JPS6227574Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗面器の周縁面上に設けられた栓操作
用ハンドルを操作して排水栓を開閉するようにし
た洗面器の排水装置に関するものである。

従来のこの種洗面器用排水装置の一例を図示す
れば、第１図および該第１図中の連結金具６の近
傍を斜視した第２図の通りである。すなわち、同
図に示すように、従来の排水装置１は、洗面器２
の周縁面３上に設けた栓操作用ハンドル４にウエ
スト棒５を連結し、該ウエスト棒５の先端側に連
結金具６の筒状部７を嵌合させて取り付けてい
る。該連結金具６の取り付けは、この場合、所定
ピツチで穿設されたウエスト棒５の貫通孔８，８
にピン９，９を挿し込むことにより、筒状部７の
上下端を係止して行なつている。一方、排水口１
０に摺動自在に嵌合配設された排水栓１１の下端
部は、ボール１２を中間支点とするキツクレバー
１３の先端側と自由状態で遊嵌合している。上記
キツクレバー１３はほぼ水平状態で設置されてい
る。またキツクレバー１３の後端側は、前記連結
金具６の筒状部側面にあつて、該筒状部７と直交
する方向に突設してなるリング状膨出部１４の挿
通孔１５に自由状態で嵌挿されている。

このように構成することにより、栓操作用ハン
ドル４を第１図の状態から押し下げると、キツク
レバー１３の先端側が同図の時計方向に回動して
排水栓１１を押し上げ、排水口１０を開くように
なる。またこの状態から排水口１０を閉じる場合
は、栓操作用ハンドル４を引き上げて、キツクレ
バー１３の先端側を同図の反時計方向に回動さ
せ、排水栓１１を引き下げればよい。

而して、洗面器２は、その種類によつて、大き
さ、形状等が大きく異なり、洗面器２の周縁面３
からキツクレバー１３までの距離と、排水栓１１
の下端部からウエスト棒５までの距離がそれぞれ
異なつてくる。排水栓１１の下端部からウエスト
棒５までの距離が異なる場合は、キツクレバー１
３の先端部及び後端部が、それぞれ排水栓１１の
下端部及び連結金具６のリング状膨出部１４と自
由嵌合であるため問題ではない。ところが、洗面
器２の周縁面３からキツクレバー１３までの距離
が異なる場合は、ウエスト棒５に対する筒状部７
の嵌合位置が異なるので、ピン９，９を挿し込む
位置を変更する必要がある。従つて、ウエスト棒
５には、多くの貫通孔８，８……が必要となるも
のである。

ところで、上記構成の排水装置１を取り付ける
にあたつて、ピン９，９をウエスト棒５の貫通孔
８，８に挿し込む作業は、洗面器２の下方背部空
間で行なわなければならない。この作業は、スペ
ース的に制限された空間での作業であるため、困
難である。またこれにも拘らず、筒状部７の上下
端二個所で行なう必要があり、作業性が悪いとい
う欠点があつた。

また従来では、第３図に示すように、筒状部７
の周壁に貫通孔１６を穿設して、該貫通孔１６と
ウエスト棒５の貫通孔８とが合致する位置で、ピ
ン９を挿し込むようにしたものがある。ところ
が、この場合には、洗面器下方背部の限られたス
ペースにおいて筒状部７とウエスト棒５の貫通孔
１６，８を合致させる作業が非常に困難であり、
非能率的であつた。

本考案は従来の洗面器用排水装置の上記欠点に
鑑みてこれを改良除去したものであつて、連結金
具の筒状部周壁に周方向へ半周を越えて開口窓を
設けることにより、ウエスト棒に所定ピツチで穿
設された貫通孔を容易に捜すことができるように
し、また開口窓からウエスト棒の貫通孔へピンを
挿し込む作業を簡単にすることで、連結金具とウ
エスト棒との連結作業を容易になした洗面器用排
水装置を提供せんとするものである。

以下に本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて説明すると次の通りである。尚、従来の場合
と同符号のものは同部材である。

第４図乃至第６図は本考案の第１の実施例を示
すものである。この実施例は、連結金具６の筒状
部周壁７ａにあつて、周方向の開口窓１７を、筒
状部７の半周を越えて設けたものである。これで
あれば、連結金具６の筒状部７をウエスト棒５に
嵌合させた場合において、ウエスト棒５に所定ピ
ツチで穿設した貫通孔８と開口窓１７との位置合
わせが容易である。すなわち、ウエスト棒５と筒
状部７の上下方向の相対位置を変化させた場合
に、ウエスト棒５の貫通孔８は、周方向に広範囲
な開口窓１７のいずれかの位置に現われることに
なり、その上下方向の相対位置関係を調整・確認
することが容易である。このため、この位置で開
口窓１７から貫通孔８へピン９を挿し込み、その
途中においてピン９を開口窓１７の側壁１７ａに
当接させてやれば、貫通孔８の両端開口部が開口
窓１７の範囲内に必ず位置することになる。しか
る後にピン９を更に押し込めば、筒状部７とウエ
スト棒５とを完全に連結することが可能である。
またこの場合にあつて、ピン９の抜け止めを行な
う円弧状の弾性部９ａは、開口窓１７がない場合
には、筒状部７の外周面を乗り越えなければなら
ないが、開口窓１７が筒状部７の半周を越えて設
けられているために、ウエスト棒５の外周面を乗
り越えるだけでよく、ピン９の挿し込みも容易で
ある。従つて、この第１の実施例によれば、限ら
れたスペースである洗面器２の下方背部空間での
ウエスト棒５と、連結金具６の筒状部７との連結
作業が容易である。

