JPH0261957B2 - - Google Patents

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JPH0261957B2
JPH0261957B2 JP14096382A JP14096382A JPH0261957B2 JP H0261957 B2 JPH0261957 B2 JP H0261957B2 JP 14096382 A JP14096382 A JP 14096382A JP 14096382 A JP14096382 A JP 14096382A JP H0261957 B2 JPH0261957 B2 JP H0261957B2
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Japan
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compound
chloroform
polymerization
phospholipid
solution
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JP14096382A
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JPS5931786A (ja
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Etsuo Hasegawa
Yoichi Matsushita
Kyoshi Ejima
Hidetoshi Tsuchida
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Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
Original Assignee
Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
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Publication date
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Publication of JPH0261957B2 publication Critical patent/JPH0261957B2/ja
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes, liposomes coated with polymers
    • A61K9/1273Polymersomes; Liposomes with polymerisable or polymerised bilayer-forming substances

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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明はリン脂質化合物に係り、特に、重合
性の基を有するホスフアチジルコリン型リン脂質
化合物に関する。 現在、医薬物質や酵素などを微小なカプセル封
入して医薬品として提供する試みが種々なされて
いる。 このようなマイクロカプセル化の初期の方法
は、乳化法による高分子化合物のカプセル化(特
公昭45−2757号および特公昭50−17950号)や界
面重縮合反応による重合体(ポリアミドなど)の
生成を伴なつたカプセル化(特公昭53−7395号お
よび特公昭53−7396号)である。しかしながら、
これらの方法では、例えばカプセル化材料である
重合体の著しい毒性やその合成過程で必要な有機
溶媒(例えば、ジオキサン、アセトン、キシレ
ン、ベンゼン)がカプセル中へ残存することによ
る毒性、さらにはカプセルの粒径が大きい(数
μm〜1000μm)ために血栓などの障害を引き起し
易いという問題があり、得られたカプセルを医薬
品として使用するには問題があつた。 ところで、医薬物質や酵素をマイクロカプセル
に封入する主たる目的は、主として、生体内で不
安定な医薬物質や酵素の活性を長時間保持させ、
その効果を長時間持続させることである。 したがつて、特に医薬品としてマイクロカプセ
ルを使用することを目指す場合、既述の従来技術
の問題点を含めて次の条件が特に必要となる。す
なわち、 (1) マイクロカプセル粒径をより微少化(数μm
以下)すること、 (2) 生体内におけるカプセルの安定性を向上させ
ること、および (3) カプセル材料の毒性を低下させることであ
る。 このような条件をかなりの程度に満足する技術
として、生体膜の成分である各種のリン脂質が水
中で微小な球状の集合体(リポソーム、粒径0.05
〜10μm)を形成することを利用して、重合性の
基を有するリン脂質化合物を合成し、これによつ
