JPS6227647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は物入れ装置の蓋板を物入れ凹部開口部
に閉塞保持し、蓋板と開口部との面を面一に保持
し、且つ解錠時に蓋板を跳ね上げて蓋板の開放を
容易化した弾圧施錠装置に関するものである。

本出願人は先に原動機を備え、前一輪、後二輪
の自動三輪車を提供した。かかる車両において、
でき得れば物入れとしてある程度の物入れ空間を
設けることが好ましく、且つ物入れ空間は取付ス
ペースの点で車両の限られた、小型の車体内に設
ける必要があること、物入れのみを他の部品と別
個に設けるのではスペース上不利であり、これの
取付部品等部品点数も増えること等々の不利があ
る。

そこで車体前方に設けられるレツグシールド部
分に前方に開放された凹部を設け、該凹部はレツ
グシールド前面中間部をなす蓋板で開閉自在に覆
う如くし、レツグシールドと一体的にトランクを
設け、外観上、スペース利用上有利である小型車
両のトランク装置を本出願人は提供した。

以上の蓋板に施錠装置を設けた場合、施錠閉塞
状態でレツグシールドの他の部分と合せ部が面一
であることが外観上好ましく、又解錠時には蓋板
が幾分跳ね上つてリフトした方が開放に便利であ
る。

従来の弾圧解錠は自動車のトランクリツド等で
用いられるが、錠と弾圧手段とは別個に、別部位
に設けられ、夫々の取付部材を必要とし、部品点
数も多く、かかる構造を上記の如き物入れ装置に
用いたのではコスト的に不利であること、物入れ
装置が小型で蓋板も小さく、これらに多くの部品
を取り付けるのでは製作、組立等の作業性の点で
も不利であり、簡易な施、解錠と弾圧係止、弾圧
解錠手段が望まれる。

本考案はかかる要望に応えるべくなされたもの
で、その目的とする処は、回動型錠部材の本体に
バネを係止保持せしめ、バネで蓋板側係止部を弾
圧して蓋板と開口部との面一化を図り、解錠時に
蓋板をリフトさせて開放を容易化する如くし、部
品点数の減少、取付部材の共通化、構造、組付の
簡易化、コスト上有利であること、取付スペース
上有利であること等の利点を有する小型の物入れ
の蓋板弾圧施解錠に好適する弾圧施錠装置を提供
するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動三輪車の側面図、第２図は同平面
図、第３図は同正面図で、実施例では三輪車の物
入れ装置としたが、自動二輪車、原動機付四輪車
の物入れ装置、更には純粋な蓋付物入れにも実施
することができるものである。

自動三輪車の概略を説明すると、三輪車１は前
車体２と後車体３とを備え、前車体２の最前部に
は一輪の操向輪をなす前輪４が設けられ、上部に
はハンドル５が設けられている。中間部には低床
式のフロア６が、これの後部上には上部にシート
８を有するシートポスト７が起設され、後車体３
の後下部にはジヨイント９が上下に揺動（スイン
グ動）自在に連結され、ジヨイント９は前車体２
を後車体３に対して左右に揺動（ローリング動）
自在に連結し、後車体３には駆動輪をなす二輪の
後輪１０が設けられている。

以上の前車体２の前部にはレツグシールド１１
が設けられ、レツグシールド１１は第４図乃至第
８図に示される如くである。

レツグシールド１１は乗員の身体の幅よりも左
右に若干大きく、ハンドル５の下から前輪４の上
部迄設けられ、実施例では下部がフロントフエン
ダ部１２が構成し、これの後方にフロア部６が延
出形成されている。レツグシールド１１の上部に
は前面を開口させたヘツドライト、ウインカーラ
イトの収納部１３が形成され、収納部１３の左右
の部分から下方迄レツグシールドの左右の壁面１
４，１４が垂下起立されて形成されている。レツ
グシールド１１の前面収納部１３の下、左右の壁
面１４，１４間及びフロントフエンダ部１２で囲
まれる部分は奥に凹出させて物入れ凹部１５を形
成し、凹部１５の奥壁１５ａの中間部にブラケツ
ト２１を設け、フレーム２ａの前端に設けたヘツ
ドチユーブ２ｂにレツグシールド１１の中間背部
を結着支持せしめる。レツグシールド１１の背部
にはヘツドチユーブ２ｂを囲む凹部１６ａを中間
部に有するカバー１６を設け、カバー１６の背面
は蓋板１７で閉じる。

凹部１５はレツグシールド１１の中間部前方に
縦長に開口し、これの前面の開口縁１５ｂを覆う
如くトランクリツド１８を設け、トランクリツド
１８は蝶番金具１９で開閉自在にその下端部をフ
エンダ部１２前面に左右二個所で枢着され、下端
をヒンジとして前後に開閉自在とし、リツド１８
の四周内面には突片１８ａを設け、これの上及び
左右の三辺にはシールラバー２０を設け、開口縁
１５ｂを閉塞状態でシールする。凹部１５は左右
の壁面１４，１４及び上の収納部１３の下方前壁
１３ａ下端から各内方に折曲され、且つフエンダ
部１２の上端から内方に折曲されて凹部の上下の
内壁１５ｃ，１５ｄ、左右の内壁１５ｅ及びこれ
ら内壁をつなぐ奥壁１５ａに繋がるようにレツグ
シールド１１の他の部分と一体に成形されている
ため、この部分は凹状ボツクス状をなし、従つて
レツグシールド１１の強度アツプを図ることがで
きる。

