JPS5933100Y2 - 釣銭貯蔵量検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動販売機において使用される釣銭貯蔵量検出
装置に関する。

従来の釣銭貯蔵量検出装置は第１図に示すように、釣銭
用硬貨を貯蔵するコインチューブ１内の硬貨枚数が最大
釣銭額に相当する枚数以上になったとき作動するメカニ
カル型のエンプティスイッチ２によって構成されていた
。

最大金額の硬貨が１００円であるとすると、最大釣銭枚
数は１０円硬貨９枚であり、エンプティスイッチ２はコ
インチューブ１内の硬貨貯蔵枚数が９枚以上になったと
き作動するような位置に配設されていた。

硬貨投入口３から投入された硬貨が通路４を通って釣銭
貯蔵用のコインチューブ１にまず収納され、コインチュ
ーブ１が一杯になるとブロックアウトレバー機構５が作
動してコインチューブ１の入口を遮断し、以後の硬貨を
硬貨収納装置６に導く。

ペイアウトスライドＩの作動により釣銭払出口８から釣
銭硬貨が払出されてチューブ１内の硬貨数が減るとレバ
ー機構５は元に戻り、投入硬貨は再びチューブ１内に収
納されるようになる。

ところで、エンプティスイッチ２が不動作となると、チ
ューブ１内の貯蔵枚数は９枚未満であることを表わして
いるので、自動販売機の制御回路に釣銭不足を表わす信
号が送られ、釣銭を必要とする一切の販売が禁止される
。

スイッチ２の作動位置を９枚の位置としたのは、チュー
ブ１内の貯蔵枚数が９枚のときに（スイッチ２は作動し
ているため釣銭を必要とする販売が可能である）最大釣
銭額である９枚の釣銭を払出さねばならないような事態
に備えたためである。

しかし上記のような事態は稀れであり、通常は、スイッ
チ２が不動作となった後かなりの枚数（最大で８枚）の
硬貨がチューブ１内に残り、実際に釣銭を払出し得るだ
けの釣銭枚数が貯蔵されているにもかかわらず釣銭不足
として取扱われているのが実情である。

これは、自動販売機の販売網率を著しく低下させ、また
、購入者にとっては必要なときに購入ができないという
不都合をもたらす。

また上記従来の装置では、メカニカル型のエンプティス
イッチ２をチューブ１に関連して設けねばならないため
、チューブ１近傍のスペースを余分に必要とし、また、
製造コストも高くなっていた。

本考案は上記欠点を除去するためになされたもので、エ
ンプティスイッチを除去し、釣銭貯蔵量を正確に検出す
ることを目的とする。

本考案によれば、釣銭用に貯蔵される硬貨（例えば１０
円硬貨）が投入される毎にその枚数を加算計数し、釣銭
用硬貨貯蔵装置から釣銭硬貨が払出される毎にその払出
し枚数を減算計数する計数装置を具え、この計数装置の
計数内容によって前記貯蔵装置内の正確な釣銭用硬貨貯
蔵枚数を検出できるように構成し、更に、前記計数装置
の計数内容が所定数以上になったときブロックアウト機
構を電磁的に作動して前記貯蔵装置に硬貨が収納されな
いようにするとともにブロックアウト機構の作動により
硬貨収納装置に導かれた硬貨の数を前記計数装置から減
算する。

前記計数装置で加算されたにもかかわらず前記貯蔵装置
には収納されず別の硬貨収納装置に収納された硬貨の数
が減算されるので、計数装置の計数内容は貯蔵装置内の
正確な釣銭貯蔵量を表わす。

以下本考案を添付図面の実施例に関して詳細に説明しよ
う。

第２図において、自動販売機の硬貨投入口１０から投入
された硬貨は選別装置１１で正偽及び金種の選別がなさ
れ、釣銭用として貯蔵される種類の投入硬貨（例えば１
０円硬貨）は通路１２に導かれ、釣銭用硬貨貯蔵装置（
コインチューブ）１３に収納される。

選別装置１１で選別され、通路１２に導かれた１０円硬
貨は、１０円硬貨検知スイッチ１４を作動し、１０円硬
貨が投入されたことを表わす信号を自動販売機の主制御
回路９に加え、この主制御回路９で投入金額を計数する
。

例えば、第３図に示すように、１０円硬貨検知スイッチ
１４の出力はインバータ１５、オア回路１６を介してパ
ルス変換器１７に加わり、１０円の金額を表わす信号を
主カウンタ１８に供給する。

