JPS6252356B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、自動販売機に設けた紙幣鑑別機にお
ける紙幣の受入返却を制御する自動販売機の紙幣
受入返却制御装置に関し、特に、紙幣の受入返却
可能枚数を増大させるようにしたものである。

［従来の技術］ 従来のこの種の自動販売機においては、紙幣投
入の都度、紙幣を１枚のみ受入れると、それ以降
の紙幣の受入れを禁止し、商品の販売が行われ、
あるいは、清算が行われた後に、次の紙幣受入れ
を可能とするようになつていた。

これは、紙幣の投入が行われても商品の購入が
行われない場合に備えて返金ができるようにして
いるためであり、このため、たとえば特開昭52−
50297号公報に記載されているように、投入され
た紙幣を搬送路に１枚のみ一時保留できるように
したものが知られている。

［発明が解決しようとする問題点］ したがつて、上記従来の自動販売機において
は、販売価格が2000円の商品の購入に対して1000
円紙幣の受入れが上述のように１枚のみに制御さ
れていると、1000円紙幣を１枚投入した後は、
100円硬貨を10枚投入する必要があり、下位の低
額硬貨をあらかじめ用意しておき、あるいは、
1000円紙幣を100円硬貨に両替えした後に次の金
銭投入をすることが必要となるので、購入者にと
つては著しく不便であり、また、面倒でもあつ
た。

本発明は、上述の点に鑑み、一時保留可能な紙
幣の枚数が１枚のみのものにおいて、複数枚の紙
幣を受入れても返金できるようにした自動販売機
の紙幣受入返却制御装置を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、上述の目的を達成するために、投入
紙幣を受入れて真偽を鑑別し、真と鑑別した紙幣
を１枚のみ返却可能に一時保留し、一時保留紙幣
を次の投入紙幣の受入れ開始に基づいて返却不能
に収納する紙幣鑑別機を備えた自動販売機におい
て、一時保留紙幣が返却可能状態にあることを示
す紙幣返却可能信号を発生する手段を紙幣鑑別機
に設けると共に、紙幣鑑別機の投入紙幣の受入れ
を、１枚目は無条件に可容し、２枚目は低額貨幣
にて返却が可能であることを条件に許可するよう
に制御する紙幣受入制御回路と、紙幣１枚分以上
の投入金額の残額の返却に際し、紙幣返却可能信
号が発生されているときには紙幣鑑別機に一時保
留紙幣の返却を指令し、紙幣返却可能信号が発生
されていないときには低額貨幣での返却を指令す
るよう制御する紙幣返却制御回路とを備えること
を特徴とする。

［作用］ 本発明においては、一時保留紙幣が返却可能な
状態にあるときに紙幣返却可能信号を発生し、２
枚目の紙幣を低額貨幣にて返却が可能であること
を条件に受入れ許可し、投入金額の残額の返却は
紙幣返却可能信号の発生の有無に応じて行うよう
にしたので、２枚目の紙幣の受入れを許可したこ
とにより１枚目の一時保留紙幣が収金ボツクス等
に収納されて返却不可能な状態にされたとして
も、その場合には紙幣返却可能信号は消滅し、返
金は低額貨幣で行われる。従つて、１枚のみ一時
保留可能な紙幣鑑別機で２枚目の紙幣を受入れて
も返金不可能になることはない。さらに、一時保
留紙幣が優先して返却されるので、むやみに両替
返金されることもない。

