JPS6220933B2 - - Google Patents

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JPS6220933B2
JPS6220933B2 JP12813879A JP12813879A JPS6220933B2 JP S6220933 B2 JPS6220933 B2 JP S6220933B2 JP 12813879 A JP12813879 A JP 12813879A JP 12813879 A JP12813879 A JP 12813879A JP S6220933 B2 JPS6220933 B2 JP S6220933B2
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chamber
fluid
diameter cylinder
piston
brake
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Yutaka Kawaguchi
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Priority to DE19803037473 priority patent/DE3037473A1/de
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車等の車輛に組込まれる液圧ブレ
ーキ系に於いて、ブレーキペダルに加えられた力
を液圧に変換するマスタシリンダ装置に係る。
ブレーキペダルに加えられた力、いわゆる踏力
をマスタシリンダ装置によつて液圧に変換し、そ
の液圧をブレーキ装置の液圧アクチユエータに伝
達し、それによつてブレーキシユー、ブレーキパ
ツドの如き摩擦部材をブレーキドラム、ブレーキ
デイスクの如き回転部材に押付けてブレーキ作用
を行なうように構成された、いわゆる液圧式ブレ
ーキ系は多くの自動車等に採用されている。
上述の如き液圧式ブレーキ系に於いては、マス
タシリンダ装置のピストン径が大きいと、ピスト
ンの移動量に対するフルード吐出量が多いことか
ら所定のブレーキ作用を得るために必要なブレー
キペダルのストロークは短くなるが、しかし特に
高圧発生域に於いて大きい踏力を必要とする。こ
れに対し、マスタシリンダ装置のピストン径が小
さいと、高圧発生域に於いてもさほど大きい踏力
を必要としないが、しかしピストンの移動量に対
するフルード吐出量が少ないことから所定のブレ
ーキ作用を得るのに必要なブレーキペダルのスト
ロークは長くなる。ところで、マスタシリンダ装
置の必要吐出フルード量は、摩擦部材が回転部材
より引き離された位置より回転部材に係合する位
置まで移動する初期段階に於いては大きく、摩擦
部材が回転部材に係合した後の後期段階ではさほ
ど大きくなく、この後期段階では液圧アクチユエ
ータに供給されるフルード圧力の上昇が要求され
る。特に最近、低燃費化の必要性からブレーキの
引き摺り現象を防止、或は減少するために摩擦部
材と回転部材との間のクリアランスを大きく設定
する傾向があるが、この場合、従来に比して初期
段階に於けるマスタシリンダ装置からのブレーキ
フルードの吐出量は大きくなければならない。ブ
レーキペダルの踏込みストロークを操作フイーリ
ングの観点から一定として、マスタシリンダ装置
からのフルード吐出量の増大を図るにはピストン
径を拡大する必要がある。しかし、ピストン径が
大きいと、上述の如く高圧発生域に於ける必要踏
力が大きくなり、ブレーキペダルの操作フイーリ
ングを悪くし、また大きいブレーキブースタを必
要とする欠点を生じる。
上述の如き欠点に鑑み、ブレーキ操作の初期段
階ではピストンの移動量に対するフルード吐出量
が多く、後期段階ではピストンの移動量に対する
フルード吐出量が少なくなり、ブレーキペダルの
ストロークをさほど大きくすることがなく且つ特
に高圧発生域に於てさほど大きい踏力を必要とし
ない、所謂クイツクテイクアツプ型のブレーキマ
スタシリンダ装置が提案されており、これは例え
が米国特許第4133178号明細書に示されている。
上述の如きクイツクテイクアツプ型のブレーキ
マスタシリンダ装置は、大径シリンダ室と小径シ
リンダ室とを有していて前記大径シリンダ室と小
径シリンダ室とに各々係合する一つの径違いピス
トンが設けられ、大径シリンダ室のフルード圧力
が所定値になるまでは大径シリンダ室からフルー
ドを小径シリンダ室へ送り出してブレーキペダル
のストロークの短縮を図り、大径シリンダ室のフ
