JPS62266066A - 生体適合性表面処理剤 - Google Patents

生体適合性表面処理剤

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JPS62266066A
JPS62266066A JP61107568A JP10756886A JPS62266066A JP S62266066 A JPS62266066 A JP S62266066A JP 61107568 A JP61107568 A JP 61107568A JP 10756886 A JP10756886 A JP 10756886A JP S62266066 A JPS62266066 A JP S62266066A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 10発明の背明 (技術分野) 本発明は、生体適合性表面処理剤に関するものである。
詳しく述べると本発明は、新規な重合性脂質を利用した
、生きている組織および体液との長期間の接触に適した
表面を与え得る生体適合性表面処理剤に関Jる一〇ので
ある。
(先行技術) 人工臓器、人工血管、]ンタクトレンズ、血液回路、血
液バッグ、面漿分離器、血液ヂ1−ブ、組織ないし細胞
培養用シャーレなどの医療用具においては、これらの表
面か直接生体組織または液体と接触するために、これら
表面が接触する生体組織または液体と相n作用を起こ1
ことなく医療用具本来の機能を生体と接触する条件下で
十分に発揮しうること、いわゆる生体適合性を有するこ
とが要求される。
従来より、このような医療用具の生体適合性を、良好な
ものとするために、医療用具を構成する材質および性質
、特にその表面部を構成する材質おJ:び性質に関して
数多くのω1究がなされ、実用化されている。例えば、
アニオン性重合体または適当に配向したエレクトレット
重合体の如く、負に帯電した表面、天然の抗凝固剤ヘパ
リンまたは合成ヘパリン類似体を被覆した表向、同右に
低い表面自由エネルギーを有する荷電した表面、アルブ
ミンを被覆した表面などが挙げられる。しかしながら、
これらによっては、十分に満足できる生体適合性という
ものは得られず、生体とこれらの接触表面との反応は問
題を残すものである。最近、生体膜がリン脂質二重層の
マトリックスから構成されているということから、疎水
性基体表面に生体適合性を付与するあるいは親水化とい
うことに脂質、特にその安全性の面から重合性の脂質を
利用することが注[1されている(ニス、エル、リージ
エン、マク11〜[シー1−X+−ル′N2335(1
983) [S、 l−。
Regen 、 Hacromol、 1633!1(
1983)] 、]特開昭56−135492号参照)
。このような重合性の脂質としては、疎水↑1アシル鎖
に重合性官能基として共役ジインを右す−るポリアセチ
レン型脂質が合成され、数多くの研究がなされている。
ポリアセチレン型脂質の製法に関しては、米国特許第2
゜816.149号、同第2.941,041号及び同
第3,065,283月などに、紫外線照射によるゲル
化挙動に関しては、リングスドルフ[H,Rin(ls
dorf lら(マクロ−EL/キュールケミストリー
[Hacromol 、 CI+cm、 I 180.
1059(1979) )などの文献に詳しい。しかし
イ^がら、現在開発されているポリアセチレン型脂質脂
r1の場合、分子内中の共役ジインは極めC綿密な分子
設計に基づいて純有機化学的に多数の反応段階を経て合
成されその収率も低いものであるため、実用的な面での
大量合成が困難であるばかりでなく、最終生成物である
生体適合性表向処理剤が極めて高価なものとなってしま
う。またこのようなポリアセチレン型脂質により構成さ
れる生体適合性表面処理剤の場合、その重合は、化学的
開始剤や種々の電磁波、特に紫外線の照射によって行な
われているが、化学的開始剤を用いると、これが最終製
品中に残存することによる毒性の問題が生じ、また紫外
線照射では、例えばカテーテル内面のように紫外線の到