第７図は本考案の第２の実施例を示すものであ
る。この実施例は、連結金具６の筒状部７の長さ
を延長することにより、ウエスト棒５の長さを短
かくしてほとんどの種類の洗面器２に適用できる
ようにしたものである。このことを更に詳しく説
明すると、一本のウエスト棒５を多種類の洗面器
２に適用するためには、最大機種の洗面器２に合
わせた長さのものを準備する必要がある。而して
この最大機種の洗面器２に合わせたウエスト棒５
を最小機種の洗面器２に適用した場合、筒状部７
の下端から更に下方へ突出するウエスト棒５の長
さが非常に長くなる。このことは、洗面器２の下
方空間の有効利用を制限することになり、好まし
くないものである。このため、従来にあつては数
種類のウエスト棒５を準備することにより、この
問題を解決するようにしていた。この実施例で
は、ウエスト棒５の長さを短かくし、これを最大
機種の洗面器２に適用した場合に、足りない部分
を筒状部７の延長した長さで補充するようにして
いる。これであれば、短かいウエスト棒５をほと
んどの機種の洗面器２に適用することができ、最
小機種の洗面器２であつてもその下方空間を有効
利用することが可能である。その他の構成並びに
作用効果は前記第１の実施例と同じである。

第８図は本考案の第３の実施例を示すものであ
る。この実施例は、前記第２実施例の連結金具６
の筒状部７とリング状膨出部１４とを分離型にし
ている。両部材の連結は、リング状膨出部１４と
一体構成した第２の筒状部１８に、前記筒状部７
の開口窓１７と同様の開口窓１９を穿設すると共
に、筒状部７の下端側周壁に貫通孔２０を穿設し
て、ピン２１を開口窓１９から貫通孔２０へ挿し
込んで行なうようにしたものである。この筒状部
７と１８の連結は、洗面器２へ取り付ける以前に
行なうことができるので、洗面器下方での取付作
業は、筒状部材７とウエスト棒５を連結するだけ
でよく、前述の各実施例と同じである。この実施
例の場合、筒状部材７の各貫通孔２０，２０間の
間隔を、前記ウエスト棒５の各貫通孔８，８間の
間隔よりも小さくすることで、連結金具６とウエ
スト棒５との連結位置の微調整が可能である。そ
の他の構成並びに作用効果は前記第２の実施例と
同じである。

第９図は本考案の第４の実施例を示すものであ
る。この第４の実施例は、前記第３の実施例の筒
状部１８に設けた開口窓１９の代りに貫通孔２２
を穿設したものである。筒状部７と１８の連結
は、ピン２１を貫通孔２２及び２０へ挿し込めば
よい。この連結は、前述の通り、洗面器２へ取り
付ける以前に行なうことができるので、問題はな
い。その他の構成並びに作用効果は前記第３の実
施例と同じである。

以上説明したように実施例のものは、洗面器下
方背部空間における連結金具の筒状部材とウエス
ト棒との連結が容易であり、洗面器用排水装置の
取付作業が簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の全体を示す縦断面図、第２
図は上記装置の連結金具とウエスト棒との連結部
分を示す斜視図、第３図は従来の他の実施例を示
す連結金具とウエスト棒との連結部分の斜視図、
第４図乃至第６図は本考案の第１の実施例に係る
もので、第４図は装置全体を示す縦断面図、第５
図は連結金具とウエスト棒との連結部分を示す斜
視図、第６図は第５図のＡ−Ａ線断面図、第７図
乃至第９図は本考案の第２乃至第４の実施例を示
す連結金具とウエスト棒との連結部分の斜視図で
ある。 ２……洗面器、３……周縁面、４……栓操作用
ハンドル、１１……排水栓、５……ウエスト棒、
１３……キツクレバー、７……筒状部、１４……
リング状膨出部、６……連結金具、１７……開口
窓、８……貫通孔、９……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面器の周縁面上に設けられた栓操作用ハンド
   ルを操作して排水栓を開閉するようにした洗面器
   の排水装置において、前記栓操作用ハンドルから
   垂直に延設されたウエスト棒と、前記排水栓の下
   端から中間支点を介してほぼ水平に延設されたキ
   ツクレバーと、ウエスト棒に上下動可能に嵌合す
   る筒状部及び該筒状部に対して直交する方向でキ
   ツクレバーに遊嵌合するリング状膨出部とを有す
   る連結金具とよりなり、ウエスト棒と連結金具と
   は、連結金具の筒状部周壁にあつて周方向へ半周
   を越えて設けられた開口窓と、ウエスト棒に所定
   ピツチで穿設された貫通孔とが合致する位置で、
   前記開口窓から貫通孔へ挿し込んだピンによつて
   連結されていることを特徴とする洗面器用排水装
   置。