JPS6226376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案はテレビジヨン録画用のビデオカセツト
を収容するサツクケース形成用のブランク板に関
し、詳しくはビデオカセツト収容下に、ホツトエ
アー噴射接着手段によるサツク成形を行うための
ブランク板を提供することを目的とする。

〔従来の技術〕

テレビジヨンの録画用のビデオカセツトは保
護、表示、装飾などのために予め成形されたサツ
クケースに挿入収容包装されて流通使用されてい
る。

このカセツト包装用のサツクケース（以下単に
サツクと言う）は、通常厚紙、プラスチツクシー
トなど比較的に厚手のシート材料を折込み用凹刻
線を形成しながら所定形状に打抜きブランク板と
し、これをサツク状に折込み、上下の重合縁部で
接着して一側面が開放した箱状に成形される。

そして、このサツク成形を能率化するため、そ
のブランク板素材として、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリスチレンなどの熱可塑性プラスチ
ツクシート、あるいはこれらのプラスチツク層を
表面層とする紙その他の芯シートとの積層材料な
どの熱接着性表面を有するシート材料を用い、サ
ツク成形時に上下の重合縁部を加熱圧着し、ある
いは加圧下に超音波や高周波電流による熱接着す
ることも広く行なわれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のビデオカセツトのサツク包装は上記のよ
うに、予め製造したサツクを用いているが、該サ
ツクはそのブランク板に比べて大容積となるた
め、その保管、運搬並びに取扱いに不利であるば
かりでなく、カセツト挿入作業のさい往々にして
カセツトに適合しないケースの場合が生じ、意外
に作業時間を要するなどの問題点があつた。

また、熱接着手段によつてサツク成形を行う場
合においても、ブランク板を折込み成形したサツ
ク内部に受板を挿入して加圧接着することが必要
であり、この受板の挿脱作業時間により、その成
形能率は30個／分以上とすることは困難であつ
た。

そこで、上記のサツク包装を能率化するため、
サツクブランク板上にカセツトを載せて、サツク
折込み成形をなし、そのサツク成形時の上下重合
縁の対向面間に加熱高温にしたホツトエアーを噴
射して、瞬間的に該表面層のみを加熱して融着性
とし直ちに圧着接着する包装手段が提案された
が、従来のブランク板ではサツク内部へホツトエ
アーが侵入し、収容カセツトの熱変形、変質など
の障碍を生ずる問題点があつた。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、上記のビデオカセツトのサツク成形
包装工程において、この噴射ホツトエアーがサツ
ク内部に侵入しないような形状を有するサツク用
ブランク板を提供するものである。

すなわち、本考案は熱接着性表面を有するシー
ト材料よりなり、背パネルの左右にそれぞれ折込
み用凹刻線を介して表パネル、裏パネルを連設
し、上下にそれぞれ折込み用凹刻線を介して上部
フラツプ、下部フラツプを連設し、該上下部フラ
ツプの裏パネル側に傾斜した端縁を有する上部圧
偏薄層部、下部圧偏薄層部をそれぞれ形成し、上
記表裏パネルの上下にそれぞ折込み用凹刻線を介
して上部パネル、下部パネルを連設し、裏パネル
に連設した上下部パネルの背パネル側端部に傾斜
した上部圧偏薄層部、下部圧偏薄層部をそれぞれ
形成してあり、上記の２つの上部圧偏薄層部並び
に２つの下部圧偏薄層部は、サツク成形時に、そ
れぞれの領域が略重なり合う形状であることを特
徴とするホツトエアー噴射接着手段による成形を
行うためのビデオカセツトのサツク包装用ブラン
ク板を要旨とする。

本案のブランク板の素材シート材料は従来公知
の熱接着性シート材料が用いられ、通常の打ち抜
き成形により、所望の折込み用凹刻線を刻設する
と同時に背パネル、その左右に表裏パネル、背パ
ネルの上下に上下部フラツプ、表裏パネルの上下
にそれぞれ上下部パネルを形成するが、この背パ
ネルに連設したフラツプと裏パネルに連設したパ
ネルとのそれぞの対向端縁をそれぞれの折込み用
凹刻線に対し90゜以下の傾斜縁として、サツク折
込み成形時に、そのフラツプとパネルの対向端縁
部が重なり合う形状とするとともにその重なり合
う両者の領域がそれぞれ圧偏されて薄層化されて
いる。

