
角歯２８１を有し軸２７に固着されている位置決
めレバーである。この位置決めレバー２８は同じ
く軸２７に固着された伝達レバー５３との間をコ
イルバネにて連結されている。すなわち位置決め
レバー２８は、キヤリツジ１７が桁上げ移動する
時はキヤリツジ１７の係合部１７１と位置決めレ
バー２８の三角歯２８１との係合を外すために係
合部１７１によつてキヤリツジ１７の下方向へ回
動する。そして、キヤリツジ１７の桁上げ移動後
はキヤリツジ１７の確実な停止を行なわせるため
に、位置決めレバー２８はコイルバネのバネ力に
よつてキヤリツジ１７の上方向へ回動され、キヤ
リツジ１７の係合部１７１と三角歯２８１とが係
合される状態となる。３０は印字トリガーの電磁
石であり、３１は吸引板バネである。３３はモー
タ、３４はモータ歯車、３５はモータ軸、３６は
伝え歯車、３７は爪車歯車、３８は減速歯車、３
９は活字車歯車、４０は復帰電磁石であり、通電
により復帰レバー４１を作動させ、切換歯車４５
との係合を外す。４２は桁上げ歯車でありキヤリ
ツジ１７の一部に一端を取り付けたロープ４３を
巻き上げてキヤリツジ１７を矢印Ａ方向にスライ
ドさせる。４４は桁上げ伝え歯車である。４６は
切換え歯車４５を矢印Ｃ方向にスライドさせるバ
ネである。４７，４８はフレームである。４９は
一端をフレーム４７に他端をキヤリツジ１７に取
り付けた復帰バネであり、キヤリツジ１７をホー
ムポジシヨン（待機位置）に復帰せしめる。５０
は紙送り伝え歯車であり、カム部５０１を有し、
カム部５０１と解除レバー５２の先端５２１とが
係合した時に解除レバー５２を反時計方向に作動
させる。続いて、解除レバー５２は伝達レバー５
３を時計方向に動作させ、同軸２７上にある位置
決めレバー２８をキヤリツジ１７の下方向へ回動
すると、係合部１７１と三角歯２８１との係合を
外しキヤリツジ１７をホームポジシヨンへ復帰さ
せることができる。５１は紙送り歯車である。