達しない部分での重合は不可能であった。
I10発明の目的 従って本発明は、新規な生体適合性表面処理剤を提供す
ることを目的とする。本発明はまた、新規な重合性脂質
を利用した生体適合性表面処理剤を提供することを目的
とする。本発明はさらに酸素の存在により重合し得る生
体適合性表面処理剤を提供することを目的とする。
上記開目的は、疎水性アシル鎖として、一般式%式%(
) で表されるエレオスアリン酸由来のアシル鎖を少なくと
も一つイーする重合性脂質からなる生体適合性表面処理
剤により達成される。
本発明はまた、重合性脂質が、一般式(II)[ただし
式中Rは十Cl−12±2N  (CH3):+、十〇
 H2±2 NG)t−13または一〇H2−CI−1
 (NQH3) −〇〇〇”である。]で表されるホス
フォリピドからなるものである生体適合性表向処理剤を
示すものである。本発明はさらに、一般式(II)のR
が+Cl−12±N0(Cト13)3である生体適合性
表面処理剤を示すbのである。
IIl、発明の詳細な説明 以下、本発明を実/IM態様に基づきより詳細に説明す
る。
本発明の生体適合性表面処理剤は、疎水性アシル鎖とし
て、一般式(I) CH3(CH2)3CH=CHCH=CHCH=CH(
CH2)7 C−(I )で表されるエレオステアリン
酸由来のアシル鎖を少なくとも一つ有する重合性脂質か
らなるものである。
本明細出において「脂質」とは親水性の極性部と少なく
とも一つの長鎖脂肪族アシル鎖からなる疎水性の非極性
部を有する両親媒性化合物を示し、例えばホスファチジ
ルフリン、ボスフ1チジルエタノールアミン、ホスファ
チジルセリンおよびホスファチジルグリセロールなどの
ようなホスフオリピド類、スフィンゴミエリンなどのよ
うなスフィンゴリピド類、セレブドシド、植物グリコリ
ピドおよびガングリオシドなどのようなグリコリピド類
、ホスフォノグリセリドなどのようなグリセリド類、グ
リセロールエーテル類、セラミド−2−アミノエチルホ
スフオン酸およびホスフォノグリセリドなどのようなホ
スフAノリピド類、その他、ジアルキルホスフェート類
、ジアルキルホスフォネート類、アル−1−ル小スノイ
ネートモリアルキルエステル類N、N−二置換ジメチル
アンモニウムハライド、トリアル1=ルメヂルアンモニ
ウムハライド、テトラアル−1−ルア)ン[ニウムハラ
イドなどのようなアルキルノノンモニウムハライト類、
ジアルキルスルボサクシン酸、]ニスf)し類、2,3
−シアシロキシスクシン酸類等のような脂質ないし脂質
類縁化合物の骨格をVj’TJるものをさす。なおこれ
らのうちアルキルノ7ン[ニウムハライド類などの骨格
を有するものとは、その骨格となる化合物のアルキル鎖
の端部あるいは側部にエステル結合によりアシル鎖が結
合しでいるような溝造のものである。
また上記脂′PXないし脂質類縁化合物群の名称は、脂
質の骨格となる(^’I 324を承りためのものであ
り、従ってその置換体おJ、σ九″1似化合物を含む広
い意味で解釈されるべさC゛、例えば該名称において「
アルキル」で表わした部分がアルケニル、アルカジェニ
ル、アルカ;へリエニル、アルキニルなどの不飽和炭化
水素基である化合物も含まれる。
本発明の生体適合性表面処理剤を構成する一般式(I)
で表わされる疎水性アシル鎖を少なくとも一つ有する重
合性脂質は、上記のごとき「脂質」の一種であってその
疎水性アシル鎖が合成的に導入されたものである。本発
明の重合性脂質としては生体適合性の面から上記に挙た
骨格のうち、ホスフオリピド類、スフィンゴリピド類、
グリコリピド類、グリセリド類、グリセロールエーテル
類あるいはホスフオノリピド類などのような天然に存在
する脂質の骨格を有するものが望ましく、特に一般式(
III ) [ただし式中、Rは十〇H2十N■(CH3>3(ホス
ファチジルコリン)、+C1−h±2N’H3(ケファ
リン)または−CH2−CH(N’H3>−COOo(
ホスノアデジルセリン)であり、またR+ 、R2は飽
和または不飽和炭化水素基であ−〇 − る。]で表される生体膜の構成成分としても代表的なホ
スフォリピド、さらに好ましくはボスク1デジルコリン
