JPS6226855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダ、特に口述録音再生機
におけるテープ走行の自動停止装置に関する。

従来のテープレコーダにおいて、テープ走行の
自動停止方法には２つの方法が用いられている。
その一つは無録音検出で、テープの巻き戻し時な
どに再生動作を行ない、テープ上の無録音個所を
検出してテープの走行を停止させる方法である。
この方法によるときは一つの続いたメツセージ等
の途中でテープの走行を自動的に停止させること
は出来ず、また一般的には無録音が一定時間連続
して始めて停止位置として検出されるために録音
時に停止位置とする個所にはかなりの無録音区間
を残さなければならない欠点があつた。また、こ
の無録音区間が短い場合は誤動作してテープ走行
を停止することはなく、またノイズによつて誤動
作する欠点もあつた。

また他の一つの方法は特定の信号を停止希望位
置に対応して予め録音しておき、巻き戻し時にそ
の特定の信号の有無を検出する方法である。この
方法によるときは、ノイズによる誤動作を起し易
く、また他チヤンネルに録音された特定の信号を
クロストークで検出したり、また録音されている
音楽またはメツセージで誤動作を起す欠点があつ
た。

また上記の如き従来の方法は必ず早送り、巻き
戻しの状態時にヘツドをテープに当接させて信号
を再生することが必要で、ヘツドの消耗も早く、
テープの寿命も短かくなるなどの欠点があつた。
従つてこれらの方法は特に口述録音再生機には不
適当であつた。

本考案は上記にかんがみなされたもので、上記
の欠点を解消した口述録音再生機に好適なテープ
走行の自動停止装置を提供することを目的とする
ものである。

以下、本考案を実施例により説明する。

図は本考案の一実施例のブロツク図である。

１はテープレコーダのリール台であり、２はリ
ール台１に固着した永久磁石であり、３はリール
台１に近接したリードスイツチであつて、従来の
テープレコーダにおけると同様にリール台１の回
転を検出してリール台１の回転数に比例したパル
スを発生する回転数検出装置を構成する。

リードスイツチ３の出力すなわち回転数検出装
置の出力はカウンタ４に入力する。５はカウンタ
４の出力を記憶するメモリ回路（以下単にメモリ
と記す）であり、カウンタ４の出力は外部信号で
切替るスイツチ６の出力時にメモリ５へ入力させ
るゲートと、録音または再生中のスイツチ６のオ
ン信号毎に、また早送り中の後述する比較回路８
の出力毎にメモリ５へのアドレス指定を１づつ増
加させ、巻き戻し中の比較回路８の出力毎にメモ
リ５へのアドレス指定を１づつ減少させるアツプ
ダウンカウンタからなる書き込みアドレスカウン
タとを有する制御回路７を通してメモリ５に入力
する。

カウンタ４の出力およびメモリ５の出力は比較
回路８に入力し、この両入力が一致したときの比
較回路８の出力をタイマ回路９に入力する。タイ
マ回路９の出力はリール台駆動用のモータ１０の
起動停止を制御する制御回路１１および信号音発
振回路１２に出力する。また比較回路８の出力
は、録音または再生時のスイツチ６のオン信号毎
に、また早送り中の比較回路８の出力毎にメモリ
５へのアドレス指定を１づつ増加させ、巻き戻し
中の比較回路８の出力毎にメモリ５へのアドレス
指定を１づつ減少させるアツプダンカウンタから
なる読出しアドレスカウンタと、テープ消去信号
によりメモリ５の記憶内容を消去するクリア回路
とを有するリセツト制御回路１４に入力する。

なお１３は信号音発振回路１２の出力で働くス
ピーカであり、１５は比較回路８へのメモリ５の
出力をオン・オフする切替スイツチである。

いまスイツチ６はテープレコーダの録音中また
は再生中に注意すべき個所においてオンにする。
また、切替スイツチ１５は早送りまたは巻き戻し
中はオン状態にする。また、リール台１の回転中
はリードスイツチ３の出力はカウンタ４にて録音
中、再生中または早送り中はアツプカウントさ
れ、巻き戻し中はダウンカウントされて、カウン
タ４のカウント値は常にテープ位置を表示してい
る。

