JPH0710874B2 - 重合性リン脂質 - Google Patents

重合性リン脂質

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JPH0710874B2
JPH0710874B2 JP28461186A JP28461186A JPH0710874B2 JP H0710874 B2 JPH0710874 B2 JP H0710874B2 JP 28461186 A JP28461186 A JP 28461186A JP 28461186 A JP28461186 A JP 28461186A JP H0710874 B2 JPH0710874 B2 JP H0710874B2
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    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
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    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はリン脂質化合物に係り、特には、重合性の基
を有するリン脂質化合物(グリセロホスホコリン化合
物)に関する。
[従来の技術] 現在、医薬物質や酵素などを微小なカプセルに封入して
医薬品として提供する試みが種々なされている。このよ
うなマイクロカプセル化の初期の方法は、乳化方法によ
る高分子化合物のカプセル化(特公昭45−2757号および
特公昭50−17950号)や界面重縮合反応による重合体
(ポリアミドなど)の生成を伴なったカプセル化(特公
昭53−7395号および特公昭53−7396号)である。しかし
ながら、これらの方法では粒径が大きい(数μm〜1000
μm)カプセルしか形成できないという欠点があり、得
られたカプセル例えば医薬品として使用するには問題が
あった。
ところで、医薬物質や酵素をマイクロカプセルに封入す
る主な目的は、生体内で不安定な医薬物質や酵素の活性
を長時間保持させ、その効果を長時間持続させることで
ある。このような条件をかなりの程度に満足する技術と
して、生成膜の成分である各種のリン脂質が水中で微小
な球状の集合体(リポソーム、粒径0.02〜10μm)を形
成することを利用して、重合性の基を有する両親媒性の
脂質化合物を合成し、これによって形成されるリポソー
ムをそのままの状態(形状)を保って重合し、安定なマ
イクロカプセルを得る技術が最近、報告されている。例
えば、エス・エル・レーゲン(S.L.Regen)他によるジ
ャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィ(Journal of the American Chemical Society),10
4,791−795(1982)(以下文献(I)という)、エイチ
−エイチ・ハブ(H−H.Hub)他によるアンゲバンテ・
ヒーミー・インターナショナル・エディション(Angewa
ndte Chemie International Edition)英語版、19,938
−940(1980)(以下文献(II)という)、およびアキ
モト他によるアンゲバンテ・ヒーミー・インターナショ
ナル・エディション(Angewandte Chemie Internationa
l Edition)英語版、20,90−91(1981)(以下文献(II
I)という)がある。
また、これらの重合性の脂質化合物は、同時に各種材料
の表面改質等の手法の一つとして利用されている。すな
わち、重合性の官能基(ジアセチレン基,ジエン基,ビ
ニル基等)を有する両親媒性の脂質化合物を用い、これ
を材料表面に単層膜又は多層膜として形成した後、適当
な重合方法(例えば、紫外線の照射)により架橋化さ
せ、安定なフィルムを形成する方法が検討されている。
例えば・エス.エル・レーゲン(S.L.Regen)他、マク
ロモレキュールズ(Macromolecules),16巻,335〜338
頁,1983年(以下文献(IV)という)等の文献を参照。
これらの既知化合物では、重合性官能基としては、ジイ
ン基,ジエン基,ビニル基(アクリル酸,メタクリル酸
