JPS6141150Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テープレコーダのテープ巻取装置に
関するものである。

従来、テープの早送り或は巻戻しを行なうテー
プレコーダのテープ巻取装置には、その操作性能
を大幅に改善したものとして、正逆回転の可能な
回転体と、この回転体に圧接されたアイドラとそ
れを回転自在に支える変位自在の支持板とからな
るアイドラ組立体とを備え、正方向すなわち早送
り又は逆方向すなわち巻戻しのための巻取時に、
上記回転体の回転方向を逆転せしめて上記アイド
ラを回転体について転動せしめ、巻取リール台又
は供給リール台にアイドラを圧接せしめるように
なしたものがある。

ところが、この従来の巻取装置では、アイドラ
を回転体の圧接力を１本のスプリングで行なつて
いたため、回転体に対するアイドラの圧接を安定
した状態で行なうためには、スプリングを、アイ
ドラの回転中心から遠く離れた支持板上の点と固
定部材との間に張架しなければならない都合上、
固定部材としてのシヤーシが大きくなり、これに
伴いテープレコーダが高さ方向或いは奥行方向で
大型になるという問題があつた。

本考案は上述した点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、テープレコーダを小型
化するのに有効なテープ巻取装置を提供すること
にある。

以下本考案の実施例を図面について説明する。

１ａ及び１ｂはリール軸２ａ及び２ｂと共にそ
れぞれ回転するリール台で、リール軸２ａ及び２
ｂには、カセツトハーフ（図示せず）の一対のリ
ールハブがそれぞれ係合されるようになつてい
る。３はアイドラ組立体で、変位自在の支持板３
１とこの支持板３１上に回転自在に支えられたア
イドラ３２とからなる。アイドラ３２は支持板３
１に植設した軸ピン３２ａに回転自在に装着さ
れ、かつフエルトなどの摩擦材を介してスプリン
グによつて支持板３１に圧接されている。４は正
逆回転の可能なモータ４ａの回転軸４a′にこの回
転軸４a′と共に回転するように固着された回転体
で、上記アイドラ組立体３の支持板３１に穿つた
開口３１′に臨まされている。５は支持板３１と
シヤーシＣ上の固定部材６との間に、上記回転体
４を間に挾むようにした張架された一対のスプリ
ングで、このスプリング５の作用によつて上記ア
イドラ３２の外周面が上記回転体４の周面に圧接
されている。なお、７及び８は支持板３１の浮き
を支持板３１の長手方向の両端でそれぞれ規制し
ている規制部材で、シヤーシ上に固定されてお
り、特にその一方８は上記固定部材６と一体に作
られている。また、３２′はアイドラ３２の外周
の摩擦係数を高めるため装着された弾性リングで
ある。

以上の構成について動作を説明する。

今、第１図の状態において、カセツトハーフ内
のテープを巻戻すため、回転体４を矢印方向に回
転するようにモーダ４ａを回転させると、回転体
４に圧接されているアイドラ３２が回転体４の外
周を矢印方向に転動するようになり、ついには第
２図に示すようにアイドラ３２の外周が供給側の
リール台１ｂの外周に当接するようになり、回転
体４の外周でのアイドラ３２の転動が停止するよ
うになる。このようにアイドラ３２の転動が停止
した状態で、アイドラ３２は矢印方向に回転され
るようになり、アイドラ３２が圧接されているリ
ール台１ｂはテープを巻戻す矢印の方向に回転さ
れる。なお、リール台１ｂに対するアイドラ３２
の圧接力は回転体４がアイドラ３２を転動させよ
うとする力で決り、回転体４の回転を停止させる
ことにより圧接力が解除される。従つて、アイド
ラ３２が回転体４の回転の停止により第２図の状
態の放置された状態になつていても、後の録音・
再生動作時にリール台１ｂの回転に対する抵抗と
なることはない。

第２図の状態から回転体４を矢印と反対方向に
回転するようにモータ４ａを回転すると、アイド
ラ３２は巻取側のリール台１ａの外周に当接する
まで回転体４の外周を矢印方向に転動し、当接後
は回転体４の回転をリール台１ａに伝達してリー
ル台１ａを矢印方向に回転させる。このことによ
りカセツトハーフ内のテープは早送りされること
になる。そしてモータ４ａの回転停止によりリー
ル台１ａの回転が止つて早送り動作が終了する。

本考案は上述したように、回転体の対するアイ
ドラの圧接を、回転体を間に挾んで支持板と固定
部材との間に張架した一対のスプリングにより行
つているため、支持板に対するスプリングの停止
部がアイドラの回転中心に近いところにあつて
も、回転体に対するアイドラの安定した圧接状態
を損なうことがなくなり、従来と同じ長さのスプ
リングを使用した場合には、固定部材に対するス
プリングの係止点をアイドラに近いところに設け
ることができるようになつて、テープレコーダの
高さ或いは奥行を短縮して小型化を計るのに有効
なものである他、回転体を間に挾んだ状態での一
対のスプリングの張架により、アイドラがリール
台に当接した状態で、スプリングの弾力がアイド
ラをリール台に圧接させる力として作用すること
が少なくなるため、アイドラがリール台に当接し
ても、後の録音・再生動作に悪影響を及ぼすこと
がなくなるなどの実用的に極めて優れた効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案いによるテープ巻取装置の実施例
を示し、第１図は平面図、第２図は動作状態を示
す平面図である。 １ａ，１ｂ……リール台、３……アイドラ組立
体、３１……支持板、３２……アイドラ、４……
回転体、５……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正逆回転の可能な回転体と、この回転体に圧接
   されたアイドラとこのアイドラを回転自在に支え
   る変位自在の支持板とからなるアイドラ組立体と
   を備え、正方向又は逆方向巻取時に、前記回転体
   の回転方向を逆転せしめて前記アイドラを前記回
   転体について転動せしめ、巻取リール台又は供給
   リール台に前記アイドラを圧接せしめてなるテー
   プレコーダのテープ巻取装置において、前記回転
   体に対するアイドラの圧接を、前記回転体を間に
   挾んで前記支持板と固定部材との間に張架した一
   対のスプリングにより行うことを特徴とするテー
   プレコーダのテープ巻取装置。