て形成されるリポソームをそのままの状態を保つ
て重合し、マイクロカプセルを得る技術が、最
近、報告されている。例えば、S.L.Regen他によ
るJournal of the American Chemical
Society,104,791〜795(1982)(以下、文献
()という)、H−H.Hub他によるAngewante
Chemie International Edition英語版、19,938
〜940(1980)(以下、文献()という)、および
A.AkimotoらによるAngewante
ChemieInternational Edition英語版、20,90〜
91(1981)(以下、文献()という)参照。これ
ら文献()〜()には次に示す重合性リン脂
質化合物が記載されている。 文献 () K1303 および K1304 文献 () K1305 および K1306 文献 () K1307 これら合成リン脂質化合物は水中でリポソーム
(あるいはベヒクル)を形成する。このリポソー
ムをそのままの状態でマイクロカプセル化させる
には、各化合物における重合性の基(すなわち、
文献()の化合物ではビニル基、文献()の
化合物ではジアセチレン基、文献()の化合物
ではブタジエン基)を重合させる必要がある。文
献()の化合物の重合を開始させるには、適当
な重合開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の有
機過酸化物系開始剤、過硫酸カリウム等の開始
剤)を加えることが必要である。したがつて、文
献()の化合物は、これを重合させた場合、重
合開始剤断片が残存し、その毒性が問題となつて
くる。なお、この化合物は柴外線照射によつても
重合可能であるが高いエネルギーを必要とし、よ
り短波長光を必要とする。 文献()および()の化合物は柴外線の照
射により重合するので、文献()の化合物にみ
られるような問題は生じない。しかしながら、そ
の重合は、文献()の化合物では、 K1308 文献()の化合物では、 K1309 等の形式で進行し、得られるカプセル化重合体中
に多数の不飽和結合が残る。不飽和結合部位は生
体内において代謝を受け易く、その代謝物(ビニ
ル基のエポキシ化物等)が著しく毒性の高いもの
となる可能性がある。 したがつて、この発明の目的は、重合開始剤の
添加を必要とせずに重合してマイクロカプセル化
することができ、しかも重合して得られるマイク
ロカプセル重合体中に不飽和結合が残存しないタ
イプの合成リン脂質化合物を提供することであ
る。 この発明によれば、一般式 K1310 (ここで、mは0または1、nは1ないし10の
正の整数、およびlは13ないし21の正の整数)で
示されるホスフアチジルコリン型リン脂質化合物
が提供される。 一般式(A)で示されるこの発明のリン脂質化合物
を製造するには、まず一般式 K1311 (ただし、mおよびnは既述のとおり)で示さ
れる酸クロリドを一般式 K1312 (ただし、lは既述のとおり)で示されるグリ
セロール誘導体と縮合反応させて一般式 K1313 を得る。この縮合は式(B)と式(C)の化合物をモル比
0.5:1ないし3:1の割合で用い、適当量の脱
塩酸剤(ピリジン等)を含有する適当な溶媒(例
えば、無水のテトラヒドロフラン、クロロホル
ム、ジクロルメタン等)中で0℃ないし30℃の温
度でおこなう。反応時間は、通常、1ないし20時
間である。 ついで、式(D)で示される縮合生成物をVon R.
Hirt他によつてPharm.Acta Helv.,33,349
(1958)に記載されている方法に準じて次に示す
工程で反応させることによつて目的とする一般式
(A)の化合物が得られる。 K1314 なお、式(B)で示される酸クロリドのうち、mが
0のものは、Y.Iwakura他によつてBull.Chem.
Soc.,Jap.,41,186〜191(1968)に記載されて
いる方法に従つてp−カルボキシスチレンと塩化
チオニルとを反応させることによつて合成でき
る。また、式(B)で示される酸クロリドのうちmが
1の場合は、まず、S.Swan他によつてOrganic
Synthesis,,276(1950)に記載された方法を
改良して得られる式 K1315 (ただし、nは既述のとおり、Rはメチル基、
エチル基、プロピル基またはブチル基)で示され
るアルカンジカルボン酸モノエステル・モノクロ
リドを無水塩化アルミニウムの存在下に臭化エチ
ルベンゼンと反応させて式 K1316 (ただし、nおよびRは既述のとおり)で示さ
れる化合物を得る。ついでこれを過剰のアルカリ
(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)
とアルコール中で加熱反応させた後、塩酸等で酸
性化して式 K1317 で示される化合物を得る。これを塩化チオニルま
たはシユウ酸クロリド等と反応させることによつ
て式(B)で示される化合物が得られる。 一般式(C)で示されるグリセロール誘導体はD.
