JPS6220630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は断熱引戸等の建具を建込んでなる断熱
片引き窓に関するものである。

従来、特に寒冷地方において、開口枠がアルミ
型材等の金属製サツシ枠である場合、及びそのサ
ツシ枠内に建込まれる建具がアルミ型材等の金属
製である場合、室外の冷気がサツシ枠を伝わつ
て、あるいは建具を伝わつて室内側に伝導し、サ
ツシ枠あるいは建具の室内面に結露水が結露し、
室内を汚損してしまうことが多々あつた。

また、寒冷地方においては従来使用されている
サツシの断熱性についても充分ではなかつた。

このような問題点に対処するため従来では第５
図に示すように片引き戸５あるいは窓枠１の対向
面に２条の気密材を取付け、略方形状に連通する
断熱空気層を形成していた。

しかし、このような断熱空気層であると、第５
図に矢印で図示するように、断熱空気層内で対流
が生じてしまい、断熱効果を低下させてしまうお
それがあつた。

本考案はこのような従来の欠点を解消するため
に案出されたものであり、以下図面に示す実施例
に基いて説明する。

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は断熱片引き窓Ａを示す正面図、第２図，第３
図，第４図は第１図の−線，−線断面
図，−線断面図である。

図面において符号１は窓枠を示す。該窓枠１は
室外側枠２と室内側枠３とを断熱材４ａを介して
接続してなり、かつ方形状に枠組まれて形成され
ている。

また符号５は片引き戸を示す。該片引き戸５は
竪框６，６と横框７，７とその框内に配されるガ
ラス８とから構成される。

ところで、この片引き戸５の框６，７は室外側
框部９と室内側框部１０とを断熱材４ｂを介して
接続し構成してある。

なお、室外側框部９と室側框部１０との間に介
在される断熱材４ｂはその面を室内外方向に向け
て取付けられている。

また第２図を参照してみると、窓枠１の室内側
にはアタツチメント部材１１取付用の凹溝１２が
形成されている。この凹溝１２内に嵌着してアタ
ツチメント部材１１は取付けられる。しかして、
このアタツチメント部材１１は室内側アタツチメ
ント１３と室外側アタツチメント１４とを断熱材
４ｃを介して接続し構成されている。

さらに前記アタツチメント部材１１には、断熱
材４ｃに隣接して気密材１５が取付けられてい
る。

そしてこの気密材１５は前述した片引き戸５に
取付けられた断熱材４ｂに当接可能とされてい
る。

すなわち該片引き戸５を閉めたとき、この片引
き戸５は室内側に引き寄せられ片引き戸５の断熱
材４ｂと気密材１５とが密着するように構成され
ている。

さらにアタツチメント部材１１には前記気密材
１５の取付位置近傍位置に第２気密材１６が取付
けられており、この第２気密材１６も片引き戸５
の室内面に当接可能とされている。

次に第３図を参照して説明すると、中骨２１の
気密材１５の近傍には若干の距離をおいて第２気
密材１６が取付けられている。

また一方の窓竪枠１ｂにおいても、片引き戸５
を閉めた際、該片引き戸５の框部に取付けられた
断熱材４ｂに当接可能な気密材１５が取付けら
れ、その近傍には若干の距離をおいて第２気密材
１６が取付けられている。

よつて前記片引き戸５を閉めたとき、該片引き
戸５の框部に対向する窓枠１の対向面には前記気
密材１５と第２気密材１６によつて断熱空気層が
形成されることになる。

しかしながら、本考案による断熱空気層は上部
断熱空気層３０、下部断熱空気層３１及び両竪部
断熱空気層３２，３２等の複数の断熱空気層に形
成されている（第６図）。

すなわち窓枠１及び中骨２１等に取付けられた
気密材１５及び第２気密材１６によつて方形状の
断熱空気層が形成されるが、そのコーナー部３３
にはそれぞれ正方形状の仕切気密材３４が取付け
られ、もつて上部断熱空気層３０、下部断熱空気
層及び両竪部断熱空気層３２，３２に分割してあ
る。

