JPS6225789B2 - - Google Patents
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- JPS6225789B2 JPS6225789B2 JP17929182A JP17929182A JPS6225789B2 JP S6225789 B2 JPS6225789 B2 JP S6225789B2 JP 17929182 A JP17929182 A JP 17929182A JP 17929182 A JP17929182 A JP 17929182A JP S6225789 B2 JPS6225789 B2 JP S6225789B2
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Description
本発明は主としてポリエステル繊維の高速延伸
摩擦仮撚用油剤に関するものであり、より詳しく
は高速延伸摩擦仮撚に際してヒーター汚れがほと
んど観察されず均一な捲縮加工糸として得られ、
均一性の優れたニツト編地や織物布地を提供しう
る加工糸製造用油剤とくに高速延伸仮撚用油剤に
関するものである。 ポリエステル繊維の加工糸を得る方法として
は、紡糸後の未延伸糸をいつたん延伸糸としてか
ら仮撚する方法および最近DTY技術の進歩によ
り紡糸原糸から延伸と仮撚とを同時または連続的
に行なう方法があり、後者の例が多い。そして、
かかる延伸仮撚付与方法としてはスピンドル仮撚
方法および摩擦仮撚方法が採用されており、とく
に摩擦仮撚方式の採用によつて加工速度は400〜
1000m/分のように飛躍的に向上しつつある。し
かし、加工速度の上昇に伴なつて糸と各種接触体
(たとえばガイド、ローラ、ヒーター)との摩擦
の増大により繊維の損傷による毛羽の発生および
断糸の発生などが増大する欠点が現われる。ま
た、一方で仮撚速度の増大により従来よく知られ
ている処理剤ではヒーターが著しく汚染され、極
端な場合にはヒーター上でタール化物、スラツジ
の残渣(以後スカムを略称)により加工糸の毛羽
の発生や断糸の発生が増大する。さらにまた、捲
縮異常品の発生や染色斑の発生の原因となり、ニ
ツト編地の緯段や織物布地に筋などが発生する。
そのため生産を停止してヒーターの掃除をひんぱ
んに実施しなければならず操業性に乏しい。 最近、耐熱性の油剤が検討されており、その一
つとしてポリエーテル化合物を主体とした油剤が
種々提案されている。そして、かかるポリエーテ
ルを主成分とする処理剤を付与したポリエステル
マルチフイラメント糸を高速摩擦仮撚を行なうと
ヒーター汚れに対しては良好な結果が得られる
が、処理時間の経過とともに毛羽の発生や断糸の
発生が多くなつてくる。このことは、捲縮異常の
発生および染色斑の発生の原因となり、ニツト編
地の緯段や織物布地に筋などが発生する。 本発明はこれらの問題点を解決せんとして鋭意
研究の結果、ヒーター汚れが少なく毛羽の発生や
断糸の発生が少なく、また捲縮性の均一な緯段の
ない加工糸が得られることを見出したものであ
る。 すなわち、本発明は複屈折率(△n)が0.02〜
0.08程度のポリエステル未延伸マルチフイラメン
トを加工速度が数100〜1000m/分のような高速
で摩擦仮撚するに際して、前述のような種々の弊
害を持たらさないところの高速摩擦仮撚用油剤に
関するものである。 本発明の端緒は、高速摩擦仮撚用油剤として用
いられているポリエーテル化合物の有する前述の
ような欠点を防止せんとしたことにあり、この問
題点を解決するために下記3成分を配合すること
で著しい効果を見出した。 (イ) エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオ
キサイド(PO)のブロツク共重合物およびラ
ンダム共重合物から選ばれ、PO/EO(モル
比)が50/50〜90/10であり、その両末端が炭
素数1〜18のアルキル基によつてエーテル結合
