JP4852054B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された片引き戸における建具枠では、その左右略中央位置において上枠と下枠とに渡って上下に延びる縦骨が架設され、この縦骨と一方の縦枠との間に開口部が形成されるとともに、縦骨と他方の縦枠との間に戸袋(障子収納部)を構成するパネル材が取り付けられている。そして、縦骨の脱衣室側に障子の召合せ框が重なって開口部を覆う閉鎖状態と、縦骨およびパネル材の脱衣室側に沿って開放されて戸袋に収納される開放状態との間を障子が開閉移動可能に構成されている。このような片引き戸において、上枠、下枠、戸先側の縦枠および縦骨の脱衣室側側面には、それぞれ止水材が設けられており、これらの止水材が閉鎖状態の障子に浴室側から当接または摺接することで、浴室内の水が脱衣室側に漏れ出ないようにされた止水構造が構成されている。
このような構成によれば、副止水部材本体部をヒレ部で周縁部が構成された有孔中空箱状に形成したことで、その剛性を高めつつ障子との摺接抵抗の増大を防止することができ、副止水部材の形状を安定させて主止水部材および枠体との当接状態を維持することができる。
このような構成によれば、副止水部材本体部における障子の閉鎖方向端部側に一対の当接片部を設けたことで、これら一対の当接片部および副止水部材本体部を壁状に連続形成することにより、掛かった水を障子の閉鎖方向(例えば、浴室内部側)に向かってスムーズに戻すことができる。さらに、副止水部材本体部における障子の開放方向端部側に突起部を設けたことで、当接片部と主止水部材との間から水が漏れたとしても、突起部が水返し片として機能し、この突起部よりも障子の開放方向側への流出を防止することができる。
このような構成によれば、枠体側召合せ部および障子側召合せ部にそれぞれ枠体側係合片および障子側係合片を設け、枠体側係合片に副止水部材本体部を固定するとともに、枠体側係合片に主止水部材が当接するように構成したことで、障子開閉時における主止水部材と枠体との摺接が確実に防止できる。すなわち、枠体側召合せ部において、見込み方向の障子側に最も突出して位置する枠体側係合片に主止水部材を当接させることで、枠体側係合片以外の位置と主止水部材とのクリアランスが確保でき、障子開閉時に主止水部材が枠体に摺接しないようにできる。また、枠体側係合片に設けた切欠きに圧入して副止水部材本体部を固定することで、副止水部材の取付が容易にできるとともに、枠体側召合せ部への加工も簡単化することができる。
このような構成によれば、障子収納部に収納されて全開される片引き形式の障子を有した建具において、一方の縦框(召合せ框)に主止水部材を設けた、縦骨に一対の副止水部材を設けることで、障子閉鎖状態における止水性能を確保することができる。そして、障子の開閉操作時に主止水部材が枠体に摺接しないことで、音鳴りや摩擦抵抗を低減するかなくすことができ、操作性を向上させることができる。
このような構成によれば、上枠および下枠に設けた上止水部材および下止水部材と、一対の副止水部材の他方の当接片部とが接続されているので、この接続部における水漏れを防止して止水性能を向上させることができる。ここで、副止水部材の他方の当接片部は、上止水部材および下止水部材に直接接触する形態で接続されていてもよく、また、上枠および下枠の枠材の一部(例えば、止水材保持部等)を介して接続されていてもよい。
このような構成によれば、面材を見込み方向一方側(例えば、脱衣室側)から保持する第1保持部と、面材を他方側(縦骨側であり、例えば、浴室側)から保持する第2保持部とを有した凹溝部において、第2保持部を突片で構成し、この突片が上下左右の框の端面と略同一面に設けられていることで、他方側に偏った位置に面材を支持することができる。このように面材を縦骨側に偏らせた場合でも、前述のように主止水部材が縦骨に設けられていないことで、主止水部材が面材に摺接することがなく、音鳴りを防止しつつフラットな外観による優れた意匠性の建具が構成できる。
図1は、本実施形態に係る建具である浴室出入り口用の片引き戸1を示す横断面図であり、障子10を閉じた状態を示す横断面図である。図2は、片引き戸1において、障子10を若干開いた状態を示す横断面図である。図3は、片引き戸1を示す縦断面図である。図4および図5は、それぞれ障子10を示す縦断面図および横断面図である。
図1〜図3において、本実施形態の片引き戸1は、繊維強化プラスチック製の浴槽(不図示)や浴室床F1(防水パン)、浴室壁等からなる浴室ユニットで構成された浴室と、この浴室に隣接する脱衣室との出入り口に用いられる建具である。この片引き戸1は、上枠2、下枠3および左右の縦枠4,5を枠組みした枠体としての建具枠6と、この建具枠6内部に片引き形式に開閉可能に支持された1枚の障子10と、建具枠6内部に固定される固定面材8とを備えて構成されている。建具枠6の上枠2、下枠3および縦枠4,5は、脱衣室の天井材Cや床材F2、額縁材G等に固定されており、建具枠6の内部には、上枠2と下枠3とに渡って上下に延びる縦骨7が架設されている。
障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13,14を四周框組みした障子枠15に、面材としての樹脂パネル16を嵌めこんで構成されている。そして、図1、2の左側の縦框13(戸先框)には、障子10を開閉操作するためのハンドル17が固定されている。このような障子10は、上枠2に設けられた上レール2Aと下枠3に設けられた下レール3Aとに、それぞれ上框11と下框12の戸車とが案内されて左右にスライド開閉できるようになっている。そして、障子10は、縦框13が縦枠4に当接し、かつ障子側召合せ部としての一方の縦框14が枠体側召合せ部としての縦骨7の脱衣室側に重なって開口部6Aを覆う閉鎖位置と、当該障子10の略全体が障子収納部8Aに収納される開放位置と、の間を開閉移動可能に構成されている。
