JPS62263220A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPS62263220A
JPS62263220A JP10542786A JP10542786A JPS62263220A JP S62263220 A JPS62263220 A JP S62263220A JP 10542786 A JP10542786 A JP 10542786A JP 10542786 A JP10542786 A JP 10542786A JP S62263220 A JPS62263220 A JP S62263220A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルの製造方法に関するものであり、
詳しくは透明で静電印加キャスト法に通したフィルム用
ポリエステルを直接重合法で製造する方法に関するもの
である。
[従来の技術1 ポリエチレンテレフタレートは物理的、化学的性質に優
れているため、繊維ばかりでなく、包装用フィルム、写
真用フィルム、コンデンサー用フィルム及び磁気テープ
等のフィルムとしても広く使用されている。
ポリエチレンテレフタレートの製法としては、ジメチル
テレフタレートとエチレングリコールとを出発原料とす
るエステル交換法、及びテレフタル酸とエチレングリコ
ールとを出発原料とする直接重合法とがよく知られてい
る。
ポリエステルフィルムは従来よりエステル交換法による
ポリエステルが使用されているが、近年は直接重合法に
よるポリエステルも使用されている。
ポリエステルフィルムは通常押出機よりポリエステルを
シート状に溶融押出しした後、縦横方向に二軸延伸した
ものが用いられるが、フィルムの厚みと透明性を改良す
る為、押出口金と廻転冷却ドラムとの間に電極を設けて
高電圧を印加し、未硬化フィルム上面に静電荷を付与し
て、フィルムを冷却ドラム表面に密着する方法が使用さ
れている。
しかしながら、斯様な方法では製膜速度を高めると冷却
ドラム表面に接着したフィルム表面上で単位面積当りの
静電荷が少なくなり、フィルムと冷却ドラム表面の密着
力が低下してフィルムの厚みが不均一になり、表面にビ
ン状欠点が生起する。
これを避けるべく静電荷曾を高めるために印加電圧を上
げると、電穫と冷却ドラム表面との間に放電が生じフィ
ルムが破壊される場合がある。
かかる問題を解決するために、ポリエステルに電気伝導
性を有する金属化合物を添加しポリエステルの固有抵抗
を低くすることによりこれらの欠点を解決し、厚みの均
一性に優れたポリエステルフィルムを高速度で製膜する
ため、ポリエステルにアルカリ金属、アルカリ土類金属
を含有せしめることが特開昭51−70269号公報に
記載され、又、ポリエステルにコバルトとマンガン及び
/又はマグネシウムの化合物を添加することが特開昭5
1−67392号公報に記載されている。
又、直接重合法に於いて、ポリエステルに電気伝導性を
付与するために金属化合物及びリン化合物を添加する技
術が、特公昭56−15730号公報に提案されている
が、この場合にも金属化合物とリン化合物とが反応して
好ましからざる金属のリン化合物粒子が生成するために
濁りを生じやすく、またろ過性が劣化しやすい。更に、
静電印加キャスト性を付与するに足るに十分な電気伝導
性を有する場合には透明性の点で難があり、いまだ満足
のいくものではなかった。
少量の金属化合物を含むポリエステルは、ジメチルテレ
フタレート(DMT)を出発原料にして広〈従来から工
業的に生産されている。この方法の場合、ポリエステル
の原料:中間品および製品を含む各段階におけるそれら
の反応生成物等は、例えばEGとDMTにかかわる水酸
基とエステル基によって構成されていて本質的にカルボ
キシル基等は含まれていない為、少量の金属化合物を添
加してもポリエステルの品質、特にその透明性への影響
は必ずしも大きな支障となっていない。
EGとTPAからの直接重合法のポリエステルの製造に
於いて、加圧乃至常圧で行なわれるエステル化反応の生
成物は、通常、重縮合触媒の存在下で行なわれる重縮合
反応によって容易にポリエステルを製造し得ることから
、この段階でエステル化反応を実質的に終了していると