ルード圧力が所定値に達した時にはそれ以上大径
シリンダ室のフルード圧力が上昇することを抑止
するためにそのフルード圧力によりリリーフ弁を
開弁させて大径シリンダ室のブレーキフルードを
リザーバタンクへ流出させるようになつている。
上述の如き構造のブレーキマスタシリンダ装置
に於ては、リリーフ弁が開弁した後は大径シリン
ダ室のフルード圧が全く上昇せず、このことは踏
力の低減にはよいが、しかしリリーフ弁が開弁す
る以前と以後とではブレーキペダルの踏込み反力
が急激に大きく変化し、良好なブレーキペダル踏
込みフイーリングが得られない。
また上述のブレーキマスタシリンダ装置に於て
は、大径シリンダ室のブレーキフルードをフルー
ドリザーバへ流すから、フルードリザーバを大型
化する必要が生じるばかりでなく、フルードリザ
ーバの液位変化が大きくなり、これに伴いフルー
ドリザーバの上部空間に対する空気の出入量が増
大し、フルードリザーバへの塵埃侵入量が増大す
る虞れがあり、またブレーキペダルの踏込み解除
時にはそのほぼ全行程に亘つて大径シリンダ室が
負圧状態になることによりピストンの戻りに遅れ
が生じ易くなり、ブレーキの解除がブレーキペダ
ルの踏込み解除に対して応答性よく行われない。
また上述のブレーキマスタシリンダ装置に於て
は、大径シリンダ室のフルード圧が所定値に達す
ると、ブレーキフルードがリリーフ弁を押し開い
てフルードリザーバへ流れるため、リリーフ弁の
弁要素が振動して異音が生じる虞れがある。
本発明はブレーキ操作の初期段階ではピストン
の移動量に対するフルード吐出量が多く、後期段
階ではピストンの移動量に対するフルード吐出量
が少なくなり、ブレーキペダルのストロークをさ
ほど大きくすることがなく且つ特に高圧発生域に
於いてさほど大きい踏力を必要とせず、しかも良
好なブレーキペダルフイーリングが得られる可変
吐出量型の新しいブレーキマスタシリンダ装置を
提供することを目的としている。
上述の如き目的は、本発明によれば、ブレーキ
フルードを貯容するフルードリザーバと、大径シ
リンダボアと小径シリンダボアとを有するシリン
ダ部材と、前記大径シリンダボア及び前記小径シ
リンダボアに各々係合する大径ピストンランドと
小径ピストンランドとを有し前記シリンダ部材と
共働して大径シリンダ室及び小径シリンダ室を郭
定するピストン部材と、前記ピストン部材をその
大径シリンダ室側の復帰位置へ可撓的に付勢する
ばねとを有し、前記シリンダ部材は、前記フルー
ドリザーバと連通した弁室と、前記弁室と前記大
径シリンダ室とを連通接続する第一のポートと、
前記ピストン部材が復帰位置近くにある時に前記
弁室と前記小径シリンダ室とを連通接続する第二
のポートと、前記小径シリンダ室に開口したフル
ード取出口とを含んでおり、更に前記大径シリン
ダ室より前記小径シリンダ室へ向う流体の流れの
みを許す一方向弁と、前記大径シリンダ室に連通
し前記大径シリンダ室のフルード圧力が所定値以
上の時前記大径シリンダ室よりブレーキフルード
を受け入れ前記大径シリンダ室のフルード圧力の
上昇を抑制するアキユームレータと、前記弁室に
設けられ前記ピストン部材の移動及び前記大径シ
リンダ室のフルード圧力に応動し前記ピストン部
材が前記復帰位置にある時或いは前記大径シリン
ダ室のフルード圧力が負圧である時のいずれかで
ある時には開弁して前記フルードリザーバと前記
弁室と連通しそれ以外である時には閉弁して前記
フルードリザーバと前記弁室との連通を遮断する
弁とを有していることを特徴とするブレーキマス
タシリンダ装置によつて達成される。
前記アキユームレータは前記ピストン部材の内
部に組込まれていてもよい。
上述の如き構成によれば、大径シリンダ室のフ
ルード圧力が所定値以上になるまでは、即ちブレ
ーキ作動時の初期段階ではピストン部材の移動に
伴つて大径シリンダ室のブレーキフルードが一方
向弁を経て小径シリンダ室へ流れ、これより小径
シリンダ室のブレーキフルードと共にフルード取
出口より取り出されるので、この初期段階ではピ
ストン部材の移動量に対するフルード吐出量は大
きいものになる。大径シリンダ室のフルード圧力
が所定値以上になると、前記大径シリンダ室内の
ブレーキフルードはアキユームレータ内に取り入
れられ、これによつて前記大径シリンダ室のフル
ード圧力の上昇が抑制され、またフルード取出口
からは小径シリンダ室内のブレーキフルードのみ
が吐出されるようになる。従つてこの時にはマス
タシリンダについてのみ見れば、小径シリンダ室
内のフルード圧力のみが実質的に上昇するように
なり、この結果、さほど大きい踏力を要すること
