JPS6221701Y2

JPS6221701Y2 -

Info

Publication number: JPS6221701Y2
Application number: JP1981116055U
Authority: JP
Priority date: 1981-08-04
Filing date: 1981-08-04
Publication date: 1987-06-02
Also published as: JPS5822406U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は空気圧縮機、エンジン等において発生
する騒音を低減するための消音器の改良に関す
る。

従来、第１図乃至第４図に示す消音器が知られ
ている。まず第１図において、１は共鳴型消音器
で、該消音器１は密閉型の消音器本体２を有し、
該消音器本体２内部に空洞室３が形成されてい
る。該消音器本体２には前記空洞室３を貫通して
流入側面４から流出側面５に延びる管路６が設け
られている。前記消音器本体２は流入側面４の室
側面と流出側面５の室側面によつて定まる室長Ｌ
を有している。該管路６は前記空洞室３内と連通
する円形孔７が設けられている。第２図は前記共
鳴型消音器１の減衰特性を示す特性線図で所定の
周波数において、最も大きな減衰特性を持つてい
る。そして、前記円形孔７の開口面積を大きくす
ると減衰特性のピーク値が低周波数側に移動す
る。

第３図において、１１は膨張型消音器を示し、
第１図と同一構成要素には同一記号を付すものと
するに、１２は流入側面４を貫通して空洞室３に
挿入された流入管路、１３は流出側面５を貫通し
て空洞室３に挿入された流出管路である。前記流
入管路１２の管路端面１４と前記流入側面５の室
側面との距離は前記室長Ｌの1/4の長さで、前記
流出管路１３の管路端面１５と前記流出側面５の
室側面との距離は前記室長Ｌの1/2の長さであ
る。従つて、前記管路端面１４と管路端面１５と
には室長Ｌの1/4の長さのギヤツプ１６が形成さ
れる。第４図は前記膨張型消音器１１の減衰特性
を示す特性線図で、広い周波数帯域において比較
的均一な減衰特性を持つている。

第１図に示す共鳴型消音器１においては、管路
６内を流れる騒音は円形孔７近くに達すると、該
円形孔７、前記空洞室３により共鳴現象を起し、
第２図に示すように所定周波数近傍において大き
な減衰特性を示し、管路６内を流れて排気口（図
示せず）から排出される。一方第３図に示す膨張
型消音器においては、流入管路１２内を流れる騒
音はギヤツプ１６近くに達すると、膨張現象を起
し第４図に示すように広い周波数帯域において比
較的均一な減衰特性を示し、流出管路１３内を流
れ排気口から排出される。そして、流入側面４と
管路端面１４との距離が前記室長Ｌの1/4の長さ
で、流出側面５と管路端面１５との距離が室長Ｌ
の1/2の長さである場合、減衰特性は特に良好で
あることが知られている。

しかし、第１図に示す共鳴型消音器１では広帯
域の騒音を消音することが困難であり、また第３
図に示す膨張型消音器１１では所定周波数近傍で
極端に大きい騒音を消音することが困難である。
上記の欠点を取り除くために、共鳴型消音器１と
膨張型消音器１１とを直列に接続し使用すること
により、消音効果を増大させることができる。し
かし、２つの消音器を直列に接続して使用する
と、消音器内を流れる流体の流体抵抗が増し、圧
力損失が増加してしまい、空気圧縮機においては
気体の吸入効率または吐出効率が低下してしまう
欠点があつた。また、消音器の長さも増大し大型
化してしまう欠点があつた。

本考案は上記した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、消音器本体に形成される単一の空洞室
を用いるのみで、共鳴型消音器と膨張型消音器の
機能を発揮し得るようにした消音器を提供するこ
とを目的とする。

この目的を達成するために、本考案は、内部が
空洞室であり、一側面と他側面とによつて定まる
室長を有する消音器本体を設け、該消音器本体に
は空洞室を貫通して一側面から他側面に延びる管
路を設け、該管路には該管路の長手方向に前記室
長の1/4の長さを有する長溝を設け、該長溝の一
側と前記消音器本体の一側面との間の距離を前記
室長の1/4の長さとすると共に、該長溝の他側と
前記消音器本体の他側面との距離を前記室長の1/
２の長さとし、かつ前記長溝の開口面積を前記管
路の断面積以上となるように構成したことにあ
る。