Arnoldらによつて、Lieb.Ann.Chem.,703,234
〜239(1967)に記載されている方法を改良して、
2−フエニル−5−m−ジオキサノールとアルキ
ルブロミドを反応させた後、エタノール中で硫酸
により加水分解することによつて得られる。な
お、一般式(C)で示されるグリセロール誘導体のう
ちlが13,15,17,19または21のものを合成する
ための原料であるアルキルブロミドは市販品とし
て安価に入手できるので都合がよい。 この発明のホスフアチジルコリン型リン脂質化
合物は、天然リン脂質からリポソームを得るため
の一般的な方法(例えば、D.Papahadjopoulos他
によるBiochimia et Biophysia Acta,135
639〜652(1967)等参照)に準じてその1種また
は2種以上を処理することによつて水中で粒径
0.03〜1μmのリポソームを形成する。リポソーム
の形成のしやすさは、一般式(A)においてmが0の
ときよりもmが1のときの方が大きく、また、n
の値は大きい方がよい。こうして得られるリポソ
ーム分散水溶液に柴外光全光や柴外単色光(例え
ば、240nm,310nm)を照射することによつて迅
速に重合反応が進行し、マイクロカプセルが生成
する。この重合に際して重合開始剤等の添加剤を
加える必要は一切ないとともに、既述の文献
()および()における化合物のように重合
体中に不飽和結合が残存することはない。この発
明のホスフアチジルコリン型リン脂質化合物はそ
れ自体の毒性も低い。 したがつて、この発明のホスフアチジルコリン
型リン脂質から得られるマイクロカプセルはその
中に医薬物質や酵素等を封入(医薬物質や酵素等
を含有する生理的に許容できる水溶液中での重合
による)することによつて医薬品として、あるい
は臨床検査等各種検査用試薬として有用である。
また、写真用感光剤等や色素等を封入することに
よつてより鮮明な写真や印刷画像を得るための材
料ともなる。 以下、この発明の実施例を記す。 実施例 1 (A) 1−(p−ビニルベンゾイル)−グリセロール
−ステアリルエーテル−2の合成 (A−1) H.Hibbert他によるJ.Amer.Chem.
Soc.,62,1601〜1613(1929)に記載の方法に
従つて得た2−フエニル−5−m−ジオキサノ
ール(
【式】)をD.Arnold 他によるJus.Lied.Ann,Chem.,709,234〜
239(1967)に記載の方法に従つて臭化ステアリ
ルと反応させて、2−ステアリロキシ−1,3
−プロパンジオールを合成した。 元素分析値:H12.84(12.8) (重量%、以下同じ) C73.75(73.3) ただし、( )内の値はC21H44O3の計算値
【表】 (A−2) 2−ステアリロキシ−1,3−プロ
パンジオール4.55グラム(13.2ミリモル)に無
水クロロホルム30mlおよび乾燥ピリジン2.5ml
を加えて溶解し、これにY.Iwakuraらによる
Bull.Chem.Soc.,Jap.,41,186〜191(1968)
に記載の方法に従つて合成したp−ビニルベン
ゾイルクロリド2.2グラム(13.2ミリモル)の
無水クロロホルム(15ml)溶液を30分間かけて
徐々に滴下した。この反応溶液を室温で18時間
撹拌した後、これを0.5N塩酸各50mlで2回、
水各50mlで3回、炭酸ナトリウム1%水溶液50
mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。
得られた溶液をろ過し、減圧下で溶媒を除去し
た。残分をシリカゲルカラム(直径4.5cm、長
さ35cm)分画に供し、目的分画を集め、溶媒を
減圧留去した後、油状残分をオイルポンプを用
いて50℃で乾燥して目的物を得た。収量3.6グ
ラム。シリカゲル薄層クロマトグラフイー
(TLC)(溶媒クロロホルム):Rf=0.23(柴外線