上記の各圧偏薄層部はシート材料の打ち抜き成
形と同時に加圧成形するか、打ち抜き成形後の熱
圧により形成するものであり、該薄層部厚はシー
ト材料の略1/2にすることが望ましい。

〔作用〕

本案のサツク包装用ブランク板は上記の構成よ
りなるので、ブランク板の裏パネル上に、ビデオ
カセツテを載置し、ブランク板の裏パネルの上下
部パネル、背パネル、上下部フラツプ、表パネル
の折り込みを順次行うことにより、ビデオカセツ
トの上下側面に、上下部パネル、上下部フラツプ
が適合当接するとともに、それぞれの端縁に設け
られた上部圧偏薄層部同志、及び下部圧偏薄層部
同志が重合密接して、カセツトの上下側面は露出
することなく覆われ、表パネルの上下部パネルの
僅かな折込みによつて、前記の折込み被覆状態が
維持され、したがつて、この僅かに折込まれた表
パネルの上下部パネルとカセツト上下側面を被覆
した裏パネルの上下部パネル、上下部フラツプと
が対向した楔状空間に、噴射したホツトエアー
が、カセツト面に侵入することなく、サツク上下
重合縁の熱接着を良好に行うことができる。そし
て、前記の２つの薄層部が重ね合わされた部分を
略シート厚に等しくできるので、サツク上下重合
縁の内外面に凹凸面を生じないサツクが得られ
る。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案を詳しく
説明する。

第１図は本考案のサツク用のブランク板の平面
図であつて、発泡ポリプロピレン圧縮板の厚さ略
0.5〜１mmのシートを型抜き成形したものであ
り、２は収容すべきカセツト表面形状に適合した
寸法の裏パネル、３はカセツトの厚さに適合した
巾の背パネル、１はシート厚さ分を加えた上下長
さを有する表パネル、４，５は表パネル１の上下
縁に連なつてカセツトの厚さにシート厚を加味し
てやや広い上下巾を有した矩形の上部パネル、下
部パネルであり、また裏パネル２に連設された上
下部パネル６，７はカセツト厚に適合した上下巾
を有し、その背パネル３側縁にはそれぞれ、傾斜
端縁を有する上部圧偏薄層部１４、下部圧偏薄層
部１５が形成され、また、背パネル３の上下縁に
は、上部フラツプ１２、下部フラツプ１３が連設
され、該上下部フラツプ１２，１３にはそれぞれ
前記の圧偏薄層部１４，１５側に傾斜した端縁６
１，７１を有する上部圧偏薄層部２２、下部圧偏
薄層部２３が形成されている。

これらの表パネル１、背パネル３、裏パネル２
との境界、背パネル３と上下部フラツプ１２，１
３との境界、表パネル１と上下部パネル４，５と
の境界にはいずれも折込み用凹刻線１６，１７，
１８，１９，２０，２１，３０，３１がそれぞれ
刻設されている。

９０，９１は表裏パネル１，２の外側縁に設け
た切欠部でサツクからカセツトを取出し易くする
ものである。

第２図は、上下部パネル６，７、上下部圧偏薄
層部１４，１５、上下部フラツプ１２，１３及び
上下圧偏薄層部２２，２３が折込まれカセツトＣ
面に当接し、表パネル１がやや折込まれた時点で
の下部フラツプ７側重合部の要部の側面図で上部
側の各部の符号は（ ）を付して示してあり、上
下部フラツプ１２，１３に形成する上下部圧偏薄
層部２２，２３の裏パネル２側の端縁６１，７１
は上下パネル４，５に設けた上下部圧偏薄層部１
４，１５の境界線２４，２５とほぼ重なり、ま
た、上下部パネル６，７の背パネル側端部に設け
た上下部圧偏薄層部１４，１５の端縁４１，５１
は上下部フラツプ１２，１３に設けた上下部圧偏
薄層部２２，２３の境界線３２，３３とほぼ重な
り、したがつて上部圧偏薄層部１４，２２及び下
部圧偏薄層部１５，２３はほぼ重なり合い、上下
部パネル６，７、上下部フラツプ１２，１３及び
上下部圧偏薄層部１４，２２，１５，２３は１点
鎖線で示すカセツトＣの上下両側面が露出するこ
となく覆う。