［実施例］ 以下に図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。

本発明による自動販売機の要部をなすコインメ
カニズムの回路構成の例を第１図に示す。図示の
回路構成においては、自動販売機に設けた紙幣鑑
別機（図示せず）に紙幣が投入されると、その紙
幣鑑別機内に紙幣が引込まれて鑑別が行われ、正
貨と判別した場合には、コインメカニズムに対
し、入力端子を介して正貨信号１を導き、紙幣枚
数カウンタ２および合計金額カウンタ３に供給す
る。その合計金額カウンタ３には入力端子１２を
介して硬貨投入信号をも供給してあり、それぞれ
の投入金額が合計される。例えば、1000円紙幣が
紙幣鑑別機に投入された場合には、合計金額カウ
ンタ３にて1000円の加算が行われ、さらに、その
1000円紙幣を紙幣鑑別機内に一時保留するととも
に、その一時保留を示すエスクロ信号４が入力端
子を介してコインメカニズムに導かれる。このエ
スクロ信号４は、1000円紙幣による返金が可能か
否かをコインメカニズムにて判断するための信号
である。また、紙幣受入制御回路６にては、１枚
目の紙幣は無条件に受入れ、２枚目の紙幣は下位
の低額貨幣にて返却が可能であることを条件にし
て受入れる。すなわち、２枚目の紙幣は別に保留
してある下位の低額貨幣にて返却するためであ
り、1000円紙幣を返却する場合には、保留検知ス
イツチ５による100円硬化釣銭有信号を紙幣受入
制御回路６に供給して、100円硬貨を10枚以上釣
銭として保留中であることを条件にして２枚目の
1000円紙幣を受入れることになる。この紙幣受入
制御回路６の出力信号としての紙幣受入拒否信号
７と入力端子から導いた硬貨受入拒否信号８とを
オア回路９に供給してその出力の受入制御信号１
０を出力端子を介して紙幣鑑別機に送出する。な
お、硬貨受入拒否信号８は商品搬出中等に際して
硬貨の受入れも拒否するためのものであり、その
説明は省略する。また、100円貨幣釣銭保留検知
スイツチ５がオフになつている場合には、1000円
紙幣を１枚受入れると、紙幣受入制御回路６から
の紙幣受入拒否信号をオア回路９にて供給して得
た受入制御信号１０を送出するが、100円貨幣釣
銭保留検知スイツチ５がオンしている場合には、
２枚目の1000円紙幣を受入れ可能の状態にあり、
２枚目の1000円紙幣が紙幣鑑別機に投入される
と、先に投入された１枚目の1000円紙幣は、紙幣
鑑別機内の一時保留部から収金ボツクスに直接に
搬送されて収納されることになり、その際、一時
保留を示すエスクロ信号４は一旦遮断される。

ついで、２枚目の1000円紙幣が正貨であると判
別され、正貨信号１が入力端子を介してコインメ
カニズムに導かれるとともに、その２枚目の1000
円紙幣が一時保留されると、エスクロ信号４を再
びコインメカニズムに供給する。ついで、合計金
額カウンタ３からの合計金額と販売価格設定回路
１４からの設定価格とを比較回路１５にて比較
し、合計投入金額が設定価格に到達していると販
売可能信号２５が出力端子を介して送出され、販
売開始スイツチ１６がオンになると、選択回路１
７を駆動して販売価格信号１３を減算データとし
て合計金額カウンタ３に供給させ、合計投入金額
から販売価格を減算する。その減算結果が紙幣返
却制御回路１９に供給されて返却動作に入る。

その返却動作においては、タイマ１８により販
売開始スイツチ１６のオンによるオア回路２７の
出力発生から一定時間の経過後に返金指令信号を
送出して紙幣返却制御回路１９を動作させる。こ
の紙幣返却制御回路１９は、紙幣返却動作時に、
合計金額カウンタ３からの合計投入金額および紙
幣枚数カウンタ２からの紙幣枚数の各信号並びに
入力端子を介して供給されるエスクロ信号すなわ
ち紙幣返却可能信号４を受けて、紙幣返却信号１
１を紙幣返却フリツプフロツプ２０を介して送出
するか、あるいは紙幣収金信号２２を送出するか
を判定する。