吸収、2による呈色あり) 質量スペクトル:M+=474(分子量474) 元素分析値:C76.07(75.9) H10.60(1.05) ただし、( )内はC30H50O4の計算値
【表】 (B) rac−(p−ビニルベンゾイル)−2−0−ス
テアリル−グリセロ−3−リン酸モノ(2′−ブ
ロモエチル)エステルの合成 Von R.HirtらによるPharma.Acta.Helv.,33
349(1958)に記載の方法に従つて合成したCl2P
(O)CH2CH2Br5.0グラムの無水クロロホルム
(15ml)溶液を氷冷し、これにトリエチルアミン
5ml、および上記(A)で得たモノオール1.5グラム
のクロロホルム(10ml)溶液を2時間かけて別々
のロートから同時に滴下した。この反応溶液を室
温で2時間反応させた後、TLCで反応の進行を
確認した。ついで、この反応溶液を氷冷し、これ
に0.5N塩化カリウム水溶液20mlを1時間かけて
滴下した。さらに1時間撹拌した後メタノール15
mlを加え、クロロホルム層(暗赤色)を分液し
た。クロロホルム層を水20mlで洗浄した後、硫酸
ナトリウムで乾燥した。これを減圧下で蒸発さ
せ、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(クロロホルム/ミタノール=10/1)で目的物
(黄色油状) を単離した。収量1.4グラム。 シリカゲルTLC (クロロホルム/メタノール=20/1):Rf
0.75(紫外線吸収、I2により呈色あり)
【表】 (C) rac−1−(p−ビニルベンゾイル)−2−O
−ステアリル−グリセロ−3−ホスホコリンの
合成 前記(B)で得たリン酸エステル化合物1.3グラム
を無水ブタノン15mlに溶解し、ドライアイス−メ
タノール浴でトラツプして冷却し液化したトリメ
チルアミン15mlを加えてステンレス管中に入れて
封管し、55℃に熱し、撹拌しながら10時間反応さ
せた。管を開放し、これを0℃に冷却し、生じた
沈でん(生成物)をろ集し、アセトンで洗浄した
後乾燥した。この生成物から臭素イオンを除去す
るためこれをメタノール50ml−水5mlの混合溶媒
に懸濁させAg(OOCCH3)2グラムを加え、暗
所で撹拌しながら2時間反応させた。反応溶液を
ろ過し、ろ液を濃縮した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(クロロホルム/メタノール/
水=65/25/5)分画に供し、目的分画を集め、
濃縮した。濃縮物をクロロホルムに溶解し、多量
のアセトン中に注下、再沈でんさせ、沈でんを遠
心分離し、真空乾燥して目的とするホスフアチジ
ルコリン型リン脂質化合物を得た。 シリカゲルTLC (クロロホルム/メタノール/水=65/25/
5):Rf=0.25(紫外線吸収、I2による呈色あ
り)
【表】 参考例 1 実施例1で得たリン脂質化合物を濃度が3.5×
10-5Mとなるように水に加えた。これを窒素下で
超音波処理(75W,40℃で5分間)し、さらに室
温で1時間放置した後、500Wの水銀灯(牛尾電
機製UI−501C型)を用い、光路長30cmで光照射
した。リン脂質化合物の紫外吸収スペクトルを経
時的に測定した。反応に伴い、特性吸収帯(λnax
260nm付近)の吸収が減少し、約15分後に該吸収
が消失し、重合が完了したことを確認した。この
重合物の形状を電子顕微鏡(日立製H−500型)
によつて測定したところ、平均粒径0.25μmの微
小球形であることがわかつた。この重合物液に等
溶積のエタノールを加えたところ、その形状は変
化せず、重合マイクロカプセルが重合前に較べて
安定であることがわかつた。また、重合前のリポ
ソーム(ベヒクル)の脂質二重層の熱転移温度は
約−4.5℃であつたが、重合後では約16.5℃であ