テープレコーダの録音中または再生中に、注意
すべき個所にきたときスイツチ６をオンにする。
スイツチ６がオンになつたことにより制御回路７
の書き込みアドレスカウンタはメモリ５の書き込
みアドレスを指定し、そのときのカウンタ４のカ
ウント値を書き込みアドレスカウンタにより指定
されたアドレスに記憶される。また次のスイツチ
６のオンにより書き込みアドレスカウンタの出力
は１だけ増加し、上記と同様に上記のアドレスの
次のアドレスに前記次のスイツチ６のオン時のカ
ウンタ４のカウント値が記憶される。以下同様で
ある。

つぎにテープの巻き戻しの場合について説明す
る。テープは録音または再生が停止されたその位
置から巻き戻される。この巻き戻し開始時におい
てリセツト制御回路１４の読出しアドレスカウン
タは、制御回路６の書込みアドレスカウンタのア
ドレス指定値と同一アドレスを指定している。

いま巻き戻し指令により切替スイツチ１５はオ
ン状態となる。またカウンタ４のカウント値は常
に比較回路８に入力されており、また巻き戻しに
よりリセツト制御回路１４のアドレスカウンタが
指定するアドレスのメモリ５の記憶内容が比較回
路８に入力される。また巻き戻し開始時の読出し
アドレスは巻き戻し直前の最后にスイツチ６の押
圧によりカウンタのカウント値が書き込まれたア
ドレス値である。そこで巻き戻しが進みカウンタ
４のカウント値が当該アドレスに記憶されている
カウンタ４のカウント値と一致したとき、比較回
路８は出力を発生する。比較回路８の出力により
タイマ回路９は動作する。いまタイマ回路９で設
定した時間を15秒とする。そこでタイマ回路９の
動作により15秒間、モータ制御回路１１はモータ
を停止させるとともに、信号音発振回路１２はス
ピーカ１３に出力を発し、信号音を発せられる。

また、比較回路８の出力によりリセツト制御回
路１４の読出しアドレスカウンタはその出力を１
つ減少し、メモリ５への指定アドレスを一つ前の
アドレスを指定する。また同時に制御回路７の書
き込みアドレスカウンタの指定アドレスも１つ減
少し、リセツト制御回路１４の読出しアドレスカ
ウンタの指定アドレスと同一指定アドレスに設定
される。また前記15秒間の停止期間が経過して更
に巻き戻しが指令されているときは前記と同様の
動作を繰り返す。

また前記した動作を行ないながら、所定のテー
プ位置まで巻き戻しを行ない、ついで早送りを行
なつた場合について説明する。

早送りにより巻き戻し動作が終了したときのリ
セツト制御回路１４の読出しアドレスカウンタが
指定していたアドレスのメモリ５の記憶内容が比
較回路８に入力され、カウンタ４のカウント値と
の比較が行なわれる。早送りが進み比較回路８が
出力を発生したときは前記したと同様にタイマ回
路９が働き、モータ１０は15秒間停止しテープ走
行を停止する、また比較回路８の出力によりリセ
ツト制御回路１４の読出しアドレスカウンタはア
ドレス値と１つ増加させる。前記15秒の停止後も
続いて早送りが指定されていれば上記した１つ増
加したアドレスのメモリ５の記憶内容とカウンタ
４のカウント値が比較されて上記と同じ動作を繰
返す。

