JPS62269B2

JPS62269B2 -

Info

Publication number: JPS62269B2
Application number: JP53163505A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Yamanaka; Kozo Nakashio; Hisanori Koizumi
Original assignee: NIPPON SENKA KOGYO KK
Current assignee: NIPPON SENKA KOGYO KK
Priority date: 1978-12-27
Filing date: 1978-12-27
Publication date: 1987-01-07
Also published as: JPS5590688A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はセルロース系繊維製品の着色捺染方
法、更に詳しくは、ヒドロキシアルキルスルホン
酸塩、亜硫酸塩及び酸性亜硫酸塩から選ばれた少
なくとも１種の防染剤を含有する防染糊にて防染
して、ビニルスルホン系反応染料による淡色な着
色捺染を行なつたセルロース系繊維製品を収得す
る方法に関する。従来よりセルロース系繊維を異なる二種以上の
反応染料にて着色捺染するには、一般に防染剤を
含有する着色防染糊を予め繊維製品に印捺後、上
記防染糊とは異なる濃度乃至色相のビニルスルホ
ン系反応染料を含む捺染糊を印捺する方法が知ら
れている。上記において防染剤としては、通常ヒ
ドロキシアルキルスルホン酸塩、亜硫酸塩及び酸
性亜硫酸塩等が汎用されている。しかしながら上
記防染剤は、これにより防染された製品に引き続
き染料濃度が３％程度を下回る淡色な捺染糊を印
捺する時には、所期の防染効果を発揮できる必要
最小使用量に調整することが非常に困難となり、
過剰使用を余儀なくされる。しかしてこの過剰使
用によれば、上記防染剤はいずれも水可溶性であ
る所から、最終着色捺染製品の型際がぼやけた
り、差し色防染部分のまわりが白くなる所謂ハレ
ーシヨン現象即ち額縁ち現象が生じる欠点があ
る。この欠点は殊に防染柄に非常な制約を与え、
精密な細線等の柄模様を有する捺染製品は収得で
きないことを意味する。本発明者らはこのように従来のヒドロキシアル
キルスルホン酸塩を始めとする各種の防染剤を用
いてセルロース系繊維製品を防染し、これにビニ
ルスルホン系反応染料を用いて淡色な着色捺染を
行なう際に認められるハレーシヨン現象が生じる
という致命的な欠点を解消し、常に型際の尖鋭な
着色捺染製品を容易に収得することを目的として
種々研究を重ねてきた。その結果上記淡色な着色
捺染を行なう際に、特定のハレーシヨン防止剤と
も言うべき化合物の所定量を用いる時には、上記
目的が達成されることを見い出しここに本発明を
完成するに至つた。即ち本発明はヒドロキシアルキルスルホン酸
塩、亜硫酸塩及び酸性亜硫酸塩から選ばれた少な
くとも１種の防染剤を含有する防染糊にて防染し
て、ビニルスルホン系反応染料による淡色な着色
捺染を行なつたセルロース系繊維製品を得るに当
り、上記着色捺染を一般式〔各式中Ｘは水素原子、ハロゲン原子又は炭素
数１〜５のアルキル基、Y₁は水素原子、炭素数
１〜５の飽和もしくは不飽和の炭化水素残基又は
ヒドロキシアルキル基、及びY₂は炭素数１〜５
の飽和もしくは不飽和の炭化水素残基又はヒドロ
キシアルキル基を夫々示す〕で表わされる化合物から選ばれた少なくとも１種
のハレーシヨン防止剤の１〜15重量％を含有する
着色捺染糊を用いて行なうことを特徴とする捺染
方法に係る。本発明方法によれば、上記特定のハレーシヨン
防止剤を配合した着色捺染糊を用いることに基づ
いて、ハレーシヨン現象の発生を伴うことなく精
密な細線等の防染柄を極めて尖鋭に発色でき、し
かも防染剤の厳密な濃度調整を行なう必要もな
い。それ故本発明方法は特に同一防染糊を唯一回
適用して、これに染料濃度を異にする２種以上の
各種捺染色糊を印捺して、型際の極めて尖鋭な複
雑多彩な着色模様を有する捺染繊維製品を容易に
収得できる利点を有する。また本発明方法によれ
ば従来この種方法ではハレーシヨンを生じること
なく捺染することのほぼ不可能であつた染料濃度
が１％以下のかなり淡色な色糊を適用することに
よつても型際の極めて尖鋭な細線模様を有する捺
染製品を収得することが可能である。本発明方法において防染剤として用いる化合物
は、いずれもよく知られたものであり、その代表
的なものとしては下記一般式〔〕〜〔〕で表
わされる化合物を例示できる。〔各式中R₁は炭素数１〜５の飽和もしくは不
飽和炭化水素鎖、R₂は水素原子、炭素数１〜５
の飽和もしくは不飽和炭化水素残基又はフエニル