なくマスタシリンダ装置はその小径シリンダ室に
高圧のフルード圧力を発生するようになる。
上述の如く、本発明によるブレーキマスタシリ
ンダ装置に於ては、大径シリンダ室のフルード圧
力が所定値に達した時にはそれ以上大径シリンダ
室のフルード圧力が上昇することがアキユームレ
ータによつて抑制されるから、この抑制度合がア
キユームレータのばねのばね定数の如何によつて
任意に設定され、その設計の自由度が高く、大径
シリンダ室のフルード圧力が所定値に達した時に
大径シリンダ室のフルードをフルードリザーバへ
流すものに比してブレーキペダルの踏込み過程の
途中でブレーキペダルの踏込み反力が急激に変化
する度合が小さくなり、これにより所期の目的、
即ちブレーキペダルのストロークをさほど大きく
することがなく且つ特に高圧発生域に於てさほど
大きい踏力を必要としないと云うことと、好まし
いブレーキペダル踏込みフイーリングを得ること
とが両立するようになる。
またブレーキペダルの踏込み解除時には大径シ
リンダ室にはアキユームレータよりブレーキフル
ードが速やかに押し戻され、その後に於てはブレ
ーキペダルの踏込み初期に大径シリンダ室より一
方向弁を経て小径シリンダ室へ流れたフルードは
小径シリンダ室より大径シリンダ室に直接戻らな
いことにより大径シリンダ室が負圧状態になり、
これにより弁室の弁が開弁してフルードリザーバ
より大径シリンダ室にブレーキフルードの補給が
行われるが、大径シリンダ室が負圧状態になるの
はピストン戻り過程の終り部分の極く一時であ
り、これによりピストン部材の戻りが大きい遅れ
を生じることなく円滑に行われ、これに応じてブ
レーキの解除がブレーキペダルの踏込み解除に対
して応答性よく行われるようになり、ブレーキペ
ダルの踏込みと解除とが繰返し行われるポンピン
グブレーキ時にもブレーキ作動が応答性よく行わ
れるようになる。
また大径シリンダ室がピストン部材の戻り過程
に於て長期間に亙つては負圧にならないことによ
り大径シリンダ室に対する空気の混入が回避さ
れ、更にキヤビテーシヨンの発生も回避されるよ
うになる。
また本発明によるブレーキマスタシリンダ装置
に於ては、大径シリンダ室のフルード圧力上昇抑
止のためにフルードをフルードリザーバへ流すも
のではないから、フルード圧力上昇抑制時にフル
ードリザーバのブレーキフルードに液位を上昇せ
しめることがなく、これによりフルードリザーバ
を大型化する必要がなく、またフルードリザーバ
の液位はピストン部材の戻り過程終期に於ける大
径シリンダ室のフルードの補給に起因して一時的
にし低減するだけであるから、大径シリンダ室の
フルード圧力上昇抑制のために大径シリンダ室の
フルードがフルードリザーバに流されるものに比
してその液位変化量は極く少なく、これによりフ
ルードリザーバの上部空間に対する空気の出入量
が大きく増大することがなく、これに伴うフルー
ドリザーバへの塵埃侵入量の増加を回避すること
ができる。
また大径シリンダ室とフルードリザーバとの間
にリリーフ弁を設ける必要がないから、リリーフ
弁の開弁時にその弁要素が振動することによつて
異音が生じる如き問題を生じることがない。
アキユームレータがピストン部材の内部に組込
まれていると、ピストン部材内部が有効に利用さ
れてアキユームレータの設置によるブレーキマス
タシリンダ装置の大型化が回避される。
以下に添付の図を用いて本発明を実施例につい
て詳細に説明する。
第1図は本発明によるマスタシリンダ装置をタ
ンデム式マスタシリンダ装置に実施した場合の一
つの実施例を示す縦断面図である。図に於いて、
1はシリンダ部材を示しており、このシリンダ部
材1はその一端部近くに取付用フランジ2を有し
ている。前記シリンダ部材1は、その一方の側に
大径シリンダボア3を、また他方の側に前記大径
シリンダボア3より小径で且つ一端にて前記大径
シリンダボア3に連通する小径シリンダボア4を
互に同一軸線上に有している。前記シリンダ部材
1内には、前記大径シリンダボア3に係合する大
径ピストンランド5と前記小径シリンダボア4に
係合する小径ピストンランド6とを軸線方向に互
いに隔置して有し且つその間に筒状部8を有して
いる第一のピストン部材7と、前記小径シリンダ
ボア4に係合する小径ピストンランド9′を有す
る第二のピストン部材9とが各々その軸線方向に
移動可能に設けられている。前記第一のピストン
部材7は、前記シリンダ部材1の一端部近くに取
付けられたスナツプリング13により図にて右方
への移動を制限され、前記ピストンランド5と前
記小径ピストンランド6との間に前記シリンダ部
