JPS6223053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電磁コイル用ボビンに関するもの
で、特にリード線の圧接支持構造に関するもので
ある。

従来の電磁コイル用ボビンを第１図と第２図に
より説明する。

１は合成樹脂製のボビンで、導巻線部３とフラ
ンジ２より成るものである。４はリード線挿通用
の孔で、フランジ２に明けられ、リード線６の径
寸法よりも若干大きいものである。５はコイル、
５′はコイル５の端部導線、６′はリード線６の導
電部で、コイル５の端部導線５と導電的に接続さ
れるものである。このものは、ボビン１の導線巻
部３に導線を巻いてコイル５を形成した後、フラ
ンジ２の孔４にリード線６を挿通し、該リード線
６の導電部６′に前記コイル５の端部導線５′を接
続して成るものである。しかしながら、フランジ
２の孔４はリード線６の径よりも大径であるた
め、リード線が支持固定されず動いてしまい、リ
ード線６の導電部６′にコイル５の端部導線５′を
接続する作業が良好に行なわれない欠点がある。
さらに、該接続後にリード線６に対し外力が加え
られて引つ張られ、又は押し込まれた場合、コイ
ル５の端部導線５′が切断してしまう虞があつ
た。

本考案はかかる点に基づいて成されたものであ
る。即ち、リード線挿通用の孔の位置する部分の
フランジの厚み内に溝を設け、該溝により多層に
形成されるフランジの一層に弾性を有する舌片を
設けるとともに、前記リード線挿通用の孔の周縁
内に舌片の端部を溝を介して重ねてリード線圧接
支持部を形成することにより上記欠点を解消した
ものである。

本考案の実施例を第３図から第５図により説明
する。７はリード線挿通用の孔、８は舌片で、該
舌片８の端部とリード線挿通用の孔７の縁が略Ｌ
字状に重なつており、リード線挿通用の孔７の径
を実質的にリード線６の径より小径としている。
９はリード線逃げ部で、リード線挿通用の孔７に
舌片８を逃げ部１０方向に押し退けるようにリー
ド線６を挿入した場合にリード線６が舌片８によ
り押し戻される空間である。１１はフランジ２の
厚み内に設けられフランジ２を多層にし、その内
の一層である舌片８が弾性変形可能なように設け
られた逃げ溝である。このものは、フランジ２の
リード線挿通用の孔７に舌片８を押し退けるよう
にして押入すると、舌片８は舌片８の付け根より
弾性変形するとともに、逃げ部１０が設けられて
いるので該逃げ部１０方向に舌片が捩じられなが
ら押し退けられ、リード線６の挿入が完了すると
舌片８の元に戻ろうとする力によつてリード線６
は圧接支持固定されるものである。したがつてこ
のものは、リード線６の導電部６′にコイル５の
端部導線５′を接続する作業がスムースに且つ良
好に行なえるものである。そして、接続後にリー
ド線６が引つ張られ又は押されても容易には動か
ないので、導電部６′に接続されたコイル５の端
部導線５′が切断されないものである。

また、フランジ２の材質又は舌片の厚み、ある
いはリード線の太さ・材質によつては、第６図、
第７図のようなリード線６との舌片８ａ，８ｂの
接触部が１点で行なわれる構造のものを使い分け
るのが良い。

本考案は以上記述した通り、フランジの厚み内
に舌片が弾性変形可能とする逃げ溝を設けるとと
もに、フランジに設けたリード線挿通用の孔の周
縁内に舌片の端部を重ねてリード線圧接支持部を
形成したことにより、リード線挿入後容易に動か
ず、リード線の導電部へのコイルの端部導線をス
ムースに且つ良好に接続できるものであり、接続
後にリード線が引つ張られ若しくは押し込まれる
ような外力が働いても容易に動かずコイルの導線
が切断しないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁コイル用ボビンの平面断面
図、第２図は従来の電磁コイルの要部斜視図、第
３図は本考案の電磁コイル用ボビンの平面断面
図、第４図は第３図のフランジの要部正面断面
図、第５図は本考案の電磁コイルの要部斜視図、
第６図と第７図は他の実施例の電磁コイル用ボビ
ンの平断面図である。 １……ボビン、２……フランジ、３……導線巻
部６……リード線、６′……導電部、７，７ａ，
７ｂ……リード線挿通用孔、８，８ａ，８ｂ……
舌片、９……リード線逃げ部、１０……舌片の逃
げ部、１１……逃げ溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 導線を巻回する導線巻部３とリード線挿通用
   の孔７を有するフランジ２により成る合成樹脂
   製の電磁コイル用ボビン１に於いて、前記リー
   ド線挿通用の孔７の位置する部分のフランジ２
   の厚み内に溝１１を設け、該溝１１により多層
   に形成されるフランジ２の一層に弾性を有する
   舌片８を設けるとともに、前記リード線挿通用
   の孔７の周縁内に舌片８の端部を溝１１を介し
   て重ねてリード線圧接支持部としたことを特徴
   とする電磁コイル用ボビン。 ２ 逃げ溝１１の深さをリード線挿通用の孔７よ
   りもフランジの中心方向に深く形成し上下動可
   能な舌片８，８ａを設けた実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の電磁コイル用ボビン。 ３ 舌片８，８ｂの側縁にリード線挿通用の孔
   ７，７ｂの縁を重ねて、捩り方向に弾性変形さ
   せる構造のリード線圧接支持部とした実用新案
   登録請求の範囲第１項または第２項記載の電磁
   コイル用ボビン。