の骨格を右する心のが望まれる。
一般式(I)で表わされる疎水性アシル基の、上記のよ
うな骨18 ##造を1jヂる脂質への導入は、エレオ
ステアリン酸を出発物質として公知の方法より容易に行
なうことができる。このエレオステアリン酸は、一般式
(I′) CH3(CH2)3 C11=C11C1=CtlC1
1=C11(Ct12)7COOII (I ’ )で
表される第9.11.13位に共役二重合結合を有する
天然の不飽和脂肪酸であり、桐油中から容易に抽出でき
、δi合脂肪酸の80〜95重間%を占めている。この
桐油を加水分解して得られる桐油脂肪酸中にはエレオス
テアリン酸が60重量%以上、好ましくは80重量%以
上含有され、残存成分としては飽和酸、オレイン酸、リ
ノール酸等が含まれている13本発明の牛体適合f1表
面処理剤を調製する1=めに、この桐油脂肪酸をぞのま
ま天然不飽和脂肪酸として用いてもよく、また必要によ
りカラムク[17I・グラノィーおよび/または再結晶
等で精製してエレオステアリン酸のみを取り出して用い
てもよい。
例えば、ホスフォリピドの骨格ヘエレオステアリン酸よ
り一般式(1)で表わされるアシル鎖を導入するには、
以下のようにして行なわれる。もう一つの出発物質とな
る脂質の親水性極性部は、天然のホスフォリピド(その
多くは、飽和脂肪酸アシル鎖の疎水性非極性部を有する
。)より容易にかつ大量に得ることができる。天然のホ
スフォリピドは加水分解されて、特にその金属錯体から
、例えばカドミウム等の金属の錯体としてエレオステア
リン酸とのエステル化反応に供される。エステル化反応
は、天然のホスフォリビドの加水分解物ないしその金属
錯体をクロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン等の媒
体中に加えて攪拌下に懸濁させ、この懸濁液中にエレオ
ステアリン酸の耐力(匙水物誘導体をホスフォリピド加
水分解物100重量部あたり200〜400重量部、好
ましくは300〜370重量部および触媒を適当量加え
、反応系内をアルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガス
で置換した後、5〜40℃、好ましくは15〜25℃の
温1身で1q′5所にて24〜90時間、好ましくは4
0〜72時間反応させることで行なわれる。触媒として
は4−ジメチルアミノピリジンなどがあり、ホスノイリ
ピト加水分解物100重量部当り50〜100小量部、
好ましくは80〜85重量部使用される。反応後、白色
の不溶物が析出するので達人し、溶媒を室温で減圧留去
後、クロロホルム/メタノール/水の混合溶ts(容量
化=415/1)に再溶解してイオン交換樹脂と接触さ
せ、ついで洗い落す。混合溶媒を減圧留去後、少量のク
ロロホルムに溶解し、シリカゲルカラム等によりクロ1
−1ホルム、メタノール混合溶媒で精製し、一般式(■
1) [ただし式中Rは十C112す2 NG)(CH3)3
、+CH2+2 N” H3または−CH2−CH(N
ωH3)−COOなとである。]で表されるエレオステ
アリン酸ホスノオリピドを得る。
得られる生体適合性表面処理剤は、使用する出発原料に
よって異なり、例えば卵黄レシチンを使用する場合には
、一般式(IV)で示されるエレオステアリン酸ホスフ
1チジル]リン、またケファリンやホスファチジルセリ
ン等を使用した場合にはこれらに対応する生体適合性表
面処理剤が得られる。
υ このようにして得られる本発明の生体適合性表面処理剤
は、アシル鎖として一般式(I>で表されるような鎖中
に3個の共役二重結合を有するエレオステアリン酸由来
のアシル鎖を有する重合性脂質により構成されるので、
光、紫外線、β線、γ線、X線、などの電磁波、特に紫
外線を照射することによりこの疎水性アシル鎖中の3個
の共役二重結合が容易に架橋反応を起こし、重合性脂質
同志が重合してゲル化し安定な状態を形成する。
この共役トリエン型の重合性脂質は、その吸光スペクト
ルの極大波長が27Onll1以上の比較的低エネルギ
ー位置にあり(第2図参照)、それ自体が電磁波エネル