つた。 参考例 2 実施例1で得たリン脂質化合物20mgに0.05M−
リン酸緩衝水(PH7.0)10mlを加え、窒素雰囲気
下で超音波処理(50W,40℃で20分間)し、さら
に40℃で1時間静置したのち、30Wの低圧水銀ラ
ンプ(理工科学産業株式会社製UVL−30LA)を
用いて、窒素下に50℃で光源から5cmの距離から
光照射した。重合の確認は、このリポソーム水溶
液15mlを上記緩衝液10mlに希釈(リン脂質化合物
濃度3.84x10-5 M)し、紫外吸収スペクトルを経
時的に測定することによつておこなつた。反応に
伴い、リン脂質モノマーに基づく吸収(λnax
261nm)が消失し、新たにλnax251nmの吸収が生
じた。λnaxの吸収は1時間後には完全に消失して
おり、重合の完結を確認した。 なお、生成重合体は、クロロホルム、メタノー
ル等の有機溶媒に不溶であつた。 参考例 3 実施例1で得たリン脂質化合物の重合をさらに
確認するために、エタノール中で酸化白金を触媒
として室温で一時間水素ガスを吹込んでビニル基
の接触水素還元をおこなつた。得られた水素添加
物と元のリン脂質化合物および光重合物の各々の
紫外吸収スペクトルを比較し、水素添加物と光重
合物の類似から、光重合物において重合によりビ
ニル基が消失していることが判明した。次に、紫
外吸収スペクトルの測定結果を示す。
【表】 参考例 4 紫外光照射による重合の難易度を実施例1のリ
ン脂質化合物と文献()に記載されたジエン型
化合物との間で比較した。各々100mgに水を加え
て超音波処理(50W,40℃で20分間)し、1%
(w/v)濃度のリポソーム水溶液を作り、参考
例2と同一の条件で光照射した。この水溶液の一
部を採取し2.0x10-5となるように水で希釈し、紫
外吸収スペクトルを経時的に測定した。文献
()の化合物はλnax261nmの吸収が完全に消失
するのに7時間を要するのに対し、実施例1のリ
ン脂質化合物にあつては、λnax261nmの吸収の消
失は2時間以内で完了した。 実施例 2 (A) p−(エトキシカルボニルノナノイル)フエ
ニルエチルブロミドの合成 S.Swan他によるOrganic Synthesis,,276
(1950)に記載されている方法に従つて合成した
セバシン酸モノエチルエステル・モノクロリド
10.0グラム(40.2ミリモル)、ブロモエチルベン
ゼン6.2グラム(33.5ミリモル)および乾燥ニト
ロベンゼン60mlよりなる混合物を氷冷下に撹拌
し、これに無水三塩化アルミニウム11.2グラム
(83.8ミリモル)を添加した。この混合物を氷浴
中で4時間撹拌した後、室温で終夜撹拌した。氷
浴中で再度冷却した後、この混合物に氷と水を添
加し、ついで濃塩酸5.7mlをゆつくりと加えた。
これに、メチレンクロリドと水を適当量加えて振
盪した後メチレンクロリド層を分離し、また水層
にメチレンクロリドを加えてさらに抽出した。メ
チレンクロリド層を合せナトリウムで脱水した
後、メチレンクロリドおよびニトロベンゼンを減
圧下で蒸発除去し、シリカゲルカラム(直径4
cm、長さ35cm)で分画し、所望の生成物を得た。 収量6.6グラム(収率49%)。 質量スペクトル:M+=396(C20H29O3Br1の分子
量396.398) シリカゲルTLC:Rf=約0.47 (ベンゼン/エーテル=20/1)(紫外線吸収、ブ
ロムチモールブルーによる呈色あり) IRスペクトル(cm-1) (塩化ナトリウムペレツト):2940,2860,1730, 1680,1610,1440,1410, 1370,1260,1220,1180, 1130,1095,1030 元素分析値:C60.20(60.5) H7.61 (7.4) ただし、( )内の値はC20H29O3Br1の計算値
【表】 (B) p−(クロロカルボニルノナノイル)スチレ
ンの合成 (B−1) 上記(A)で得たp−(エトキシカルボ