例えば、商品販売後の投入金額の残額が1500円
であつて、紙幣鑑別機には1000円紙幣が２枚投入
されていて、そのうちの１枚が紙幣鑑別機内に一
時保留されている場合には、紙幣返却可能信号４
が紙幣鑑別機から供給されているので、紙幣返却
フリツプフロツプ２０を介し、紙幣鑑別機に対し
て紙幣返却信号１１を供給する。一方、紙幣返却
可能信号４を受けて動作する遮断検出回路２１
は、紙幣が紙幣鑑別機から抜け出たことに応じ、
紙幣返却フリツプフロツプ２０をリセツトして紙
幣返却信号１１を遮断し、同時に、正貨信号１を
受けて動作する紙幣枚数カウンタ２および合計金
額カウンタ３は、それぞれ、紙幣枚数を１枚、合
計投入金額を1000円減算し、さらに、タイマ１８
を介し、一定時間の経過後に再び紙幣返却制御回
路１９を動作させる。その際の投入金額の残額は
500円であるから、硬貨返却信号２３を送出して
硬貨返却制御回路２４を動作させ、投入金額の残
額500円を硬貨により返却させる。

つぎに、1000円紙幣が２枚投入されていて、投
入金額の残金が2000円以上であつた場合には、上
述のようにして、1000円紙幣を１枚返却した後に
紙幣返却可能信号４が遮断されると、タイマ１８
が動作した後に紙幣返却制御回路１９が動作して
も、紙幣返却可能信号４が遮断されたままの状態
となつているために、投入金額の残額が1000円以
上あつても紙幣による返金が不可能となり、硬貨
返却信号２３を送出して硬貨による返金が行われ
ることになる。かかる硬貨による返金動作は従来
周知のとおりであるので、その説明は省略する。
なお、合計金額カウンタ３は、商品販売および返
金によつて残額が零になると、クリアされて、再
び、次の紙幣および硬貨の受入れ態勢に入る。

なおまた、本発明紙幣受入返却制御装置は、自
動販売機に付加した紙幣鑑別機の制御のみなら
ず、券売システム等の紙幣鑑別機使用の販売制御
システムに対しても広く適用することができる。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、１枚のみ一時保留可能な紙幣鑑別機で２枚目
の紙幣を受入れて不都合なく返金できるようにし
たので、一時保留のための特別な保留機構を追加
することなく複数枚の紙幣を受入れて高額商品の
販売を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による自動販売機の紙幣受入返
却制御装置の構成例を示すブロツク線図である。 １……正貨信号、２……紙幣枚数カウンタ、３
……合計金額カウンタ、４……紙幣返却可能信号
（エスクロ信号）、５……保留検知スイツチ、６…
…紙幣受入制御回路、７……紙幣受入れ拒否信
号、８……硬貨受入れ拒否信号、９，２７……オ
ア回路、１０……紙幣受入れ制御信号、１１……
紙幣返却信号、１２……硬貨投入信号、１３……
販売価格設定信号、１４……販売価格設定回路、
１５……比較回路、１６……販売開始スイツチ、
１７……選択回路、１８……タイマ、１９……紙
幣返却制御回路、２０……紙幣返却フリツプフロ
ツプ、２１……遮断検出回路、２２……紙幣収金
信号、２３……硬貨返却信号、２４……硬貨返却
制御回路、２５……販売可能信号、２６……返金
スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 投入紙幣を受入れて真偽を鑑別し、真と鑑別
   した紙幣を１枚のみ返却可能に一時保留し、該一
   時保留紙幣を次の投入紙幣の受入れ開始に基づい
   て返却不能に収納する紙幣鑑別機を備えた自動販
   売機において、前記一時保留紙幣が返却可能状態
   にあることを示す紙幣返却可能信号を発生する手
   段を前記紙幣鑑別機に設けると共に、前記紙幣鑑
   別機の投入紙幣の受入れを、１枚目は無条件に許
   可し、２枚目は低額貨幣にて返却が可能であるこ
   とを条件に許可するように制御する紙幣受入制御
   回路と、前記紙幣１枚分以上の投入金額の残額の
   返却に際し、前記紙幣返却可能信号が発生されて
   いるときには前記紙幣鑑別機に一時保留紙幣の返
   却を指令し、前記紙幣返却可能信号が発生されて
   いないときには前記低額貨幣での返却を指令する
   よう制御する紙幣返却制御回路とを備えることを
   特徴とする自動販売機の紙幣受入返却制御装置。