等)などが用いられている。これらの化合物から成るリ
ポソーム(ベシクル)あるいは単層(多層)膜を重合さ
せ安定なマイクロカプセルあるいは架橋膜を得るには、
重合開始剤として適当な化合物(例えば、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ化合物,過酸化ベンゾイル等の
有機過酸化物,過硫酸カリウム等)を用いるか、あるい
は直接紫外線を照射する方法がある。しかしながら重合
開始剤を添加する方法は、重合性脂質以外の成分(重合
開始剤)を膜内に包埋させる必要があり、その操作が繁
雑なこと、更には膜内分子の既製配列を乱す為生成する
重合膜の安定性を損なう等の欠点があり、重合方法とし
ては、直接紫外線等を照射する方法が好ましい。紫外線
照射により重合し易い集合性基は、ジイン基及びジエン
基である。
[発明が解決しようとする問題点] いずれにしろ、光の照射によって、より容易に重合し、
その重合によってマイクロカプセルを形成する重合性脂
質化合物を開発することがますます要求されている。
この発明の目的は、光重合性の高いジエン残基を有し、
重合によってマイクロカプセルあるいは架橋重合膜を形
成する新規な重合性脂質化合物を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] この発明によれば、一般式 (nは6ないし12の整数、およびlは13ないし21の整
数)で示されるホスファチジルコリン型重合性リン脂質
が提供される。
式(A)で示されるこの発明のリン脂質化合物を製造す
るには例えば次の方法で行なう。
まず、一般式 (ここでnは既述の通り)で示される化合物を準備す
る。この化合物は、トリエチル4−ホスホノクロトネー
トとアルキルアルデヒドを用い、文献(K.Dorn et al,J
ournal of the American Chemical Society,106巻,1627
頁,1984年)の方法を改良して例えば、無水テト ラヒドロフランを溶媒として反応を行った後、シリカゲ
ルカラム(溶出溶媒:ベンゼン/エーテル(20/1))を
用い、目的とするtrans−2,trans−4−アルカナジエン
酸エチルエステル(C)を単離した後、この化合物
(C)を1〜20当量モルの水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム等の塩基を含む含水溶媒(例えば、アルコール
(メタノール又はエタノール)−水混合物)中、30〜60
℃で3時間〜24時間反応させた後、濃塩酸等の酸を過剰
に加えて酸性化することによって式(B)で示される化
合物が得られる。
式(B)で表わされる脂肪酸に、例えば塩化オキサリル
2〜30倍モルを添加し、50〜70℃で1〜3時間反応させ
て、対応する酸塩化物(D)を定量的に得る。
(nは既述) これと一般式 (ここで、lは上記の通り)で示されるグリセロール誘
導体とを縮合させて一般式 (nおよびlは既述の通り) で示される化合物を得る。この縮合反応は、式(B)の
化合物と式(E)の化合物をモル比0.5:1ないし3:1の割
合で用い、適当な溶媒(例えば、無水テトラヒドロフラ
ン,クロロホルム,ジクロロメタン等)中で0℃ないし
30℃の温度でおこなう。その際、反応促進助剤として例
えばN,N−ジメチルアミノピリジンを0.01ないし0.1当量
モル程度加えてもよい。反応時間は、通常、1時間ない
し48時間である。
式(B)で示されるカルボン酸誘導体を活性化する方法
として、上述の酸ハロゲン化合物法に代えて適当なカル
ボン酸活性化試薬例えば1〜1.2当量モルのジシクロカ
ルボジイミドの存在下で活性化して酸無水物とした後、
一般式(E)で示される化合物と反応させることによ
り、一般式(F)で示される化合物を合成することもで
きる。
次に、式(F)の縮合生成物を、フォン・アール・ハー
ト(Von R.Hirt)他によってファルマセンティカ・ア
クタ・ヘルベスタ(Pharm・Acta Helv.),33,349(195
8)に記載されている方法もしくはエヌ・エス・チャン
ドラクマール(N.S.Chadrakumar)他によってテトラヘ
ドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)23,1043(1
982)に記載されている方法に準じて以下に示す工程で