いえるが、この段階で少量の金属化合物、特にカルシウ
ム化合物を添加すると得られるポリエステルの透明性は
、極端に悪いことが知られている。
従来より、ポリエステルを写真用の支持体に通用する際
、その物理的、化学的性質上有利なポリエステルである
ポリエチレンテレフタレートが通常使用されている。写
真フィルムの支持体として要求される諸特性のうち、最
近では、特に、透明性が高く、表面上に欠点がなく、か
つ色調が黄味や黒味を帯びていないポリエステルフィル
ムへの要求が高まっている。たとえば、Xレイ写真用で
は、撮影した写真を判定する際、そのフィルムの透明性
が高いことにより、より微妙な陰影を識別して患部を発
見することが可能となる。又、人間工学的にみて、目の
疲労を塑らげ、判定をしやすくする意味でブルーに着色
しているが、通常、着色は、フィルム支持体であるポリ
エステルフィルムに設こされており、黄味や赤味がない
澄んだブルーを要求されている。更に、印刷写真用では
、撮影したフィルムを重ねて撮影して原版としたり、微
小な欠点が白黒に強調される特性を持つため、支持体で
あるポリエステルフィルムの透明性や表面欠点がないこ
とが益々要求されるようになって来ている。
前述した従来の技術によって得られるポリエステルを、
特に写真用に適用しようとすると、本発明者らの検討し
たところでは、その透明性、色調が上記要求に対し十分
満足できる状況になく、フィルムの生産性を高めると共
に、透明性、色調をも向上させたポリエステルを開発す
る必要があると判断した。
本発明者らの知るところでは、ポリエステルフィルムの
透明性、色調は、ポリエステルを押出し、二軸延伸製膜
装置で製膜する際の条件の影響を受けるが、主に、ポリ
エステルの透明性(溶液へイズとして評価)、色調(色
差計によるL値及びb値)に大きく相関しており、写真
フィルムに適用した場合、その透明性、色調に大きく影
響することが明らかである。一般に写真フィルムにおい
ては、ポリエステルの溶液ヘイズがより低い値程、未露
光部の現像済での透明性が高く好ましい。また、ポリエ
ステルの色調のL値が高い程、未露光部の現像済での黒
ずみが弱く、b値が0に近い程、黄味や青味を帯びない
ことを示し、好ましい色調の写真フィルムが得られる。
[発明が解決しようとする問題点1 本発明者らは、金3のリン化合物粒子等にもとすくろ過
圧上昇と濁りがなく、且つ静電印加キャスト性に優れた
着色のない透明なフィルム用ポリエステルを直接重合法
により製造する方法につき鋭意検討した結果、前記問題
点を解決する手段を見い出した。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明の方法は、ジカルボン酸とグリコール類と
からポリエステルを製造するに際し、ジカルボン酸1モ
ルに対し0.03 X10’〜2.O×10−3モルの
リン原子に相当するリン化合物を含むジカルボン酸とグ
リコール類とのスラリーをビス(β−ヒドロキシルエチ
ル)テレフタレート(以下、BHETと略称する)及び
/又はその低重合体に連続的に又は断続的に供給してエ
ステル化反応を行ない、エステル化反応を実買的に終了
せしめた後、大気圧以下の圧力で触媒の存在下重縮合を
行ない反応生物が次式を満足する段階に於いてジカルボ
ン酸1モルに対し0.08’ X 10−3〜2.0×
10−3モルの金兄原子に相当する二価の金属化合物を
BHET及び/又はその低重合体と混合して添加し、重
縮合を継続せしめることを特徴とする。
本発明に適用されるBHET及び/又はその低重合体は
、リン化合物を含むことなく生成されたものでも、本発
明のリン化合物を含むジカルボン酸とグリコール類との
スラリーから生成されたものでも良い。
本発明により得られるポリエステルとして好ましいもの
はポリエチレンテレフタレートである。
即ち、その構成単位の80%以上、好ましくは90%以
上がテレフタル酸とエチレングリコールとを出発原料と
して)Hられるエチレンテレフタレート単位からなるも
ので、20%未満の範囲で他の共重合成分を含んでいて
もよい。
共重合成分としては、イソフタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン鼠等の脂肪族ジカルボ