縦骨7の一方側(脱衣室側)の側面における障子10の閉鎖方向側の端部には、縦骨7の長手方向(上下方向)に沿って延びかつ脱衣室側に開口したモヘア保持部71が形成され、このモヘア保持部71には、図1、2に示すように、脱衣室側に延びて障子10の浴室側側面に摺接可能なモヘア72が設けられている。また、モヘア保持部71の脱衣室側先端部には、障子収納部8A側に延びる枠体側係合片73が形成され、この枠体側係合片73に障子10の障子側係合片部144が係合可能になっている。すなわち、枠体側係合片73は、縦骨7の脱衣室側側面から脱衣室側に突出するとともに障子10の開放方向(図2、6の右側)に折れ曲がって形成されている。
(1)すなわち、障子10の召合せ框である縦框14に設けた縦AT材146が縦骨7の枠体側係合片73に当接するとともに、障子10を開けば縦AT材146が建具枠6に摺接しないよう構成されている。従って、障子10の開閉移動時に縦AT材146と建具枠6とが摺接しないようにできるので、摺接音が防止できるとともに、摩擦抵抗を低減して障子10の開閉操作性を良好にすることができる。また、縦骨7における枠体側係合片73の上下端部に一対の副止水部材20が設けられ、障子10を閉じた状態で縦AT材146の上下端部と副止水部材20とが当接することで、召合せ部における縦のタイトラインを連続させることができ、水漏れの原因となる隙間等ができないことで止水性能を確保することができる。
例えば、前記実施形態では、浴室出入り口用の建具としての片引き戸1を例示して説明したが、本発明の建具は、浴室出入り口用の建具に限らず、建物の窓や出入り口に用いられるものであってもよい。また、前記実施形態では、1枚の障子10を有した片引き形式の建具について説明したが、これに限らず、2枚以上の障子が開閉自在に支持された二枚建てや三枚建ての引き戸でもよい。
さらに、枠体としては、前記実施形態のように縦骨7を備え、この縦骨7によって枠体側召合せ部が構成されたものに限らず、例えば、袖壁などの面状体で障子収納部(戸袋)が構成され、この面状体の側端縁によって枠体側召合せ部が構成されていてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含
まれるものである。
Claims (7)
- 枠体と、この枠体に開閉自在に支持された障子とを備え、前記枠体側に設けられた枠体側召合せ部と前記障子側に設けられた障子側召合せ部とが見込み方向に重なって当該障子が閉鎖可能な建具であって、
前記障子側召合せ部には、前記障子を閉じた状態で前記枠体側召合せ部に当接するかまたは近接する主止水部材が当該障子側召合せ部の長手方向に沿って設けられ、
前記枠体側召合せ部の長手方向両端部には、前記障子に当接するかまたは近接するとともに、前記主止水部材の上下端部に当接可能な一対の副止水部材が設けられ、
前記副止水部材は、前記枠体側召合せ部に固定される副止水部材本体部と、この本体部から前記枠体側召合せ部の長手方向に沿って互いに反対向きに突出する一対の当接片部とを有して形成され、
前記一対の当接片部は、それぞれ弾性変形可能に構成され、これらの当接片部のうち、一方の当接片部の先端が前記障子の開放方向に曲がって形成されるとともに前記主止水部材の端部に当接可能に設けられ、他方の当接片部の先端が前記障子の閉鎖方向に曲がって形成されている建具。 - 前記副止水部材本体部は、見込み方向に延びる板状のヒレ部で周縁部が形成されるとともに、前記障子に向かって開口した全体有孔中空箱状に形成され、前記ヒレ部の先端が前記障子に摺接可能に構成されている請求項1に記載の建具。
- 前記副止水部材本体部において、前記障子の閉鎖方向端部側に前記一対の当接片部が設けられるとともに、前記障子の開放方向端部側には、前記一方の当接片部と同一方向に突出する突起部が形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
- 前記枠体側召合せ部には、前記障子に向かって突出するとともに当該障子の開放方向に折れ曲がった枠体側係合片が形成され、前記障子側召合せ部には、前記障子を閉じた状態で前記枠体側係合片に係合可能な障子側係合片が形成され、前記副止水部材本体部は、前記枠体側係合片に設けた切欠きに圧入して固定され、前記主止水部材は、前記枠体側係合片に当接可能に設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
- 前記枠体は、四周枠組みした上枠、下枠および左右の縦枠と、前記上枠と下枠とに渡って架設した縦骨とを有して構成され、前記縦骨の左右いずれかの側に開放した前記障子を収納する障子収納部が設けられ、
前記障子は、上框、下框および左右の縦框を框組みした内部に面材を支持して構成され、前記上框および下框がそれぞれ前記上枠および下枠に案内されて前記縦骨の見込み方向一方側に沿って左右開閉自在に支持され、
前記縦骨によって前記枠体側召合せ部が構成されるとともに、前記左右の縦框のうちの一方の縦框によって前記障子側召合せ部が構成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。 - 前記枠体の上枠、下枠には、それぞれ見込み方向一方側に突出して前記障子の上框および下框に摺接可能な上止水部材および下止水部材が設けられ、これら上下の止水部材に前記副止水部材の他方の当接片部が接続されている請求項5に記載の建具。
- 前記障子の上框、下框および左右の縦框は、それぞれ見付け方向内方に開口して前記面材の端縁を保持する凹溝部を有して形成され、
前記凹溝部は、前記面材を見込み方向一方側から保持する第1保持部および他方側から保持する第2保持部を有して形成され、この第2保持部は、前記上下左右の各框における見込み方向他方側の端面と略同一面に設けられた突片で構成されている請求項5または請求項6に記載の建具。
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