ニルノナノイル)シエニルエチルブロミド3.3
グラム(8.3ミリモル)を1級エタノール40ml
と粉末水酸化カリウム6グラムとの混合物に加
え、これを還流下に2.5時間熱した後氷冷した。
生成した沈でんをろ集し、乾燥した後、水100
mlに溶解した。この溶液に濃塩酸5mlを加え、
生成した沈でんを集め、減圧乾燥した。この生
成物を熱トルエン50mlと石油エーテル150mlの
混合物から再結晶させて所望の生成物(p−
(ヒドロキシカルボニルノナノイル)スチレン)
を得た。収量1.1グラム(収率46%)。
【表】 (B−2) 上記(B−1)で得たp−(ヒドロ
キシカルボニルノナノイル)スチレン1.0グラ
ム(3.5ミリモル)に乾燥ベンゼン25mlおよび
ジメチルホルムアミド1滴を加えて撹拌した。
これシユウ酸ジクロリド1ml(11.8ミリモル)
を滴下し、室温で2時間撹拌した後減圧下で溶
媒を除去した。残分をオイルポンプで乾燥し、
所望の酸クロリド生成物であるp−(クロロカ
ルボニルノナノイル)スチレンを得た。 IRスペクトル:1805cm-1(γcp(cpcl)) (KBrペレツト) (C) 1−(p−ビニルベンゾイルノナノイル)−グ
リセロール−ステアリルエーテル−2の合成 実施例1(A−1)で得た2−ステアリロキシ
−1,3−プロパンジオール0.995グラム(2.89
ミリモル)に乾燥メチレンクロリド30mlおよび乾
燥ピリジン0.5mlを加えて撹拌した。これに、前
記(B−2)で得た酸クロリド全量(3.5ミリモ
ル)を乾燥メチレンクロリド10mlに溶解した溶液
を10分間かけてゆつくりと滴下し、終夜撹拌し
た。この反応混合物からメチレンクロリドを留去
し、残分をクロロホルムに溶解した。この溶液を
0.5N塩酸、水、2%炭酸ナトリウム水溶液およ
び水で順次洗浄した後硫酸ナトリウムで脱水し
た。これを減圧下で蒸発処理に供し、残分を乾燥
した後、ベンゼン/エーテル=9/1の流出溶媒を
用いてシリカゲルカラム(直径2cm、長さ30cm)
で精製して所望のエーテル生成物を得た。 シリカゲルTLC(モノスポツト):Rf=0.13(ベン
ゼン/エーテル=9/1) Rf=0.28(シクロヘキサン/酢酸エチル=3/
1) (紫外線吸収、ブロムチモールブルーに よる呈色あり) 質量スペクトル:M+=614(分子量614) 元素分析値:C76.38(7.62) H10.82(10.7) ただし、( )の値はC39H66O5の計算値
【表】 (D) rac−1−{8−(p−ビニルベンゾイル)ノ
ナノイル}−2−O−ステアリル−グリセロ−
3−ホスホコリンの合成 実施例1(B)で用いたCl2P(O)OCH2CH2Br3.0
グラムを乾燥クロロホルム10mlに溶解し、氷冷し
た。これに、上記(C)で得たエーテル生成物1.0グ
ラム(29ミリモル)を乾燥クロロホルム10mlに溶
解した溶液、および乾燥トリエチルアミン4mlを
乾燥クロロホルム10mlに溶解した溶液をそれぞれ
別々のろう斗から同時に滴下した。この反応混合
物を室温で20時間撹拌した後、0.5M塩化カリウ
ム水溶液10mlをゆつくり滴下し、さらに室温で1
時間撹拌した。これにメタノール10mlを加えた
後、クロロホルム層を集め、水で1回洗浄し、蒸
発乾固した。残分を、さらに、五酸化リン上で減
圧乾燥した後、乾燥ブタノン15mlに溶解した。こ
の溶液をステンレス鋼製耐圧反応管(200ml用)
に仕込み、−25℃に冷却した後、乾燥トリメチル
アミン15mlを加えて密栓した。この反応混合物を
60℃のポリエチレングリコール浴中で9時間反応
させた後生成した沈でんをろ集し、乾燥ブタノン
で洗浄した。 こうして得た生成物をそのままメタノール70ml
に溶解し、酢酸銀2.5グラムを加え、暗色におい
て室温で1.5時間撹拌した。ろ過後、ろ液を蒸発
に供し、残分を減圧乾燥した後、シリカゲルカラ
