JPS6226821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダーに関し、特に正方向
再生及び逆方向再生の両方向再生機能を有するテ
ープレコーダーの改良に係る。

カーステレオと呼ばれる車に搭載されるテープ
レコーダーでは、正方向への再生に加えて逆方向
への再生も可能にした両方向再生機能を備えたも
のが普及している。

本考案は斯かる両方向再生機能を有するテープ
レコーダーに適した装置を提供しようとするもの
であり、以下図面を参照して詳細に説明する。第
１図及び第２図は夫々異なる状態を示す平面図、
第３図は側面図である。図において１はカセツト
テープＴが挿入されるカセツトホルダーであり、
固定基板２に取付けられた固定板３及び支持板４
に軸５，６によつて回動可能に取付けられている
回動板７によつて支持されていると共に該回動板
７の回動変位によりカセツトテープＴをリール軸
（図示せず）と嵌合する演奏位置に保持する作用
を有している。８は前記回動板７にピン９，１０
によつて固着されている押圧バネであり、その端
部に設けられた押圧部１１にてカセツトテープＴ
を押圧する作用を成すものである。１２はカセツ
トテープＴの前記カセツトホルダー１への挿入時
該カセツトテープＴの側面にて押圧され矢印Ａ方
向へ変位すると共に排出操作時には矢印Ｂ方向へ
変位してカセツトテープＴを排出するカセツト押
圧部材であり、矢印Ｂ方向へスプリング（図示せ
ず）によつて付勢されている。１３は前記固定板
３に摺動可能に取付けられていると共に前記カセ
ツト押圧部材１２の変位に伴なつて摺動変位する
べく該カセツト押圧部材１２とネジ１４によつて
結合されている制御部材であり、カセツト挿入に
伴なつて矢印Ａ方向へ変位し前記回動板７を回動
変位せしめる作用を有している。１５は固定基板
２に固着された支持枠１６にピン１７，１８及び
長孔１９，２０との協働によつて摺動可能に取付
けられている摺動部材であり、前記カセツト押圧
部材１２の変位に伴なつて摺動変位するべく該カ
セツト押圧部材１２とネジ２１，２２によつて結
合されていると共に後述するロツク機構によるロ
ツクを解除するロツク解除片２３が形成されてい
る。２４は前記支持枠１６に摺動可能に取付けら
れていると共に正方向及び逆方向への再生動作を
切換える切換レバーであり、スプリング（図示せ
ず）により矢印Ｂ方向へ付勢されている。２５は
前記支持枠１６に固装されているピン２６によつ
て回動且つ揺動可能に取付けられているロツク部
材でありスプリング２７によつて付勢されてい
る。該ロツク部材２５は前記切換レバー２４に形
成されている係合ピン２８との協働によつて所謂
プツシユ・プツシユ機構を構成するものである。
即ち切換レバー２４を矢印Ａ方向へ変位せしめる
と該切換レバー２４に形成されている係合ピン２
８がロツク部材２５のロツク部２５ａに係合し、
該切換レバー２４は第２図に示す逆方向再生位置
に保持される。斯かる状態において、切換レバー
２４を再度矢印Ａ方向へ変位せしめると係合ピン
２８とロツク部材２５に形成されている解除部２
５ｂとの協働によりロツク部材２５による切換レ
バー２４の保持が解除され、該切換レバー２４は
第１図に示される正方向再生位置に復帰せしめら
れる。前記摺動部材１５に形成されているロツク
解除片２３はカセツトテープＴが挿入されていな
いとき即ちカセツト押圧部材１２が排出位置にあ
るときには、第３図に示すようにロツク部材２５
を矢印Ｃ方向へ変位せしめて係合ピン２８とロツ
ク部２５ａとの係合を不可能にする作用を有して
いる。

