JPS6221870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は換気装置を備えたサンルームに関す
るものである。

家屋に付加設置したサンルームにおいては、夏
期はとくに上部に熱気が溜まり易く、その熱気が
屋内に侵入し、又は熱が屋内に伝導して冷房負荷
を増大させ易い。そのため、従来はサンルームの
上部遮閉物を開閉可能な構造とし、夏期はこれを
開放して熱気を屋外に排出していた。しかし、風
雨時は開放不可能であるため、サンルーム内が非
常に高温多湿になる欠点があつた。また、冬期は
サンルーム内上部に暖気が溜まるが、これを家屋
内に暖房に役立てるには、単にサンルームと家屋
の間を仕切つている建具を開放する程度であつた
ので、最も高温の暖気は依然として上部に停滞
し、有効な対流効果が得られない。いずれにして
も、従来のサンルームにはこれを家屋内の空気調
和に有効に利用することができないという欠点が
あつた。

この考案は、上記の点に鑑み、サンルーム上部
にサンルーム内部を家屋内及び屋外と連通させる
換気装置を設けることにより、夏期は熱気の有効
確実な屋外排除によつて冷房負荷増大防止の効果
が得られ、冬期は暖気の有効な屋内取込みによつ
て、暖房促進効果が得られるようにしたサンルー
ムを提供することを目的とする。

次に、この考案の一実施例を図面に基いて説明
する。

SRは家屋MBに付設されたサンルームであり、
通常の方法により骨組１にガラス板又はプラスチ
ツク板などの遮閉板２を張設して、屋外から遮断
された空間３を形成している。そして、サンルー
ムの空間３と家屋MBの空間４は、通常、一部は
家屋外壁５により、残部は開閉可能な引違い戸、
片引戸又はドア等の建具６で仕切られている。従
つて、建具６を開放しても、サンルーム内上部に
は下方の空気よりも高温の空気（暖気又は熱気）
が溜まり停滞し易い。

この考案では、サンルーム内側上部に、換気装
置ACを備えた。この換気装置は、第２図に抽出
して示されたように、基本的にはダクト７と電動
フアン８とから構成されている。

ダクト７はサンルーム内側に開口する吸気口９
と、この吸気口から家屋内側方向及び屋外方向に
分岐する流路の先端に設えられた二つの排気口１
０，１１とを有し、前記屋内側排気口１０を前記
家屋外壁５の上部に設けた貫通孔１２を介して家
屋内に開口させ、かつ、前記屋外側排気口１１を
サンルームSRの上部側面において屋外に開口さ
せて取付けられる。また、少なくとも屋内側排気
口１０には、サンルーム内又は家屋内で操作可能
な開閉手段１３が備えられている。屋外側排気口
１１にも風雨の吹き込みを防止するため、独立の
開閉手段１４を設けることがよい。

前記電動フアン８は前記吸気口９に取付けら
れ、電源を供給されたときは吸気口を介してサン
ルーム内上部の空気がダクト７内に送り込まれる
ようになつている。電動フアンの電源には、商用
電源又はサンルームSRの上面あるいは家屋の屋
根上面等に設置した太陽電池より蓄電器に蓄えた
電力を用いることができる。

上記構成により、夏期は、サンルーム内温度が
高くなつたときは、第４図に示されているように
屋内側排気口１０を開閉手段１３により閉じて電
動フアン８を駆動すると、サンルーム内上部に溜
まつた熱気が吸気口９よりダクト７内を経て屋外
側排気口１１より屋外へ排出される。

この場合、サンルームの正面下部、又は側面下
部の任意の個所に開閉可能な窓１５を設け、上記
換気装置を稼働させるときにその窓を開放すれ
ば、熱気が排出された分だけ窓１５から冷気が吸
入されるので、換気効率、降温効果が大きくな
る。しかし、窓１５は直接屋外に開放するので、
降雨時は雨、湿気が浸入するおそれがある。

第３図に示すように、サンルームの床１６に多
数の孔１７を設けるとともに、床下に例えば小
石、砂利等の通気性を有し、かつ、熱容量の大き
い物質１８を敷き、その床下空間をサンルームの
基礎１９に設けた孔２０を介して屋外と連通さ
せ、あるいはより好ましくは家屋の基礎２１に設
けた通気孔２２を介して家屋床下空間に連通させ
れば、換気装置稼働時に、サンルームに湿気が入
ることを防止できるばかりでなく、直接外気を吸
い込む場合より格段に低温の空気を採入れること
ができ、従来のサンルームの冷房負荷増大の欠点
を著しく改善することができる。

また、冬期は、好天の日には第６図に示されて
いるように、屋内側排気口１０を開閉手段により
開放して電動フアン８を駆動すると、サンルーム
内上部に溜つた暖気が吸気口９よりダクト７を経
て屋内側排気口１０より家屋内に送り込まれるの
で、屋内暖房効果を得、又は他の暖房器具による
暖房効果を補助することができる。なお、サンル
ームと家屋内を仕切る外壁下部にサンルーム内と
家屋内とを連通する開閉自在の通気孔２３を設
け、その通気孔２３を開放するとともに、建具６
を閉めれば、サンルームと家屋との間の対流効率
が向上し、一層暖房効果が促進される。

上述のように、この考案によれば、冬期はサン
ルーム内上方に溜まる暖気を家屋内に送り込んで
暖房又はその補助に用いることができ、夏期はサ
ンルーム上方に溜まる熱気を屋外に排除してサン
ルーム内の温度の異常上昇を防ぎ、家屋内の冷房
負荷の増大を避けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるサンルームの斜視図、
第２図は換気装置の一例の斜視図、第３図は要部
の縦断面図、第４図は第３図の−線縦断面
図、第５図及び第６図は異なる作用を示す第３
図、第４図に対応する断面図である。 SR……サンルーム、MB……家屋、AC……換
気装置、７……ダクト、８……電動フアン、９…
…吸気口、１０，１１……排気口、１３，１４…
…開閉手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) サンルーム内に開口する吸気口、この吸気口
   に連通口に連通し、かつ、開閉手段により屋内
   に対して開閉される屋内側排気口及び前記吸気
   口に連通し、かつ、開閉手段により屋外に対し
   て開閉される屋外側排気口を有するダクトと、
   このダクトの吸気口に設けられた電動フアンと
   からなる換気装置を、サンルーム上部内側に備
   え、 (ロ) サンルーム下部と屋内を連通する開閉自在の
   開口及びサンルームの下部と屋外を連通する開
   閉自在の開口を設けてなるサンルーム。