材1と共働して前記大径シリンダボア3と前記小
径シリンダボア4とにまたがる第一の室10を郭
定している。また前記第一のピストン部材7の前
記小径ピストンランド6と前記第二のピストン部
材9の小径ピストンランド9′とはその間に前記
シリンダ部材1と共働して第二の室11を、また
第二のピストン部材9は前記第二の室11とは反
対の側に前記シリンダ部材1と共働して第三の室
12を各々郭定している。
前記第一のピストン部材7の前記小径ピストン
ランド6の側の端部に取付けられた取付部材14
と、前記第二のピストン部材9のピストンランド
9′との間及び前記小径シリンダボア4内の端部
に設けられたカツプ状部材15と前記第二のピス
トン部材9の前記小径ピストンランド9′との間
には各々圧縮コイルばね17,18が設けられて
いる。前記第一のピストン部材7にこれが図にて
右方へ向かう力を与えられていない時は、前記第
一のピストン部材7は、図示されている如く、そ
の前記大径ピストンランド5にて前記スナツプリ
ング13に当接する位置にあり、また前記第二の
ピストン部材9は前記小径シリンダボア4の中間
位置にあり、各々復帰位置にある。
前記シリンダ部材1には弁室24が設けられて
おり、弁室24の部分にカツプ状のナツト部材2
1によつてフルードリザーバ22が取付けられて
おり、弁室24は前記ナツト部材21の底部に形
成されたフルード通路23によつてフルードリザ
ーバ22に連通している。前記シリンダ部材1に
は、常に弁室24と前記第一の室10とを連通接
続する第一のポート19と、前記第一のピストン
部材7が上述の如き復帰位置近くにある時のみ前
記弁室24と前記第二の室11とを連通接続する
第二のポート20とが設けられている。前記室2
4内には弁25が設けられている。この弁25は
前記第一のポート19を貫通し前記小径シリンダ
ボア4内に突出して前記小径ピストンランド6の
一側部に選択的に係合するロツド26を有してお
り、前記第一のピストン部材7がその復帰位置に
ある時には、図示されている如く前記ロツド26
にて前記小径ピストンランド6に当接することに
より円錐コイルばね27の作用に抗して傾斜し、
前記フルード通路23を開き、これに対し前記第
一のピストン部材7が前記復帰位置より図にて左
方へ移動した時には、前記小径ピストンランド6
との係合より離脱することにより前記円錐コイル
ばね27の作用によつてそのロツド26が垂直な
状態になり、シール部材25′にて前記ナツト部
材の下底面に密に接触して前記フルード通路23
を閉じるようになつている。また前記弁25は前
記第一のピストン部材7が前記復帰位置に位置し
ていない時でも前記第一の室10のフルード圧力
が負圧になつたときにはその負圧によつて図にて
下方に引き下げられ、前記フルード通路23を開
くようになつている。
また前記シリンダ部材1には前記第一及び第二
のピストン部材7,9の移動にかかわらず常に前
記第二の室11内に向けて開いた第一のフルード
取出口28が設けられている。この第一のフルー
ド取出口28は図示されていない導管を経てブレ
ーキ装置、例えば自動車のリヤブレーキの液圧ア
クチユエータに接続されるようになつている。前
記第一のピストン部材7の前記大径ピストンラン
ド5にはゴム状弾性体よりなる環状シール部材2
9が取付けられている。また前記第一のピストン
部材7の前記小径ピストンランド6にはゴム状弾
性体によつて構成され且つ環状リツプ部30を有
する環状シール部材31が設けられている。前記
環状シール部材31はワツシヤ32と共に前記小
径ピストンランド6と前記取付部材14とによつ
て挾まれた態様にて前記第一のピストン部材7に
固定されている。前記環状シール部材31は前記
第一の室10より前記小径ピストンランド6に設
けられた孔33、前記ワツシヤ32と前記小径ピ
ストンランド6及びシリンダ部材1との間の間隙
を経て前記第二の室11へ向けて流れる流体の流
れのみを許す一方向弁作用を行なうようになつて
いる。
前記第一のピストン部材7の前記筒状部8内に
はアキユームレータピストン34がその軸線方向
に移動可能に設けられている。前記アキユームレ
ータピストン34は前記第一のピストン部材7と
共働してアキユームレータ室35を郭定してお
り、このアキユームレータ室35は前記筒状部8
に設けられた孔36を経て前記第一の室10に連
通している。前記アキユームレータピストン34
はこれと前記第一のピストン部材7に取付けられ
たねじ栓37との間に設けられた圧縮コイルばね
38によつて前記アキユームレータ室35の容積