ギーによる重合を行なうため重合開始剤や増感剤、還元
剤などは必要とせず、これらの添加による毒性の心配も
ない。さらに驚くべきことにこの共役1〜リエン型の重
合性脂質は、単に空気中に放置することによっても重合
反応が生起することが見い出された。すなわら、該重合
性脂質は、酸素の存在にJ:つて自動的に酸化重合反応
を開始するものであって、この結果、電磁波を照射した
場合と同様に、安定な架橋重合体を形成するものである
。従って、例えばカテーテル内面のように紫外線の到達
し知い表面での重合も、酸素存在下に放置することC可
能となる。
本発明の生体適合性表面処理剤を構成する該単合性脂質
は、電磁波照射および/または、酸素接触を受ける前に
は、クロロホルム、エーテル、メタノール、ジメチルホ
ルムアミド等に可溶であるが、照射および/または接触
を受は重合しゲル化すると、これらの溶媒に対して全く
不溶となり、架橋重合によって著しい溶解度の差が生じ
るものである。
さらに好適なことには、本発明の生体適合性表面処理剤
は、両親媒性を有する重合性脂質より構成されるもので
あるので、疎水性の基体の表面に、該重合性脂質の疎水
性の非極性部、すなわちアシル鎖部分が配向して良好な
何着性を示し、かつ親水性の極性部が外側に向くので処
理表面を親水化することができる。なお、架橋重合を起
こす感応基である共役トリエン基は、アシル鎖中に存在
するので、架橋重合が起きた後においても、親水性の極
性部の性質には変化はない。
該手合性脂質はまた水性溶媒中に超音波処理等で分散さ
せると、自動的に脂質二重層構造よりなる小胞体、いわ
ゆるリポソームを形成する。該すポソームにおいで13
11、内方に疎水基、外方に親水基が配向している。こ
のリポソーム状態でも電磁波照射および/または酸素接
触により重合反応が生起する。なおこの場合にはリポソ
ーム懸濁液の紫外吸収スペク]・ルを観測し、共役トリ
エンに基づく紫外吸収バンドにおける吸光度の減少によ
り重合反応の進行を追跡することもできる。
本発明の生体適合性表面処理剤は、例えば、人工臓器、
人工血管1.]ンタクトレンズ、白液回路、血液バッグ
、血漿分離器、血液チューブ、組織ないし細胞培養シャ
ーレなどの医療用具の表面性質の改善に用いられる3、
このような医療用具等の基体の表面上への被覆法とし′
Cは種々あるが、簡単には該重合性脂質の溶液あるいは
リポソーム懸濁液を種々の基体」二に塗布し、溶媒ある
いは分散媒を蒸発させることで被覆できる。また水面上
に形成させた該重合性脂質の単分子層をラングミコアー
−7日−ジxツ1−法(1−angmuir−Blod
gett methOd、l−3法)により基体表面上
に累積さけて行なうこともできる。こう【ノ′c基体上
に被覆した重合性脂質を上記電磁波および/または酸素
により架橋重合させて、生体適合性表面処理剤を基体上
に担持固定させることができる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
実施例 エレオステアリン の無水物の製造 エレオステアリン酸800に相当する桐油脂肪酸を脱水
蒸留直後の四塩化炭素600威に溶解した、この溶液に
ジシクロへキシルカルボジイミド32.6oを加え、容
器内をアルゴンガスで置換して密封し、そのまま25℃
で24時間放置(時々撹拌)した。不溶成分を濾別し、
蒸留乾固した。
これをジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルで精
製したところ、29%の収率でエレオステアリン酸無水
物が得られた。
卵黄レシチン(キューピーPL−100>459を脱水
エーテル450rnlに溶解し、不溶物を濾別後、10
%濃度のテトラブヂルアンモニウムヒドロキシドのメタ
ノール溶液50In!!を加え、25℃の温度で激しく
振盪した11反応の進行に伴なって溶液は白濁し、次第
に層分離してくるので、これを静置し、褐色油状物を充
分沈澱させ、上澄をデカンテーションした。褐色油状物
を脱水エーテル1ooyで3回洗浄し゛たのも、脱水メ