ン酸;アジピン酸、セパチン酸等の脂環族カルボン酸;
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1.4
−ブタン1ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ツール等のグリコール類が挙げられる。
本発明のポリエステルとして最も好適なものはポリエチ
レンテレフタレートである。以下、ジカルボン酸をテレ
フタル酸(以下、TPAと略称する)、グリコール類を
エチレングリコール(以下、EGと略称する)として説
明する。
本発明に適用するスラリーは、リン化合物、EG及びT
PAとを混合したものであり、TPAとEGの比率(モ
ル比)は通常1 :  i、05〜1.50 、好まし
くは1:  1.05〜1.25である。
本発明に適用するリン化合物としては、リン酸、亜リン
酸及びそれらのモノエステル、ジエステル、トリエステ
ル、及びホスホン酸、ホスホン酸エステル等が挙げら机
るが、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチル及びリン酸
トリエチル等が好ましい。
これらのリン化合物は単独でも二種以上組み合せて用い
てもよい。
リーン化合物は、TPA又はEGに添加して均一なスラ
リーとするか、あるいはTPAとEGとの混合物に添加
して均一なスラリーとして用いるのが好ましい。
又、リン化合物は、予めEGとTPAに含有された状態
でスラリーとされ、連続的にBHET及び/又はその低
重合体に添加したときと同じ効果を得るべく、EGおよ
びTPAに予め混合することなくエチレングリコールに
溶解してBHET及び/又はその低重合体へEGとTP
Aのスラリーと併行して、連続的に添加することもでき
る。又、前もってBHET及び/又はその低重合体に少
量のリン化合物を添加してから、上述のようにリン化合
物を含むスラリーを添加するか、又はリン化合物を含ま
ないEGとTPAのスラリーとエチレングリコールに溶
解したリン化合物の溶液を添加することもできる。
リン化合物の添加量はジカルボン酸1モルに対して0.
03 X10−3〜2.0×10−3モルのリン原子に
相当する範囲がよく、好ましくは0.lX10−3〜o
、exio−aモルのリン原子に相当する是である。
2.0×10−3モルを越える場合には、エステル化反
応を実質的に終了せしめた後に添加する金属化合物と何
らかの反応をして、金ぶのリン化合物粒子を生成するた
め好ましくない。一方、0.03 X10−3モル未満
では生成ポリエステルの耐熱性低下や着色する傾向があ
り、好ましくない。
エステル化反応はスラリーをBHET及び/又はその低
重合体中に連続的にまたは断続的に添加して行なうが、
重縮合を回分式で行なう場合BHET及び/又はその低
重合体の借はエステル化反応終了後の全重瀧を100部
とした場合、通常20部〜50部、好ましくは3o部〜
50部である。
この場合、エステル化反応温度は常圧では通常230℃
以上、好ましくは240〜260℃である。反応時間は
温度等により異なるが、常圧の場合BHETの上記の数
値が50部で反応温度250℃の場合、通常4時間程度
であり、上記数値が33部の場合に6時間程度である。
加圧下の場合、加圧条件として0.3〜3.0kg/C
12、好ましくは1.0〜2.0kg/ Cfで、特に
連続エステル化に於けるエステル化率が85%程度まで
に適用される。この時、エステル化反応温度は、通常2
40℃〜280℃であるが、250℃〜210℃が好ま
しく、エステル化反応の圧力とは関係なく選択できる。
エステル化の反応時間は圧力と温度により異なり、例え
ば連続エステル化の場合は、反応温度270℃、1.5
k(1/ Ct2の加圧条件下(圧力2.5kg/ C
w’ ) 、反応時間1時間30分程度でエステル化率
80%程度とし、引続き、反応温度260℃、常圧下、
反応時間1時間30分程度でエステル化反応を終了する
。従って、連続エステル化の場合は260℃〜270℃
の温度、常圧乃至2.5ka/ C112の圧力により
3時間程度の反応時間でエステル化反応が行なわれる。
エステル化反応を実質的に終了した後、大気圧以下の圧
力で触媒の存在下重縮合反応を行なう。