を減少する方向に可撓的に付勢されている。アキ
ユームレータピストン34は、第2図によく示さ
れている如く、その先端面に十字状の溝39を有
しており、この溝39には常に前記室10内のブ
レーキフルードが前記孔36を経て与えられるよ
うになつている。また前記アキユームレータピス
トン34にはOリング40が取付けられている。
前記ねじ栓37は空気抜き孔41を有しており、
またその端面に半球状の係合孔42を有してお
り、この係合孔42に前記第一のピストン部材7
を駆動するプランジヤ43が係合している。
また、前記シリンダ部材1は前記第三の室13
の端部に開いた第三のポート44を有しており、
この第三のポート44には前記シリンダ部材1に
ナツト部材45によつて取付けられたフルードリ
ザーバ46よりブレーキフルードが供給されるよ
うになつている。前記第三のポート44は前記カ
ツプ状部材15内に設けられた弁47によつて選
択的に開閉されるようになつている。前記弁47
は先端部にフランジ部49を有する弁ロツド48
を有しており、前記フランジ部49にて前記第二
のピストン部材9に取付けられたカバー50によ
つて前記第二のピストン部材9に係合し、前記第
二のピストン部材9が図示されている如き復帰位
置にあるときにはばね51のばね力に抗して前記
小径シリンダボア4の端面より引き離されて前記
第三のポート44を開き、これ以外の時には前記
ばね51の作用によつて前記小径シリンダボア4
の端面に押付けられ、前記第三のポート44を閉
じるようになつている。尚、前記弁47にはゴム
状弾性体よりなるシール部材52が取付けられて
おり、また前記第二のピストン部材9にはOリン
グ53が取付けられている。また前記シリンダ部
材1は前記第三の室12内に向けて開いた第二の
フルード取出口54を有している。この第二のフ
ルード取出口54は図には示されていない導管を
経てブレーキ装置、例えば自動車のフロントブレ
ーキの液圧アクチユエータに接続されるようにな
つている。
図示されている如く、第一及び第二のピストン
部材7,9が各々復帰位置にある時には、弁25
がロツド26にて第一ピストン部材7の小径ピス
トンランド6に当接して傾斜して開弁位置にあ
り、これにより第一及び第二の室10,11が
各々フルードリザーバ22に連通し、フルードリ
ザーバ22よりブレーキフルードを与えられ、ま
た第三の室12はもう一つのフルートリザーバ4
6に連通し、これよりブレーキフルードを与えら
れ、各室に於けるブレーキフルードの圧力はほぼ
大気圧になつている。上述の如き状態からブレー
キペダルが踏込まれてプランジヤ43が図にて左
方に駆動されると、第一及び第二のピストン部材
7,9が各々圧縮コイルばね17,18のばね力
に抗して図にて左方へ移動する。すると、前記第
一のピストン部材7の小径ピストンランド6が弁
25のロツド26との係合より離れ、弁25が円
錐コイルばね27のばね力によりナツト部材21
の下底面に押付けられ、フルード通路23を閉
じ、また弁47がばね51のばね力により小径シ
リンダボア4の端面に押付けられ、前記第三のポ
ート44を閉じるようになる。これにより第一〜
第三の室10,11,12は各々フルードリザー
バ22,46との連通より遮断され、前記第一の
室10内のブレーキフルードは前記第一のピスト
ン部材7の移動に伴いそれの小径ピストンランド
6が前記第二のポート20を通り越すまでは主に
第一のポート19,弁室24、第二のポート20
を経て第二の室11内へ流れ、また前記小径ピス
トンランド6が前記第二のポート20を通り越し
た後には孔33、ワツシヤ32と前記小径ピスト
ンランド6及びシリンダ部材1との間の間隙を経
て更に環状シール部材31の環状リツプ部30を
その縮径方向に弾性変形させながらそれを乗り越
え、前記第二の室11内へ流れ、いずれの場合も
第二の室11内のブレーキフルードと共に第一の
フルード取出口28より図示されていない液圧ア
クチユエータへ向けて送り出される。従つて、こ
の時には第一のピストン部材7の移動量に対して
比較的多量のブレーキフルードが第一のフルード
取出口28より吐出される。また第三の室12内
のブレーキフルードは前記第二のピストン部材9
の移動に伴つて第二のフルード取出口54より図
示されていないもう一つの液圧アクチユエータへ
向けて送り出される。尚、この実施例の場合、第
二のフルード取出口54より吐出されるブレーキ
フルードのピストン部材の移動量に対する吐出量
は前記第二のピストン部材9の全ストローク中、
実質的に一定である。
第一のピストン部材7が上述の如く図にて左方