封鎖された分子量500〜3000の化合物を2種以
上配合したものを30〜80重量% (ロ) 多価アルコールにEOとPOのランダム共重合
物を付加したPO/EO(モル比)が50/50〜
90/10ですべての末端が炭素数1〜18のアルキ
ル基によつてエーテル結合封鎖された分子量
3000〜5000の化合物を5〜20重量% (ハ) (ロ)においてPO/EO(モル比)が60/40〜
95/5にして末端封鎖されていない分子量4000
〜6000の化合物を5〜20重量% 以下に本発明の必須成分(イ)〜(ハ)の役割とそれを
選定した根拠について説明する。 (イ)は糸の平滑性をより向上させ高速摩擦仮撚に
おける毛羽や断糸が減少し、捲縮異常が少なくな
り、ニツト編地の緯段、織物布地の筋の少ない加
工糸が得られる。またヒーター汚れも非常に少な
く良好である。ここで、PO/EO(モル比)を
50/50〜90/10として理由はヒーター汚れを少な
くするためであり、分子量500未満の化合物(イ)は
対金属摩擦など流体潤滑的に好ましいが熱的安定
性に乏しく、また一方ではゴム膨潤性が悪化する
ので好ましくなく、分子量が3000を越えると摩擦
が大きくなるので不適である。かかる化合物(イ)の
結合状態はブロツク共重合でもランダム共重合べ
もよいが、共重合物の両末端は摩擦を小さくする
ためにアルキル基とくに炭素数1〜18のアルキル
基によつてエーテル結合封鎖されたものである必
要がある。これが片末端封鎖や未封鎖では摩擦が
大きいという欠点があるので不適である。またそ
の配合比は分子量の異なる2種以上の化合物を配
合し30〜80重量%である。 (ロ)は油膜強化により糸表面を保護するとともに
すべての末端封鎖化による平滑性の向上により高
速摩擦仮撚において毛羽防止に著しい効果を示
す。ここで化合物(ロ)のPO/EO(モル比)を50/
50〜90/10とした理由はヒーター汚れを少なくす
るためであり、分子量3000末満では毛羽発生の欠
点、5000を越えると平滑性不足の欠点があるの
で、その分子量は3000〜5000としたものである。
またこの成分はヒーター汚れに対しても良好な結
果が得られている。なお(ロ)はブロツク共重合物で
あると平滑性不足の欠点があるのでランダム共重
合物の形としたものであり、その配合比は5〜20
重量%であつて(イ)より少量成分として用いられ
る。 (ハ)は高速摩擦仮撚における油膜強化によつてさ
らに毛羽防止効果を得るために用いたものであつ
て、前記(ロ)と大きくちがう点は末端封鎖が成され
ていない化合物であることである。その理由は、
全末端を封鎖した(ロ)によつては毛羽防止の点が不
充分であるので末端未封鎖の化合物としたもので
あり、その分子量の上限を6000とした理由は△n
は0.02〜0.08程度のポリエステル未延伸フイラメ
ントを紡糸捲取る時、ポリエーテル分子量が6000
を越えると繊維−繊維間の静摩擦係数が極端に低
くなり、捲形状が不良となり、高速摩擦仮撚の断
糸の原因となり不利であるためである。 本発明においては、これら3成分を所定の配合
比で配合した油剤組成物は75℃の粘度が20〜35セ
ンチポイズ(cps)で用いられることが望まし
い。 かかる油剤を未延伸糸に0.3〜1.0%程度付与す
ることによつて、高速摩擦仮撚で毛羽の発生、断
糸の発生が少なく、捲縮異常がなく、ニツト編地
の緯段や織物布地の筋発生のない均斉な加工糸が
得られる。なお、本発明の油剤に帯電防止のため
に一般的に知られているアルキルホスホネート塩
やアルキルホスフエート塩等を数%配合してもよ
い。 本発明の上述の油剤は本発明以外の目的たとえ
ばスピンドル式仮撚加工原糸処理剤や合成繊維の
紡糸、延伸用原糸処理剤として使用しても一応の
効果はある。 以下に実施例と比較例によつて本発明について
説明する。 実施例1〜3および比較例1〜4 常法によりポリエチレンテレフタレートを3500
m/分の紡糸速度で紡糸し、油剤組成物A〜Gを
別々にマルチフイラメントに対して油剤付着量を
