JPS6225232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、販売動作中に貨幣が投入された場合
にこの額を演算して保持する自動販売機に関す
る。

(ロ) 従来の技術 Ａ 技術的な背景 例えば乗車券販売機または食券販売機のよう
に、時間帯によつて利用が殺到するような場合、
前の利用者が選択動作後直ちに商品或いは釣銭の
取出口を探ると、後の利用者は販売を終了したも
のと勘違いして硬貨を投入するケースがまま起き
る。そして、従来の自動販売機では販売期間中に
おいては硬貨返却用電磁石を付勢するために、次
の客による投入硬貨は全て返却されることになる
が、これが金銭上のトラブルを誘発しかねない。
すなわち前の客により自動販売機が商品送出動作
状態となつているときに、後の客が貨幣を投入し
てこの貨幣が返却されると、前の客はこの返却貨
幣を自分の釣銭と誤解することがある。また前の
客により自動販売機が釣銭返却動作状態となつて
いるときに、後の客が貨幣を投入してこの貨幣が
返却されると、返却貨幣と釣銭貨幣が釣銭取出口
で一緒となつて紛わしく、前の客が知らないでこ
れを持ち去ると後の客は投入貨幣が返却されなか
つたと感違いされる。したがつて商品や釣銭の払
出中に貨幣が投入された場合に、これを返却する
ことなく別の演算記憶部に保持しておくのが好ま
しい。

Ｂ 先行技術 このように２通りの演算記憶部を備えた自動販
売機としては、特開昭51―142399号公報に示され
ている技術がある。これは演算部が演算した投入
合計金額や商品販売後の残額を記憶する記憶装置
以外に、商品販売中に投入された貨幣額を保持す
る一時記憶装置を有し、商品販売の終了により記
憶装置に保持している残額に、一時記憶装置に保
持している貨幣額を加算するものである。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の先行技術は、残額と商品販
売中の投入貨幣額との合計額を同時に釣銭払出装
置にて払出す構成のために、商品販売中における
貨幣の投入が次の客によるものであると釣銭の区
別がつきにくい。

本発明は上記点に鑑みて成されたもので、商品
販売動作中に次の客によつて投入された硬貨も返
却することなく受入れて、この期間中の投入金額
は前の客の販売後の残額と区別して計数し、次販
売に備えて保持するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 実施例を示す図面にて本発明の構成を説明する
と、投入貨幣の検知により演算信号を発生する装
置である硬貨スイツチ１７，１８，１９からの演
算信号の入力にて、投入金額を演算する主演算装
置２及び副演算装置３を設ける。しかして演算信
号は通常主演算装置２へ導入されるが、販売動作
中にはゲート装置４の切換えにより副演算装置３
へ導入される。そして転送装置５は販売動作の終
了により副演算装置３の演算内容を主演算装置２
に転送し、このときの主演算装置２の演算額にて
次の客に対する販売制御を行なう。

(ホ) 作 用 通常の販売待機状態において貨幣が投入される
と、演算信号を主演算装置２で演算して販売制御
を行なう。この販売動作期間中に次の客により貨
幣が投入されると演算信号を副演算装置３で演算
し、販売終了により副演算装置３の演算額を主演
算装置２へ導入する。したがつて自動販売機は前
の客の販売が終了した後は、主演算装置２へ導入
された金額により次の客に対する販売制御を行な
う。

(ヘ) 実施例 以下図面と共に本発明の一実施例を詳述する。

第１図は自動販売機に於いて、硬貨の選別・受
入・返却等の処理を行うコインメカニズムを示
し、６は自動販売機の前面パネルに穿設した硬貨
投入口に連通する硬貨受口、７，８，９は硬貨種
類毎の外径に対応して設けたゲートで硬貨受口６
より導入される硬貨は、先ずその外径に応じて振
分けられる。そしてゲート７，８，９によつて振
分けられた硬貨は図示されていないが、周知のマ
グネツト・ピースアクセプト・セパレータ等の各
選別部材を通過して正貨の場合、実線で示す経路
により硬貨種類毎の硬貨収納筒１０，１１，１２
へ導入され、ゲート７，８，９及び前記選別部材
で除去される不正貨は返却通路１３へ導入され
る。また、正貨が通過する経路には硬貨返却ピン
が突出するリジエクト穴１４，１５，１６が穿孔
されており、硬管返却用電磁装置の非励磁により
硬貨返却ピンが突出すると、正貨であつても返却
通路１３へ導入される。１７，１８，１９は硬貨
収納筒１０，１１，１２へ導入される硬貨を検出
する硬貨スイツチ、２１，２２，２３は釣銭払出
時或いは投入金額返却時に硬貨収納筒１０，１
１，１２より硬貨を払出すワイパである。