この主カウンタ１８で投入金額を計数し、販売がなされ
ると販売価格を投入金額から減算し、釣銭額を算出する
。

本考案においては、硬貨検知スイッチ１４の出力をオア
回路１９を介して釣銭貯蔵量カウンタ２０の計数入力に
加え、硬貨投入口１０、選別装置１１、通路１２を経て
貯蔵装置１３に収納された釣銭用硬貨２１の枚数を該カ
ウンタ２０で加算計数する。

釣銭を払出すとき釣銭払出指令信号ＰＯが １“となり
、カウンタ２０を減算態勢にする（信号ＰＯがゝ０“の
ときはカウンタ２０は加算態勢となっている）。

同時に釣銭払出指令信号ＰＯは収納枚数カウンタ２６の
計数値読み出し制イ卸入力に加わり、該信号ＰＯが１１
“のとき該カウンタ２６の計数値Ｋを読み出して釣銭貯
蔵量カウンタ２０の計数入力に供給する。

カウンタ２０は減算態勢となっているから、該カウンタ
２０の記憶計数内容Ｒから前記カウンタ２６の読み出し
計数出力Ｋを減算する。

また、釣銭払出し時には、ペイアウトスライド２２（第
２図）の動作により釣銭用硬貨貯蔵装置１３の底から１
枚ずつ釣銭払出し通路２３に導かれた釣銭硬貨は該通路
２３に関連して設けられた釣銭払出検知スイッチ２４（
第３図）を作動する。

スイッチ２４が作動する毎にインバータ２５の出力が′
１“となり、オア回路１９からカウンタ２０の計数入力
にパルスが加わる。

カウンタ２０は減算態勢であるから、カウンタ２０の計
数内容（つまりＲ−Ｋ）から釣銭払出枚数Ｊを減算する
。

なお、収納枚数カウンタ２６は信号ＰＯ＝″ｌ“によっ
て計数値Ｋを読み出すと、その後計数値がＯにリセット
されるようになっている。

勿論、主制御回路９においても信号ＰＯが主カウンタ１
８を減算態勢にしてスイッチ２４からの釣銭払出しパル
スを減算するようになっている。

従って、釣銭貯蔵量カウンタ２０は、各販売動作毎に、
投入硬貨によってその計数値Ｒを増大させられるととも
に増大した計数値Ｒからカウンタ２６の計数値Ｋを減算
し、あわせて釣銭払出し枚数Ｊを減算する。

この点について更に詳細に説明すると、硬貨の投入にと
もなって釣銭貯蔵量カウンタ２０の計数内容Ｒが所定数
Ｍ以上（Ｒ≧Ｍ）となると、これを判別部２Ｔで検出し
、この検出出力によってブロックアウトピン駆動電磁制
御部２８を付勢する。

ブロックアウトピン２９（第２図）は、硬貨収納装置（
釣銭として使用しない硬貨を収納する装置）３０に導く
通路３１が硬貨通路１２から分岐する箇所において貯蔵
装置１３側の硬貨通路１２に関連して設けられており、
前記電磁制御部２８の付勢によってブロックアウトピン
２９は通路１２内に突起する。

ブロックアウトピン２９の突起により、釣銭用硬貨貯蔵
装置１３に至る通路が遮断され、投入口１０、選別装置
１１及び通路１２を経てきた硬貨は分岐通路３１を通っ
て硬貨収納装置３０に収納される。

従って、釣銭用硬貨貯蔵装置１３の貯蔵枚数は増えない
。

しかし、貯蔵量カウンタ２０はスイッチ１４からのパル
スを加算計数するので、実際の釣銭貯蔵量よりも多い数
がカウンタ２０で計数されてしまう。

そこで、本考案では、分岐通路３１の途中に収納硬貨検
知スイッチ３２を設け、このスイッチ３２によってブロ
ックアウトピン２９の突起後に分岐通路３１を経て硬貨
収納装置３０に収納される硬貨を検知する。

スイッチ３２としては例えば、コイル等の近接スイッチ
を使用するとよい。

このスイッチ３２が収納硬貨によって作動される毎に前
記収納枚数カウンタ２６に計数パルスが加わり、該カウ
ンタ２６は収納枚数Ｋを計数する。

従って、ブロックアウトピン２９が突起した後の釣銭貯
蔵量カウンタ２０の計数値Ｒは実際に釣銭用硬貨貯蔵装
置１３に貯蔵されている枚数よりも収納枚数カウンタ２
６の計数値Ｋが表わす枚数だけ多い。