0.5%目標に付与した(第1表)。得られた225d/
32fのフイラメントの未延伸糸をウレタンゴム円
板をそなえた摩擦仮撚機を用いて延伸倍率1.5
倍、ヒーター温度220℃、摩擦円板回転数
8500rpm、加工速度700m/分で延伸しながら摩
擦仮撚を行なつた。これらについては各20日間ず
つ連続運転を行ない、延伸仮撚性(毛羽、断糸、
ヒーター汚れ、捲縮性等)および得られた仮撚加
工糸を編物として染色仕上げして緯段発生状況を
調査した(第2表)。 これらの油剤のうちで実施例1〜3の油剤A〜
Cが種々検討したうちで代表的な本発明油剤であ
り、比較例1〜4の油剤D〜Gは比較油剤であ
る。以下にこれら実験例の結果について考察す
る。 (1) 油剤A、B、Cは本発明油剤であつて、配合
油剤の粘度は75℃でそれぞれ26cps、28cps、
29cpsで、仮撚系毛羽の発生および仮撚断糸の
発生は少なく、ヒーター汚れはほとんどなく、
捲縮性および編物の緯段もなく良好な結果が得
られた。 (2) 油剤Dは一般に知られているポリエーテル化
合物主体の配合油剤とした結果、配合油剤の粘
度が高くなつた(55csp、75℃)ため平滑性不
足による仮撚糸毛羽の発生および仮撚断糸の発
生が多くなり、また一方では捲縮不良と編地緯
段が発生した。 (3) 油剤Eは一般に知られているポリエーテル化
合物主体の配合油剤で、ポリエーテル分子量の
600〜1000のものを多く配合し、配合油剤の粘
度を32cps、75℃として油剤Dより低くした
が、ヒーター汚れはやゝ悪化し仮撚糸毛羽およ
び仮撚断糸の発生が多くなり、また一方では捲
縮不良と編地緯段が発生した。 (4) 油剤Fは一般に知られているポリエーテル化
合物を主体としたが、ベースオイルとしてオク
チルパルミテート、トリメロールプロパントリ
ラウレートを配合したためにヒーター汚れが大
きく、そのため仮撚糸の毛羽および仮撚の断糸
が多くなつた。また一方で編物の緯段が発生し
た。 (5) 油剤Gはポリエーテルとして両末端封鎖化が
ポリエーテル化合物を主体としたが、ベースオ
イルとしてオクチルパルミテートを配合したた
めにヒーター汚れが大きく、そのため仮撚糸の
毛羽および仮撚の断糸が多くなつた。また一方
で編物の緯段が発生した。
摩擦仮撚用油剤に関するものであり、より詳しく
は高速延伸摩擦仮撚に際してヒーター汚れがほと
んど観察されず均一な捲縮加工糸として得られ、
均一性の優れたニツト編地や織物布地を提供しう
る加工糸製造用油剤とくに高速延伸仮撚用油剤に
関するものである。 ポリエステル繊維の加工糸を得る方法として
は、紡糸後の未延伸糸をいつたん延伸糸としてか
ら仮撚する方法および最近DTY技術の進歩によ
り紡糸原糸から延伸と仮撚とを同時または連続的
に行なう方法があり、後者の例が多い。そして、
かかる延伸仮撚付与方法としてはスピンドル仮撚
方法および摩擦仮撚方法が採用されており、とく
に摩擦仮撚方式の採用によつて加工速度は400〜
1000m/分のように飛躍的に向上しつつある。し
かし、加工速度の上昇に伴なつて糸と各種接触体
(たとえばガイド、ローラ、ヒーター)との摩擦
の増大により繊維の損傷による毛羽の発生および
断糸の発生などが増大する欠点が現われる。ま
た、一方で仮撚速度の増大により従来よく知られ
ている処理剤ではヒーターが著しく汚染され、極
端な場合にはヒーター上でタール化物、スラツジ
の残渣(以後スカムを略称)により加工糸の毛羽
の発生や断糸の発生が増大する。さらにまた、捲
縮異常品の発生や染色斑の発生の原因となり、ニ
ツト編地の緯段や織物布地に筋などが発生する。
そのため生産を停止してヒーターの掃除をひんぱ
んに実施しなければならず操業性に乏しい。 最近、耐熱性の油剤が検討されており、その一
つとしてポリエーテル化合物を主体とした油剤が
種々提案されている。そして、かかるポリエーテ
ルを主成分とする処理剤を付与したポリエステル
マルチフイラメント糸を高速摩擦仮撚を行なうと
ヒーター汚れに対しては良好な結果が得られる