第２図に本発明による制御回路をブロツク図に
て示す。２４は硬貨返却用電磁装置、１は硬貨ス
イツチ１７，１８，１９に接続されて硬貨種に応
じた演算信号を出力する演算信号発生装置で、場
合によつては紙幣識別器にも接続されて紙幣額に
応じた演算信号も出力する。２及び３は夫々主演
算装置・副演算装置で略同等の演算能力を備えて
前記演算信号により投入金額（硬貨或いは紙幣）
を演算するが、主演算装置２には投入金額演算機
能に加えて釣銭演算機能が備えられている。４は
演算信号発生装置１よりの演算信号を主演算装置
２または副演算装置３の何れかへ導入するゲート
装置、５は副演算装置３の演算内容を主演算装置
２へ導入する転送装置、２５は予め販売商品種に
応じて夫々の商品販売価格が設定される価格設定
装置、２６は主演算装置２の演算額と価格設定装
置２５の商品販売価格情報を比較する比較装置で
ある。そして２７は比較装置２６の比較判定結果
と硬貨収納筒１０，１１，１２の釣銭有無出力
ａ・ｂ・ｃ，更に場合によつては投入貨幣種類情
報に基づき主演算装置２の演算額で商品販売が可
能かを判定する販売可判定装置で、何れの商品も
購入不能な場合販売不能信号ｄを出力し、販売可
能な場合販売可能商品に応じた販売可能信号e₁〜
ｅ_oを出力する。２８は選択回路で販売可能信号
e₁…ｅ_oの入力により顧客による商品の選択動作
が可能となり、選択動作が成されると選択商品に
係る販売信号V₁…Ｖ_oを出力し、販売制御装置２
９は選択商品の販売動作を行う。そして３０は選
択回路２９での選択動作にて販売動作が行われた
ことを記憶する販売記憶装置、３１は販売記憶装
置３０の記憶出力ｍと主演算装置２の演算額が何
れの販売価格にも達していない場合に生じる信号
ｆとが入力するANDゲートである。また自動販
売機の前面パネルには顧客が投入金額の返却を希
望する場合に操作する返却スイツチが配設されて
おり、これにより生じるエスクロ信号は販売不能
信号ｄ及びANDゲート３１の出力と共に、ORゲ
ート３２に入力するようになつており、ORゲー
ト３２の出力に基づき釣銭払出制御装置３３は主
演算装置２の演算額を払出すよう制御する。した
がつて釣銭払出制御装置３３の制御により所定の
払出硬貨を収納している硬貨収納筒１０，１１，
１２に対応するワイパ２１，２２，２３が駆動モ
ータにより払出動作を行う。また３４は販売信号
V₁…Ｖ_oに応じた販売商品価格情報或いは釣銭払
出制御装置３３による払出硬貨情報を主演算装置
２へ導入する減算信号発生装置である。そして３
５は制御装置で制御信号を出力して上記装置を動
作させるものである。