基、及びＺは１価の金属元素又はアンモニウム基
を示す〕上記防染剤を含有せしめる防染糊の処方及びそ
の使用方法は、通常の防染糊のそれらと同様でよ
く、防染剤の配合量も亦通常の使用量例えば１〜
20重量％好ましくは３〜10重量％とすればよい。
またこの防染糊は通常の糊剤代表的にはアルギン
酸ソーダ、高エーテル化カルボキシメチルセルロ
ース、加工澱粉、天然ガム、カルボキシビニル化
合物等及びＯ／Ｗ型エマルジヨン糊、Ｗ／Ｏ型エ
マルジヨン糊等を用いて調製でき、更に必要に応
じて重炭酸ソーダ、珪酸ソーダ等のアルカリ又は
アルカリ発生剤、メタニトロベンゼンスルホン酸
ソーダ等の還元防止剤、尿素、グリセリン、パラ
トルエンスルホン酸ソーダ等のヒドロトロープ剤
等を添加できる。更に上記防染糊中には反応染料
例えば「プロシオン」（英国I.C.I社製）、「シバク
ロン」、「リアクトフイル」、「シバクロンプロン
ト」及び「リアクトン」（スイス国チバガイギー
社製）、「レバフイツクスＰ」及び「レバフイツク
スＥ」（独国バイエル社製）等の所謂置換型反応
染料を添加使用することができる。また本発明において用いる着色捺染糊中に配合
されるハレーシヨン防止剤は、前述の一般式
〔〕〜〔〕の化合物から選択される。該ハレ
ーシヨン防止剤として有効な化合物としては、具
体的には以下のものを例示できる。 Γアクリルアマイド CH₂＝CHCONH₂ ΓＮ―メチロールアクリルアマイド CH₂＝CHCONHCH₂OH ΓＮ，Ｎ―ジメチルアクリルアマイド Γビニルスルホンアミド CH₂＝CHSO₂NH₂ Γビス（β―ヒドロキシエチル）スルホン（HOCH₂CH₂）₂SO₂ Γトリアクリロホルマール上記ハレーシヨン防止剤を配合する着色捺染糊
は、基本的には、ビニルスルホン系反応染料を配
合した公知の各種捺染色糊と同様のものでよい。
上記におけるビニルスルホン系反応染料としては
市販の各種の染料を使用できる。例えば「レマゾ
ール」（独国ヘキスト社製）、「レバフイツクス」
（独国バイエル社製）、「スミフイツクス」（住友化
学社製）、「セルマゾール」（三井東圧社製）、「ダ
イアミラー」（三菱化成社製）等を例示できる。
また捺染色糊用糊剤及び必要に応じて添加される
添加剤は、上述した防染糊のそれと同様でよい。
本発明におけるハレーシヨン防止剤及び上記ビニ
ルスルホン系反応染料の捺染色糊中への配合量
（濃度）は、防染糊中の防染剤の使用量に応じて
適宜に決定できる。通常ハレーシヨン防止剤を１
〜15重量％配合することによつて、ビニルスルホ
ン系反応染料の濃度が３重量％以下、殊に１重量
％以下の淡色な場合にも完全にハレーシヨンの発
生を防止でき、本発明所期の効果を発現できる。
また上記ビニルスルホン系反応染料を配合した捺
染用色糊は、染料の色相は勿論のこと、濃度の異
なる二種以上のものを併用することができ、この
場合、その濃度差に応じて上記ハレーシヨン防止
剤の使用量を１〜15重量％の範囲内で適宜に調節
すればよい。通常濃度差１％に対しハレーシヨン
防止剤使用量は0.3〜５重量％好ましくは0.5〜２
重量％の範囲で変化させればよい。上記防染糊及び着色捺染糊による捺染方法は、
公知の方法に従えばよく、例えばローラー、オー
ト、ハンド等のいずれの方法によつてもよく、ま
た先防染、後防染、パツド法等の任意の方法が適
用できる。捺染に引き続く発色方法も目的に応じ
て公知の各種の方法例えば常圧蒸熱法、アルカリ
シヨツク法、サーモゾール法、HTスチーム法等
を適用でき、いずれの方法による時も地色の変色
を起すおそれはない。本発明方法は反応染料で染色可能な各種のセル
ロース系繊維製品、即ち綿、麻、レーヨン、ポリ
ノジツク、キユプラ等のセルロース繊維からなる
編物、織物等及び上記セルロース繊維と他の繊維
例えばナイロン、ポリエステル、アクリル、アセ
テート、ウール等との混紡、交編、交織等に適用
して、所期の優れた捺染が可能である。以下本発明を更に詳しく説明するため実施例を
挙げる。各例中部及び％は重量基準によるものと
する。実施例１綿ブロード＃60に下記組成の着色防染糊を印捺
する。グルタールバイサルフアイドのナトリウム塩
50部アルギン酸ソーダ（５％） 400部レバフイツクス・ブリリアント・オレンジＰ―
GR（独国バイエル社製・反応染料） 30部尿素 50部重曹 20部ｍ―ニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 10部水 440部 1000部印捺後、乾燥あるいは乾燥せずに下記組成の濃
及び淡色の捺染色糊を部分的に重ね合わせて、順
次印捺する。尚比較のため上記淡色の捺染色糊に
おいてハレーシヨン防止剤として、アクリルアマ
イドを加えない以外は同一組成の比較淡色捺染色
糊を別途に調整する。