が、処理時間の経過とともに毛羽の発生や断糸の
発生が多くなつてくる。このことは、捲縮異常の
発生および染色斑の発生の原因となり、ニツト編
地の緯段や織物布地に筋などが発生する。 本発明はこれらの問題点を解決せんとして鋭意
研究の結果、ヒーター汚れが少なく毛羽の発生や
断糸の発生が少なく、また捲縮性の均一な緯段の
ない加工糸が得られることを見出したものであ
る。 すなわち、本発明は複屈折率(△n)が0.02〜
0.08程度のポリエステル未延伸マルチフイラメン
トを加工速度が数100〜1000m/分のような高速
で摩擦仮撚するに際して、前述のような種々の弊
害を持たらさないところの高速摩擦仮撚用油剤に
関するものである。 本発明の端緒は、高速摩擦仮撚用油剤として用
いられているポリエーテル化合物の有する前述の
ような欠点を防止せんとしたことにあり、この問
題点を解決するために下記3成分を配合すること
で著しい効果を見出した。 (イ) エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオ
キサイド(PO)のブロツク共重合物およびラ
ンダム共重合物から選ばれ、PO/EO(モル
比)が50/50〜90/10であり、その両末端が炭
素数1〜18のアルキル基によつてエーテル結合
封鎖された分子量500〜3000の化合物を2種以
上配合したものを30〜80重量% (ロ) 多価アルコールにEOとPOのランダム共重合
物を付加したPO/EO(モル比)が50/50〜
90/10ですべての末端が炭素数1〜18のアルキ
ル基によつてエーテル結合封鎖された分子量
3000〜5000の化合物を5〜20重量% (ハ) (ロ)においてPO/EO(モル比)が60/40〜
95/5にして末端封鎖されていない分子量4000
〜6000の化合物を5〜20重量% 以下に本発明の必須成分(イ)〜(ハ)の役割とそれを
選定した根拠について説明する。 (イ)は糸の平滑性をより向上させ高速摩擦仮撚に
おける毛羽や断糸が減少し、捲縮異常が少なくな
り、ニツト編地の緯段、織物布地の筋の少ない加
工糸が得られる。またヒーター汚れも非常に少な
く良好である。ここで、PO/EO(モル比)を
50/50〜90/10として理由はヒーター汚れを少な
くするためであり、分子量500未満の化合物(イ)は
対金属摩擦など流体潤滑的に好ましいが熱的安定
性に乏しく、また一方ではゴム膨潤性が悪化する
ので好ましくなく、分子量が3000を越えると摩擦
が大きくなるので不適である。かかる化合物(イ)の
結合状態はブロツク共重合でもランダム共重合べ
もよいが、共重合物の両末端は摩擦を小さくする
ためにアルキル基とくに炭素数1〜18のアルキル
基によつてエーテル結合封鎖されたものである必
要がある。これが片末端封鎖や未封鎖では摩擦が
大きいという欠点があるので不適である。またそ
の配合比は分子量の異なる2種以上の化合物を配
合し30〜80重量%である。 (ロ)は油膜強化により糸表面を保護するとともに
すべての末端封鎖化による平滑性の向上により高
速摩擦仮撚において毛羽防止に著しい効果を示
す。ここで化合物(ロ)のPO/EO(モル比)を50/
50〜90/10とした理由はヒーター汚れを少なくす
るためであり、分子量3000末満では毛羽発生の欠
点、5000を越えると平滑性不足の欠点があるの
で、その分子量は3000〜5000としたものである。
またこの成分はヒーター汚れに対しても良好な結
果が得られている。なお(ロ)はブロツク共重合物で
あると平滑性不足の欠点があるのでランダム共重
合物の形としたものであり、その配合比は5〜20
重量%であつて(イ)より少量成分として用いられ
る。 (ハ)は高速摩擦仮撚における油膜強化によつてさ
らに毛羽防止効果を得るために用いたものであつ
て、前記(ロ)と大きくちがう点は末端封鎖が成され
ていない化合物であることである。その理由は、
全末端を封鎖した(ロ)によつては毛羽防止の点が不
充分であるので末端未封鎖の化合物としたもので