反応させることによって目的とする式(A)のリン脂質
化合物が得られる。
この発明のホスホコリン型リン脂質化合物は、天然リン
脂質からリポソームを得るための一般的な方法(例え
ば、ディー・パパハジョポーラス(D.Papahadjopoulo
s)他によるビュオシミカ・エ・ビュオフィジカ・アク
タ(Biochimica et Biophysica Acta),135,639−652
(1967)参照)等に準じて、1種または2種以上を処理
することによって水中で粒径0.02〜10μmのリポソーム
を形成することができる。このリポソームの形成に当
り、この発明のリン脂質化合物とともに、リポソーム形
成能を有する非重合性のリン脂質(例えば、卵黄レシチ
ン,ジパルミトイルレシチン,ジミリストイルレシチ
ン,ジステアロイルレシチン,ホスファチジルエタノー
ルアミン,ホスファチジルセリン,ホスファチジン酸,
ジセチルリン酸等)および(または)コレステロールを
用いてもよい。
また、式(A)の化合物においてnの値が大きい方が安
定なリポソームを形成しやすい。こうして得られるリポ
ソーム分散水溶液に不活性気体(アルゴン,窒素等)雰
囲気下で紫外線全光または紫外線単色光(例えば、240n
m,310nm)を照射することによって迅速に重合反応が進
行し、安定なマイクロカプセルが生成する。熱重合に際
しては、各種の一般的な重合開始剤等を用いて重合を行
っても良い。
又、この発明のホスホコリン型リン脂質化合物は、一般
的な方法(例えば、エス・エル・レーゲン(S.L.Rege
n)他、マクロモレキュールズ(Macromolecules)第16
巻,335〜338頁1983年参照)に従い、被改質材料(例え
ばプラスチック材料等)の表面に単分子状に配列させた
後、紫外線照射などの方法により重合反応を誘起させ、
被改質材料の表面に安定な重合膜を形成できる。
この発明のホスホコリン型リン脂質化合物から得られる
マイクロカプセルはその中に医薬物質や酸素等を封入
(医薬物質や酵素等を含有する生理的に許容できる水溶
液中での重合による)することによって医薬品として、
あるいは臨床検査等各種検査用試薬として期待できる。
また、写真用感光剤等や色素等を封入することによっ
て、より鮮明な写真や印刷画像を得るための材料ともな
る。またフォトレジスト材料や各種材料の表面改質剤と
しても用いることができる。
[実施例] 以下に実施例を記載する。
合成例A〜D 2,4−アルカナジエン酸の合成(一般式
(B)) (合成例A) シリカゲルブルー乾燥管付フラスコ中に、水素化ナトリ
ウム(60%in oil,710mモル)と無水テトラヒドロフラ
ン1を仕込み、0℃に冷却した。撹拌しながら、トリ
エチルホスホノクロトネート177.5g(710mモル)を無水
テトラヒドロフラン0.1に溶解した溶液を1時間かけ
て滴下した後、0℃で1時間撹拌した。これに、テトラ
デシルアルデヒド(947mモル)を無水テトラヒドロフラ
ン0.5に溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、0
℃で1時間、更に30℃で1時間撹拌した。0℃に再冷却
した後、水2と飽和食塩水2を加えた。水層をエー
テル/ヘキサン(1.2/1.2)で抽出後、更にヘキサ
ン(2)で抽出した。有機層を合し、無水硫酸ナトリ
ウムにて脱水処理を行った。濾過後、溶媒を留去した残
渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:n−ヘキサン/エーテ
ル(15/1)にて精製し、目的部(薄層クロマトグラフィ
ー,シリカゲル,n−ヘキサン/エーテル=20/1,Rf=0.2
3)を集めた。trans−2,trans−4−オクタデカジエン
酸エチルエステル59.2g(収率19%)を得た。IR(nea
t):1720(υC=O,エステル),1615,1640cm-1(υ
C=C,ジエン)。
上記で得たエステル53.4grに、エタノール0.25、水酸
化カリウム(17.5g)/水0.15を加え、50℃浴中で5
時間撹拌した。
水流ポンプにて溶媒を留去して得た残渣に水0.8を加
えた。更に、濃塩酸20mlを添加後、充分撹拌した。生成
した沈殿を濾集し、充分水洗した後、一旦、減圧下で乾
燥した。これを、n−ヘキサン0.7より再結晶し、目