次に動作，説明を第２図から第６図を用いて説
明する。

先ずキヤリツジの桁上げ動作について説明す
る。

モータ３３の回転により、モータ歯車３４，伝
え歯車３６，爪車歯車３７，減速歯車３８，活字
車歯車３９を介して活字車１２が回転する。活字
車１２の回転と同時に、復帰レバー４１の先端は
軸１３の同軸上の切換え歯車４５と係合している
ために、切換え歯車４５は桁上げ伝え歯車４４と
噛合い桁上げ歯車４２を特殊歯形により断続回転
させる。桁上げ歯車４２のこの断続回転はキヤリ
ツジ１７の一部に取付けたロープ４３を桁上げ歯
車４２のプーリ部４２１に桁間ピツチＰよりやや
大き目に巻き上げては解放する。従つて軸１９，
２７にガイドされたキヤリツジは復帰バネ４９の
バネ力に抗して矢印Ａ方向に桁間ピツチＰよりや
や大き目にステツプ移動しては矢印Ｂ方向に後退
する。このステツプ移動時は、キヤリツジの係合
部１７１によつて位置決めレバー２８はキヤリツ
ジ１７の下方向へ押し下げられていることにな
る。そして、この矢印Ｂ方向の後退はキヤリツジ
の係合部１７１がすでにコイルバネにてキヤリツ
ジ１７の上方向へ押し上げられた状態にある位置
決めレバー２８の三角歯２８１と係合して停止す
る。従つてハンマ１８の活字車１２に対する正し
い位置が確保される。次に印字動作について説明
する。モータ３３によつて回転中の活字車１２上
の所望する活字を印字するには電磁石３０にトリ
ガー信号を通電し吸引板２９を吸引する。電磁石
３０によつて吸引された吸引板２９の動作によ
り、トリガー作動軸２６に固着されているトリガ
ーレバー作動板２５はトリガー作動軸２６を反時
計方向に回転させる。トリガー作動軸２６の反時
計方向への回転により、トリガー伝達部材２４は
トリガー作動軸２６のＵ溝２６１と係合して取付
けられているために、同様に反時計方向へ回転さ
れ、トリガー伝達部材２４の一端に回動可能に取
付けられたトリガーレバー２３が駆動され、トリ
ガーレバー２３の先端部２３１を爪車２２の回転
軌跡内に挿入される。爪車２２の爪部２２１はト
リガーレバー２３の先端部２３１を叩打すること
により、ハンマ１８を所望する活字面に飛行させ
印字する。一行の印字が終了し桁上げをする場合
には、先に説明したようにキヤリツジ１７の一端
に取付けられたロープ４３を桁上げ歯車４２のプ
ーリー部４２１で巻き上げるためにキヤリツジ１
７は、ハンマ１８，トリガーレバー２３を取付け
たトリガー伝達部材２４をいつしよに軸１９，２
７にそつて矢印Ａ方向に桁上げしていく。活字車
１２の活字がハンマ１８の直面にきたときに前述
した動作により逐次印字していく。次に紙送りと
キヤリツジのリターンについて説明する。復帰電
磁石４０に通電し復帰レバー４１が矢印Ｄ方向に
作動すると、切換え歯車４５との係合が外れ、切
換え歯車４５はバネ４６により矢印Ｃ方向にスラ
イドし、今度は紙送り伝え歯車５０と噛合する。
このためモータ３３の動力は切換え歯車４５の第
２の歯車部４５２を介して紙送り伝え歯車５０に
伝達され、特殊歯によつて軸１９に固着された紙
送り歯車５１を断続回転せしめ、同軸上の紙送り
ローラ５４によつて紙送りを行なう。又一方紙送
り伝え歯車５０のカム部５０１と解除レバー５２
の端部５２１とが係合し、解除レバー５２を反時
計方向に回動し、位置決めレバー２８と同軸上の
軸２７に取付けられている伝達レバー５３を時計
方向に回動させることにより、位置決めレバー２
８の三角歯２８１とキヤリツジ１７との係合が外
れ、キヤリツジ１７は矢印Ｂ方向に移動しホーム
ポジシヨンに復帰する。以上により一連の動作が
終了する。

次に本発明のシリアルプリンタのレイアウトの
説明を第２図及び第５図を用いて説明する。

軸１３に軸着されインクローラ１４と常時接合
している活字車１２と対向しているハンマ１８と
トリガー伝達部材２４をキヤリツジ１７上に配置
し、キヤリツジ１７の一部を回転中心として（ト
リガー作動軸２６のＵ溝２６１と係合して取付け
られている）トリガー伝達部材２４と係合してい
るトリガーレバー２３はトリガー作動軸２６の回
転により、爪車２２の爪部２２１の回転軌跡内に
挿入される。トリガー作動軸２６の一端には、ト
リガーレバー２３を作動するトリガーレバー作動
板２５が固着されて取付けられている。吸引板２
９を介してトリガーレバー作動板２５の一端２５
１と係合する電磁石３０は、一方のフレーム４７
に固定されて取付けられ、更に電磁石３０に併設
してモータ３３が取付けられている。活字車１２
と電磁石３０との間に、ハンマ１８とトリガー伝
達部材２４と、ハンマ１８を飛行せしめる爪車２
２が配置されている。又、ハンマ１８，トリガー
伝達部材２４，トリガーレバー２３等を含むキヤ
リツジ１７は活字車１２のスラスト方向に移動で
きる様になつている。更に、紙送りローラ５４は
ハンマ１８及びキヤリツジ１７の一端を挿着して
いる軸１９の両端に固着している。位置決めレバ
ー２８はキヤリツジ１７の他端を挿着している軸
２８に回動可能な如く取付けられている。