また、前記した巻き戻し終了または早送り終了
後、再び録音または再生を行なうときは切替スイ
ツチ１５はオフ状態となり、比較回路８にはメモ
リ５からの入力は無くなり、前記した録音または
再生の場合と同様に注意すべき個所においてスイ
ツチ６をオンして注意個所をメモリ５に記憶させ
ながら録音または再生が行なわれる。この場合、
制御回路７の書込みアドレスカウンタの指定アド
レスは録音または再生の行なわる直前のリセツト
制御回路１４の読出しアドレスカウンタの指定ア
ドレスから順次増加して行くことになる。

また、テープの録音内容を消去したとき、また
はテープカセツトをテープレコーダから除去した
ときはリセツト制御回路１４のクリア回路の出力
によりメモリ５の記憶内容は消去される。

以上説明した如く本考案によれば、録音または
再生中にマークした個所がメモリに記憶され、早
送りまたは巻き戻し時に前記マークした個所にお
いてテープ走行は一たん所定時間自動的に停止す
る。この停止位置を検知するためにテープ中の無
録音個所を検出する必要はなく、また一つの続い
たメツセージの途中においても停止させることが
できると共にテープ走行を一たん所定時間停止さ
せた後においても、早送り、巻戻し指令が続いて
いる時には、前記停止時間の後に再びテープは早
送り、巻戻しが行われ、従つて、従来のようなテ
ープ上の一点あるいは一区間を検出しテープ走行
を停止させるものと比較し、所望の多数点を検出
し停止させることができ、よつて口述録音や留守
番電話等に利用して効果の大なるものである。

また停止位置をテープ上に予め特定の信号を録
音しておく必要もない。

また、ノイズによる誤動作もない。また、頭出
し時に必ずしもヘツドをテープに当接させておく
必要はなく、ヘツドおよびテープの損耗は減少す
る。

また自動停止のために要する各回路はデジタル
回路で構成されているために集積回路化が容易で
ある。

さらにまた、本考案にあつては、カウント値を
メモリした部分のテープ上に新たな録音がされ、
録音された部分が高速消去されあるいはテープが
交換された時にメモリ回路の記憶内容が消去され
るので、メツセージとの関係で無意味となつた部
分の記憶が自動的に消え、従つて、テープが交換
された時とき等において、誤動作のおそれが全く
ない等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例のブロツク図である。 １……リール台、２……永久磁石、３……リー
ドスイツチ、４……カウンタ、５……メモリ、７
……制御回路、８……比較回路、９……タイマ回
路、１１……モータ制御回路、１４……リセツト
制御回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テープレコーダのリール台の回転数を検出して
   回転数に対応した数のパルスを発生する回転数検
   出装置と、 前記リール台の回転方向に対応して前記回転数
   検出装置の出力パルス数をアツプカウントまたは
   ダウンカウントするカウンタと、 録音または再生中の所定のテープ位置において
   前記カウンタのカウント値を後述するメモリ回路
   に入力して書き込ませるためのスイツチと、 前記カウンタよりの出力を記憶するメモリ回路
   と、 前記スイツチよりの出力で前記メモリ回路に前
   記カウント値を記憶させ、録音、再生または早送
   り中における後述する比較回路よりの出力毎に前
   記メモリ回路へのアドレス指定を１づつ増加さ
   せ、巻戻し中の比較回路よりの出力毎に前記メモ
   リ回路へのアドレス指定を１づつ減少させる制御
   回路と、 前記カウンタのカウント値と前記メモリ回路の
   出力を入力として比較し、両入力の一致時に出力
   を送出する比較回路と、 テープ巻戻しまたは早送り中のみ前記比較回路
   の出力により後述するタイマー回路を動作可能と
   するスイツチ手段と、 前記比較回路の出力により動作するタイマー回
   路と、 該タイマー回路より所定時間出力される信号に
   より前記リール台の回転用モータを停止させるモ
   ータ制御回路と、 カウント値をメモリした部分のテープ上に新た
   な録音がされ、録音された部分が高速消去されあ
   るいはテープが交換された時にメモリ回路の記憶
   内容を消去するリセツト制御回路と、 を具備したことを特徴とするテープ走行の自動
   停止装置。