に移動すると、それに伴い第一のフルード取出口
28よりブレーキフルードが吐出され、また第一
及び第二の室10,11内に於けるフルード圧力
も上昇し始める。前記第一の室10のフルード圧
力が所定値に達すると、アキユームレータピスト
ン34が圧縮コイルばね38のばね力に抗して図
にて右方に移動するようになり、これに伴い第一
の室10内のブレーキフルードは孔36よりアキ
ユームレータ室35内に受入れられるようにな
る。このため引き続き第一のピストン部材7が左
方に移動しても第一の室10のフルード圧力はさ
ほど上昇せず、その上昇抑制度は圧縮コイルばね
38のばね定数により決まり、第二の室11のフ
ルード圧力のみが引き続き上昇するようになる。
従つて、この時、第一のピストン部材7はさほど
大きい力を要することなく移動する。
今、第一のピストン部材7を図にて左方に移動
させるのに必要な力をF、第一のピストン部材7
の大径ピストンランド5の受圧面積をA1、第一
のピストン部材7の小径ピストンランド6の受圧
面積をA2、第一の室10のフルード圧力をP1
第二の室11のフルード圧力をP2、圧縮コイルば
ね17,18のばね力をfとすると、前記力Fは
下式によつて与えられる。
F=P1(A1−A2)+P2A2+f 従つて、前記第一の室10のフルード圧力P1
上昇が第二の室11のそれに比して抑制されれ
ば、前記第一の室10内の圧力が前記第二の室1
1内のフルード圧力と同様に上昇する時に比して
力Fは小さくなる。この結果として、上述の如く
第一のピストン部材7の移動が進んでも第一のピ
ストン部材7はさほど大きい力を要することなく
移動する。
第一の室10のフルード圧力P1はこれが前記所
定値に達した後もアキユームレータピストン34
の図にて右方への移動に伴い圧縮コイルばね38
のばね定数により決まる上昇率をもつて徐々に上
昇するから、ブレーキペダルの踏込み途中にてブ
レーキペダルの踏込み反力が急激に変化する度合
が小さい値に保たれる。
前記第二の室11には所定のフルード圧力が発
生し、そのフルード圧力が図には示されていない
ブレーキ装置の液圧アクチユエータに伝達されて
所定のブレーキ作用が行なわれ、その後ブレーキ
作用を解除すべくブレーキペダルの踏込みが解除
されてプランジヤ43が図にて右方に後退する
と、それに伴い第一及び第二のピストン部材7,
9が各々圧縮コイルばね17,18のばね力によ
つて各復帰位置へ向けて移動し、これに伴いブレ
ーキ装置の液圧アクチユエータに与えられていた
ブレーキフルードが第二及び第三の室11,12
内に戻されるようになる。またこのときアキユー
ムレータ室35内に受入れられていたブレーキフ
ルードが第一の室10内に戻る。アキユームレー
タ室35内に受入れられていたブレーキフルード
の全てが第一の室10内に戻つても第一の室10
内のブレーキフルードは第二の室11へ流出した
分だけ不足しているので、更に第一のピストン部
材7が復帰位置へ向けて移動すると、第一の室1
0のフルード圧力は負圧状態になる。この負圧は
弁25に作用し、弁25を円錐コイルばね27の
ばね力に抗して引き下げるようになる。このため
フルード通路23が開かれ、第一の室10にはそ
の不足分に相当する量のブレーキフルードがフル
ードリザーバ22より補給される。そして前記第
一のピストン7が図示されている如き復帰位置近
くにまで戻ると、第二のポート20が再び第二の
室11と連通し、また弁25のロツド26が第一
のピストン部材7の小径ピストンランド6に当接
して傾動してフルード通路23が開かれることに
より前記第一の室10より前記第二の室11へ流
れた量に相当するブレーキフルードが第二の室1
1より前記第二のポート20、弁室24及びフル
ード通路23を経て前記フルードリザーバ22内
へ戻される。
第3図は本発明によるマスタシリンダ装置の他
の一つの実施例を示している。尚第3図に於いて
第1図に対応する部分は第1図に付した符号と同
一の符号により示されている。かかる実施例に於
いて、第1図に示された実施例と異なつている所
は、アキユームレータピストン34の先端部に切
欠35′が設けられていることと、シリンダ部材
1の外部にもう一つのアキユームレータ55が設
けられていることだけである。アキユームレータ
55は前記シリンダ部材1に取付けられたケーシ
ング56と、前記ケーシング56内に設けられた
アキユームレータピストン57とを含み、前記ア
キユームレータピストン57の上部にアキユーム
レータ室58を郭定している。アキユームレータ
室58は孔59を経て前記第一の室10に連通し
