JPS6227031Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は低圧コイルと高圧コイルとをコアに対
して並置して巻回する型式のフライバツクトラン
スの改良に関する。

例えば小型３次共振モードサイド巻型フライバ
ツクトランスは低圧コイルと高圧コイルとをコア
に対して並置して巻回する構成をとつている。第
１図は従来のこの種のフライバツクトランスの一
例を示すもので、図において１はフライバツクト
ランスのコア、２は高圧コイルボビン、３はこの
ボビン２にセクシヨン巻きされた高圧コイル、４
は低圧コイルを示す。低圧コイル４は平巻きでも
セクシヨン巻きでもよい。低圧コイル４と高圧コ
イル３との間には、高圧コイル３の径を小さくし
たときに必要なリーケージを得るために必要な空
間ｂが設けられる。高圧コイル３は低圧コイル４
側から巻始められ、反対側の上部で終端してお
り、高圧コイルボビン２の上端部に取付けられた
一対のダイオード保持支柱５，５のうちのアノー
ド側保持支柱に接続されている。６は保持支柱
５，５間に接続された高圧整流用ダイオードを示
し、カソード側保持支柱には高圧アノードリード
７が接続されている。高圧コイル３の上端部とコ
アの上側脚との間には、高圧交流（高圧コイル３
の巻終り部分）とコア上側脚間の放電を防止する
ために必要な耐圧空間ａが設けられ、この耐圧空
間ａを利用して上記したダイオード６およびアノ
ードリード７が取付けられている。低圧コイル
４、高圧コイル３、ダイオード６、アノードリー
ド７の根元部分等は絶縁ケース８に収納され、低
圧ボビンに取付けられた端子９がケース８より外
側に突出している。Ｇはコア１のギヤツプであ
る。

このように従来のフライバツクトランスにおい
ては、高圧ボビン２の上端部にボビン軸方向にダ
イオード保持支柱５，５を突出させて設けている
ため、耐圧空間ａをかなり大きくする必要があ
り、フライバツクトランスをこれ以上小型化（特
に高さ方向の小型化）することはできなかつた。

本考案は上記従来の欠点を除去するためになさ
れたもので、以下本考案の一実施例につき図面を
参照して詳細に説明する。

第２図は本考案によるフライバツクトランスの
一実施例を示す概略平面図で、１０はフライバツ
クトランスのコア、１１は高圧コイル、１２は低
圧コイルを示す。本考案においては、高圧コイル
１１を低圧コイル１２とは反対側のボビン上部か
ら低圧コイル１２に向けて巻回し、低圧コイル１
２と高圧コイル１１間のリーケージ空間ｂにおい
てボビン径方向に突出するようにして設けた一対
のダイオード保持支柱１３，１３のうちのアノー
ド側保持支柱に高圧コイル１１の巻終端りを接続
し、カソード側保持支柱にアノードリード１４を
接続したものである。１５は保持支柱１３，１３
間に接続された高圧整流用ダイオード、１６は高
圧コイル１１、低圧コイル１２等を収納する絶縁
ケース、１７は低圧ボビンに取付けられ、かつ絶
縁ケース１６より外側に突出する端子、１８は低
圧ボビンに巻回されたステ巻線を示す。なお、高
圧コイル１１の巻始め端はステ巻線１８の端末に
接続される。

第３図は第２図の本考案によるフライバツクト
ランスに使用されるボビンの一構成例を示すもの
で、図において２０は低圧ボビンを示し、この低
圧ボビン２０は円筒状本体２１と端子取付部２２
とを有し、端子取付部２２には前記した端子１７
が所定個数取付けられている。円筒状本体２１に
は、鍔Ｔが外周方向に沿つて形成され、鍔Ｔの端
子取付部２２と相対する側には前記した一対のダ
イオード保持支柱１３，１３がボビン径方向に突
出するように設けられており、鍔Ｔと端子取付部
２２との間に低圧コイル１２が巻回される。低圧
コイル１２は平巻きでもセクシヨン巻きでもよ
い。保持支柱１３，１３とボビン先端との間には
前記したステ巻線１８が例えば数層に巻回され
る。このステ巻線１８は高圧コイル１１とコア１
０との放電（コロナ）を防止するためのもので、
電界の集中を防止する働きをする。巻線の代りに
金属板を使用してもよい。ステ巻線は前記したよ
うにボビン先端側の端末が高圧コイル１１の巻始
め端と接続されるだけで、他の接続関係はない。

ステ巻線１８の巻回されたボビン本体２１には
予め高圧コイル１１が巻回された高圧ボビン２３
が嵌合される。高圧コイル１１はセクシヨン巻き
されるが、巻溝は図示の例では階段状に構成され
ているが、同一深さであつてもよい。高圧コイル
１１はボビン嵌合後に巻回してもよく、その巻始
め端がステ巻線の端末に接続され、低圧コイルに
向つて順次巻回されてその巻終り端が保持支柱１
３，１３の一方に接続される。

このように、本考案では特性上狭くすることの
できないリーケージ空間ｂをダイオードルームと
しても利用し、しかも高圧コイル１１を上部より
低圧コイルに向けて順次巻回したので、高圧コイ
ル１１の上部とコアの上側脚間の耐圧空間ａを非
常に狭くすることができる。すなわち、耐圧空間
ａは高圧コイル１１の巻始め端をステ巻線に接続
処理する空間１〜2m／ｍと絶縁ケース１６の肉
厚分だけでよく、巻始めであるので耐圧の考慮は
必要がなく、従つて従来品とくらべて非常に
（10m／ｍ〜15m／ｍ程度）狭くすることができ
る。また、アノードリード１４がボビンの中間部
分からコアの対向する別脚の方へ引出されるた
め、フライバツクトランス全体の外径は従来品と
殆んど変わらず、しかもコア上部にアノードリー
ド用の空間を必要としないので、本考案によるフ
ライバツクトランスはその高さの非常な減少とあ
いまつて、大幅に小型化されたのと同等の作用効
果をもたらす。

一実施例として、従来品の高さ51m／ｍ、外径
30φと同等のフライバツクトランスを本考案に従
つて製造したところ、本考案品は高さ40m／ｍ、
外径30φであつた。

上述のように、本考案によれば、低圧コイルと
高圧コイルとをコアに対して並置して巻回する型
式のフライバツクトランスを大幅に小型化するこ
とができるから、各種の小型電子機器等に使用し
てその効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の小型３次共振モードサイド巻型
フライバツクトランスの一例を示す概略平面図、
第２図は本考案によるフライバツクトランスの一
実施例を示す概略平面図、第３図は第２図のフラ
イバツクトランスに使用されるボビンの一例を示
す分解平面図である。 １０……フライバツクトランスのコア、１１…
…高圧コイル、１２……低圧コイル、１３……ダ
イオード保持支柱、１４……アノードリード、１
５……ダイオード、１６……絶縁ケース、２０…
…低圧ボビン、２３……高圧ボビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低圧コイルと高圧コイルをコアに並置して巻回
   するフライバツクトランスにおいて、前記高圧コ
   イルを前記低圧コイルの反対側からこの低圧コイ
   ルに向けて巻回し、前記高圧コイルの巻終り端を
   前記低圧コイルと高圧コイル間に設けられた空間
   に配置された整流用ダイオードに接続してなるフ
   ライバツクトランス。