リツド１８の突片の上部のもの１８ｂはリツド
１８上端縁１８ｃから所定長さ下方に且つ内方に
突出する如く設けられ、突片１８ｂ前端上に上端
部１８ｄが突出し、上部突片１８ｂの幅方向（左
右方向）中央部にはＬ型のフツク部材２２を固設
し、フツク部材２２のフツク部２２ａは突片１８
ｂの後部上に起立する。凹部１５の開口縁１５ｂ
の上部周縁前面をなすレツグシールドの既述の収
納部１３の下辺部１３ａの幅方向中央部下部には
円孔状の取付孔２３を前後に貫通する如く設け、
該孔２３の円周上の一部にはこれと連続する半径
方向への係止切欠２３ａを設ける。かかる孔２３
に錠部材２４を嵌挿し、錠部材２４の本体２４ａ
は円柱状をなし、上部に孔２３より大径のフラン
ジ部２４ｂを備え、フランジ部下の一部には切欠
２３ａと対応する係止部２４ｃが設けられ、本体
２４の下部には半径方向外方にロツク部材２５が
突設され、フランジ部２４ｂ上の本体端面２４ｄ
にはキー溝２６が設けられ、キー溝２６にキー２
７を挿入してこれを回動することにより本体２４
内に内装された回動部材２４ｅが回動し、ロツク
部材２５が所定角度、例えば90゜回動する。かか
る本体２４ａを取付孔２３に嵌挿し、係止部２４
ｃが切欠２３ａと係合して回り止めを行い、本体
２４ａ上部の狭搾部２４ｆ周にクリツプ２８を挟
入し、フランジ部２４ｂとクリツプ２８間で下辺
部１３ａの取付孔周辺部を挟持し、錠部材２４を
固定する。

以上の錠部材２４にバネ２９を係止保持せしめ
る。バネ２９は第７図で詳細に示される如くで、
二股状の本体２９ａの凹欠２９ｂ閉塞内端部には
既述の係止部２４ｃと係合する欠部２９ｃを備
え、凹欠２９ｂは既述の本体２４ａの狭搾部２４
ｆと同幅で、凹欠の左右の脚片２９ｄ，２９ｄの
先部には膨出部２９ｅを、又閉塞内端部外方に一
体に膨出部２９ｆを備え、脚片２９ｄ，２９ｄ間
を既述の狭搾部２４ｆのクリツプ２８下に挟入し
て本体２９ａを固定し、膨出部２９ｅ，２９ｆが
下辺部１３ａの取付孔周辺内面１３ｂに当つて弾
圧止着され、従つて脚片２９ｄ，２９ｄはバネ２
９を錠部材２４に固定する機能と、クリツプ２８
と共に錠部材２４の抜け止め機能を備える。

脚片２９ｄの一方の側部から連続してＵ字型の
バネ部２９ｇを延出形成し、バネ部２９ｇは幅を
備え、中間部に凹孔２９ｈを複数備え、自由端は
他方の脚片から離間して外方に折曲した当片２９
ｉを備える。

以上のバネ２９は錠部材２４に上記の如く係着
した状態で当片２９ｉがリツド１８側のフツク部
２２ａと対峙する如くし、これを第６図で示し、
リツドの閉蓋状態でフツク部２２ａは当片２９ｉ
をバネ力に抗して後退させ、キー溝２６にキー２
７を差し込んで施錠側に回動し、これによりロツ
ク部材２５はフツク部２２ａの前面に突出し、バ
ネ２９の当片２９ｉはフツク部２２ａを前方に弾
圧してロツク部材２５に弾接せしめ、これにより
リツド１８とレツグシールド前面の部分１３ａ外
表面を面一に保持する。施錠状態を第６図で示し
た。

解錠時にはキー溝２６にキー２７を差し込んで
解錠方向に回動操作し、これによりロツク部材２
５は回動し、フツク部２２ａから外れる。これに
よりフツク部２２ａは自由となり、バネ２９の当
片２９ｉにフツク部２２ａが接していることから
これのバネ力でフツク部２２ａを含むリツド１８
は前方に挿し出されてリフトし、この状態を第６
図Ａとして示し、リツド１８の上端が開口縁１５
ｂ前方に突出し、この部分を摘んで容易に開蓋操
作を行うことができることとなる。

以上で明らかな如く本考案によれば、蓋板の開
口部周辺との面一保持、解錠時の蓋板のリフトが
行え、開蓋操作が容易化し、以上を蓋板側の錠の
係止部と錠に係着したバネで行い、バネは錠にこ
れを取付部材として係着され、最少の部品で上記
を企図でき、又錠にバネを係着し、バネの相手方
が錠の係止部を兼ねるため最小のスペースで足
り、スペース上も極めて有利で、小型の物入れ装
置に有利である他、バネの組付も容易で、且つコ
スト上も有利である等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は三輪車の側面図、第２図は同平面図、第３図は
正面図、第４図は物入れ部の拡大縦断側面図、第
５図は第４図５−５線断面図、第６図は施錠部の
拡大断面図、第７図は分解斜視図である。 尚図面中１５ｂは開口部、１８は蓋板、２２は
係止部材、２４は錠部材、２５は係止部、２９は
弾性部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部と、これの周辺に一端をヒンジとして該
   開口部を開閉する蓋板１８とからなり、開口部周
   辺の一部に回動操作で回動する係止部２５を備え
   た錠部材２４を、蓋板１８には該係止部２５の回
   動でこれと係脱する係止部２２を設けた施錠装置
   において、錠部材２４の外周に係止保持され該錠
   部材２４の抜け止め機能を備える二股状の本体２
   ９ａと、該本体２９ａから延出された弾性片２９
   ｇとからなる弾性部材２９を設け、該弾性片２９
   ｇを前記蓋板１８の係止部２２に閉蓋状態で当接
   せしめるように構成した弾圧施錠装置。