ここで「エステル化反応を実質的に終了した」とは、重
縮合触媒の存在下、通常の方法で確実に高分子面の重縮
合物が得られる状態を謂い、通常BHET及び/又はそ
の低重合体(以下、エステル化反応生成物ともいう)へ
の転化の割合、即ちエステル化率が90%〜98%、好
ましくは95%〜98%である。
エステル化率の測定は、試料の鹸化価と酸価を通常の分
析法で測定して、次式によって求めることができる。
一般に、エステル化率は、EGとTPAのモル比、エス
テル化の温度、圧力、時間等のエステル化反応条件によ
って変わる。エステル化反応条件を所望のエステル化率
を得るべく設定するには、エステル化反応条件を調整し
、その時の試料のエステル化率を確認することにより、
最終的なエステル化反応条件が得られる。
本発明方法では、通常リン化合物が添加されたTPAと
EGとのスラリーを常圧または加圧下で供給しつつエス
テル化反応を行なわしめる。次いで供給が終了した後、
エステル化反応を常圧下で進め、エステル化率が90%
〜98%、好ましくは95%〜98%になった時点で重
縮合工程へ送る。
二価の金属化合物の添加時期は、エステル化反応を実質
的に終了せしめた後大気圧以下の圧力で触媒の存在下重
縮合を行ない反応生成物が次式を満足する段階である。
0.3c%)≦(酸価/1!!化価)X100(%)≦
1.2 C″]上記式の値が0.3%未満では、重縮合
反応生成物の溶融粘度が大きく、均一な金属化合物の添
加が困難で、得られるポリエステル中に異物が発生しや
すく、1.2%を越えると、ジカルボン酸と金属化合物
とが好ましからざる粒子を発生しやすい。
例えば、連続式でエステル化及び重縮合を行う場合、重
縮合工程の完全混合槽と重縮合開始前の間で、上記式の
値を満足する範囲であれば良い。
本発明で使用する二価の金属化合物は、亜鉛、マグネシ
ウム、マンガン、カルシウム、鉛などの酢酸塩、シュウ
酸塩、安息香酸塩、ステアリン酸塩などの有別酸塩、ハ
ロゲン化物等があげられる。
例えば、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸鉛、シュウ
酸亜鉛、安息香酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化カルシウ
ムなどが使用されるが、ここに示すものに限定されるも
のではなく、また、これらは単独でも2種以上組合せて
使用することもできる。
これらの二価の金属化合物は、例えば、融点110℃の
高純度のBHET、DMTとEGを主な出発原料として
製造するエステル交換反応で得られる重合度が1.5程
度のBHET等に所定量の二価の金属化合物が濃度2〜
8重泄%程度に混合して添加できる。
二価の金属化合物の添加量は、ジカルボン酸1モルに対
して0.08 XIO’〜2.0×10−3モルの金属
原子に相当する量であり、好ましくは0.15 xlo
−3〜1.2X10−3モルの金属原子に相当する孟で
ある。0.08 X10−3モル未満ではフィルム製膜
時の静電印加キャスト性が不良となり、一方2,0×1
0−3モルを越えると金属と何らかの反応により生成し
た不溶粒子や副生成物の発生が多くなる。
エステル化反応生成物の重縮合は通常の回分式、連続式
いずれの方法で行なっても良く、重縮合触媒には、たと
えば三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムを用いて行
なえば良い。
エステル化反応生成物を回分法で重縮合する場合は、一
般的に260℃〜280℃の温度で30〜60分を要し
て、常圧から10mraHg/ cfの圧力とする予備
縮合反応を経て、280℃〜290℃、0.1〜0.5
mmHIJ / C112の圧力で、通常は3〜6時間
重縮合を行ない、固有粘度0.6〜0.7のポリエステ
ルを製造する。また、エステル化反応生成物を連続法で
重縮合する場合、一般的に270℃〜280℃、10〜
100m1ll )−1(+ / Cfの圧力で、30
〜45分の滞留時間の予備縮合曙による予備縮合反応を
経て、280℃〜290℃の温度で0.1〜0.5nv
Ho / Cm’の圧力で60〜75分の滞留時間の重
合仕上機による重縮合を行ない、固有粘度0.6〜0.