あり、その分子量の上限を6000とした理由は△n
は0.02〜0.08程度のポリエステル未延伸フイラメ
ントを紡糸捲取る時、ポリエーテル分子量が6000
を越えると繊維−繊維間の静摩擦係数が極端に低
くなり、捲形状が不良となり、高速摩擦仮撚の断
糸の原因となり不利であるためである。 本発明においては、これら3成分を所定の配合
比で配合した油剤組成物は75℃の粘度が20〜35セ
ンチポイズ(cps)で用いられることが望まし
い。 かかる油剤を未延伸糸に0.3〜1.0%程度付与す
ることによつて、高速摩擦仮撚で毛羽の発生、断
糸の発生が少なく、捲縮異常がなく、ニツト編地
の緯段や織物布地の筋発生のない均斉な加工糸が
得られる。なお、本発明の油剤に帯電防止のため
に一般的に知られているアルキルホスホネート塩
やアルキルホスフエート塩等を数%配合してもよ
い。 本発明の上述の油剤は本発明以外の目的たとえ
ばスピンドル式仮撚加工原糸処理剤や合成繊維の
紡糸、延伸用原糸処理剤として使用しても一応の
効果はある。 以下に実施例と比較例によつて本発明について
説明する。 実施例1〜3および比較例1〜4 常法によりポリエチレンテレフタレートを3500
m/分の紡糸速度で紡糸し、油剤組成物A〜Gを
別々にマルチフイラメントに対して油剤付着量を
0.5%目標に付与した(第1表)。得られた225d/
32fのフイラメントの未延伸糸をウレタンゴム円
板をそなえた摩擦仮撚機を用いて延伸倍率1.5
倍、ヒーター温度220℃、摩擦円板回転数
8500rpm、加工速度700m/分で延伸しながら摩
擦仮撚を行なつた。これらについては各20日間ず
つ連続運転を行ない、延伸仮撚性(毛羽、断糸、
ヒーター汚れ、捲縮性等)および得られた仮撚加
工糸を編物として染色仕上げして緯段発生状況を
調査した(第2表)。 これらの油剤のうちで実施例1〜3の油剤A〜
Cが種々検討したうちで代表的な本発明油剤であ
り、比較例1〜4の油剤D〜Gは比較油剤であ
る。以下にこれら実験例の結果について考察す
る。 (1) 油剤A、B、Cは本発明油剤であつて、配合
油剤の粘度は75℃でそれぞれ26cps、28cps、
29cpsで、仮撚系毛羽の発生および仮撚断糸の
発生は少なく、ヒーター汚れはほとんどなく、
捲縮性および編物の緯段もなく良好な結果が得
られた。 (2) 油剤Dは一般に知られているポリエーテル化
合物主体の配合油剤とした結果、配合油剤の粘
度が高くなつた(55csp、75℃)ため平滑性不
足による仮撚糸毛羽の発生および仮撚断糸の発
生が多くなり、また一方では捲縮不良と編地緯
段が発生した。 (3) 油剤Eは一般に知られているポリエーテル化
合物主体の配合油剤で、ポリエーテル分子量の
600〜1000のものを多く配合し、配合油剤の粘
度を32cps、75℃として油剤Dより低くした
が、ヒーター汚れはやゝ悪化し仮撚糸毛羽およ
び仮撚断糸の発生が多くなり、また一方では捲
縮不良と編地緯段が発生した。 (4) 油剤Fは一般に知られているポリエーテル化
合物を主体としたが、ベースオイルとしてオク
チルパルミテート、トリメロールプロパントリ
ラウレートを配合したためにヒーター汚れが大
きく、そのため仮撚糸の毛羽および仮撚の断糸
が多くなつた。また一方で編物の緯段が発生し
た。 (5) 油剤Gはポリエーテルとして両末端封鎖化が
ポリエーテル化合物を主体としたが、ベースオ
イルとしてオクチルパルミテートを配合したた
めにヒーター汚れが大きく、そのため仮撚糸の
毛羽および仮撚の断糸が多くなつた。また一方
で編物の緯段が発生した。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記(イ)〜(ハ)の化合物の混合組成物からなるこ
とを特徴とする摩擦仮撚用油剤。 (イ) エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオ
キサイド(PO)のブロツク共重合物およびラ
ンダム共重合物から選ばれ、PO/EO(モル