ム(クロロホルム/メタノール/水=65/25/
4)で精製した。こうして所望のホスフアチジル
コリン型リン脂質化合物を得た。収量0.60グラム
(収率28%)。 シリカゲルTLC(クロロホルム/メタノール/
水=65/25/4):Rf=0.29(紫外線吸収、ブ
ロムチモールブルによる呈色あり)
【表】
【表】 参考例 5 実施例2で得たリン脂質化合物20mgを、参考例
2と同様にして重合させて重合化リポソームが得
られることを確認した。なお、生成重合体は、ク
ロロホルム、メタノール等の有機溶媒に不溶であ
つた。 実施例 3 (A) 2−(p−ビニルベンゾイルノナノイル)グ
リセロール−ミリスチルエーテル−2の合成
(A−1)2−ミリスチルオキシ−1,3−プ
ロパンジオールの合成 実施例1の(A−1)に従い、2−フエニル−
5−m−ジオキサノールと臭化ミリスチルとを反
応させて合成した。収率29%。融点55.5−56℃。 元素分析値(重量%):H(12.58) C(70.78) (但し括弧内はC17H36O3の計算値) C−NMRスペクトルδ(ppm)値(CDCl3
TMS) K1329
【表】 質量スペクトル:M++1=289(分子量288) (A−2) 2−ミリスチルオキシ−1,3−Pクロパンジ
オール1.0gと実施例2の(B)で合成したp−(クロ
ロカルボニルノナノイル)スチレンとを実施例2
(C)の手法に従つて反応させて1−(p−ビニルベ
ンソイルノナノイル)グリセロ−ミリスチルエー
テル−2を合成した、収率36%。シリカゲル
TLC:Rf=0.17(ベンゼン/エーテル=9/1) (紫外吸収、ブロモチモールブルーによる呈色
あり) 質量スペクトル:M+=558(分子量558)1 H−NMR(重クロロホルム、TMS): δ(ppm) 0.88(t,3H,CH3):1.26(S幅広、(−CH)−
); 1.6(t,2H,
【式】);2.08(t,1H, −OH) 2.32(t,2H,−CH2COO−); 2.92(t,2H,
【式】); 3.5−3.7(m,5H,−CH2−,
【式】); 4.15(d,2H,
【式】); 5.35,5.82.6.7(d,d,q,1H,1H,1H,−
CH=CH2); 7.69(d,d,2H,2H,
【式】)
【表】
【表】 (B) rac−1−{8−(p−ビニルベンゾイル)ノ
ナノイル}−2−0−ミリスチル−グリセロ−
3−ホスホコリンの合成 実施例2の(D)の手法に従い、上記1−(p−ビ
ニルベンソイルノナノイル)グリセロ−ミリスチ
ルエーテル−2のホスホコリン化をおこなうこと
によつて合成した。収率30%。 シリカゲルTLC:Rf=0.27(クロロホルム/メタ
ノール/水=65/25/4(紫外吸収、ブロモ
チモールブルーによる呈色あり) 元素分析値(重量%):N19.0(19.3) (括弧内はC40H70N1O8P1の計算値)
【表】
【表】 参考例 6 実施例3で得たリン脂質化合物20mgを、参考例
2と同様にして重合させて重合化リポソームが得
られることを確認した。なお、生成重合体は、ク
ロロホルム、メタノール等の有機溶媒に不溶であ
つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 K1302 (ここで、mは0または1,nは1ないし10の
    正の整数、およびlは13ないし21の正の整数)で
    示されるホスフアチジルコリン型リン脂質化合
    物。 2 lが13,15,17,19または21である特許請求
    の範囲第1項記載のリン脂質化合物。
JP14096382A 1982-08-16 1982-08-16 ホスフアチジルコリン型リン脂質化合物 Granted JPS5931786A (ja)

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