そこで、釣銭払出し時において、カウンタ２０の内容か
らカウンタ２６の計数値Ｋを減算し、正しい貯蔵枚数が
カウンタ２０にて計数されるようになっている。

従って、釣銭払出しが完了し、次の販売に対する待期状
態となっているときは釣銭貯蔵量カウンタ２０の計数値
Ｒは正確な釣銭用硬貨貯蔵量を表わしている。

なお、上記実施例では電気的に作動するブロックアウト
ピン２９を用いたが、これに限定されずカウンタ２０の
計数値が所定値となったとき作動するようにセットされ
た公知の機械的ブロックアウトレバーを用いてもよい。

カウンタ２０の計数値Ｒが所定数Ｍよりも小さくなると
、判別部２７の出力は１０“になり、電磁制御部２８が
消勢され、ブロックアウトピン２９は元の位置に引込む
。

従って、投入硬貨は再び貯蔵装置１３に収納されるよう
になる。

判別部２７で判別する所定数Ｍは、貯蔵装置１３のほぼ
最大貯蔵枚数に相当する数に設定すればよいが、これに
限らず、最大貯蔵枚数以下の適宜の数であってもよい。

カウンタ２０の計数内容Ｒは自動販売機の主制御回路９
内の比較回路（図示せず）に供給され、投入金額と販売
価格との差額にもとづいてその販売で必要とする釣銭が
貯蔵装置１３内の貯蔵枚数以内で払出せるか否かを判別
するために利用される。

従って、仮りに釣銭貯蔵量が１枚か２枚程度しかない場
合もカウンタ２０で正確にこれを検出することができる
ので、その販売で必要とする釣銭が釣銭貯蔵量の範囲内
で払出せする場合は販売を許可することができる。

なお、釣銭用として使用する硬貨は１０円に限らず、必
要に応じて適宜の金種を釣銭用硬貨に使用して本考案装
置を構成することができる。

なおブロックアウトピン２９が、引込んだ状態（硬貨は
コインチューブに入るべき状態）で、あやまって硬貨が
分岐通路３１に入った場合も、収納硬貨検知スイッチ３
２及びカウンタ２０．２６はブロックアウト時と同様に
作動するようになっている。

以上説明したように本考案によれば、釣銭用硬貨貯蔵装
置内の硬貨貯蔵量を正確に検出することができるため、
自動販売機の販売効率を高めるという優れた利点がある
。

また、釣銭用硬貨貯蔵装置（チューブ）には従来のよう
なメカニカル型のエンプティスイッチを設けないため、
貯蔵装置近辺のスペースが簡略化され、装置の小型化促
進に有効であるという利点を有する。

ちなみに、本考案の収納硬貨検知スイッチ３２はスリッ
ト状の分岐通路３１に関連して設けられるため、従来の
エンプティスイッチはど大きなスペースを専用しない０

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の釣銭貯蔵量検出装置を示す側断面図、第
２図は本考案の一実施例を釣銭用硬貨貯蔵装置に関連し
て示す側断面概略図、第３図は同実施例の電気回路部分
を示すブロック線図である。 １０・・・・・・硬貨投入口、１１・・・・・・選別装
置、１２・・・・・・硬貨通路、１３・・・・−・釣銭
用硬貨貯蔵装置、１４・・・・・・投入硬貨検知スイッ
チ、２０・・・・・・釣銭貯蔵量カウンタ、２６・・・
・・・収納枚数カウンタ、２７・・・・・・計数値判別
部、２８・・・・・・ブロックアウトピン駆動電磁制御
部、２９・・・・・・ブロックアウトピン、３゜・・・
・・・硬貨収納装置、３２・・・・・・収納硬貨検知ス
イッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 硬貨投入口から投入された硬貨のうち釣銭用として使用
   される硬貨を選別装置で選別し、該選別した硬貨をブロ
   ックアウト機構の動作状態に応じて釣銭用硬貨貯蔵装置
   または硬貨収納装置に導く自動販売機の硬貨装置におい
   て、前記選別装置で選別された選別硬貨を検知する投入
   硬貨検知スイッチと、前記硬貨収納装置に導かれた収納
   硬貨を検知する収納硬貨検知スイッチと、前記釣銭用硬
   貨貯蔵装置から払出された払出硬貨を検知する釣銭払出
   検知スイッチと、前記収納硬貨検知スイッチの出力から
   前記収納硬貨の枚数を計数する収納枚数カウンタと、前
   記投入硬貨検知スイッチの出力から前記選別硬貨の枚数
   を加算計数し、前記収納枚数カウンタの出力から前記収
   納硬貨の枚数を減算計数するとともに前記釣銭払出検知
   スイッチの出力から前記払出硬貨の枚数を減算計数する
   釣銭貯蔵量カウンタとを具え、該釣銭貯蔵量カウンタの
   計数値から前記釣銭用硬貨貯蔵装置内の硬貨貯蔵量を検
   出する釣銭貯蔵量検出装置。