7のポリエステルを製造する。従ってエステル化反応生
成物の重縮合は、回分法の場合3〜6時間を要するのに
対し、連続法では 1.5〜2時間と短時間で行なわれ
る。
また本発明では、用途に応じて二酸化ケイ素、三酸化ア
ルミニウム、二酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の
金属酸化物を主成分とする滑剤、二酸化チタン等の艶消
し剤、顔料等の各種添加剤を用いることができる。
(効果) 本発明のポリエステルの製造方法によれば、リン化合物
を存在させてエヂレングリコールで代表されるグリコー
ルとテレフタル酸で代表されるジカルボン酸のエステル
化反応を行なう為に、リン化合物の88ETへの反応が
確実に行なわれ、得られるポリエステルに所定量のリン
を安定的にバラツキなく含有させることが出来る。従来
技術のごとく重縮合開始前にリン化合物を添カロすると
、得られるポリエステルのリン含有量がバラつきやすく
、ポリエステルの品質管理上の問題になる。
これは、重縮合開始時にリン化合物を添加した場合、B
HETとの反応率の制御上の困難に因るものと考えられ
る。ポリエステルの品質に対し、リンの含有量が大きく
影響することは当業界の常識となっていることである。
また、本発明のポリエステルの製造方法によれば、既に
リンが含有されている重縮合生成物に二価の金属化合物
を添加して、重縮合を継続してポリエステルを製造する
が、二価の金属化合物と重縮合生成物との相互の間の反
応が非常に温和に働いて、ポリエステルを製膜する際に
必要とされる諸機能を効率的に確保することが出来る。
従来法によれば、エステル化反応生成物に金属化合物を
添加してから、10分程度後にリン化合物を添加する為
に、両者の間での反応が過激に働く為に、好ましからざ
る金属化合物の粒子が生成し、そのためにポリエステル
の@I膜の際の支障がみられる。
更に、本発明の製造方法によれば、従来技術の常圧下の
エステル化のみならず、加圧下でエステル化を行なうこ
とにより、エステル化の反応時間を大幅に短縮すること
が出来て、生産性の向上にともなう段端の合理化に寄与
し得るだけでなく、本発明の本来の効果が十分得られる
。エステル化と重縮合を連続で行なう、いわゆるポリエ
ステルの直接連続重合法に於いて、特に本発明の効果が
発揮される。この場合のエステル化反応に於けるエステ
ル化率が85%程度までを加圧下で行なえば、反応時間
を大幅に短縮することが出来る。
ポリエステルは高分子化合物の中では一般に比較的に高
い温度で比較的長時間の反応を経て製造される為に、品
質を劣化させながら製造されていると考えられ、製造の
所要時間の短縮は、ポリエステルの品質向上に於いて本
質的な課題である。
また、エステル化と重縮合の所要時間の短縮によるポリ
エステルの品質向上への寄与は、われわれの経験ではほ
ぼ同等である。
既に説明した様に、エステル化反応生成物の重縮合反応
を連続法で行なえば、重縮合反応時間の大幅な短縮が出
来ることから、EGとTPAからのいわゆるポリエステ
ルの直接連続重合法により、より有利にこの課題を達成
し得る。そこで、ポリエステルの直接連続重合法にもと
づいて、本発明のポリエステルの製造方法を実施するこ
とにより、ポリエステルの通常の品質面で、一段と高水
準を達成し得るだけではなく、フィルム用として従来技
術では達成出来なかったポリエステルの技術水準、特に
透明性と色調及び加工性が得られる。
更に本発明のポリエステルの製造方法によれば、従来の
直接重合法に比べて同じ静電印加キャスト性を付与する
に足る金属化合物の添加量は少なくて済み、従って優れ
た透明性を有するポリエステルを得ることができる。ま
た、本発明のポリエステルの製造方法によれば、静電印
加キャスト性を付与するための金属化合物は従来の方法
では適用が困難であったカルシウム化合物でも使用でき