ており、又前記アキユームレータピストン57は
圧縮コイルばね60によつて前記アキユームレー
タ室58の容積を減少する方向に可撓的に付勢さ
れている。このアキユームレータは前記第一のピ
ストン部材7に組込まれたアキユームレータと同
様に、前記第一の室10のフルード圧力が所定値
以上のとき前記第一の室10内のブレーキフルー
ドを受入れ、その第一の室10内のフルード圧力
の上昇を抑制するようになつている。尚、前記ア
キユームレータピストン57はOリング61を有
しており、又ケーシング56は空気抜き孔62を
有している。
この実施例の場合には第1図に示された実施例
に比してアキユームレータの容量が大きくなる。
また、アキユームレータは第3図に示された実
施例に於けるアキユームレータ55の如く、シリ
ンダ部材1の外部にのみ設けられていてもよい。
また、第4図は本発明によるマスタシリンダ装
置の他の一つの実施例を示している。尚、第4図
に於いて第1図に対応する部分は第1図に付した
符号と同一の符号により示されている。第4図の
実施例に於いては、ナツト部材21にオリフイス
通路63が設けられている。この場合、第一の室
10は常に前記オリフイス通路63を経てフルー
ドリザーバ22に連通している。前記オリフイス
通路63は小さい通路であり、このオリフイス通
路63を通つてフルードリザーバ22へ流れるフ
ルードの流量は極くわずかであり、従つて、第一
のピストン7が図にて左方に移動し、第一の室1
0内のフルード圧力が所定値以上になるまでは第
一の室10内のブレーキフルードはその大部分が
上述した実施例と同様に第二の室11へ流れる。
前記第一の室10のフルード圧力が所定値以上に
なり、その後に更に前記第一のピストン部材7が
図にて左方へ移動すると、第一の室10内のブレ
ーキフルードがアキユームレータピストン34を
図にて右方に押しやりながらアキユームレータ室
35内に入り、上述した実施例と同様に第一の室
10内のフルード圧力が上昇することを抑制す
る。またこの時にも第一の室10内のブレーキフ
ルードがオリフイス通路63を経てフルードリザ
ーバ22へわずかながらも流れるので、これによ
つても第一の室10内の圧力上昇が抑制される。
また、何らかの原因により第二の室11内に所定
のフルード圧力が発生する以前にアキユームレー
タピストン34がねじ栓37に係合する最後退位
置まで移動し、アキユームレータが飽和状態にな
つた場合にはそれより更にピストン部材7を図に
て左方に移動させるのに必要な力はその以前に比
べて大きくなるが、この時も引き続き第一の室1
0内のブレーキフルードがオリフイス通路63を
経てフルードリザーバ22へ流れることにより、
その力が極端に大きくなることが回避される。
またこの場合には弁室24、換言すれば、第一
の室10、更にはアキユームレータ室35はオリ
フイス通路63によつてフルードリザーバ22と
常に連通しているから、ブレーキペダルの踏込み
が中間位置にて停止されると、前記アキユームレ
ータ室35のブレーキフルードがオリフイス通路
63を通つてフルードリザーバ22へ流れ、これ
によりアキユームレータの復帰が行われ、再度の
ブレーキペダルの踏込み時にアキユームレータが
再度有効に作動するようになる。
尚、上述した実施例に於いては、タンデム型マ
スタシリンダ装置の一方の系統にのみ本発明を実
施したが、本発明は必要に応じタンデム型マスタ
シリンダ装置の両系統に組込まれてもよく、また
本発明はシングル型のマスタシリンダ装置にも適
用できることは勿論のことである。
以上に於いては、本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらに限られる
ものではなく本発明の範囲内にて種々の実施例が
可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるマスタシリンダ装置の一
つの実施例を示す縦断面図、第2図は第1図に示
されたマスタシリンダ装置に組込まれたアキユー
ムレータピストンの先端部を断片的に示す斜視
図、第3図及び第4図は本発明によるマスタシリ
ンダ装置の他の実施例を示す縦断面図である。 1…シリンダ部材、2…取付用フランジ、3…
大径シリンダボア、4…小径シリンダボア、5…
大径ピストンランド、6…小径ピストンランド、
7…第一のピストン部材、8…筒状部、9…第二
のピストン部材、9′…小径ピストンランド、1
0…第一の室、11…第二の室、12…第三の
室、13…スナツプリング、14…取付部材、1
5…カツプ状部材、17,18…圧縮コイルば