上記圧偏薄層部１４，１５，２２，２３の形成
は、上部パネル４と上部フラツプ１２を例にとつ
て第３図アに示すように、ブランク板打抜きの
際、上部パネル６の背パネル側に境界線２４を境
にして小面積の被圧偏部１４′を、上部フラツプ
１２の上部パネル６側に境界線３２を境にして小
面積の被圧偏部２２′を設け、さらに被圧偏部１
４′，２２′を加熱圧偏することによりイに示すよ
うに、所要形状の大面積の圧偏薄層部１４，２２
を得るものであるが、該圧偏薄層部１４，２２に
所望の形状、厚みを持たせるために、被圧偏部１
４′，２２′の打抜きの形状や圧偏のための加熱及
び加圧の条件を適宜調整選定することが必要であ
り、下部パネル７、下部フラツプ１３側も同様に
して圧偏薄層部１５，２３を形成することは勿論
である。

上記の構成のブランク板は、例えば次のような
自動折込み工程により、ビデオカセツトＣのサツ
ク包装が行われる。

すなわち、ベルトコンベアＶ上に置かれたブラ
ンク板の裏パネル２上にカセツトＣが載置される
と上下部パネル６，７が直立し、続いて背パネル
３が直立し、さらに上下部フラツプ１２，１３が
それぞれ押圧板により順次圧接され、上下部圧偏
薄層部１４，１５上に上下部圧偏薄層部２２，２
３がそれぞれ折込まれ重なり、これとともに直立
した表パネル１が直角に折込まれて、カセツトＣ
の上面を覆い、これと同時に、表パネル１の上下
部パネル４，５を傾斜状態に僅かに押圧曲折さ
れ、第４図の斜視図に示す状態となり、上面から
押圧Ｆ維持され、この時点で第５図に示すように
表裏パネル１，２の下部パネル５，７並びに上部
パネル４，６によつて形成された上下の楔状空間
Ｗの全面にわたつてベルトコンベアＶ上の両側に
配置した楔形ノズルＮの先端両面に配置された多
数の噴気口Ｈから約300℃のホツトエアーを0.3〜
0.4秒噴射して、両上下部パネル５，７並びに
４，６の対向表面を加熱し、それらの表面層を熔
融状態とし直ちに傾斜状態にある表パネル１の上
下部パネル４，５をそれぞれ対向する上下部パネ
ル６，７面に圧着せしめて溶着固定を行うもので
ある。

前記ホツトエアー噴射時において、裏パネル２
の上下部パネル６，７、上下部圧偏薄層部１４，
１５、上下部フラツプ１２，１３及び上下部圧偏
薄層部２２，２３はカセツト上下両側面において
弾性的に相互に密着して露出間隙のないように覆
い、さらに該上下部パネル６，７の端縁４０，５
０並びに上下部フラツプ１２，１３の裏パネル２
側の端縁６０，７０は表パネル１の折込み用凹刻
線２０，２１に密着するために、ホツトエアーが
収容したカセツトＣ面に侵入することはなく、ホ
ツトエアー噴射によるパネルシートの温度上昇は
その表面層のみに限られるので、ホツトエアーに
よるカセツトＣの損傷は完全に防止される。