的とするtrans−2,trans−4−オクタデカジエン酸40.6
g(収率84%)を得た。mp.68℃;IR(KBr):1680(υ
C=O,−COOH),1610,1635cm-1(υC=C,ジエ
ン);EIマススペクトル:280(M+)(C18H32O2のMW28
0);13C−NMRスペクトル(CDCl3,テトラメチルシラ
ン): 炭素番号 δ(ppm) 1 10.9 2 19.5 12 25.5 4〜11 26.4〜26.0 3 28.7 13 29.9 17 115.0 15 125.0 14,16 143.1,144.4 18 169.5 (合成例B〜D) 同様の方法を用い、テトラデシルアルデヒドのかわりに
ドデシルアルデヒド,デシルアルデヒド又はオクチルア
ルデヒドを用い相当するtrans−2,trans−4−アルカナ
ジエン酸を得た。分析結果を表に示す。
各化合物は、2,4−オクタデカジエン酸(合成例A)と
ほぼ同一の13C−NMRスペクトル,IRスペクトルを示し
た。
合成例E〜J(rac−グリセロールアルキルエーテル−
2(式(E)で示される化合物)の合成) H.Hibbert 他によってJ.Amer.Chem.Soc.,62,1601−161
3(1929)に記載された方法に従って得た2−フェニル
−5−m−ジオキサノールをD.Arnold他によってJus.Li
eb.Ann.Chem.,709,234−239(1967)に記載された方法
に従って臭化アルキル(すなわち、臭化ミリスチル、臭
化パルミチル、臭化ステアリルまたは臭化エイコシル)
と反応させて、それぞれ相応する2−アルキルオキシ−
1,3−プロパンジオールを合成した。
その内のrac−グリセロール−ステアリルエーテル−2
(式(E)において、n=17の化合物)合成例E)の分
析結果を以下に示す。
元素分析値:H 12.84(12.8) (重量%) C 73.75(73.3) 括弧内の値はC21H44O3の計算値 質量スペクトル:344(M+13 C−NMRスペクトルδ値(ppm):CDCl3,テトラメチルシ
ラン(TMS) その他の化合物の構造についても同様にして確認した。
以下の表に分析結果をまとめて示す。
表において元素分析値の括弧内の値は計算値 合成例1〜4 1−(2,4−アルカナジエノイル)−2−O−アルキル
グリセロール(一般式(F)の化合物)の合成 (合成例1) 塩化カルシウム乾燥管付フラスコ中で2−オクタデシル
オキシ−1,3−プロパンジオール5g(14.5ミリモル)を
無水塩化メチレン250mlに溶解した後、無水ピリジン0.9
5g(12ミリモル)を加えた。これを撹拌しながら、オク
タデカ−2,4−ジエノイルクロリド(10ミリモル)を無
水塩化メチレン40mlに溶解した溶液を室温下でゆっくり
滴下した。滴下終了後、N,N−ジメチルアミノピリジン1
0mgを加えた後、N2ガスで置換した。暗所、室温で一夜
撹拌した。続いて、1N HCl,飽和食塩水,5%Na2Cl3,飽
和食塩水の順で洗浄した後、有機層を無水硫酸ソーダで
乾燥した。濾過して得た濾液を減圧下で濃縮した後、一
旦減圧乾燥した。残渣を、シリカゲルカラム(5×40c
m)を用い、ベンゼン/エーテル=10/1を溶出溶媒とし
て用い精製し、目的部を集めて減圧下で溶媒を留去した
後、減圧乾燥を行い、目的物1−(2,4−オクタデカジ
エノイル)−2−O−オクタデシルグリセロール(一般
式(F)のn=12,l=17の化合物)3.74g(収率62%)
を得た。
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,ベンゼン/エー
テル=9/1): Rf=0.25(UV,I2) 質量スペクトル:606(M+) 赤外吸収スペクトル(KBr)(cm-1):1720(υC=C
エステル)、1640,1620(υC=C,ジエン)、3400
(υOH,アルコール) 元素分析値(重量%):H12.87(12.29)、C77.17(77.1
7) (但し、括弧内の値は、C39H74O4(分子量607.012)の
計算値を表わす。
mp.44.5〜45℃13 C−NMRスペクトル(CDCl3,TMS): δ(ppm) 炭素番号 14.1 1,1′ 22.7 2,2′ 26.1 17′ 28.7 12 29.8〜29.2 4〜11,4′〜16′ 32.0 3,3′ 33.1 13 62.7,62.0 a,c 70.6 18′ 77.8 b 118.5 17 128.3 15 145.9,145.4 14,16 167.2 18 全く同様の方法で、下記の化合物を得た。