以上、本発明によればトリガーレバー２３を駆
動する電磁石３０は、トリガー作動軸２６，トリ
ガー伝達部材２４を介して、結果的にトリガーレ
バー２３を駆動しているため、電磁石３０はトリ
ガーレバー２３を含むキヤリツジ１７と同様に移
動する必要はなく固定しておくことが可能であ
る。ゆえに電磁石３０は一方のフレーム４７に固
定することができ、しかも他方のフレーム４８に
はモータ３３を配置できるスペースができる。よ
つて本発明のレイアウトの特徴である電磁石３０
とモータ３３が爪車２２，キヤリツジ１７等を含
む印字手段をはさんで印字車１２の反対側にしか
も両フレーム４７，４８の間に並設することが可
能となつた。更に、トリガー作動軸２６の一端に
固着したトリガーレバー作動板２５を電磁石３０
に通電して吸引板２９を介して反時計方向に回動
すると、トリガー作動軸２６はフレーム４７，４
８に軸支され回動する。トリガー作動軸２６のま
わりのイナーシヤ負荷は、構造上トリガーレバー
２３の質量に負うところが大である。トリガーレ
バー２３の幅ｂは唯一のハンマ１８の厚みｔと略
一致すれば良いためトリガーレバー２３の質量は
極めて小さく押えられ応答性の優れたトリガ系が
得られる。このことは電磁石３０の消費電力を小
さくでき、かつ小型化も可能となる。電磁石３０
の小型化は、電磁石３０とモータ３３とをフレー
ム４７，４８間に並設できる要因の１つである。
更には、紙送りローラ５４はハンマ１８及びキヤ
リツジ１７の一端を挿着している軸１９上に固着
されている。紙送りローラ５４とハンマ１８とキ
ヤリツジ１７の３部材を軸１９に固着あるいは挿
着していることと、位置決めレバー２８がキヤリ
ツジ１７の他端を挿着している軸２７に取付け、
キヤリツジ１７，位置決めレバー２８の２部材を
軸２７に取付けていることは、部品点数の削減に
よる低コスト化、及び機器の小型化に寄与でき
る。低エネルギーで駆動できるトリガーレバー２
３を爪車２２の爪部２２１の回転軌跡内に挿入
し、爪車２２によつてハンマ１８を活字面に飛行
するために極めて応答性のよい且つ信頼性の高い
フライング式シリアルプリンタを提供することが
できる。

以上詳述した如く、本発明によれば所期目的が
達成でき、従来にない新機構のフライング式シリ
アルプリンタが実現可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシリアルプリンタの概略を示す
斜視図である。第２図は、本発明の全体機構を示
す側断面図である。第３図は、本発明の印字機構
を示す斜視図である。第４図は、本発明のハンマ
機構を示す斜視図である。第５図は、本発明の全
体機構を示す平断面図である。第６図は、第５図
の一側面図を示す。 １……印字ドラム、３，６……モータ、４……
ハンマ、５……プランジヤー、１２……活字車、
１７……キヤリツジ、１８……ハンマ、２２……
爪車、２３……トリガーレバー、２４……トリガ
ー伝達部材、２５……トリガー作動部材、２６…
…トリガー作動軸、２８……位置決めレバー、３
０……電磁石、３３……モータ、４０……復帰電
磁石、４１……復帰レバー、４２……桁上げ歯
車、４７，４８……フレーム、４９……復帰バ
ネ、５２……解除レバー、５３……伝達レバー、
５４……紙送りローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数桁に活字を有し回転する活字車上の前記
   活字を１つのハンマで印字するシリアルプリンタ
   において、 トリガー信号によつて作動する電磁石と、 該電磁石によつて回動され全桁にわたつて設け
   たトリガー作動軸と、 該トリガー作動軸と同期回動し且つ前記トリガ
   ー作動軸上をスラスト方向に摺動可能なトリガー
   伝達部材と、 該トリガー伝達部材の一部に回動可能に支持さ
   れたトリガーレバーと、 該トリガーレバーを選択的に回動軌跡内へ介在
   させて前記ハンマーに印字エネルギーを与える全
   桁にわたつて設けた爪車と、 前記トリガー伝達部材と前記トリガーレバー及
   び前記ハンマを搭載し且つ軸上をスライド可能な
   キヤリツジと、 該キヤリツジを前記軸のスラスト方向へステツ
   プ移送させる桁上げ手段と、 桁上げされた前記キヤリツジをその位置に位置
   決めして停止させ、且つ前記キヤリツジの桁上げ
   動作中及び前記キヤリツジをホームポジシヨンへ
   復帰させる時に前記キヤリツジとの係合を外す位
   置決め部材と、 から構成されることを特徴とする小型シリアル
   プリンタ。