JPS622422B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主軸のセツトにより負荷を連続運転、
停止、所望時間経過後の自動運転、及び一定時間
或いは所望時間運転後の自動停止と所望時間経過
後の自動運転とから成る複合運転を夫々選択的に
制御できる様にしたタイマー装置に関するもので
ある。

近時、ルームエアコン、温風暖房機等の空調設
備機器が急速に普及しているがこれらの空調機器
に於いては例えば就寝前に所望時間をセツトする
と該セツト時間経過後、即ち就寝後に自動的に空
調機器の負荷を停止させるという所謂「おやすみ
タイマー」と、翌朝の起床時より少し前に自動的
に負荷を始動させるという所謂「おはようタイマ
ー」との２つの異なる時間制御をタイマーで行い
得る様にすることが望ましい。然し乍ら、従来の
タイマーでは１つのタイマーで「おやすみタイマ
ー」と「おはようタイマー」とを制御することが
できないという不都合性があつた。

本発明は上記点に鑑みてなされたもので、タイ
マーを所定方向にセツトすることにより主動カム
と複動カムとが同時にセツトされ、複動カムに連
係された複動スイツチがオンとなり、所定時間或
いは所望時間だけ負荷を運転させた後自動的に停
止させ、引続きタイマーが巡運しセツト時間が経
過すると主動カムに連係された切替スイツチによ
り再び負荷を自動的に始動させるという様に２つ
の異なる時間制御を同時に行なう複合運転、また
他の方向へセツトすることにより複動スイツチが
オフのまま切替スイツチのみがセツト時間経過後
にオンとなり負荷を始動させる自動運転、更にタ
イマーはオフのまま負荷を連続運転させる等、１
つのタイマーの選択的操作により複数の制御がで
きる様にしたもので、前記空調機器のみならず
種々の電気機器の各種制御に利用できるタイマー
装置を提供せんとするものである。

以下図面により本発明の実施例について説明す
ると、まず第１図乃至第４図は第１の実施例を示
すもので、第１図は一部断面を示す正面図であ
り、１は機枠、２は機枠１を貫通する主軸で、上
端には指針３を有するセツトツマミ４が固着さ
れ、該指針３は前記機枠１の上面に設けられた時
間目盛５（第３図）と対応してセツト時間を表わ
す様になされている。

前記主軸２の下部には主歯車６が公知の摩擦板
式スリツプ機構により弾着されており、該主歯車
６は出力ピニオン７をはじめ、図示しない歯車系
を介してモーターＭ（第２図）に連繋しているも
のとする。８は前記主軸２に固着された連動歯
車、９は伝え車、１０は主軸２に遊嵌された複軸
で、下部には前記伝え車９に連繋の複動歯車１１
がバネ座１２により弾着されている。尚、複動歯
車１１は連動歯車８と伝え車９とにより主軸２よ
り適宜高速度で回転する様になされているものと
する。また前記複軸１０の上部には前記機枠１の
下面に設けられたストツパー１３と接離するスト
ツパー片１４を有するストツパー板１５が固着さ
れている。

１６は主動カム、１７は複動カムで、第４図に
示す様に主動カム１６の外周には切欠１８と段部
１９とが形成され、切替スイツチＳ１に連係さ
れ、また複動カム１７の外周には切欠２０が形成
され、複動スイツチＳ２に連係されている。尚、
主動カム１６は前記主軸２に、また複動カム１７
は前記複軸１０に夫々所定の自由回動範囲を有す
る様に遊嵌されている。

次に第４図により、切替スイツチＳ１は中程に
前記主動カム１６に摺接するＶ字状凸部２１を形
成された可動接片２２と、第１の固定接片２３
と、第２の固定接片２４とから成り、可動接片２
２の凸部２１が前記主動カム１６の外周面と摺接
している時Ａ側がオンし、また切欠８と係合した
時Ｂ側がオンし、更に段部１９と係合した時はオ
フする様になされている。

複動スイツチＳ２は前記複動カム１７に摺接す
るＶ字状凸部２５を形成された可動接片２６と、
固定接片２７とから成り、可動接片２６の凸部２
５が前記複動カム１７の外周面に摺接している時
オンし、また切欠２０と係合した時オフする様に
なされている。

第２図は回路図で、Ｅは電源、Ｍはタイマー駆
動用のモーター、またＷは例えば空調機器等の負
荷で、切替スイツチＳ１のＡ側は電源Ｅとモータ
ーＭとの間に、またＢ側は電源Ｅと負荷Ｗとの間
に夫々接続され、また複動スイツチＳ２は前記Ｂ
側と並列に接続されている。