合成例2,3,4で得た化合物は、合成例1で得た化合物と
ほぼ同一の赤外吸収スペクトル及び13C−NMRスペクトル
を与えた。
実施例1〜4 1−(2,4−アルカナジエノイル)−2−O−アルキル
−グリセロ−3−ホスホコリン(一般式(A)の化合
物)の合成 (実施例1) 合成例1で得た1−(2,4−オクタデカジエノイル)2
−O−オクタデシルグリセロール3.6g(5.93ミリモル)
を塩化カルシウム乾燥管付フラスコ中で無水ベンゼン50
mlに溶解し、これに無水トリエチルアミン0.72g(7.1ミ
リモル)を加え、10℃水浴上で冷却した。これを撹拌し
ながら2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホス
ホラン1.01g(7.1ミリモル)を無水ベンゼン5mlに溶解
した溶液でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温下、暗
所で一夜撹拌した。反応混合物を濾過し、不溶物を除去
した。濾液を減圧下で濃縮した後、残渣を減圧乾燥し
た。残渣を乾燥N,N−ジメチルホルムアミド/無水ベン
ゼン(15ml/30ml)に溶解後、無水トリメチルアミン20m
lを加え、ステンレス耐圧管中、60℃浴上で4時間反応
した。氷冷後、アセトン0.2を加えた後、沈殿を濾集
し、アセトン洗浄後、減圧乾燥した。これを、クロロホ
ルム/メタノール=20ml/20mlに溶解後、両性イオン交
換樹脂(Bio−Rad社,AG501−X8(D))0.1カラムを
通し、溶出液を減圧下で濃縮した後、一旦減圧乾燥を行
った、これを、無水ベンゼン/無水メタノール(5/1)
より凍結乾燥して、目的物(1−(2,4−オクタデカジ
エノイル)−2−O−オクタデシル−グリセロ−3−ホ
スホコリン、一般式(A)のn=12,l=17化合物)2.7g
(収率59%)を得た。
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,クロロホルム/
メタノール/水(65/25/4):精製卵黄ホスファチジル
コリン(Sigma社)と同じRf値を示した。
元素分析値(重量%):N1.70(1.81) 但し括弧内の値は、C44H86N1O7P1(分子量772.140)の
計算値を示す。
FABマススペクトル:772(M+1) 赤外吸収スペクトル(KBr)(cm-1):1710(υC=O
エステル)、1640,1620(υC=C,ジエン)、1250
(υP=O、1090,970(ホスホコリン)13 C−NMRスペクトル(CDCl3,TMS); δ(ppm) 炭素番号 14.1 1,1′ 22.7 2,2′ 26.1 17′ 28.8 12 29.8〜29.4 4〜11,4′〜16′ 31.9 3,3′ 33.1 13 54.3 f 59.5 d 64.4 a,c 66.3 e 70.6 18′ 76.6 b 118.8 17 128.2 15 145.6,145.1 16,14 167.1 18 全く同様の方法で、下表の化合物(実施例2〜4)を得
た。
実施例2,3,4で得た化合物は、実施例1で得た化合物と
ほぼ同一の赤外吸収スペクトル及び13C−NMRスペクトル
を与えた。
[発明の効果] 以上述べたように、この発明によれば、重合によってマ
イクロカプセルあるいは架橋重合膜を形成する重合性リ
ン脂質が提供される。この化合物においてはグリセロー
ル−2位の結合様式がエーテル型であるため、酵素であ
るホスホリパーゼA2による分解を受け難いので、生体内
においてより高い安定性を有する膜の製造が期待でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 36/14 MPL

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (ここで、nは6ないし12の整数、およびlは13ないし
    21の整数)で示されるホスファチジルコリン型重合性リ
    ン脂質。
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