ね、19…第一のポート、20…第二のポート、
21…ナツト部材、22…フルードリザーバ、2
3…フルード通路、24…弁室、25…弁、2
5′…シール部材、26…ロツド、27…円錐コ
イルばね、28…第一のフルード取出口、29…
環状シール部材、30…環状リツプ部、31…環
状シール部材、32…ワツシヤ、33…孔、34
…アキユームレータピストン、35…アキユーム
レータ室、36…孔、37…ねじ栓、38…圧縮
コイルばね、39…溝、40…Oリング、41…
空気抜き孔、42…係合孔、43…プランジヤ、
44…第三のポート、45…ナツト部材、46…
フルードリザーバ、47…弁、48…弁ロツド、
49…フランジ、50…カバー、51…ばね、5
2…シール部材、53…Oリング、54…第二の
フルード取出口、55…アキユームレータ、56
…ケーシング、57…アキユームレータピスト
ン、58…アキユームレータ室、60…圧縮コイ
ルばね、61…Oリング、62…空気抜き孔、6
3…オリフイス通路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ブレーキフルードを貯容するフルードリザー
    バと、大径シリンダボアと小径シリンダボアとを
    有するシリンダ部材と、前記大径シリンダボア及
    び前記小径シリンダボアに各々係合する大径ピス
    トンランドと小径ピストンランドとを有し前記シ
    リンダ部材と共働して大径シリンダ室及び小径シ
    リンダ室を郭定するピストン部材と、前記ピスト
    ン部材をその大径シリンダ室側の復帰位置へ可撓
    的に付勢するばねとを有し、前記シリンダ部材
    は、前記フルードリザーバと連通した弁室と、前
    記弁室と前記大径シリンダ室とを連通接続する第
    一のポートと、前記ピストン部材が復帰位置近く
    にある時に前記弁室と前記小径シリンダ室とを連
    通接続する第二のポートと、前記小径シリンダ室
    に開口したフルード取出口とを含んでおり、更に
    前記大径シリンダ室より前記小径シリンダ室へ向
    う流体の流れのみを許す一方向弁と、前記大径シ
    リンダ室に連通し前記大径シリンダ室のフルード
    圧力が所定値以上の時前記大径シリンダ室よりブ
    レーキフルードを受け入れ前記大径シリンダ室の
    フルード圧力の上昇を抑制するアキユームレータ
    と、前記弁室に設けられ前記ピストン部材の移動
    及び前記大径シリンダ室のフルード圧力に応動し
    前記ピストン部材が前記復帰位置にある時或いは
    前記大径シリンダ室のフルード圧力が負圧である
    時のいずれかである時には開弁して前記フルード
    リザーバと前記弁室と連通しそれ以外である時に
    は閉弁して前記フルードリザーバと前記弁室との
    連通を遮断する弁とを有していることを特徴とす
    るブレーキマスタシリンダ装置。 2 特許請求の範囲第1項のブレーキマスタシリ
    ンダ装置に於て、前記アキユームレータは前記ピ
    ストン部材の内部に組込まれていることを特徴と
    するブレーキマスタシリンダ装置。
JP12813879A 1979-10-03 1979-10-03 Brake master cylinder device Granted JPS5650844A (en)

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US06/190,747 US4384458A (en) 1979-10-03 1980-09-25 Variable ratio brake master cylinder with relief accumulator
GB8031490A GB2062785B (en) 1979-10-03 1980-09-30 Variable ratio brake master cylinder with relief accumulator
DE19803037473 DE3037473A1 (de) 1979-10-03 1980-10-03 Hauptbremszylinder

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JP12813879A JPS5650844A (en) 1979-10-03 1979-10-03 Brake master cylinder device

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