JPS6222697Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダ、ビデオテープレコー
ダのテープ走行装置等に使用して好適な回転伝達
装置に関し、特に簡単な構成でトルクリミツタ機
構を構成し、テープの破損等がない様にしたもの
である。

一般にテープレコーダ、ビデオテープレコーダ
等に於けるテープの早送り、巻戻し時等に於いて
は、テープを大きな力で引張ることになるので、
このテープを破損する虞れがある。そこで従来こ
の場合に於いてモータよりの回転駆動力をリール
に伝達するのにトルクリミツタ機構を介して伝達
する様にしている。即ち第１図はテープの早送り
時の駆動系を示し、１はモータのプーリ、２はメ
カプーリ、３は早送り用アイドラ、４は巻取リー
ルであり、このモータプーリ１よりの回転駆動力
をベルト５によりメカプーリ２に伝達してこのメ
カプーリ２を回転すると共にこのメカプーリ２と
同軸に設けられた早送り用アイドラ３を回転し、
この早送り用アイドラ３を巻取リール４に転接し
て、この早送り用アイドラ３により巻取リール４
を回転する。この場合メカプーリ２と早送り用ア
イドラ３との間でトルクリミツタ機構を構成する
様にし、テープに異常な張力がかかつたときにこ
の力をこのトルクリミツタ機構により吸収してこ
のテープが破損するのを防止している。

従来このトルクリミツタ機構として第２図に示
す如く早送り用アイドラ３の回転軸３ａに直結す
ると共にこの回転軸３ａを中心とする例えばポリ
アセタール樹脂より成る円盤３ｂを設けると共に
この円盤３ｂとフエルト６を介して面接触する如
くメカプーリ２をこの回転軸３ａを軸として回転
し且つこの回転軸３ａとはフリーの状態で設け、
このフエルト６を挟んだメカプーリ２及び円盤３
ｂ間を圧縮コイルバネ７にて荷重を加えて、メカ
プーリ２の回転駆動力をフエルト６と円盤３ｂと
の摩擦により早送り用アイドラ３に伝達するよう
にしていた。この第２図に於いて３ｃはゴム環、
８は止め輪である。

斯る従来のトルクリミツタ機構ではテープに異
常な張力がかかつたときにはメカプーリ２と円盤
３ｂとの間ですべりを生じ、メカプーリ２が回転
しているにもかかわらず巻取リール４の回転が制
限され、テープを破損することがない。

然しながら斯る第２図に示す如きトルクリミツ
タ機構は構造が複雑であり、部品点数も多く、し
かも大きな安定したリミツタトルクを発生させる
ためにはメカプーリ２及び円盤３ｂの径を大きく
する必要があり、テープレコーダ、ビデオテープ
レコーダ等の小形化に適さない欠点があつた。

本考案は斯る点に鑑み上述欠点を除去する様に
したものである。

以下第３図を参照しながら本考案回転伝達装置
の一実施例につき説明しよう。この第３図に於い
て第１図及び第２図に対応する部分には同一符号
を付し、その詳細説明は省略する。

本例に於いてはメカプーリ２を回転軸３ａにこ
の回転軸３ａと一体に回転する如く装着すると共
にこの回転軸３ａに早送り用アイドラ３を構成す
る例えばポリアセタール樹脂より成る円盤９を回
転軸３ａと一体に回転する如く装着する。この円
盤９の周面に円周方向の溝９ａを設け、この溝９
ａに例えばラシヤ紙等の円環状のシート１１を介
在してゴム等の弾性体より成るアイドラタイヤ１
０をそのアイドラタイヤ１０の絞め付け力を利用
して装着する。このアイドラタイヤ１０はこの早
送り用アイドラ３が巻取リール４に転接したとき
に、このアイドラタイヤ１０により巻取リール４
を回転する如き厚さとする。又この早送り用アイ
ドラ３を巻取リール４に転接させたとき、この圧
着力という側圧とアイドラタイヤ１０の絞め込み
力とによりシート１１と円盤９との間の摩擦係数
が0.1〜0.3となる如くする。この場合円盤９の溝
９ａの底部とシート１１との間の摩擦によつて円
筒形摩擦クラツチ機構を構成する。その他は第１
図と同様に構成する。

従つて本考案に於いては早送り時には早送り用
アイドラ３のアイドラタイヤ１０を巻取リール４
に所定圧着力で当接する。このときはモータプー
リ１よりの回転駆動力がベルト５によりメカプー
リ２に伝達され、この回転駆動力が円盤９、シー
ト１１及びアイドラタイヤ１０を介して巻取リー
ル４に伝達される。これによりテープを早送りす
ることができる。この場合に於いてテープに異常
な張力がかかつたときはシート１１と円盤９の溝
９ａの底部との間ですべりを生じ、メカプーリ２
が回転しているにもかかわらず巻取リール４の回
転が制限されテープを破損することがない。

又本考案に於いてアイドラ３を構成する円盤
９、シート１１及びアイドラタイヤ１０によりト
ルクリミツタ機構を構成しているので、このトル
クリミツタ機構が簡単となると共に部品点数が少
くて良い利益がある。更に本考案に依ればこのト
ルクリミツタ機構をアイドラ３の内部に組み込め
るので小形化が可能である利益がある。更に本考
案に依れば、シート１１として紙を使用している
ので、トルクリミツタ機構を安価に構成できると
いう利益がある。

尚上述実施例に於いては早送り系に本考案を適
用した例につき述べたが、本考案を巻戻し系等に
適用できることは勿論である。又本考案は上述実
施例に限らず本考案の要旨を逸脱することなくそ
の他種々の構成が取り得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転伝達装置の例を示す線図、第２図
は従来の回転伝達装置の要部の例を示す断面図、
第３図は本考案回転伝達装置の一実施例の要部を
示す断面図である。 １はモータプーリ、２はメカプーリ、３は早送
り用アイドラ、３ａは回転軸、４は巻取リール、
５はベルト、９は円盤、９ａは溝、１０はアイド
ラタイヤ、１１はシートである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転駆動部の駆動力が伝達される合成樹脂製円
   盤の周面に円周方向の溝を設け、該溝にラシヤ紙
   等の紙製の円環状シートを介在して弾性体を、該
   弾性体の絞め付け力によつて、上記紙製円環状シ
   ートを上記溝に圧接して装着して、上記合成樹脂
   製円盤と上記紙製円環状シートとの間の摩擦係数
   を0.1乃至0.3に設定し、上記弾性体を回転部に転
   接圧着することによつて、上記弾性体周面を介し
   て上記回転駆動部の駆動力を回転部に対し、ラジ
   アル方向に伝達する様にしたことを特徴とする回
   転伝達装置。