タノール125iに加熱溶解させ、沸点還流下に脱色剤
1gを加えて熱時濾過した。冷却後、濾液に脱水エーテ
ル250rdを加え、析出沈澱を残してデカンテーショ
ンし、沈澱を熱Q40mlに溶解させた。
これに塩化カドミウム5/2水和物8gを純水20II
JRに溶解したものを加え、さらに活性炭2.5gおよ
び′fIQ色剤2(1を加えてel:点遠流後、濾紙お
よび0.25μ空ミリポアノイルターにで濾過した。こ
れにエタノール100〜150dを加えたところ、着色
沈澱が生成したので、これを除去して白濁溶液のみを採
取し、さらにエタノール100〜150IIdlを加え
て激しく振盪したところ、白色結晶が析出してきた。0
〜5°Cの温度で一夜静置後、析出結晶を瀘集し、脱水
メタノール、脱水エーテルおよび脱水ベンゼンの順で結
晶を洗浄し、さらに′fi酸化リンすで80℃の温度で
終夜真空乾燥したところ、56%の収率でホスファチジ
ルコリン加水分解物のカドミウム錯体が得られた。
エステル化による重合生脂質の製造 卵黄レシチン加水分解物カドミウム錯体6.74gに、
蒸留直後のクロロホルム160idを加えて撹拌下に懸
濁させた。これに桐油fJFi肪酸無水物24.70(
Ifおよび触媒である4−ジメチルアミノピリジン5.
61gを加え、容器内をアルゴンガスで置換したのち、
密栓し、暗所で25°Cの温度で60時間攪拌しながら
反応させた。このとき、白色不溶物が析出したので、こ
れを濾別し、溶媒を室温下減圧留人後、メタノール/ク
ロロホルム/水=5/4/ltm合溶l100rtd!
に再’?BWaせる。この溶液を再度濾過して濾液をイ
オン交換樹脂AG−501−X8 (D)  (Bio
−Red)カラムに注入し、先の混合溶媒500dで洗
い落した。
この溶媒を25°Cの温度で減圧留去したのち、クロロ
ホルムに再溶解してシリカゲルカラムによる精製を行な
ったところ、30%の収率でエレオステアリン酸ボスフ
戸デジル]リンが1けられた。その赤外線吸収スペク1
−ルは、第1図のとおりであった。
重合生リン16質からのリポソームの製造ニレオスデア
リン酸ホスノ1デジル]リン200mgをクロロホルム
6meに溶解した。このようにして得られた脂質溶液を
ブース型フラスコに入れ、エバポレータで溶媒を完全に
除去してブース型フラスコ底面に脂質膜を形成させた。
これにへペスバy 7ア(Hepes  butter
)  (10m M、 pH8゜0)10dを添加して
ボルラツクスミキ1ナーで振盪した後、デツプ型超音波
照!、F1機(40〜50W)でアルゴン気流4zに1
0分間処理したa処理液は白濁状態から透明分散液とな
り、リポソームの形成が確認された。また、走査型電子
顕微鏡により直径0.2〜0.5μmの球状粒子が観察
され、リポソームの形成が(イ「認された。
参考例 電磁波照射による生本適合性表I処理剤(リポソーム)
の重合例 75Wの水銀ランプを光源として照射距離12cm、サ
ンプル濃度10mMdとし、脱気下において、水温25
℃の水浴中で紫外線を照射したところ第2図に示すよう
にトリエンに基づ<272nmにおける吸光度が照射時
間の経過とともに減少していることから重合が進行して
いることが確認された。
酸素による生1適合性表面処理剤の重合側上記実施例で
得られたエレオステアリン酸ホスファデジル]リン50
0m(]を含むクロロホルム溶液を100dのナス型フ
ラスコに入れ、ロータリーエバポレーターでクロロホル
ムを減圧留去してナス型フラスコ内面にエレオステアリ
ン酸ホスファデジル]リンの薄膜を形成させた。これを
空気中昭所に室温下で一週間放置した。この結果、エレ
オステアリン酸ホスファチジル]リンは、空気中の酸素
により重合ゲル化し、クロロホルム、エーテル、メタノ
ール等の有機溶媒および水に対し全く不溶となった。
疎水性基体の親水化 上記実施例で1【IられたニレAステアリン酸ホスフ1
デジル」リンの1手間%メタノール溶液をポリスチレン
板に塗イIi L/で乾燥した。このポリスチレン板に
対し、75W水銀幻により空気中室温下で6時間紫外線
照射を行なった。ポリスチレン板を蒸溜水で十分洗浄後