以上の如く本考案は構成されており、次に動作
について説明する。第１図に示した状態は非演奏
状態であり、斯かる状態では第３図に示すように
ロツク部材２５は摺動部材１５に形成されている
ロツク解除片２３によつて変位せしめられている
ため、切換レバー２４を矢印Ａ方向へ押圧変位せ
しめても該切換レバー２４は逆方向再生位置に保
持されることはない。斯かる状態において、カセ
ツトテープＴを矢印Ａ方向へ押圧変位せしめると
該カセツトテープＴの側面がカセツト押圧部材１
２に当接し、該カセツト押圧部材１２を矢印Ａ方
向へ変位せしめる。該カセツト押圧部材１２が矢
印Ａ方向へ変位すると、その変位に伴なつて制御
部材１３及び摺動部材１５も矢印Ａ方向へ摺動変
位する。その結果該制御部材１３の作用によつて
回動板７が回動変位せしめられ、該回動板７に支
持されているカセツトホルダー１は演奏位置に変
位せしめられる。斯かる動作によつてカセツトテ
ープＴは第２図に示される演奏位置に保持され、
正方向への再生動作が行なわれる。また斯かる再
生動作状態では、摺動部材１５は矢印Ａ方向へ摺
動変位しているため、ロツク解除片２３はロツク
部材２５より離間している。従つて切換レバー２
４を矢印Ａ方向へ変位せしめると係合ピン２８が
ロツク部材２５のロツク部２５ａと係合し該切換
レバー２４は第２図に示す如く逆方向再生位置に
保持され、テープレコーダーは正方向再生状態よ
り逆方向再生状態に切換えられる。更に逆方向再
生状態にある時に切換レバー２４を矢印Ａ方向へ
変位せしめるとロツク部材２５による切換レバー
２４の保持が解除されて該切換レバー２４は正方
向再生位置に復帰せしめられ、テープレコーダー
は正方向再生状態になる。このようにカセツトテ
ープＴが演奏位置にあるときに切換レバー２４を
矢印Ａ方向へ変位せしめると正方向再生状態より
逆方向再生状態に、また反対に逆方向再生状態よ
り正方向再生状態に切換えることが出来る。

以上の如くカセツトテープＴの演奏位置への装
着及び再生方向の切換動作は行なわれるが、次に
カセツトテープＴの排出動作について説明する。
第２図に示した状態において排出操作をすると制
御部材１３の演奏位置におけるロツクが解除さ
れ、該制御部材１３は矢印Ｂ方向へ摺動変位す
る。該制御部材１３が矢印Ｂ方向へ摺動変位する
と、回動板７が回動変位しカセツトホルダー１が
非演奏位置に復帰すると共にカセツト押圧部材１
２によつてカセツトテープＴが第１図に示される
位置に排出される。このようにカセツトテープＴ
の排出動作は行なわれるが、前記カセツト押圧部
材１２の矢印Ｂ方向への摺動変位に伴なつて摺動
部材１５も矢印Ｂ方向へ変位するので、該摺動部
材１５に形成されているロツク解除片２３がロツ
ク部材２５を第３図に示す如く変位せしめて切換
レバー２４のロツクを不可能にする。従つて、テ
ープレコーダーが逆方向再生状態にあるとき即ち
切換レバー２４が第２図に示すロツク部材２５に
て逆方向再生位置に保持されているときに排出動
作が行なわれると、ロツク解除片２３によつてロ
ツク部材２５による切換レバー２４の保持が解除
され、該切換レバー２４は正方向再生位置に復帰
せしめられる。

以上に説明したように本考案によれば、カセツ
トテープを演奏位置より排出するとテープレコー
ダーの再生機能を正方向再生状態にせしめるの
で、次回の再生動作は正方向より行なわれること
になり、極めて便利である。また排出動作時摺動
変位する摺動部材によつてロツク機構のロツク解
除を行なうようにしたので、構成が簡潔になるだ
けでなく正方向への復帰動作を確実に行なうこと
が出来、本考案は両方向再生機能を有するテープ
レコーダーに実施した場合に大きな効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案に関し、第１図及び第２図
は夫々異なる状態を示す要部の平面図、第３図は
要部の側面図である。 主な図番の説明、Ｔ……カセツトテープ、１…
…カセツトホルダー、７……回動板、１２……カ
セツト押圧部材、１３……制御部材、１５……摺
動部材、１６……支持枠、２３……ロツク解除
片、２４……切換レバー、２５……ロツク部材、
２８……係合ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正方向及び逆方向への再生機能を有するテープ
   レコーダーにおいて、正方向及び逆方向への再生
   動作を切換える切換レバーと、該切換レバーの１
   回目の切換操作時該切換レバーを逆方向再生位置
   に保持すると共に同一方向への２回目の切換操作
   時逆方向再生位置の保持を解除し該切換レバーを
   正方向再生位置に復帰せしめるロツク部材と、カ
   セツトテープの装着時摺動変位すると共にカセツ
   トテープの排出時装着時と反対の方向に摺動変位
   する摺動部材と、該摺動部材に形成されたロツク
   解除片とより成り、カセツトテープの排出動作時
   前記摺動部材に形成されているロツク解除片によ
   り前記ロツク部材の保持を解除し前記切換レバー
   を正方向再生位置にせしめるようにしたことを特
   徴とするテープレコーダーの制御機構。