%)が50/50〜90/10であり、その両末端が炭
素数1〜18のアルキル基によつてエーテル結合
封鎖された分子量500〜3000の化合物を2種以
上配合したものを30〜80重量% (ロ) 多価アルコールにEOとPOのランダム共重合
物を付加したPO/EO(モル比)が50/50〜
90/10ですべての末端が炭素数1〜18のアルキ
ル基によつてエーテル結合封鎖された分子量
3000〜5000の化合物を5〜20重量% (ハ) (ロ)においてPO/EO(モル比)が60/40〜
95/5にして末端封鎖されていない分子量4000
〜6000の化合物を5〜20重量% 2 前項において、油剤粘度が20〜35センチポイ
ズ(75℃)であることを特徴とする摩擦仮撚用油
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17929182A JPS5971476A (ja) | 1982-10-12 | 1982-10-12 | 摩擦仮撚用油剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17929182A JPS5971476A (ja) | 1982-10-12 | 1982-10-12 | 摩擦仮撚用油剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5971476A JPS5971476A (ja) | 1984-04-23 |
JPS6225789B2 true JPS6225789B2 (ja) | 1987-06-04 |
Family
ID=16063254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17929182A Granted JPS5971476A (ja) | 1982-10-12 | 1982-10-12 | 摩擦仮撚用油剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5971476A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02122187A (ja) * | 1988-11-01 | 1990-05-09 | Toshiba Corp | 冷蔵庫 |
US6858043B2 (en) | 2000-12-28 | 2005-02-22 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | Finish for synthetic filament to be friction-textured |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6119874A (ja) * | 1984-07-02 | 1986-01-28 | 東レ株式会社 | ポリアミド繊維用油剤 |
-
1982
- 1982-10-12 JP JP17929182A patent/JPS5971476A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02122187A (ja) * | 1988-11-01 | 1990-05-09 | Toshiba Corp | 冷蔵庫 |
US6858043B2 (en) | 2000-12-28 | 2005-02-22 | Matsumoto Yushi-Seiyaku Co., Ltd. | Finish for synthetic filament to be friction-textured |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5971476A (ja) | 1984-04-23 |
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