次に第５図乃至第７図は第２の実施例を示すも
ので、第５図により記号１乃至１７、及びＳ１，
Ｓ２は夫々前記第１の実施例と同一の構成である
ものとし、２８は主軸２に遊嵌された設定筒で、
機枠１を貫通し、上部には指標２９を有する設定
ツマミ３０が、また下部には外周に扇形の可動ス
トツパー３１を有するストツパー板３２が夫々固
着されており、該設定筒２８はバネ座３３により
機枠１に弾着されている。尚、該バネ座３３と機
枠１とのスリツプトルクは前記バネ座１２と複動
歯車１１とのスリツプトルクより適宜大きくなさ
れているものとする。

３４は前記指標２９と対応する複動スイツチＳ
２側の時間目盛である。

第６図は第２の実施例の操作面の一例を示すも
ので、セツトツマミ４の指針３に対応する切替ス
イツチＳ１の時間目盛５が外側に、また設定ツマ
ミ３０の指標２９に対応する複動スイツチ側の時
間目盛34が内側に夫々表示されている。

以上の様な構成により負荷Ｗを空調機器とし、
前記「おやすみタイマー」及び「おはようタイマ
ー」をセツトする場合の作用について述べると、
まず第１の実施例に於いて、第１図乃至第３図及
び第４図イは夫々タイマーと空調機器の負荷Ｗと
が共に停止している状態を示し、この状態から、
所謂「おやすみタイマー」と「おはようタイマ
ー」とを同時にセツトする時は、第３図のセツト
ツマミ４を矢印ａ方向へ廻して翌朝の所望時間に
タイマーをセツトすると第４図ロに示す様に主動
カム１６が矢印ａ方向へ回転して切替スイツチＳ
１のＡ側がオンして「おはようストツパー」がセ
ツトされると共に連動歯車８、伝え車９、複動歯
車１１、及びバネ座１２と複軸１０を介して複動
カム１７も矢印ａ方向へ回転し、複動スイツチＳ
２がオンして「おやすみタイマー」がセツトさ
れ、負荷Ｗが運転を開始することとなる。またこ
の時、ストツパー板１５も矢印ａ方向へ回転し、
ストツパー片１４がストツパー１３に当接すると
（第４図ロ）、以後はバネ座１２と複動歯車１１と
がスリツプし、複動歯車１１は空転することとな
る。

セツト後、タイマーが巡運を開始すると、第４
図ロの状態から主動カム１６と複動カム１７及び
ストツパー板１５は共に矢印ｂ方向へ回転し、所
定時間経過後、ストツパー片１４が第４図ハに示
す様にストツパー１３に当接すると同時に複動ス
イツチＳ２がオフして「おやすみタイマー」が解
除され、負荷Ｗは一旦停止することとなる。以後
はバネ座１２と複動歯車１１とはスリツプを続
け、主動カム１６のみが巡運を続けることとな
る。

セツト時間が経過すると、主動カム１６は第４
図ハの状態となり切替スイツチＳ１のＡ側がオフ
してタイマーモーターＭが停止すると共にＢ側が
オンとなり、「おはようタイマー」が解除される
と共に負荷Ｗが再び運転を開始することとなる。
そして負荷Ｗを停止させる時は、第３図のセツト
ツマミ４を矢印ｂ方向へ手動で回転させ、指針３
を時間目盛５の「切」表示に合わせれば、主動カ
ム１６は第４図ハの状態から元のイの状態となり
切替スイツチＳ１がオフとなり負荷Ｗは停止する
こととなる。

また「おはようタイマー」のみをセツトする時
は、第１図乃至第３図及び第４図イの状態から第
３図のセツトツマミ５を矢印ｂ方向へ廻してセツ
トすれば第４図ニに示す様に、主動カム１６が矢
印ｂ方向へ回転して切替スイツチＳ１のＡ側がオ
ンして「おはようタイマー」がセツトされると共
に、連動歯車８、伝え車９を介して複動歯車１１
は矢印ｂ方向へ回転する。然し乍ら、ストツパー
片１４がストツパー１３に当接しているためスト
ツパー板１５は矢印ｂ方向への回動が阻止されバ
ネ座１２と複動歯車１１とがスリツプし、複動歯
車１１が空転することとなる。このため複動カム
１７はセツトされず、従つて負荷Ｗは停止したま
まで「おはようタイマー」のみがセツトされる。

セツト後、タイマーが巡運を開始すると、第４
図ニの状態から主動カム１６は矢印ｂ方向へ回転
し、セツト時間経過後、第４図ハの状態となり、
切替スイツチＳ１のＡ側がオフしてタイマーモー
ターＭが停止すると共にＢ側がオンとなり、「お
はようタイマー」が解除されると共に負荷Ｗが運
転を開始することとなる。