、ポリスチレン板表面の水滴の接触角を測定した。ニレ
A゛ステアリン酸ホスファチジル]リンの被覆処理を施
していない対照用のポリスチレン板におりる接触角が6
6°であるのに対し、上記処理を施したポリスチレン板
の表面の接触角は21°であった。
1化層食性例皿邦 上記実施例で得られたニレオステアリン酸ホスファチジ
ル]リンの1重量%メタノール溶液をボリスヂレン製シ
ャーレ上に塗布し乾燥した。このポリスチレン製シャー
レに対し、75W水銀灯により窒素雰囲気中で12時間
紫外線照射を行なった。このポリスチレンシャーレにM
EM培地で1×105個(細胞)/dに調製したl−1
ela−33細胞浮遊液5m1を分注し、48時間培養
を行なった。48時間経過の後、このシャーレ表面を顕
微鏡で観察すると細胞が生着、伸展、増殖していること
が確認された。
IV、発明の具体的効果 以上述べたように本発明は疎水性アシル鎖として、一般
式(I)で表されるエレオステアリン酸由来のアシル鎖
を少なくとも一つ有する重合性脂質からなる生体適合性
表面処理剤であるから、生体膜を構成する成分とほぼ同
様の構造を有しその生体適合性は高く、接触する組織な
いし体液との相互作用は極めて少なく、また、天然に1
qられるエレオステアリン酸および天然に得られる脂質
を出発物質として簡単、大量かつ安価に合成され得るも
のであり、人工臓器、人工血管、]ンタクトレンズ、血
液回路、血液バッグ、血禁分離器、血液ヂコーブ、組織
ないし細胞培善用シャーレなどの医療用具の表面処理剤
として好適である。また該生体適合性表面処理剤を構成
する該重合性脂質の重合は、光、紫外線、β線、γ線、
X線などの電磁波を照射することにより容易に生起され
るのみならず、酸素の存在下においても生起するために
、単に空気中に一定時間放置しておくことのみによって
も該生体適合性表面処理剤が重合ゲル化し、安定な重合
↑ノ1膜を形成するので、従来のポリアセチレン型脂r
1の場合とは異なり、例えばカテーテルの内面のように
紫外線等の電磁波の到達しない部分あるいは電磁波照q
」によって劣化してしまう虞れのある脂質への適用も可
能となる。さらに好適なことには、該生体適合性表面処
理剤を疎水性の表面を有する基材へ適用すると、該重合
性脂質の疎水性である77シル鎖側が該基材表面方向へ
配向し、親水f1の(〜f1部が外側に向くので処理表
面を親水化することが11能である。
このような効果は、一般式(I)で表されるエレオステ
アリン酸111来のアシル鎖を少なくとも一つ有する重
合性脂質かニレAメチ7リン酸ij\スフオリピド、さ
らに好ましく it 、Iレオステアリン酸ホスファチ
ジル」リンである場合にはより顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の生体適合性表面処理剤の一実施例に
関する赤外線吸収スペクトルのチャートであり、また第
2図は、本発明の生体適合性表面処理剤の一実施例のリ
ポソーム形態における紫外線照射による重合の程度を示
す紫外線吸収スペクトルのチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)疎水性アシル鎖として、一般式( I )▲数式、
    化学式、表等があります▼( I ) で表されるエレオステアリン酸由来のアシル鎖を少なく
    とも一つ有する重合性脂質からなる生体適合性表面処理
    剤。
  2. (2)重合性脂質が、一般式(II) ▲数式、化学式、表等があります▼(II) [ただし式中Rは−(CH_2)−_2N^■(CH)
    、−(CH_2)−N^■H_3または−CH_2−C
    H(N^■H_3)−COO^■である。]で表される
    ホスフォリピドからなるものである特許請求の範囲第1
    項に記載の生体適合性表面処理剤。
  3. (3)一般式(II)のRが、−(CH_2)−N^■(
    CH_3)_3である特許請求の範囲第2項に記載の生
    体適合性表面処理剤。
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