【表】上記捺染色糊を重ね合せ印捺、乾燥後、100℃
で10分間蒸熱を行ない、しかる後得られる捺染布
を水洗、ソーピング、水洗処理して、多色捺染布
を得る。本発明方法に従いハレーシヨン防止剤としてア
クリルアマイドを加えた淡色の捺染色糊を用いて
得られた捺染布は黒地あるいは、うすい紺地に型
際の尖鋭なオレンジ色の着色防染布であつた。しかるに比較淡色捺染色糊（アクリルアマイド
を加えていない）を用いた場合は、淡色側でハレ
ーシヨンが起こり、線が太くなりかつ型際のまわ
りが不尖鋭な防染布しか得られなかつた。このことから濃度の異なる２種の染料の重ね柄
を要求される場合には、ハレーシヨン防止剤を用
いる本発明方法によらない限りハレーシヨンが起
こり、加工が困難であることが明らかである。実施例２綿布（金巾）に下記組成の着色防染糊を印捺す
る。ヒドロキシメタンスルホン酸ソーダ 50部アルギン酸ソーダ（５％） 400部レバフイツクス・ブルーＰ―3RL（独国バイエ
ル社製・反応染料） 30部尿素 50部重曹 20部ｍ―ニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 10部水 440部 1000部印捺後、乾燥あるいは乾燥せずに下記組成の捺
染色糊を重ねて、その上から印捺する。アルギン酸ソーダ（５％） 500部スミフイツクス・レツドＢ（住友化学社製・反
応染料）５部尿素 50部重曹 20部ｍ―ニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 10部Ｎ―メチロールアクリルアマイド（ハレーシヨ
ン防止剤） 50部水 365部 1000部印捺、乾燥後100℃で10分間蒸熱を行ない、し
かる後、捺染布を水洗、ソーピング、水洗処理す
る。その結果、うすい赤地に型際の尖鋭な青色着
色防染布が得られた。これに対しＮ―メチロール
アクリルアマイドを加えることなく調製した捺染
色糊を用いて同様に着色防染を行なつた所ハレー
シヨンが起こり、型際のまわりが不尖鋭な青色着
色防染布しか収得できなかつた。実施例３実施例１で用いた防染糊および色糊を使用して
実施例１と同様に綿ブロード＃60に印捺乾燥後
150℃で５分間乾熱するかあるいは95℃に加温し
たケイ酸ソーダ２号に15秒間乾燥布を浸した後水
洗、ソーピング、水洗することによりうすい紺地
に型際の尖鋭なオレンジ色の青色防染布が得られ
た。これに対しアクリルアマイドを加えることなく
調製した捺染色糊を用いた場合は、得られる着色
防染布は防染部分にハレーシヨンが起こり、型際
のまわりが不尖鋭であつた。実施例４綿布（金巾）に下記組成の着色防染糊を印捺す
る。亜硫酸ソーダ 30部アルギン酸ソーダ（５％） 400部プロシオン・ブルーＨ・3R（英国I.C.I社製・
反応染料） 30部尿素 50部重曹 20部ｍ―ニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 10部水 460部 1000部印捺後、乾燥あるいは乾燥せずに下記組成の捺
染色糊を重ねてその上から印捺する。アルギン酸ソーダ（５％） 500部スミフイツクス・イエローＲ（住友化学社製）
２部スミフイツクス・ブリリアント・レツドBS
（同上社製）２部レマゾール・ブルー3R（独国ヘキスト社製）
１部尿素 50部重曹 20部ｍ―ニトロベンゼンスルホン酸ソーダ 10部トリアクリロホルマル（ハレーシヨン防止剤）
50部水 365部 1000部印捺、乾燥後100℃で10分間蒸熱を行ないしか
る後、捺染布を水洗、ソーピング、水洗処理す
る。その結果、うすい茶色の地に型際の尖鋭な青
色の着色防染布が得られた。これに対しトリアク
リロホルマルを加えることなく調製した捺染色糊
を用いた場合、得られる着色防染布はハレーシヨ
ンが起こり、型際のまわりが不尖鋭であつた。

Claims

【特許請求の範囲】１ヒドロキシアルキルスルホン酸塩、亜硫酸塩
及び酸性亜硫酸塩から選ばれた少なくとも１種の
防染剤を含有する防染糊にて防染して、ビニルス
ルホン系反応染料による淡色な着色捺染を行なつ
たセルロース系繊維製品を得るに当り、上記着色
捺染を一般式〔各式中Ｘは水素原子、ハロゲン原子又は炭素
数１〜５のアルキル基、Y₁は水素原子、炭素数
１〜５の飽和もしくは不飽和の炭化水素残基又は
ヒドロキシアルキル基、及びY₂は炭素数１〜５
の飽和もしくは不飽和の炭化水素残基又はヒドロ
キシアルキル基を夫々示す〕で表わされる化合物から選ばれた少なくとも１種
のハレーシヨン防止剤の１〜15重量％を含有する
着色捺染糊を用いて行なうことを特徴とする捺染
方法。