また、上下部圧偏薄層部１４，１５と上下部圧
偏薄層部２２，２３とが重なり合う部分における
厚みは、略シート１枚分の厚さとなり、したがつ
て上下部パネル６，７面、上下部圧偏薄層部２
２，２３面及び上下部フラツプ１２，１３面は段
差なく面一となり、ホツトエアー噴射後の熔融圧
着が確実にむらなく行われ、さらに上下部パネル
４，５の外面には、重合部に起因する凹凸が生ぜ
ず好ましい外観となるとともに、カセツトの挿脱
に支障のある内部における凹凸も無く取扱いが簡
単になる。

上記の場合において、ホツトエアーの温度、噴
射圧、噴射量は、ブランク板材料の種類、形状等
により適宜変更することは勿論であり、この手段
によれば100個／分以上のカセツトの自動サツク
成形包装を行うことができるものである。

第６図は、従来用いられていたビデオカセツト
用のサツクブランク板の折込み隅角部分の要部を
示すもので表パネル８１、背パネル８３、裏パネ
ル８２及び背パネル８３に接続した台形の下部フ
ラツプ８６を有し、裏パネル８２の下部パネル８
７が、下部フラツプ８６の台形に適合する切欠
（点線）を有し、箱状に折込んだ際に、下部パネ
ル８７と下部フラツプ８６とが重合する部分がな
く面一になるようにして表パネル８１の下部パネ
ル８５に接着されるようにし、上部隅角部も同様
にしたものであり、あらかじめサツク成形を行う
ことはできても、本考案の使用目的とするカセツ
ト収容下のサツク成形包装におけるホツトエアー
噴射接着は、カセツトの熱損傷を生ずるため全く
使用不可能なものである。

ハ 考案の効果 以上説明しように、本考案のサツク包装用ブラ
ンク板は、ホツトエアー噴射接着手段を用いるカ
セツトのサツク成形包装を安全確実にすることが
できるものであり、その包装効率の向上に寄与す
るところは大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
平面図、第２図はフラツプ折込み後の重合状態を
示す要部の側面図、第３図アは圧偏薄層部形成前
の要部平面図、イは圧偏薄層部形成後の要部平面
図、第４図はカセツトのサツク包装工程のホツト
エアー接着工程段階の要部の斜視図、第５図はホ
ツトエアー武射工程の要部の正面図、第６図は従
来のビデオカセツト用のサツクブランク板の要部
の平面図である。 １……表パネル、２……裏パネル、３……背パ
ネル、４，６……上部パネル、５，７……下部パ
ネル、１２……上部フラツプ、１３……下部フラ
ツプ、１４，２２……上部圧偏薄層部、１５，２
３……下部圧偏薄層部、１６，１７，１８，１
９，２０，２１，３０，３１……折込み用凹刻
線、４０，４１，５０，５１，６０，６１，７
０，７１……端縁、２４，２５，３２，３３……
境界線、Ｃ……カセツト、Ｎ……楔形ノズル、Ｗ
……楔状空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱接着性表面を有するシート材料よりなり、背
   パネル３の左右に、それぞれ折込み用凹刻線１
   ６，１７を介して表パネル１、裏パネル２を連設
   し、上下に、それぞれ折込み用凹刻線１８，１９
   を介して上部フラツプ１２，下部フラツプ１３を
   連設し、該上下部フラツプ１２，１３の裏パネル
   ２側に傾斜した端縁を有する上部圧偏薄層部２
   ２、下部圧偏薄層部２３をそれぞれ形成し、上記
   表裏パネル１，２の上下にそれぞれ折込み用凹刻
   線２０，３０、２１，３１を介して、上部パネル
   ４，６、下部パネル５，７を連設し、裏パネル２
   に連設した上下部パネル６，７の背パネル３側端
   部に傾斜した端縁を有する上部圧偏薄層部１４、
   下部圧偏薄層部１５をそれぞれ形成してあり、上
   記の２つの上部圧偏薄層部２２と１４及び２つの
   下部圧偏薄層部２３と１５とは、サツク成形時に
   それぞれの領域が略重なり合う形状であることを
   特徴とするホツトエアー噴射接着手段による成形
   を行うためのビデオカセツトのサツク包装用ブラ
   ンク板。