次に動作を説明すると、通常の待機状態で硬貨
が投入された場合、演算信号発生装置１に生じる
演算信号はゲート装置４により主演算装置２へ導
入されて投入金額が演算される。しかして投入金
額が少くとも何れか一つの販売価格に達すると比
較装置２６の判定結果に基づき販売可判定装置２
７で釣銭情報による販売の可否が決定され、販売
可能信号e₁…ｅ_oが発生すると選択回路２８の選
択動作が可能となり、選択動作にて生じる販売信
号V₁…Ｖ_oにより販売制御装置２９は選択商品の
送出動作を行う。そして選択回路２９よりの販売
開始信号Vsの入力にて制御装置３５は減算信号
発生装置３４に制御信号C₁を出力し、発生して
いる販売信号V₁…Ｖ_oに相当する販売商品価格情
報を主演算装置２へ導入する。したがつて主演算
装置２は投入金額より販売商品額を減算して残額
を演算し、比較装置２６はこの残額と商品販売価
格情報を再び比較する。このとき残額が何れの商
品販売価格未満であると信号ｆが発生し、且つ既
に販売動作が行われて記憶装置３０に出力が生じ
ているためにANDゲート３１に出力が発生して
制御装置３５に入力し、制御装置３５は制御信号
C₂を出力し釣銭払出制御装置３３が動作する。
そして釣銭払出制御装置３３は釣銭払出を行うた
びに釣銭払出情報を出力して減算信号発生装置３
４は釣銭払出硬貨額に相当する減算信号を主演算
装置２に導入し、主演算装置の残額が「０」円と
なるまで釣銭払出動作が行われる。したがつて制
御装置３５は販売開始信号Ｖ_sが入力して、主演
算装置２が投入金額から販売商品額の減算或いは
釣銭払出にて演算額が「０」円となるまでの間を
販売動作中としている。

そしてこの販売動作中、制御装置３５は制御信
号C₃を出力しており、この間に次の顧客による
硬貨投入にて演算信号発生装置１に生じる演算信
号は副演算装置３に導入されて演算される。しか
る後主演算装置２の演算額が「０」となつて販売
動作が終了すると制御信号C₄を転送装置５に出
力し、副演算装置３の演算内容を主演算装置２に
転送する。したがつて前の顧客による販売動作中
に次の顧客にて硬貨が投入されてもこれを副演算
装置３で演算するために、電磁装置２４を非励磁
にして硬貨を返却する必要がなくなる。但し、電
磁装置２４は停電及び商品切れ時に非励磁となつ
て投入硬貨を返却する。

しかるに主演算装置２の残額が未だ少くとも何
れかの商品販売価格以上であると、比較装置２６
及び販売可判定装置２７で販売可が決定されて販
売可能信号e₁…ｅ_oが得られ、再び選択回路２８
の選択動作が可能な連続販売待機状態となる。
尚、主演算装置２で演算される投入金額または残
額が何れかの商品販売価格を超過していても釣銭
切れの場合、販売可判定装置２７は販売不能信号
ｄをORゲート２３に出力するため、前述の釣銭
払出と同様な動作で主演算装置２の演算額は払出
される。また主演算装置２の演算額は前記返却ス
イツチの操作にてエスクロ信号が発生すると、や
はり釣銭払出と同様な動作で払戻される。しかし
てこのような連続販売状態期間でも主演算装置２
の演算額「０」でないために販売動作中であり、
この間に次の顧客にて硬貨が投入されると、その
演算信号は副演算装置３に導入されて演算され
る。そして前の顧客による連続販売が終了し、主
演算装置２の演算額が「０」となると、副演算装
置３の次の顧客の投入金額が主演算装置２に転送
されるため、一人の顧客が自動販売機を長時間専
有する連続販売状態でもこの間を次の顧客の投入
金額演算に利用することができる。したがつて主
演算装置２及び副演算装置３に夫々の演算額を表
示する表示装置を設けると一層効果的となる。

(ト) 発明の効果 以上詳述した本発明に依ると、自動販売機の販
売動作中に次の顧客によつて投入された硬貨を返
却することなく受入れるために、前の顧客の釣銭
と混同するようなトラブルが防止される。しかも
前の顧客による販売動作中でも次の顧客の投入金
額演算が成されるため、前の顧客による販売動作
から後の顧客による販売動作に速やかに移行でき
自動販売機の販売効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はコインメツクの構成図、第２図は本発
明の制御回路を示すブロツク図である。 １…演算信号発生装置、２…主演算装置、３…
副演算装置、４…ゲート装置、５…転送装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 貨幣の投入により演算信号を発生する装置
   と、該演算信号の入力により投入金額を演算する
   主演算装置及び副演算装置と、通常前記演算信号
   を前記主演算装置へ導入し、販売動作中は前記副
   演算装置へ導入するゲート装置と、販売動作の終
   了にて前記副演算装置の演算内容を前記主演算装
   置に導入する転送装置とから成り、前記主演算装
   置の演算内容に基づき販売制御を行うことを特徴
   とした自動販売機の投入金額演算装置。