尚、タイマーをオフのまま負荷Ｗだけを作動さ
せる時は、第３図セツトツマミ４を矢印ａ方向へ
回転させ、指針３を時間目盛５の「連続」表示に
合わせればよい。

次に第２の実施例について作用を述べると、第
５図乃至第７図イの状態から設定ツマミ３０を矢
印ａ方向へ廻し、例えば第６図が２時間に設定さ
れている様に所望時間に応じて指標２９を時間目
盛34に合わせると、第７図イに示すストツパー板
３２も矢印ａ方向へ回転して第７図ロの状態とな
る。そしてセツトツマミ４を矢印ａ方向へ廻し、
例えば第６図が６時間に設定されている様に翌朝
の所望時間に応じて指針３を時間目盛５に合わせ
てタイマーをセツトすると、複動カム１７はスト
ツパー片１４が可動ストツパー３１に当接する迄
矢印ａ方向へ回転し、当接後はバネ座１２と複動
歯車１１とがスリツプし、複動歯車１１が空転す
ることとなる。またセツト後タイマーが巡運する
と、複動カム１７はストツパー片１４がストツパ
ー１３に当接する迄矢印ｂ方向へ回転し、当接後
はバネ座１２と複動歯車１１とがスリツプし、複
動歯車１１が空転することとなる。

この様に第２の実施例では複動カム１７の可動
範囲がストツパー１３と可動ストツパー３１とで
規定されるから「おやすみタイマー」の作動時間
を所望に設定することができる。

以上の様に本発明によれば、ただ１つのタイマ
ーで負荷を連続運転、停止、所望時間経過後の自
動運転、及び一定時間或いは所望時間経過後の自
動停止と所望時間経過後の自動運転から成る複合
運転を選択的に制御でき、これらの操作はワンタ
ツチでできるから操作は頗る簡単であり、また負
荷の運転、停止のための別のスイツチを何ら必要
としないので、例えば空調機器等、タイマーを使
用する各種機器の経済性にも貢献できる等、従来
見受けられない種々の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の第１の実施例を示
すもので、第１図は一部断面を示す正面図、第２
図は回路図、第３図は操作面を表わす平面図であ
り、第４図はカム部分の作用説明図である。また
第５図乃至第７図は第２の実施例を示すもので、
第５図は一部断面を示す正面図、第６図は操作面
を表わす平面図、第７図はカム部分の作用説明図
である。 １：機枠、２：主軸、４：セツトツマミ、６：
主歯車、８：連動歯車、９：伝え車、１０：複
軸、１１：複動歯車、１３：ストツパー、１５，
３２：ストツパー板、１６：主動カム、１７：複
動カム、１８，２０：切欠、１９：段部、２２，
２６：可動接片、２３，２４，２７：固定接片、
２８：設定筒、３０：設定ツマミ、Ｓ１：切替ス
イツチ、Ｓ２：複動スイツチ、Ｅ：電源、Ｍ：モ
ーター、Ｗ：負荷。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上端にセツトツマミが固着され機枠に回動自
   在に支承された主軸と、モーターを駆動源とし回
   動する歯車系に連繋すると共にスリツプ機構を介
   して主軸に弾着された主歯車と、前記主軸に固着
   された連動歯車と、前記主軸に遊嵌されると共に
   伝え車を介して前記連動歯車と連繋する複動歯車
   が弾着された複軸と、該複軸に固着され複軸の回
   動範囲を規制するストツパー板と、外周に切欠及
   び段部を形成され前記主軸に所定の自由回動範囲
   を有する様に遊嵌された主動カムと、該主動カム
   の外周に摺接する可動接片と該可動接片が前記主
   動カムの外周（Ａ側）及び切欠（Ｂ側）と係合し
   ている時オンする様に配設された２つの固定接片
   とからなる切替スイツチと、外周に切欠を形成さ
   れ前記複軸に所定の自由回動範囲を有する様に遊
   嵌された複動カムと、該複動カムの外周に摺接す
   る可動接片及び該可動接片が前記複動カムの外周
   と係合する時にオンする様に配設された固定接片
   とからなる複動スイツチとにより成り、前記切替
   スイツチのＡ側は電源とモーターとの間に、Ｂ側
   は電源と負荷との間に夫々接続し、また複動スイ
   ツチは前記Ｂ側と並列に接続する様に構成したこ
   とを特徴とするタイマー装置。 ２ 前記ストツパー板は、タイマーの機枠に形成
   されたストツパーと係離することにより複軸の回
   動範囲を規制する様にしたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のタイマー装置。 ３ 前記ストツパー板は、上部に設定ツマミを固
   着されると共に前記複軸に弾着される複動歯車の
   スリツプトルクよりも大きなスリツプトルクを有
   する様に主軸に遊嵌された設定筒の下部に固着さ
   れた可動スリツプ板と、タイマーの機枠に形成さ
   れたストツパーと係離することにより複軸の回動
   範囲を規制する様にしたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のタイマー装置。