るため選択の自由度が大きいというメリットがある。
従って特に写真用の支持体に適用する場合、粗大粒子に
よる表面欠点が生じに<<、金属化合物に起因する着色
が生じにくいフィルムを安定に得ることが容易にできる
以上述べたように、本発明の方法により得られたポリエ
ステルは品質が安定しており、特に透明性、色調に優れ
、製膜時のろ過圧上昇が少ないため長期に亘りフィルム
の生産ができ、且つ静電印加キャスト性に優れるため高
速運転が可能であり、従って高品質のフィルムを生産性
よく製造することが可能である。
本発明のポリエステルの製造方法で得られたポリエステ
ルから製造される優れた透明性、表面欠点のない均一な
膜厚、良好な色調を有するポリエステルフィルムは、写
真用の支持体、特にXレイ用写真フィルムに適用する場
合、従来法で得られたポリエステルから製造されるポリ
エステルフィルムが黄味を帯び、かつ透明性が不満足で
、澄んだブルー着色を得ることが困難であったのに対し
、極めて黄味が小さく、かつ透明なため明澄なブルー着
色の超透明な高品質なXレイ用写真フィルムを得ること
が可能である。また、印刷用写真フィルムに適用する場
合、従来法で得られたポリエスチルから製造されるポリ
エステルフィルムが透明性、表面欠点の発生等で不満足
であったのに対し、本発明のポリエステルの製造方法で
得られたポリエステルを適用することで、超透明で表面
欠点がないポリエステルフィルムを高生産性で得ること
が可能である。もちろん、本発明で得られたポリエステ
ルはフィルム以外の用途に使用することができ、必要に
応じて性能を付与するべく他の添加剤、滑剤、艶消し剤
、染料、顔料を用いることもできる。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明を詳述するが、実施例中の
各特性値の測定法は次の通りである。なお部は型凹部で
ある。
[固有粘度] フェノール/四塩化エタン=6/4(重量比)の混合溶
媒に溶解して25℃にてウベローデ粘度計で測定する。
[DEG含1含 水1エステルをアルカリ分解したのち、ガスクロマトグ
ラフィー(島津社裂)で定量する。
[溶液ヘイズ] ポリエステル5.49をフェノール/四塩化エタン=’
6/4(重量比)の混合溶媒40d中に100℃、2時
間で溶解させた後、デジタル濁度計(東京電色社製)で
10111111のセルを用いてヘイズ測定する。
[ポリエステルおよびフィルムの色調]全自助色差計(
東京電色社製)によるし値、b値で表示した。L値は大
きい程明度が強く、b値は黄色と青色の度合を示しく+
)側に大きい程黄色が強いことを示す。
[ポリエステル溶融比抵抗値1 290℃で溶融したポリエステル中に2枚の銅板電極を
静置させ、IKVの高電圧を印加したときの電流値を読
みとり比抵抗値(Ω・Cll1)を計算により求める。
[静電印加キャスト性] 押出機の口金部において、押出しフィルムの上部にある
電極とキャスティングドラム間に10KVの電圧を印加
し、キャスト速度30m/分で製膜し、得られたフィル
ムの平面性の良否、ビン状欠点の有無を目視で判定する
判定規準を次表のようにして表示した。
以下余白 実施例1 エステル化工程が各々精留塔を備えた完全混合槽と横型
多段槽から成り、重縮合工程が大気圧以下で運転される
完全混合槽と横型重合仕上機から構成されるポリエステ
ルの連続重合装置で、リン酸トリメチル(TM P ”
)  O,0422部(0,3X10−3モル)とエチ
レングリコール(EG)68.2部(1,10モル)、
及びテレフタルM<TPA)166部(1,00モル)
を混合したスラリーをエステル化工程の最初の反応機(
完全混合槽〉に、三酸化アンチモン0,05部をエステ
ル化工程の横型多段槽の最終セクションに、融点110
”CのBHET2.5部に混合した酢酸マグネシウム0
128部(0,6X10−3モル)を重縮合工程の完全