このように構成することにより、所定の周波数
で大きな減衰特性が得られ、かつ広い周波数帯域
で比較的均一な減衰特性が得られ、単一の消音器
によつて共鳴型消音器と膨張型消音器との機能を
併せて発揮こすことができ、長溝の開口面積を管
路断面積と等しくすることにより、消音器本体で
の圧力損失をなくすことができる。

以下、本考案の実施例を第５図、第６図に基づ
き説明する。

第５図において、２１は本考案に係る消音器を
示し、該消音器２１は密閉型の消音器本体２２を
有し、内部に空洞室２３が成されている。消音器
本体２２には前記空洞室２３を貫通して流入側面
２４から流出側面２５に延びる管路２６を設けら
れている。２７は前記管路２６に設けられ、前記
流入側面２４の室側面と流出側面２５の室側面に
よつて定まる室長Ｌの1/4の長さを有する長溝で
ある。該長溝２７の形状は例えば長方形または楕
円形であり、該長溝２７の流入側内壁２７Ａと前
記流入側面２４の室側面との距離は前記室長Ｌの
1/4の長さで、流出側内壁２７Ｂと前記流出側面
２５の室側面との距離は室長Ｌの1/2の長さであ
る。また、前記長溝２７の開口面積は前記管路２
６の断面積と等しいか、それより大きい。

このように構成される消音器２１は従来技術の
共鳴消音器１と同様の減衰特性を有し、かつ前記
流入側内壁２７Ａと前記流入側面２４との距離が
室長Ｌの1/4で、前記流出側内壁２７Ｂと前記流
出側面２５との距離が室長Ｌの1/2であるから、
従来技術の膨張型消音器１１と同様の減衰特性を
も併せ有する。即ち、管路２６内を流れる騒音は
長溝２７近くに達すると、該長溝２７と、前記空
洞室２３により、共鳴現象及び膨張現象を起し、
第６図に示すように所定周波数近傍において大き
な減衰特性と広い周波数帯域において比較的均一
な減衰特性を示し、管路２６内を流れ排出口から
排出される。このため本考案は比較的簡便な構造
で、高性能な減衰特性を得ることができ、共鳴型
消音器と膨張型消音器を直列に接続しなくてもよ
いから、圧力損失が少ない。特に長溝２７の開口
面積を管路２６の断面積と等しくすることによ
り、消音器本体２２内での圧力損失をなくすこと
ができる。一方、長溝２７の開口面積を管路２６
の断面積より大きくすれば、減衰特性のピーク値
を取る周波数を低周波数側に移動させることがで
きる。

なお、前記長溝２７は１個として説明したが、
管路２６周面に複数設けてもよいものである。さ
らに、騒音は流入側面２４から流出側面２５に向
つて流れるものとしたが、流出側面２５から流入
側面２４に向つて流れてもよいことは勿論であ
る。

本考案に係る消音器は以上詳細に述べた如くで
あつて、下記各項の効果を奏する。

長溝の位置及び開口面積を上述のように設け
たため、所定の周波数で大きな減衰特性が得ら
れ、かつ広い周波数帯域で比較的均一な減衰特
性が得られる。

消音器本体は１個でよく、従来方式のように
複数種類の消音器を組合せて使用する必要がな
いから、圧力損失が少なく、長手方向に小型に
することができる。

長溝の開口面積を管路断面積と等しくするこ
とにより、消音器本体での圧力損失をなくすこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術による共鳴型消音器を示す縦
断面図、第２図は第１図による共鳴型消音器の減
衰特性線図、第３図は従来技術による膨張型消音
器を示す縦断面図、第４図は第３図による膨張型
消音器の減衰特性線図、第５図は本考案に係る消
音器を示す縦断面図、第６図は第５図による消音
器の減衰特性線図である。２２……消音器本体、２３……空洞室、２４…
…流入側面、２５……流出側面、２６……管路、
２７……長溝。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内部が空洞室であり、一側面と他側面とによつ
て定まる室長を有する消音器本体を設け、該消音
器本体には空洞室を貫通して一側面から他側面に
延びる管路を設け、該管路には該管路の長手方向
に前記室長の1/4の長さを有する長溝を設け、該
長溝の一側と前記消音器本体の一側面との間の距
離を前記室長の1/4の長さとすると共に、該長溝
の他側と前記消音器本体の他側面との距離を前記
室長の1/2の長さとし、かつ前記長溝の開口面積
を前記管路の断面積以上となるように構成してな
る消音器。