なお、前記仕切気密材３４の取付け高さは、気
密材１５及び第２気密材１６の取付け高さと同等
若しくは若干低めであつても構わない。

なお、該仕切気密材３４によつては、コーナー
部断熱空気層３５が形成されるものであり、さら
に断熱効果が高められる。

符号１７は固定戸を示す。該固定戸１７は前記
窓枠１の一方側に固定的に取付けられている。

この固定戸１７の中骨２１は、室外側中骨材１
９と室内側中骨材２０とを断熱材４ｄ，４ｅ及び
気密材１５を介して接続して形成されている。

そして、この固定戸１７は第３図に示すように
前記室外側中骨材１９の一部と室内側中骨材２０
に係止された押縁２２とで形成される嵌め溝２
３、竪枠の室内側枠２の一部と室内側枠３に係止
された押縁２２とで形成される嵌め溝２３、及び
第４図に示す室内側枠２、室外側枠３とで形成さ
れる嵌め溝２３，２３に二重にガラス８，８を嵌
め込んで形成してある。

そして前記のように、前記中骨２１及び一方の
竪窓枠１ｂに取付けられた気密材１５及び第２気
密材１６は、片引き戸５を閉めて、該片引き戸５
が室内側に引き寄せられたとき、片引き戸５の断
熱材４ｂに密接するよう構成されている。本考案
は以上の構成からなり、二条の気密材は窓枠のコ
ーナー部で仕切つてあるので引戸を窓枠側へ引寄
せた時引戸と窓枠との対向面に上部断熱空気層、
下部断熱空気層および両竪断熱空気層の複数に分
割された断熱空気層を形成することになり、従来
のような断熱空気層内での対流を生ずることな
く、したがつて断熱効果を低下させることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である片引き戸を示
す正面図、第２図、第３図は第１図の−線断
面図、−線断面図、第４図は第１図の−
線断面図、第５図は従来の断熱空気層を示す概略
図、第６図は本案の断熱空気層を示す概略図、第
７図は本考案の要部拡大斜視図である。 Ａ……片引き窓、１……窓枠、１ｂ……窓竪
枠、２……室外側枠、３……室内側枠、４ａ，４
ｂ，４ｃ，４ｄ，４ｅ……断熱材、５……片引き
戸、６……竪框、７……横框戸、８……ガラス、
９……室外側框部、１０……室内側框部、１１…
…アタツチメント部材、１２……凹溝、１３……
室内側アタツチメント、１４……室外側アタツチ
メント、１５……気密材、１６……第２気密材、
１７……固定戸、１９……室外側中骨材、２０…
…室内側中骨材、２１……中骨、２２……押縁、
２３……嵌め溝、３０……上部断熱空気層、３１
……下部断熱空気層、３２……竪部断熱空気層、
３３……コーナー部、３４……仕切気密材、３５
……コーナー部断熱空気層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 室外側枠２と室内側枠３とを断熱材４ａを介し
   て接続してなる枠材を上枠、下枠並びに左右の縦
   枠と前記上下枠間に架設した中骨２１として枠組
   みして断熱片引き窓枠１を形成し、室外側框部９
   と室内側框部１０とを断熱材４ｂを介して接続し
   てある引戸５を前記窓枠１内に建込んでなり、前
   記上下枠と一方の建て枠並びに中骨２１の室外面
   には二条の気密材１５，１６を互いに間隔をおい
   て取付けてある断熱窓において、 前記二条の気密材１５，１６は引戸５を閉める
   と共に引戸を窓枠１側へ引寄せた時引戸５と窓枠
   １との対向面に上部断熱空気層３０、下部断熱空
   気層３１及び両竪断熱空気層３２，３２の複数に
   分割された断熱空気層を形成すべく窓枠のコーナ
   ー部３３で仕切つてあることを特徴とする断熱
   窓。