混合槽と横型重合仕上機の中間に各々連続的に供給し、
第1表、第3表の条件でポリエステルを得た。結果を第
5表に示す。色調、透明性、静電印加キャスト性に優れ
、フィルムの故障もない写真用に好適なポリ;ステルで
あった。
実施例2 TMP O,0294部(0,3X10’モル)、EG
14.4部(12モル)及びTPA166部(1モル)
から得たエステル化率97.0%のB HE T 20
5.0部(TPA  1.0モルに相当)を反応器に2
50℃で貯留し、これにTMP 0.0294部、EG
74.4部及びTPA166部からなるスラリーを連続
的に添加しつつ常圧下250℃にてエステル化反応を行
ない、生成する水を精留塔から連続的に系外に留出させ
た。
TMP、EG及びTPAからなるスラリーの添加を3時
間30分で終了し、更にエステル化反応を継続させ、都
合4時間でエステル化反応を実質的に終了した。得られ
たエステル化反応生成物205.0部を反応器に残し、
前記と同様に再度エステル化反応を行ない、これらの操
作を全部で3回繰返して最終的にエステル化率97.0
%のエステル化反応生成物を得た。この205.0部を
重縮合工程の反応器に取り、三酸化アンチモン0.05
8部を添加し常法により減圧下重縮合を行ない、第2表
の条件で重縮合開始後2時間15分の段階において、酢
酸マグネシウム0.129部(0゜6X10−3モル)
を添加して、更に重縮合を2時間30分継続させ、最終
温度283℃、真空度0.5in+Ha /cm、重合
時間4時間45分でポリエステルを得た。
結果を第4表に示す。得られたポリエステル及びそのフ
ィルムの性状は、着色や失透が小さく写真用に適する問
題のないものであった。
実施例3、及び比較例1 実施例2に於いて、酢酸マグネシウムの添加時期を各々
第2表のように変更する以外、実施例2と同様にして回
分式で重縮合を行ってポリエステルを得た。結果を第4
表に示す。実施例3で得られたポリエステル及びフィル
ムの性状は、写真用として好適な色調・透明性等に優れ
たものであったのに対し、比較例1で得られたポリエス
テル及びフィルムは、実施例2.3と比べると黄味、透
明性が劣り、写真用にはやや不満足なものであった。な
お、比較例1はリン化合物をスラリーに含有させて添加
した効果により従来の方法(比較例2)と比べ得られる
性状が好ましい。
以下余白 比較例2 実施例2に於いて、TMPをスラリーに含有しないでエ
ステル化反応終了の後、重縮合開始の前に添加する変更
以外、実施例2と同様にしてポリエステルを得た。結果
を第4表に示す。
得られたポリエステル及びそのフィルムの性状は、黄味
を帯び、透明性も劣っており、写真用には不適当であっ
た。従来の直接重合法では本発明のリン化合物をスラリ
ーに含有する効果、二価の金属化合物の添加時期を特定
する効果が得られないため品質上不満足であることを示
している。
比較例3 実施例1に於いて酢酸マグネシウムを同じモル数の融点
が179℃のステアリン酸カルシウム0、303部に変
更し、重縮合工程が終了した時点く横型重合仕上鍬のあ
と)に添加する変更以外、実施例1と同様にしてポリエ
ステルを得た。結果を第4表に示す。
1尋られたポリエステルは、ステアリン酸カルシウムの
均一な投入が困難で、透明性が著しく劣り、そのフィル
ムに異物が認められ、写真用に適さないものであった。
これは、添加する金属化合物を均一にポリエステル中に
混入するためには、溶融粘度が高過ぎないことが有利で
あることを示し、設備的困難性からも、本発明の(′f
li価/鹸価値鹸化価00値の範囲が好ましいことを示
している。
実施例4.5 実施例1に於けるTMP、酢酸マグネシウムを、各々他
のリン化合物及び二価の金属化合物に第3表に示すよう
に変更し実施例1と同様にしてポリエステルを得た。結
果を第4表に示す。
得られた実施例4.5のポリエステル及びそのフィルム
