JPS6225406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両用のバンパーをパネルに取付け
て保持するためのバンパー保持装置に関するもの
である。

車両用のバンパーとして、合成樹脂製バンパー
が使用されている。第１図はバンパーを示す斜視
図であり、バンパー１は長手方向に伸びる本体１
ａと、この本体１ａの両端からほぼ直角に折曲つ
た側部１ｂとからなり、側部１ｂの先端１ｃ近く
でフエンダーパネルまたは金属製バンパー本体な
どのパネルに取付けられ、保持される。

第２図は従来のバンパー保持装置を示す第１図
のＡ−Ａ断面図、第３図はクリツプの斜視図であ
る。バンパー１の側部１ｂの内面に複数個のボス
２が設けられており、クリツプ３の基板４に設け
られた穴５に、上記ボス２を挿入したのち、突出
部分２ａを熱溶着等により溶融してクリツプ３を
バンパー１に固定する。一方クリツプ３の基板４
からクリツプ本体３ａ，３ｂが突出しており、こ
のクリツプ本体３ａ，３ｂをパネル６に設けられ
た係合穴７に挿入して係合させ、バンパー１をパ
ネル６に取付け保持するようになつている。

しかしながら、このような従来のバンパー保持
装置においては、熱溶着により、溶融するボス２
の突出部分２ａの量には限度があり、また溶融時
に樹脂がコテに付着してしまい基板４に十分な樹
脂が付着しないため、クリツプ３とバンパー１と
の間にガタが生じたり、衝撃等によりクリツプ３
とバンパー１とが分離されるなど、信頼性に欠け
る問題点があつた。

この考案はこのような従来の問題点に着目して
なされたもので、バンパー１の側部内面に、クリ
ツプ３を挿入して係止するクリツプ保持部を設け
ることにより、上記問題点を解決することを目的
としている。

この考案は合成樹脂製バンパーの側部内面に対
向して設けられた横断面鉤形のクリツプ保持部
と、このクリツプ保持部に挿入されて係止される
基板およびこの基板から突出し、かつパネルに設
けられた係合穴に係合するクリツプ本体からなる
クリツプと、前記基板を挿入した時に互いに係合
するようにクリツプ保持部および基板間に設けら
れた凸部および凹部と、前記基板を挿入した時に
クリツプ保持部の先端に当接するように基板に設
けられた突縁とを備えたことを特徴とするバンパ
ー保持装置である。

以下、この考案を図面に基いて説明する。第４
図はこの考案の一実施例によるバンパー保持装置
を示す第１図のＡ−Ａ断面図、第５図は内側から
見た正面図であり、第１図ないし第３図と同一符
号は同一または相当部分を示す。

図面において、バンパー１の側部１ｂの内面の
先端１ｃ近くには、上下に対向して突設された横
断面鉤形のクリツプ保持部８ａ，８ｂが設けられ
ている。このクリツプ保持部８ａ，８ｂはレール
状に、内側にクリツプ３の基板４をスライドでき
るようになつており、基板４には挿入時にストツ
パーとして作用する突縁９が設けられている。ま
た基板４を挿入したときに互いに係合するように
クリツプ保持部８ａ，８ｂには凸部１０が設けら
れ、これに対応するように、基板４には凹部１１
が設けられている。１２，１３はクリツプ保持部
８ａ，８ｂを補強するリブである。

以上のように構成されたクリツプ保持装置は、
クリツプ３の基板４を矢印Ｐ方向にクリツプ保持
部８ａ，８ｂ間に挿入し、突縁９をクリツプ保持
部８ａ，８ｂの先端に当接させるとともに、弾性
を利用して凸部１０および凹部１１を係合させ
る。こうしてクリツプ３はバンパー１に取付けら
れる。この状態でクリツプ３はＰ方向への移動を
突縁９で阻止され、逆方向への移動を凸部１０お
よび凹部１１で阻止されて係止され、脱落が防止
される。

以上のようにしてクリツプ３を取付けたバンパ
ー１は、従来のものと同様に、クリツプ本体３
ａ，３ｂをパネル６の係合穴７に挿入して係合さ
せ、取付ける。このときクリツプ３は突縁９、凸
部１０および凹部１１により固定されているの
で、係合穴７への挿入は容易であり、短時間に挿
着できるとともに、パネル６を傷つけるおそれが
なく、バンパー１は確実にパネル６に取付けら
れ、保持される。

なお、以上の実施例において、クリツプ保持部
８ａ，８ｂの形状は、横断面が完全なＬ字状でな
くてもよく、クリツプ３の基板４を保持できる範
囲で適宜変更可能である。またクリツプ３の形
状、構造もバンパー１およびパネル６に応じて変
更できるものであり、それに応じてクリツプ保持
部８ａ，８ｂの形状、構造も変更可能である。

本考案は合成樹脂製バンパーを車体パネルまた
は金属製バンパー本体などのパネルに取付けて保
持するあらゆる場合に適用可能である。

以上説明してきたように、この考案によれば、
バンパーの側部内面に、クリツプを挿入して係止
するクリツプ保持部を設けたため、簡単かつ確実
にクリツプをバンパーに取付けることができ、従
来のように熱溶着などの工程を必要とせず、衝撃
力による脱落も防止できるなどの効果がある。ま
たクリツプをクリツプ保持部に係止する手段とし
て、係合可能な凸部および凹部ならびに突縁を設
けたので、挿着が容易で車体に傷をつけることな
く、確実に保持できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はバンパーを示す斜視図、第２図は従来
のバンパー保持装置を示す第１図のＡ−Ａ断面
図、第３図はクリツプの斜視図、第４図はこの考
案の一実施例によるバンパー保持装置を示す第１
図のＡ−Ａ断面図、第５図は内側から見た正面図
である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、１はバンパー、３はクリツプ、３ａ，３ｂは
クリツプ本体、４は基板、６はパネル、７は係合
穴、８ａ，８ｂはクリツプ保持部、９は突縁、１
０は凸部、１１は凹部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製バンパーの側部内面に対向して設け
   られた横断面鉤形のクリツプ保持部と、このクリ
   ツプ保持部に挿入されて係止される基板およびこ
   の基板から突出し、かつパネルに設けられた係合
   穴に係合するクリツプ本体からなるクリツプと、
   前記基板を挿入した時に互いに係合するようにク
   リツプ保持部および基板間に設けられた凸部およ
   び凹部と、前記基板を挿入した時にクリツプ保持
   部の先端に当接するように基板に設けられた突縁
   とを備えたことを特徴とするバンパー保持装置。