JPS6227049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインにおける方向センサー装
置に関し、特に穀稈を感知するセンサーバーの動
作の改良に関するものである。

コンバインにおいて、その機体の前端部に方向
センサーを装着し、方向センサーのセンサーボツ
クス左右の一方または両方に突出するセンサーバ
ーを穀稈に接触させてスイツチ動作することで、
コンバイン機体の走向方向を穀稈列に一致するよ
うに自動的に方向修正する装置が知られている。

ところで、従来上述の方向センサーにおけるセ
ンサーバーは、スプリングにより起立方向に付勢
されており、穀稈に接した際、該スプリングに抗
して水平に後方回動してリミツトスイツチをオン
するようになつており、センサー取付位置は常に
穀稈感知位置と略々一致している。一方圃場に立
毛している穀稈は株元側の方がしつかりしてお
り、穂先側に移行する程細くなつて撓み易くな
り、センサーバーが接しても穀稈の撓みによりそ
のセンサーバーを後方回動することができず、感
知不能になることがあるので、センサーバーを低
くして穀稈の株元側に接するようにすることが望
まれる。しかるに、センサーバーが低い位置で比
較的広い範囲にわたり水平に装架されていると、
誤つて刈株や草等も感知してしまうという不都合
を生じる。またセンサーバーを低くするとセンサ
ーボツクスの取付位置も低くなつて、そのセンサ
ーボツクスやセンサーバー回動部に草、ワラ等の
巻付き、詰まり等を生じる。

本考案は、このような不具合を除去すべくなさ
れたもので、穀稈への接触時にセンサーバーを後
方斜め下方に向けて回動するようにし、センサー
ボツクスの取付位置は高いが穀稈感知位置は低く
なるように構成したコンバインにおける方向セン
サー装置を提供するものである。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を具
体的に説明する。

第１図ないし第３図に、本考案を両面センサー
型の方向センサーに適用した実施例が示されてお
り、図において、符号１はコンバイン機体であ
り、このコンバイン機体１の前端の内側に寄つた
個所に取付けフレーム２により垂直状態より後傾
して設けられるデイバイダー３の後部に両面セン
サー型の方向センサー４が装着されている。この
方向センサー４は２個のリミツトスイツチ及びセ
ンサーバーを起立方向に付勢するスプリングを内
蔵するセンサーボツクス４ａと、該ボツクス４ａ
から下端部が突出している回動軸４ｄを有してお
り、該回動軸４ｄの下端部に、ボツクス４ａの左
右両側面より突出するように１本または２本のセ
ンサーバー４ｄ，４ｃが取付けられている。これ
らのセンサーボツクス４ａがセンサーバー４ｂ，
４ｃと共に前記デイバイダー３の後部高所に略直
交するように後ろ下りに傾けて固定されており、
従つて回動軸４ｄは機体に対し下り方向前方に傾
斜して配置されている。尚、符号５はセンサーボ
ツクス内のリミツトスイツチに接続するコードで
ある。

かくして本考案は上述のように構成されている
から、方向センサー４のセンサーボツクス４ａが
後り下がりに傾設され、従つて回動軸４ｄが前下
りに傾斜されていることで、そのセンサーバー４
ｂ，４ｃがフリーの場合には地面より少し高い位
置で左右の横方向に突出しており、この状態から
センサーバー４ｂ，４ｃは回動軸４ｄにより後方
斜め下方に向けて回動動作し、その先端部が高所
から地面に近い低所に移行するようになる。そこ
でコンバイン１による刈取作業時、方向センサー
４のセンサーバー４ｂ，４ｃが高所に位置するこ
とにより、地上のカツターワラや草等はセンサー
バー４ｂ，４ｃに接しなくなると共に、センサー
ボツクス４ａに巻付かなくなる。これに対してセ
ンサーバー４ｂ，４ｃのいずれか一方がそれらと
対向する２列の穀稈Ａ，Ｂのいずれか一方に一旦
接すると、コンバイン機体１の前進走行に伴つて
センサーバー４ｂまたは４ｃがスプリングに抗し
て後方へ斜めに回動し、その先端部が下降して穀
稈の低い株元付近に接し、その穀稈を正確に感知
するのである。すると、センサーボツクス４ａ内
の一方のリミツトスイツチがオンすることによ
り、コンバイン機体１はセンサーバー４ｂ，４ｃ
と接した穀稈から遠ざかる左右の一方に自動的に
移動して走行方向が自動的に修正される。

次いで第４図ないし第６図に本考案を片面セン
サー型の方向センサーに適用した実施例が示され
ており、図において、符号６は引起しチエーンケ
ース７を固定保持するフレームであり、このフレ
ーム６の内側に片面センサー型の方向センサー
４′がブラケツト８により取付けられている。こ
の方向センサー４′はセンサーボツクス４a′の内
側一方にのみセンサーバー４b′が回動軸４d′によ
り突設されるもので、上述の実施例同様にセンサ
ーボツクス４a′を後ろ下りに傾けて取付けること
で、センサーバー４b′を後方斜め下方に向けて回
動するようになつている。そしてコンバインによ
る刈取り作業時、センサーバー４b′が１列の穀稈
の当接状態により、上述の実施例同様にコンバイ
ン機体１の方向修正が行われるのである。

以上説明したように本考案によると、方向セン
サー４，４′におけるセンサーバー４ｂ，４ｃ，
４b′を機体に対し下り方向前方に傾斜した回動軸
４ｄ，４d′に取付けることにより、後方斜め下方
に向けて回動するようになつており、センサーボ
ツクス４ａ，４a′を高所に位置することが可能に
なつてそこへの草、ワラ等の巻付け等が防止され
る。更に穀稈を感知しない場合にはセンサーバー
４ｂ，４ｃ，４b′が高所に位置するので、刈株、
カツターワラ等による誤動作を防止することがで
きると共に、センサーバー４ｂ，４ｃ，４b′が一
旦穀稈に接触すると、接触始めでは穀稈の比較的
高い位置にて接触するが、該接触始め部分ではセ
ンサーバーを起立方向に付勢するスプリングは自
然長に近く、その付勢力は弱いので、穀稈の比較
的高い位置に接触しても穀稈を撓ますことが少な
く、かつコンバインが進行してセンサーバーが後
方に回動すると、該センサーバーの先端部が下方
に移行して穀稈の株元側に接するようになるの
で、倒伏稲の場合でも穀稈を正確に感知し得る。

尚、本考案は上述の実施例のみに限定されるも
のではなく、方向センサー４，４′においてセン
サーボツクス４ａ，４a′に対してセンサーバー４
ｂ，４ｃ，４b′の回動軸４ｄ，４d′を斜めに取付
け、センサーボツクス４ａ，４a′を水平配置する
ようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を両面センサー型方向センサー
を有するコンバインに適用した平面図、第２図と
第３図は同要部の側面図と正面図、第４図は本考
案を片面センサー型方向センサーを有するコンバ
インに適用した要部の側面図、第５図と第６図は
第４図の矢視図と矢視図である。 １……コンバイン機体、４，４′……方向セン
サー、４ａ，４a′……センサーボツクス、４ｂ，
４ｃ，４b′……センサーバー、４ｄ，４d′……回
動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンバイン機体の前端に装備される方向センサ
   ーのセンサーボツクスの左右両側または一側方
   に、起立方向に付勢されて突設されるセンサーバ
   ーを、機体に対し下り方向前方に傾斜している回
   動軸に取付け、穀稈感知の際には斜め下方に向け
   て回動して穀稈株元付近に接触するように構成し
   たことを特徴とするコンバインにおける方向セン
   サー装置。