は、共に色調、透明性、静電印加キャスト性で優れ、写
真用に通したものであった。
比較例4.5 実施例1に於いて、TMPと酢酸マグネシウムの添加量
を第3表に示す本発明の第四外の量に変更する以外、実
施例1と同様にしてポリエステルを得た。結果を第4表
に示す。
得られたポリエステルとそのフィルムの性状は、いずれ
も写真用として問題があり、金属化合物の添加量の少な
い比較例4では溶融比抵抗値が著しく劣り、高速製膜性
に適せず、添加量の多い比較例5では、透明性が著しく
劣り、黄味が強く色調に問題があるものであった。
実施例−写真フィルム適性 前記の実施例1〜5及び比較例1〜5の各々で得られた
ポリエステルを常法の静電印加キャスト法により、膜厚
100μの二輪延伸したフィルムを作成し、印刷写真用
感光乳剤を塗布乾燥して印刷写真フィルムを作成した。
これらについて後述する評価を行ない、総合的に写真フ
ィルム適性を判断した。結果を第4表に示す。
得られた各々の写真用フィルムの性状は、実施例1〜5
のポリエステルを用いたものは、いずれも良好な適性を
示し、本発明の効果を発揮し、高品質な写真フィルムが
得られたのに対し、本発明の方法を用いずに得られた比
較例1〜5のポリエステルを適用したものは、何らかの
写真フィルムの性状で欠陥を有し、写真フィルムとして
不満足なものであった。
以下写真フィルムの評圃法を示す。
[写真フィルムの色調] 未露光の写真フィルムを通常の方法で現像処理した試料
を白色光を通して目視判定した。
本発明の色調の評斬基準を下記のように定めて表示した
[写真フィルムの透明性] 未露光の写真フィルムを通、常の方法で現像処理した試
料を、5枚重ねし、白色光を通して、下記の基準で判定
し、表示した。
[写真フィルムの故障] 写真フィルムの故障のうち、フィルム支持体に起因する
と考える故障として、表面の凹凸に起因する塗布ムラ、
異物に起因する増感又は減感、スリキズや結晶化に伴う
失透等があり、総合的に単位面積(12)当りの故障の
数と強さを相対的に下記基準で判定し表示した。
以下余白 に写真フィルム適性】 上記写真フィルム支持体としての各々の適性を総合評価
し、下記基準で判定し、表示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 ジカルボン酸とグリコール類とからポリエステルを製造
    するに際し、ジカルボン酸1モルに対し、0.03×1
    0^−^3〜2.0×10^−^3モルのリン原子に相
    当するリン化合物を含むジカルボン酸とグリコール類と
    のスラリーを、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
    レート及び/又はその低重合体に連続的にまたは断続的
    に供給してエステル化反応を行ない、エステル化反応を
    実質的に終了せしめた後大気圧以下の圧力で触媒の存在
    下重縮合を行ない、反応生成物が次式を満足する段階に
    於いてジカルボン酸1モルに対し0.08×10^−^
    3〜2.0×10^−^3モルの金属原子に相当する二
    価の金属化合物をビス(β−ヒドロキシエチル)テレフ
    タレート及び/又はその低重合体と混合して添加し、重
    縮合を継続せしめることを特徴とするポリエステルの製
    造方法。 0.3(%)≦酸化/鹸化価×100(%)≦1.2(
    %)
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003292592A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Toyobo Co Ltd 共重合ポリエステルおよびその製造方法

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